前回6月下旬までに、何とか発芽し育苗を続けていた3期生たち。
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して季節は進み、この7月に入るあたりから急に梅雨の空模様。
それを境に一気に雨量が増す。
しかし、まさか、以後1ヶ月もの間まともに日が射さず、ひたすら雨の日ばかりが続く事になろうとは、この時点で誰が想像しただろうか。
そのせいか、今年の7月は記録的な長雨と日照不足に見舞われ、各地でも夏野菜への影響が相次ぐ。
そんな状況ゆえ、既に上旬からして天候に恵まれない日が続いていたせいで、このままでは苗を植えるタイミングを失いかねない。
本来なら6月半ばまでには定植を終えておきたかったが、今年は成育の遅れから余計にタイミングを逃し気味だ。
どちらにしても、あまりズルズル引っ張ってもいられなくなった為、ここは一先ず雨の間を縫って定植を実施する事に。
して、ここまでに生き残った候補生の一部が以下である。
まずはトメイトゥの苗。
これが今期で一番大きい個体で、割りとガッチリしたルックス。
梅雨入り直前あたりから急成長し、根元からは気根がワサワサ伸びている。
これは恐らく根がポット内部で詰まっていて、更に伸ばせる先を模索していたせいだろう。
ポリポットから取り出すと、なかなかの密度である。
うん、やはり早く定植しておかねば。
しかし、その他に用意できた個体は、いずれも成長率が低く、貧弱な個体ばかりである。
この画像にある一群は、先の個体よりも一回り以上小さく、何だか頼りなさが漂う。
ポットから取り出すと、やはり根の密度は薄め。
更にその内の一本の土を落とすと、かなりヒゲが短い事が判る。
この時点で正直、もはや期待出来ないも同然な状態である。
ただ、それとて結果などは最後まで解らないし、せっかく生えて来たのだから試す価値は残されている訳で、何せ捨てるよりはマシだ。
このまま定植し、最後まで見守ってみる事に。
さて、次に用意できたのはゴーヤの苗である。
6月まで継続していた発芽作業が功を奏してか、ヤケクソで直播きしたものも全て含めて、これまでに最多となる約10本の個体が揃う。
その成長率にはバラツキがあるものの、一先ずここまで生え揃った事に安堵。
先日までは、あまりに発芽率と成長率が低すぎて、よもや今年はダメかも知れない予感が過るほどでしたからね。
で、これらは昨年度までの場所と並行して、更に数ヶ所スペースを分散させる形で定植。
それぞれの成長率の違いなども検証しつつ、経過を見守って行く。
ほんで、残った最後の一種類が、このカボチャの苗。
今期の中では一番まともに成長した苗の一つであり、その意味では貴重な個体。
とは言え、実際は過去の個体(2018年の1期生)と比較するに随分と小さいものであり、心もとなさは否めない。
果たして無事に成長を維持できるのか、そして結実から収穫まで達成されるのか、やれるだけやってみるしかあるまい。
しかしながら、昨年度もだが、今期における成長率の低さは何なのだろう。
タネのバリエーションや数も揃えたはずだし、あれだけ沢山撒いておきながらコレだけとは、一体何が原因なのだろう。
この一因としては、いわゆる連作障害の可能性が疑われる。
実際、2018年の一期生では栽培した作物の全種類が収穫出来たし、思った以上の成長率を実現していた。
然るに、この土壌にある必須栄養素などを使い果たしている可能性はありうるし、そうでなくとも「相応に消耗」しているはずだ。
しかし一方、そもそもの発芽率からして低く、苗の成長も遅かった点を考えると、直接的な原因とするには足りない気もする。
やはり一期生での発芽率は全体的に今より高かったし、苗も元気な個体が多かった点を振り返れば、その違いは明らかだ。
そんな中で一つ、ここニ年ほどの間で少し気になっていた現象がある。
それは。
