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食べ蒔き二期生レポート 6月上旬・ゴーヤ発芽

前回までに辛うじて発芽が確認された二期生だが、その殆どが発芽しないか、ほどなく全滅。
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しかし、このまま何も起こらないのでは生育など望めないだろうし、それこそ収穫を得るどころの話ではなくなってしまう。

そんな危機感もあり、5月よりタネ蒔きを継続していた訳ですが、この6月になり何とか「形」となり始めます。


して、如何なる状況だったのか。

では、いざ。


🌑6月上旬・ゴーヤ発芽🌑

前回、5月下旬の失敗時点で、別の発芽方法を試していたゴーヤ。


先ずは結果から言うと、以下の様な具合いである。
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今度は見事に発芽。
概ね二週間ほどで、良さげなサイズまで伸びてくれている。
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発芽方法は単純に、紙コップの底にヒタヒタに水で湿らせたティッシュを敷き、その上にゴーヤのタネを置き、ラップを被せて室内で保管するだけ。

後は、日当たりの良い位置に置き、紙コップ内の温度を上げれば、ものの数日で発芽します。


昨年度も全く同じ方法で発芽させているが、こんな事なら最初からこうしておけば良かったと言えなくもなく。
「卵パック」では外に置いていたのだけど、やはり温度が低かったのだろうか。



とは言え、必ずしも全てが発芽に成功した訳では無く、そのスピードや成長率にはバラつきがあり、ほんの少し芽を出したものや、あるいは全く生えていないのもチラホラ。
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一方、コチラは良好な個体と、遅い個体が混在。
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この成長率もコップ毎に「高成長」、「中成長」、「低成長」と言った違いがあり、これが同じ期間、同じ環境で栽培する中で、やがて生育の成否が分かれる要因ともなる。


このうち最も良さげな姿のものから、順次ポット(と言うかコップ)に移し替え、またビニールを被せながら保温しておく事に。
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ちなみに、念のため卵パックで発芽しなかった方のタネをチェックしてみると、外観上は特に異常が見当たらない。
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しかし、いざ中身を割ってみると、何だか白くふやけていて、しかも猛烈な臭いが鼻を突く。
それはもう、水槽の中で死んだザリガニなどと全く同じ腐臭である。
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これは恐らくタンパク質が発酵している為だと考えられ、昨年度のメロンでも全く同じ現象が起きていた。

この要因としては、発芽しないタネが保温される事で土壌の微生物や酵素の分解効果により発酵してしまったか、もしくは温度が足りず発芽が停止し、生命力が目覚めないまま腐ってしまったかの何れかと考えられる。


まぁ、どちらにせよ同じ行程で生えるものと生えないもので分かれるのが、自然の摂理でもある。
紙コップで保温した方も、発芽しないタネほどカビやコケが生えやすい事を確認している点から言えば、結局は生命力が足りなかったのが実情となろう。
ある意味では、熱を通しても開かないアサリやシジミみたいなものと言える。

この現象はタネの外観では殆ど見分けがつかないので、蒔いてからもマメに状態をチェックする必要があるのだろう。



さて、今回のゴーヤについては、昨年度に新たに採種した二品種を使用している。
どちらも品種は不明だが、いわゆる市場に出回っている緑色で果実が大きくなるタイプのもので、外観上の違いは殆ど無かった。

ただし、タネの外見やサイズには少し違いがあり、その片方は「タネは大きいが、中身がスカスカに薄いもの」と、もう片方は「タネは小さいが中身がミッチリ詰まっている」ものとなる。

その発芽率については、どちらかと言えば前者の「タネは大きいが、中身がスカスカに薄いもの」の方が高く、逆に後者では低い傾向にあった。


基本的に植物のタネは、「中身がミッチリ詰まっているタネの方が良い」と言われている訳だが、今回に関しては、その「パターン」や「セオリー」が外れた事になる。

この要因の特定は難しいが、有り体に言えば単純に前者の方が「外見より生命力が強かった」と言うだけの話であり、後者では「実は生命力が低かった」か、もしくは「気温や環境などの発芽条件が合わなかった」と言う話になるだろう。


これは一期生のフィードバックでも記したが、どうやらゴーヤの発芽率とは殻の質感より中身(胚)の生命力が重要で、必ずしも外見と相関関係にはならない様である。
culrides.hatenablog.com

この「次も生えそうなタネを持っていそうな品種」を探すのも難しい所なのだが、逆に言うなら、発見出来れば「次の次も生える」可能性がある訳で、継続的な栽培にも光明が差すことになる。

大体、植物にしろ作物にしろ、そうやって世代を繋いできたのだから、まるっきり不可能では無いはずだ。
ここは一つ、皆様でも試してみるのをオススメしておきます。

もっとも、そこまでする必要があるかは謎ではあるし、最初から「ちゃんとしたタネ」を買えば効率的なのは確かではあるが。



一方、前回に「今年は諦めた」と述べたカボチャであるが、ダメ元で発芽作業を継続していた。


それで一応は生えたものの、ご覧の通り卵パック8個入りに対して1本だけ。
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昨年度に比べ極度に低い打率であり、また葉の勢いも足りず、色艷も頼り無い。
そして案の定、この後にポットに移し替えはしたものの、苗になる前の段階で枯れてしまった。

まぁ、このまま生育しても収穫までは持たなかった可能性が高い状態ではあったが…。


うーん、やはり今回はタネ選びから失敗していたか。
あるいは、これが園芸用品として袋入りで売られている「普通の品種」であれば、二年越し、三年越しのタネでも使えたのだろうか?

どうあれ食べ蒔きでは、如何にして「生命力が高い品種」を探り当てるかで、成功するか否かが分かれる所なのだろう。



って言うか、毎度同じ感想を抱くのだけど、この様な「次世代が育たない作物」って、生物として成立するのかどうか疑問ではある。

どの植物でも「タネの使用期限」はあるのだろうけど、仮に鮮度の良いタネを使い収穫まで行ったとして、そのタネからは上手く育たないのでは、まったく「そもそも論」としか言いようが無い。

逆に言えば、生命力の弱いタネしか出来ない作物が主流な現代を鑑みるに、実は人間にも同じ現象が起きていていて、何やら因果めいたもので全て繋がっている様に感じてならないのが正直なところ。

本当に大丈夫なのか、人類よ。


などと妙な老婆心を覚えつつ、次回に続きます。



では、また、CUL。