CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

食べ蒔き作物プロジェクト報告書 ゴーヤと疑惑のミニトマトのレビュー

さて、前回。

栽培開始から概ね3ヶ月目にして、遂に収穫の時が訪れました。

culrides.hatenablog.com



内容がダイジェスト式なので、途中経過の話を色々とハショッたにせよ、確かに、間違いなく、食べ蒔きのタネから栽培し収穫した作物となります。

そう、この方法でも育てられたのです。
ちゃんと食べられる野菜が出来たのです。


その感動に浸るのは脇に置くとして、この記事では収穫時の状況と味についてレビュー致します。

「プロジェクト報告書」ではトマトから先に記述していますが、実質上はゴーヤから先に収穫しましたので、この記事では時系列で記載。

逆に言えば、それだけ収穫の「時差」があるのですが、そこも含めて顛末をご想像頂ければと。

では、いざ。



🌑8月上旬🌑


🌑ゴーヤ🌑

当プロジェクトでは最もタネ蒔きが遅く、そして成長率も著しく遅かったゴーヤが、何故か最初の収穫物となるパラドックス

イメージ 1


その期間は概ね2ヶ月強となるが、普通でもこんなに短いのかな?

何しろ初挑戦だし、元々のタネが早生(わせ)の品種だとか、どんな特性の銘柄かまでは知らないので、そもそも平均的な成長スピードが分からない。

まぁ、普通に考えれば、株がヒョロいかどうかは関係無しに、ある一定のサイズに成長し、一定の気温などの条件が重なれば、自動的に開花と結実を促すスイッチが入るのだろう。
こう考えると、トマトとも似ている。

どうあれ、少なくとも、解っているのは一つ。


未熟果のタネから育てたのは紛れもない真実。


ただそれだけである。
その意味では、事前に聞かれた「下馬評」を覆す結果となりました。


とは言え、収穫したのは全長は約10cmほどと極小サイズなのだが、見た目だけで言えば、この時点で充分に食用水準を満たしている。

イメージ 2


実のハリとイボの質感は締まっているし、香りも強い。
状態は申し分ないゴーヤそのもの。


元のサイズが25cm位の通常品種だった事を考えると、確かに食べ蒔きのパターン通り二代目は矮小化しているのだが、それとて収穫まで達した事実は大きいのでは無いだろうか。

特に、元は未熟果から採種した貧弱気味なタネである事を考えれば、むしろ良くここまで育ってくれた方でないかと。

栽培していて改めて実感するのが、作物(植物)の季節に対する敏感さと言うか、旬を迎えた時のアグレッシブな成長力。
この「旬」の間に、一気呵成に全生命力を使い限界まで「結果」を残そうとする本能は、まるで人間を見ている様でもある。


して、肝心の味ですが、今回はゴーヤチャンプルーには身が少なかったので、甘辛いやや味つけが濃い目の炒め物に混ぜて賞味。

しかし、これがまたシッカリとしたゴーヤの味が再現されていて、回りの調味料に負けず劣らず主張してくれている。
元々が濃い目の味付けである事を差し引いても、ちゃんとホロ苦さの中に甘味も感じられ、文句無しに「美味しい」と表現出来る仕上りだ。

実は小さいなれど、中身は充実したものとなりました。

また画像が無いのが申し訳無いのだけど、この後の記事ではボチボチ登場する予定ですので、とりあえずは小説みたいな感覚でご覧下さいな。


無論、通常の品種を菜園などで厳密に栽培している方からすれば、鼻で笑われそうな完成度ではありましょう。

しかしながら、これはこれで成功と言える味なのは間違いありません。
何にせよ、一先ずは収穫と賞味まで楽しむ事が出来た訳ですからね。

つまる所、食えればジャスティス。

そう言いたい気分なのです。



🌑8月中旬🌑


🌑トマト(ミニトマト)🌑

厳密には、8月の下旬にさしかかる頃。

ゴーヤから遅れる事、約2週間。
栽培開始から、実に4ヶ月ほどの期間を経て、遂に収穫と相成ります。

イメージ 3



これまでのシリーズでも述べて来ましたが、何しろ上手く着果しないし、枯れるし、野生鳥獣に食われるしのトラブル続き。

おまけに、着果しても赤く熟すまでに軽く1ヶ月以上かかるので、とにかく時間を使う割りに実入りが少ないのが難点。
その打開策も見出だせず、現状に至っている。


所で、普通の品種とか菜園でも、こんな感じなのかな?
何だか、もっと簡単に育ててる風に見えなくもないけど、これは「隣の芝生は青い」って事だろうか。


そんな苦労を越えて収穫したモノは上をご覧の通り、見事な「ミニトマト」だったりして。

実際は、この1週間ほど前にも一個だけ残った赤い果実をテストがてらに収穫しているのだけど、他の料理に混ぜたら味もナニもよく分からない状態となってしまい、記事にしようにも印象が薄すぎた。

更に、その間にも熟したそばから奪われてしまっており、これ以上待てば全て失われると判断。
結果的に、この4つだけがギリギリ最大量にキープ出来たのです。


でも、ちょっと待て。


前回に記した通り、当プロジェクトでは確か「普通のトマト」だけを植えたはずで、「ミニトマト」を育てた記憶が無い。

正確には、トマトの前段階でミニトマトのタネも発芽を試したのだけど、これがサッパリ生えずに諦めて破棄した経緯がある。
つまり、結果的に発芽したのは、「普通のトマトオンリー」でないとおかしい事になる。


こんな現象が有り得るのか調べてみると、どうやら普通のトマトをタネから発芽させた場合、その「交配種」である親世代へ先祖返りしてミニトマトになる例がある様なのだ。

つまり、恐らくは、甘味等を強化する目的で「トマト×ミニトマト」で交配された名残りが、これの株に発現した。
と言う事になる。

同じタネからどんなメカニズムが働いてこの違いが発生するのかは良く解らないけど、とにかく大玉(中玉)トマトからミニトマトが育ったのは確からしい。


それで肝心の味ですが、収穫した実は全て中身も完全にミニトマトと同じ。

サラダに混ぜて食べた所、若干皮に張りがあるものの、しっかり味が整っていて普通に美味しかった。
ちと早いかと懸念していたが、予想外に完成度が高く出来としては良好。

それこそ、「食べ蒔き」と言う先入観が無ければ、スーパーで売っている物と遜色無いほどである。
本当に、見たまんま、そのまんま素直にミニトマトの味だったのだ。


と、様々な謎は残りつつも一先ずは、食べ蒔きから収穫まで成功した事にしておきましょうかね。

だって、美味しかったし。

いや、まぁ、厳密にはちょっと違う気はしてるんだけどもね…。



かくして無事、賞味するに至った当プロジェクト。

ここから、どれだけ収穫となるのか。

続きは次回にて。



おまけシリーズ。



この時期、飛来して来たシオカラトンボ(♂)。

イメージ 4


この数年来、トンボの個体数が激減している話題をよく聞くけど、確かに、昔に比べて遥かに種類も数も減ったのは間違いない。

ほんの10年以上前なら、必ず近所にオニヤンマが現れたのに、いつからか全く姿を見せなくなって久しい。
同じく、他のギンヤンマやサナエトンボの仲間も居ないし、本来ならあちこち飛んでいたはずなんだが。

それと反比例して、やけに蚊が増えた様にも感じるんだけど、もしかすると「捕食者」と言うストッパーが居ないのが要因だったりするのかも知れない。


てか、このシリーズ、やけにトンボが多い様な。

まぁ、そういった現象が目立っていたって事で。




では、また、CUL。