もしかして、近年「ますます野菜が自力で次世代を残せない性質になっているのではないか?」
と言う仮説である。
いや、イキナリ過ぎてトンデモ風に聞こえるかもしれないが、可能性としては有り得る線だし、過去の検証結果からしても確かな実感があったりする。
と言うのも、昨年度から今年にかけての事、市場の野菜から新しくタネを採種してみると、やけに中身がスカスカだったり、その形質が安定していない品種が多くなってきた印象が強いからだ。
具体的に言うと、例えばメロンでは過去と同じ品種と比べて、ここ最近の果実から採種したタネには全く中身が入っておらず、水に浸けると殆どが浮いて来るといった現象が急増していて、まともに使えそうなタネが残ってくれないパターンばかり。
それまでは中身が詰まっていて、水に沈んでいた方が多かったのに、だ。
しかも、これはカボチャやゴーヤなどでも似たような症状が出ていて、外見上はイケてそうでも、いざ採種して乾かしてみたら中身がスカスカといった例を幾つも確認している。
また過去の記録と比較しても、2017年に採種し冬越しさせてから2018年で育てた様々な作物のタネでは、いずれの品種でも中身がミッチリ詰まっていて、大きさや外観の質も安定していた記憶があるし、実際それなりの結果が現れていた。
だが、2018年に新しく採種し2019年に育てたタネでは、これまでに記して来た様な貧果が続いていおり、2019年採種のタネを使用している今期でも同様の現状がある。
これらの状況証拠からして、同じ品種でも「一昨年までのタネは高確率でイケてるけど、去年から今年のタネは殆どイケてない」などという現象が連続した事になるのだが、そんなパターンが果たして、様々な品種でも同時多発的に起こるものだろうか?
これが自然界だったら、本当に絶滅しかねない状況に思えてならないが。
もっとも、上記は単なる仮説に過ぎないし、この観測が果たして「気のせい」なのか「やっぱりそうだった」となるのか、イマイチ確信が持てないのが正直なところ。
他にも作物が不作になったり、植物の分布が変化する要因は幾つも存在するだろう。
ただし、少なくとも現状では「殆どのタネが不能になっていて、いずれの品種も世代を跨げなくなっている」だけの理由が存在する事は確かである。
多分このまま、どれもこれも、まともなタネが残らない状況が続いたとして、後に起きるのは…。
人間、そろそろヤバそうだぞ。
おまけシリーズ。
定植中に土を掘っていたら、不意に土中からバタバタッと生命反応。
何かと思えば、ニホントカゲの♀。
しかも、幾つか白い卵を抱えていて、どうやら保温?の真っ最中だったらしい。
こうして土を耕していると、トカゲが飛び出してくる事が時々あるのだが、抱卵しているシーンは初めてである。
どうでも良い話だが、これを見て昔ダウンタウンのごっつええ感じで「産卵」とか言うコントがあった事を思い出す。
今まさに、「産ませてよ」と言ったところか。
しかし、この後はどうしたら良いか分からず暫く観察したり写真を撮ったりしていたが、発見された事に耐えかねてか♀は唐突に猛ダッシュで逃走。
ちょっ、奥さん、卵…。
もしや早く埋め戻すべきだったか?
ちと驚かせてしまったなぁと思いつつも、残された卵に触れてみると、思いのほかプヨプヨと柔らかくて、水分が抜けたデラウエアのブドウの粒みたいな感触である。
一先ずは改めて土を被せ直し、少し位置をズラす形でゴーヤを定植しておいた。
あれから無事孵化したやら、わざわざ確認まではしていない。
しかし、その後、やたら小さな子トカゲを頻繁に目撃する事となる。
中にはクモの巣に引っ掛かって外れなくなり、ジタバタもがいている所を助けてやったりと、珍しい場面にも遭遇。
それだけあちらこちらに居たのだから、無事に生まれた事にしておきたい。
そういえば昔、ダウンタウンのごっつええ感じで「トカゲのおっさん」とか言うコントが…(以下略)。
では、また、CUL。