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食べ蒔き二期生レポート 9月中旬・ゴーヤの結実と適温

前回は、今期最大のサイズと収量となるゴーヤをゲット。
culrides.hatenablog.com


それら全て、非常に美味である事も確認されました。


その後となる今回はと言えば、大して取り上げる様な収穫物もトピックも無いのが実情。
今期らしく「通常営業モード」に元通りである。

なので、ボリュームを確保する意味でも、ちょっとした考察を記す事に致しましょう。


では、いざ。


🌑9月中旬・ゴーヤの結実と適温🌑

9月上旬から空けて二週間ほど経つ頃になり、列島を台風15号が襲撃。
各地で甚大な被害をもたらす事となる。

被災された方々におかれましては、その心労を察するにあまりある事、慎んでお見舞い申し上げます。



して、こちら二期生に関しても軒並み薙ぎ倒される被害を受けたものの、いずれも何とか生育を維持していた。

もっとも、根本的に今期は実りに恵まれない状況が続いているので、これと言った不都合が無かった点だけは不幸中の幸いではある。


逆に言えば、今回の台風によって受けた甚大な農業被害を思うに、ますます食糧自給率の課題がクローズアップされる結果となったのも事実。

何せ、一軒の農家が出荷停止になるだけで、その「供給力が丸ごと停止してしまう」と言う脆弱性まで露になってしまった。
これは即ち、それだけ自給率が低下した事も意味している。


然るに、ここは一つ、やはり食べ蒔き(実生)でも生育可能な作物と農法を出来るだけ確立しておき、何処の誰でも育てられられる様に「皆で検証」を進めておいた方が良いのでは無いかと思えてならないのだが、如何だろう。



などと偉そうに宣ったものの、この中旬で言えるトピックとしては、やはりゴーヤの経過のみとなる。
ただ、9月上旬の収穫から一転、そして台風に伴う雨風により体力を消耗してか着果率は一段落していた。


一応、幾つか継続して結実していたものもあるにせよ、あまり大きくならず成長が止まってしまうものがチラホラ。

この果実も、約10cm程に成長してからは全く変化しないままであった。
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触った感じではプヨプヨと柔らかく、何だかソフトビニールのオモチャみたい。
言うなれば、「未熟な未熟果」とも表現しうる感触である。



試しに割ってみる。
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スポンジ状の組織の中には、タネが1列だけ入っている。
右側の切り口に小さなタネが写っているが、やはり全体的に白く半透明で未熟だ。


同じウリ科で言えば、スイカの未熟なタネにクリソツ。
文字通り「ウリ二つ」である。

無論、ここから再び生えるなど考え難いので、流石に土へ戻しておいた。



さて、今回の未熟果について要因を挙げると、単純に「優先順位の低い果実」だったものと思われる。

と言うのも、前回のゴーヤが一定以上のサイズまで成熟していた段階で、そちらへ養分を回すのに注力していたはずだからだ。


また、一つの株ごとに成長率の違いがある以上、必然的に「養える果実の数」にも違いが出る事になり、果実へ回す養分の量も調整しなければならなくなる。

となると、全ての小さい果実にまで養分を配分していては供給量が追い付かないばかりか、自らの生命力も持たなくなってしまいかねない。
それを防ぐが為に、今回の様に未熟な果実は未熟なまま、成熟が後回しになるのだろう。


だがしかし、「栄養価の高い果実」ばかりでは外敵に狙われ易くなり、必ずしもタネの成熟まで持つとは限らなくなって来る。
それは即ち、種の生存率が下がる事も意味し、子孫を残すと言う点では不都合が生じる事になる。

なので、それら優先的な果実が失われた時の「予備」として、幾つか余分に未熟果が作られる事となる。
この予備が、いわゆる「摘果」や「間引き」相当としてカウントされている。

要するに、前回のゴーヤは「優先順位が高い果実」であり、そして今回のゴーヤは「予備」であったが為に「優先順位が低い果実」だったと考えられるのだ。



更に、今期のゴーヤの結実に関して、8月下旬のレポートでは「気温が高すぎてもダメらしい」とも記している。
culrides.hatenablog.com


例えば、昨年度と今年7月~8月の真夏日に関しては異常な高温が続いており、作物の生育には厳しい状況にある事はニュース等でも報道されていた通り。
なので、やがて季節が進むにつれ暑さが和らげば、再び結実率が高まり、収穫に繋がるであろうとの予測も立てていた。


実際、昨年度は梅雨明け頃に結実→真夏日の続く盛夏に一段落→秋に入って再び結実。

と言った「二期作」的なサイクルを繰り返していたので、今期にも適用されるものと考えている。


つまる所、現状における結実率の低さとは、「優先順位の高い果実を収穫した後の一段落」と、「高温による夏バテ」が複合的に重なった為に起きているものと推察される訳です。


従って、現状で出来る対応はと言えば、「環境的条件が合致するタイミング」まで焦らずジックリ機を待つのがキモ。

と言う事になるのでしょう。



とまぁ、いずれも希望的観測に過ぎないので確信には足りないが、まるっきりダメと言う訳でもないはず。

まだ暫くは、観察と見守りを続ける事に専念するのみであります。



では、また、CUL。