CULrides カルライズ

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食べ蒔き三期生ダイジェスト 5月下旬・ゴーヤのタネ蒔き&トマトの発芽

今年の春は明らかに日中の平均気温が高かった。

例年、5月で30℃を越える日など殆ど無いに等しく、かつては真夏日になるなんて珍現象扱いであったが、何故か全国各地で頻発。
なんだか常態化しているかの様でもある。


しかし夜間は普通に冷え込むためか、この気温差によって保温温度の調整に手こずり、上手く発芽させられずにいた。
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そんな例年になく暑い気候で思い出されるのが、ゴーヤである。
この機に乗じて、コチラも発芽に取りかかりたい。



今回、用意したタネは昨年度に使った余りの二年モノ(画像左)と、昨夏に市場の品種から採種した一年モノ(画像右)。
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これらに加え、昨年度の「収穫物から採種されたタネ」も試してみた。
その採種したタネに纏わる話がコチラである。
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これは確か、2018年に採種したタネ(一世)→2019年に栽培し収穫したもののタネ(二世)で、いわば今期では「三世」にあたる。

ならば、二世のタネから三世が生えるかどうか試してみようじゃまいか。



発芽の方法は、これまで通り。
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改めて概要を記すと、先ずコップの様な容器にティッシュを敷き、幾つかタネを置いたら、全体が湿るくらいの水を注ぎ、ラップを被せて保温し、室内の暖かい場所や日なたに置くだけ。



なのだが、ここから一週間経ってもサッパリ生える様子が無い。
しかも、品種を問わず全てのタネで、である。
これまで気温条件さえ合えば3日もすれば芽が出て来たのに、何故だ?

確か、昨年度の二期生でも5月までは発芽が上手く行かず、6月に入るあたりから発芽していた。
その意味では今期も同じパターンとなるだけの話なのかも知れないが、この「発芽後の伸び率」については明らかな違いが出ているのだ。


よく観察してみた所、タネの切り口から白っぽい組織がチョコっと出てはいるし、全体的に膨らんでいる様子もある。

だが、それ以上の変化は無いに等しく、一度は目覚めたものの今は「停止」しているかの様な印象。
その後は、どんなに日当たりの良い場所に置いても変わらず、本当にタネが生きているのか怪しさが漂う。



そう言えば、5月上旬にトマトの発芽で失敗した時も、「昼夜の気温差が激しすぎて日中に保温しても夜間に冷やされてしまう」との仮説を述べていたが、その状況は下旬に入っても変わらずであった。

この気温差が厄介で、何と言うか、日中は一気に気温が上がり過ぎだし、そこから夜間は一気に下がり過ぎて、適温を保てないシーンばかりなのだ。


とすると、このゴーヤも気温差により、「発芽していいんだかダメなんだか分からない」状態なのだと推察する事が出来る。
確かに、少なくとも一期生や二期生では無かった現象だし、あの当時は保温温度が一定に保たれていたので辻褄は合う。



どちらにせよラチが明かないので、そのままコップでの保温を継続しつつ、卵パックでも同時進行で発芽を試みる事に。

この理由としては、環境を変えればスイッチが入りやすくなる可能性があるから。
気温だけでは無く、土壌に含まれる養分や微生物の作用により、植物が本来持っている生命力が引き出されるのでは無いかと考えたのだ。

その結果は、6月上旬の記事にて記そう。



ちなみに、昨年度に採種したゴーヤのタネで、もっともダメダメな状態だったのがコチラ。
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ご覧の様に、全体的に殻が柔らかくて割れやすく、中身もペラペラに薄いものばかり。
まず発芽しないであろうクオリティである。


これらは全て同じ市販の品種から採種したもので、比較的サイズも大きかったもののタネなのだが、採種後に乾燥させてからすぐパリパリになってしまい、一年も経たずこの有り様だった。
採種した当時はデカイタネだと思ってヌカ喜びしたけど、これでは殆ど全てのタネが使えない事になる。


これまで当プロジェクトでは、未熟果のタネを中心に使っているが、それでも中身が詰まってはいたし普通に栽培も出来ていた。
だが、たまに外見上では普通以上なのに、何故かこの例の様にスカスカなタネばかりの品種があったりする。

この違いが一体何なのかは不明であるが、とりあえず外見上で果実やタネが大きいからと言って、必ずしも中身のクオリティとは比例しないパターンもあると言う事なのだろう。



実は昨年度にも、このゴーヤのタネに関する不思議な現象を記している。
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この当時は、何故か「中身がミッチリしてるタネ」より「中身がスカスカのタネ」の方が発芽率が高いと言う結果になっていた。


何だか捕え処の無い話だが、要するにゴーヤのタネは外見と中身が一致しないパターンがあり、生えなさそうなのに生えたり、生えそうなのに生えなかったり、みたいな現象が起こったりする。

その意味では、やはり出来れば複数の品種を集めておき、試せるだけ試しておく方が、栽培の成功率も高まるのでは無いかと思います。



一方、このタイミングで、卵パックで保温を続けていたトマトのタネが発芽する。
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かなりの数を蒔いたつもりだが、生えた本数的にはパヤパヤ程度。
一期生の時にも思ったが、意外とトマトの発芽率は低く、結構な手数が要る印象。

まぁ、実生なのでタネ自体の生命力がスポイルされている点は否めないにせよ、成功率を鑑みればタネは沢山揃えておくに越したことは無い。
この辺は、どんな作物でも同じ事なのだろう。



ほんで、この生えたばかりの芽も大事に紙コップへ移植。
ちなみに、こういった小さい芽を掘り出したり移植する際は、使用済みのスプーンを使うのが便利でオススメです。
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少しづつ出揃い始めて来た感はあれど、余談を許さない状況。

苗を揃えるには遅れ気味なので、どうやら6月も発芽に注力せざるを得なさそうである。

果たして今期はどうなる事やら。



では、また、CUL。