CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

食べ蒔き三期生ダイジェスト 6月中旬・ヤケクソモードで直播きしまくる件

さて、相変わらず発芽に手子摺る当プロジェクト。
culrides.hatenablog.com

前回までは、それでも何とか生えてきたものについて触れて来ました。



して、この間に新たに生えたのが、卵パックで保温していたゴーヤ。


現段階までに殆ど失敗に終わっていたが、6月も中旬になって昼夜の気温差が安定して来たからか、一挙に4個ほど発芽。
f:id:culrides:20201025154426j:plain


コレらは全て、「一年モノ」のタネである。
f:id:culrides:20201025154449j:plain



更に、同時期にカボチャも一個だけ発芽。
f:id:culrides:20201025154517j:plain

昨年度は発芽すらせず完全な失敗に終わったが、今期は如何に。


ちなみに、正直このタネが一年モノだったか二本モノだったかは定かで無いのだが、確か多分、昨年度に採種した一年モノだったはず。

しかしながら、どちらにせよ発芽率は極端に低く、このカボチャも結構な数を蒔いたつもりだが、現状で生えたのはコレ一本だけ。
一期生では、もっと少ないタネで数本発芽していただけに、その率の低さは明らか。
culrides.hatenablog.com



とまぁ、徐々に発芽も本格化してはいるものの、その中で未だ顔を出していないのが、メロンとスイカである。


実は、これらも5月の再始動以降、同時進行で卵パック保温を試していたが、一向に発芽しない状況が続いていた。
使っているタネも、鮮度の高いであろう一年モノを使っているのに、そりゃもうピクリとも反応ナッシングである。

少なくとも、不作であった昨年度の二期生では一応生えてはいたし、苗にもなっていた。
ましてや、一期生では最も発芽率が高かったのがメロンであり、むしろ蒔いたぶんだけ生えてくる勢いであったくらいだ。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com


逆に言えば、これまでと同じ様なタネで、同じ条件下で保温していて、何で今期は上手く生えないのか謎が多すぎる。
しかも、過去の一期生と二期生の生育状況と比較しても、今期は全体的に生命力や「活性」が低い状況に思える。

ここまでの状況証拠を集めるに、やはり気候に何かしらの要因を求められる気がしてならないが、イマイチ決め手に欠けるし確証が無い。

そんな中で、いま出来る事と言えば、この不利な条件に合う成長パターンを探るだけ。
如何にしてリカバリーが出来るかどうかが重要となるのだろう。



そんな訳で、ここからヤケクソモードに突入。



ここまで今期のパターンを探るに、卵パックで保温していたトマトよりも、「図らずも畑に直播きされていたタネ」の方から先に発芽するシーンが何度かあった。

特に、今期は例年に無く日中は暑いのに夜が寒い状況が多い。
この外気温の温度差により、卵パックも急に温められたかと思えば急に冷やされたりで、タネとしても「生えていいの?ダメなの?どっち?」と混乱している可能性が有りうる。

となれば、実は「土中の方が急激な温度変化が少なく、適温に保たれ易くなっている」と考える事も出来るだろう。



そこで、時ここへ至るに、手持ちのタネを手当り次第、あちこち「直播き」する路線へ変更。
f:id:culrides:20201025154642j:plain

上の画像にあるタネは左から、カボチャ、メロン、スイカで、いずれも一年モノと二年モノが混在。
ここへ更にゴーヤの余りも追加し、畑の空いたスペースに埋めまくってみた。


これら全ては、現在までに掻き集めて来たものの一部なのだが、ある意味では在庫一掃セールに近い状況と言えなくもない。
ただ、どちらにせよ、これ以上の期間保存すると鮮度落ちする可能性があったし、実際に二年モノでは発芽率が落ちるらしい現象も確認されている。


まさにゴチャ混ぜ、生えればサクセス。

とにかく、まずは苗が出来ない事には何も始まらない以上、生える確率を上げるのが最優先。
ならば、生命力が保持されている内に投入しておこうかなと。
この中から僅かでもイケてる個体が出てくれば結果オーライである。



して、その蒔き方に規則性は殆ど無く、とりあえずカボチャの列、メロンの列と言った程度に、まるで田植えの如く20cmくらいの間隔でタネを埋めて行く。

その次に、撒いた場所の表土を全面的にオガクズで覆って保温と保湿性をプラス。
これにより日中は地温を一気に上げるだけでなく、夜間の冷えた空気をブロックする効果を狙う。
まさに「天然のマルチシート」である。



更に、この直播きを選択した時点で、今期は「畑を耕さずに栽培」する方式を選択。
もう、そのまんま、その辺の雑草と同じ様に、フラットな地面で生育させる事にしてみた。

強いて他の理由を言えば、畝を立てるとスペースが足らず過密化する可能性があるのと、今さら耕したり植え替える場所を考る余裕が無いから。
このままでは更に生育期間が遅れるのは間違いなく、とにかく早く発芽させる事を優先。
ある意味、苦肉の策である。


ちなみに以前、こうして「全く耕さずに栽培する農法」があると雑誌かテレビかで知ったのだけど、少なくとも当プロジェクトでは初の試みなので、果たして本当に上手く行くのかは未知数である。

ただ確かに、普通の雑草は土壌が踏み固められていてもホイホイ生えてくるし、世代も跨いでいる。
そう考えると、この方式では、より自然な形で「本当にイケてる個体」だけが生き残る事になるのだろうし、移植や間引きの手間も少なく済みそうなので理には適っているとは言えそうだ。


また、他のメリットとしては、土壌の保水力が高まるであろう点も挙がる。

何故なら、畝を立てた場所は「線(点)」なので、その部分しか水分を保持出来ないが、耕さずフラットな場所では「面」を作る事になり、文字通り土の全面で保水する事になる。
そこで植物の根が横に広がり絡み合う事で、更に土壌全体での保湿性も高まると考えられるからだ。

そのぶん水捌けは悪くなるのだろうけど、どちらにせよ成長期には水が必要だし、特に盛夏となれば土が乾燥しがちである事を思えば、やはり保水力があるに越したことは無い。


その上で、「より自然な形で、より手間要らずで、より生命力を開花させられるか」と言った要素の実現に近付ければいいかなと。

ま、体のよい言い訳ではあるにせよ、とにかく今は何でも試してみるのみ。



目覚めよ、雑草魂!



そんな具合で、経過観察を続けて参りましょう。




おまけシリーズ。



前回に続いて、ジャガイモの葉の上にいたナナホシテントウ
f:id:culrides:20201025154730j:plain

カマキリの幼虫と同じく、やはりアブラムシを食べてくれる重要な存在。



更に、ササグモ?も登場。
f:id:culrides:20201025154757j:plain

この後日、ウリバエが別の種類のクモの巣に捕らえられたシーンも目撃する事に。



しかし、ジャガイモにばかり色々な虫が出現するのは何故なのか。
やけに鉄壁の防御体制であるが、今の所まともに生えてる植物がコレだけである事を思えば必然か。


いずれにせよ賑やかな光景だし、ここは集まりやすい環境なのだろう。
この様に、様々な種類の生物が互いに拮抗する事で、病害虫の偏りを防いだり、生息域の環境が保たれているんだろなぁと、しみじみ実感する。

その意味では案外、カマキリ、テントウムシ、クモを積極的に活用する農法があっても良いんじゃないかと思わなくもないが、それもまた人の都合に過ぎないか。

無粋な話は抜きにして、好きなように過ごさせておきましょうかね。



では、また、CUL。