CULrides カルライズ

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食べ蒔き三期生ダイジェスト 7月中旬・定植の追加と再生ジャガイモの成長

前回の定植から約1週間後。
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今回は、ゴーヤの苗を幾つか追加してみる事にした。



と言っても、これらは前回の苗と比べて若干成長率が低く、本来であれば間引き相当となっていたであろう個体群である。
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外観上では前回のと見分けがつきにくいが、こちらは全体的に色味が薄く、そして茎や枝ぶりが細めだ。

実際のところ、こういった個体には「病害虫に弱い」と言うデメリットがつきまとう。
定植する意味を問うてしまえば、普通の農園などであれば「無し」となるに違いない。



それを証明する様に、前回で定植した苗も早々にダンゴムシに噛り尽くされた個体が。
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ボケピン画像だが、ほんの1週間たらずで御覧のザマ。
磯野波平の頭頂部にある一本毛みたいな佇まいになってしまった。



この時に噛り尽くされた一本は、前回の中でも「成長率が低かった個体」となる。
その一方で、他の「成長率が高かった個体」は多少噛られた程度で、特に問題なく生育を続けていた。

つまり、同じ品種の苗が複数並んでいても、その中から明らかに「成長率の低い個体だけが病害虫の餌食」になっているので、それだけ免疫力や抵抗力が低かった事が判るのだ。



そう考えると、今回の苗を追加しても恐らくは上手く行かない可能性が高いのだけど、それでも、ここまで成長したからには試す価値はあるはず。
生命とは何がキッカケで変化するか分からないし、最後まで試行錯誤しておきたいではないか。


いや、むしろ、もはや何か起きなくても良い。


とにかく、そこに居れば、それで隙間が埋まるだけでも充分な存在価値があるのではないか。

そんな意味も込めて定植したのであった。



さて、そんな中でも興味深い成長を遂げていたのが、この「皮から再生したジャガイモ」である。
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5月に生えて来たのを確認して以降、6月半ばまでには結構に立派な姿となっていたが、ここに来て更に成長した感がある。
葉の数も多く青々としていて、まさか単なるペラペラの皮から再生したとは思えない容姿である。
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無論、通常の種イモから育てた株よりは一回り小さい印象で、その辺は初期段階が「イモの表皮の断片」であった以上は致し方ない。
こうして生えただけでも御の字だろう。
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でもって、この少し前に「芽かき」を施したのだけど、その脇芽を棄てるのが勿体無い気がしたので、やや位置をズラした場所に再度植え直してみた。
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それ以降こうして普通に生育をしているが、残念ながら成長率は低く、あまり大した変化もしていないので収穫への期待は持てそうにない。
とは言え、単に脇芽を「ポン植え」した時点から生存している点で、本来なら結構にタフな植物なのだろう。


この再生したジャガイモ、略して「再ジャガ」が今後どうなるかは未知数だが、少なくとも現時点では「皮から芽が出て再び生育を始める」事までは証明された形である。

後は何とか収穫まで持って行きたい所だが、結果は如何に。



そんな梅雨の一時であるが、例年この時期まではダンゴムシとワラジムシも活発。
特に、今期は長雨の影響もあって土中の湿度が高いせいか、どうやら繁殖に適した環境が醸成されている様子である。
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こうして連日、ゴーヤ同様にジャガイモの葉をパリポリ噛りまくっていて、やりたい放題。
普通の雑草などと比べても集まる数が多い印象で、やはり彼らにとっても、こういった作物の方が美味く感じられるのだろう。



でもまぁ、全体的な状況としては大した被害が無いし、駆除するほど酷い訳でも無いので、このまま放置しておく。

と言うか、そもそも落ち葉や雑草堆肥の「分解役」として意図的に投入していたのだから、彼らには居て貰う必要がある。
ある意味、ジャガイモやゴーヤの葉は報酬みたいなものなのです。
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ちなみに、これら作物に集まる昆虫の話を続けておくと、6月の一時期までは「ニジュウヤホシテントウ」と言う、ジャガイモの害虫として有名なテントウムシの仲間が先述の再生ジャガイモにも居た事がある。

それを駆除するため、捕まえて関係ない場所にブン投げたら、そのまま何処へと飛んでいったのだけど、何故か以降は姿を現していない。
普通なら、まだ生きていればウリバエの様に作物の匂いなどを嗅ぎ付けて再び集まって来そうなものだが、全くもって寄り付く気配が無いのである。


この要因について考えてみると、以前の記事にて紹介したカマキリやクモ等の昆虫が、今回のジャガイモに住み着いていた事に思い当たる。
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つまり、多分だが、これら天敵となる存在がいた事で、ニジュウヤホシテントウを始めとした害虫が近付き難くなっていたのではないか。

実際、ウリバエがクモの巣に捕まったシーンを目撃した事もある訳で、多少なりとも警戒心を抱く個体が現れていた可能性もある。
これ即ち、生態系のバランスによって、絶妙な拮抗が保たれたと考えられる訳である。

もっとも、天敵は何種類も居るし、捕まってはブン投げられるのだから「もう来ねぇよ!」となるのは必然とも言えるが。



個人的な感想として、こういった生物間のバランス関係が上手く再現されるかどうかが、自然派農法における成功の可否に関して重要なカギを握っているのではないかと思っている。

もし仮に、読者の中で「栽培中の植物に害虫が集まって仕方ない」と言う方がいらっしゃるとして、試しに近所からカマキリやクモ、テントウムシなどを捕まえて来て、それらを庭やプランターに放ってみて、一種の放し飼いみたいな状態にしてみるのはアリかも知れません。

既存の在来種なら既に生物間での競合関係が成り立っているので、恐らくは異常繁殖など極端に生態系のバランスを崩す確率は低く保たれるか、あっても一時的な現象で止まるはず。


まぁ、実際の効果については保証出来ませんけど、それらの様子や動きの変化については観察する価値があるかなと。

今さらだけど、いつか夏休みの自由研究に、是非お子様にもすすめてあげて下さい。
byエキセントリック少年より




では、また、CUL。