9月も下旬に入ると気温が一段と低下し、本格的に秋へと移行しつつある。
そんな季節の変わり目の直前にて、前回までにスイカ、そしてメロンの収穫が終了。
9月中旬の様子前編 トマトとカボチャの経過
後編 メロンの収穫ファイナル
最後のメロンのレビュー
上記の通り、「食べ蒔き」と言う不確定な栽培方法でも、一定の水準までクオリティを確保する事が可能だと証明するに至りました。
もちろん、甘味など「味」については課題が散見され、果肉のコンディションやサイズ感にもバラつきが目立つのは確かなのですが、それでも、少なくとも「形」としては成立していたと言えます。
そう、結果的に食べれる作物が作れたのです。
そして今回、9月下旬にも辛うじて収穫物のゲットに成功。
また新たな実績が加わる事となります。
しかし、この他にも細かな動きやら変化が多く、その対応に手を焼くシーンも多々。
例によってボリュームの都合上、この記事も三部構成となります。
てな訳で先ずは前編、トマトの経過から見て参りましょう。
🌑9月下旬🌑
🌑トマト🌑
開花は継続しているものの、着果しない状況は変わらず。
一応、人工受粉も試してはいるが、気付くと途中で落花していたりで、結実には至らない。
しかし、いい加減、違和感を感じるのは確かだ。
何せ、株は「成長」しているし「開花」もしている。
人工受粉も試しはているので、どれか結実しても良いはずなのに。
この原因を消去法で潰し込むに、一先ず「摘芯」を実施。
理由として、株の「背丈」ばかりが伸びていたので、その成長を一旦止める為。
それにより、成長力を「別の枝葉と花」へと振り分けるのが目的だ。
また同時に、枯れていたり萎びていた葉や枝も全て剪定。
これで、「タテ(背丈)」と「ヨコ(無駄な枝葉)」の範囲が狭まり、より開花から結実へとエネルギーが集中しやすくなるはず。
いわば、「ゴーヤの回復処置」をそのまま再現した形である。
この狙いが上手く行くかは未知数だが、いずれにせよ、現状で打てる手立てはこれ位しか思い付かない。
後は経過を見守るのみです。
しかし今回、トラブルはまだ続く。
前回、一番大きい株から生えてきた「立派な脇芽」も、強風の影響で付け根からポッキリ。
恐らくは脇芽の重さに耐えきれず折れたのだろう。
でも、このままでは枯れるのを待つだけに…。
せっかく大きいし、捨てるには忍びない。
とりあえず、また挿し木に転用するか。
コマが多いに越した事は無いからね。
そんな中、前回まで実っていた中玉サイズを確認すると、ある異変が。
今度は虫に噛られ、穴を開けられてしまった。
しかも、よくよく見れば中には幼虫らしき姿も見られる。
正体は判然としないが色々と調てみるに、幼虫の柄からして「オオタバコガ」らしく、この果実の中身を食い進む様子など症状も似ている。
実はこの発見前、別のトマトの枝にも「灰色っぽい青虫」らしき幼虫が歩いている所を捕獲しているのだが、もしや犯人はコイツだったのか?
と言うか、特徴からして間違いなさそうだけど。
そこでもう少し調べると、どうにもオオタバコガは葉だけでなく、花や蕾まで食害し着果不良の原因となると言う。
これら状況証拠を総合するに、ここ最近の落花や着果しない原因は、オオタバコガの寄生に依る部分が大きいものと推測される事になる。
確かに、これより前の7月~8月までは普通に結実していたし、株の性質も根本は変わらないはずなので、それ以降に飛来したとすれば合点が行く。
つまり、生育状態に問題があるのでは無く、害虫が問題だったのだ。
そして、この発見から約1週間ほど経過した頃になり、更なる衝撃の光景を目撃してしまう。
上の「立派な脇芽の株」に、何てヤツか詳細不明の巨大な幼虫がいるではないか!
ピギャース!
これがまたデカイのなんの。
体長は概ね10cmあり、アゲハチョウの幼虫を遥かに上回る巨体。
その堂々たる姿は「モスラ」を彷彿とさせる。
いや、実際は全然似てないんだけど、それ位インパクトのある、今まで見たことのないサイズを誇っているのだ。
当然、この体格だけに食欲は旺盛で、近付くとトマトの葉を「パリ…ポリ…」と噛る音が聞こえるほど。
その糞も実に大きく、株の根元に大量に落ちていた。
確かに、ここ数日で急に葉の数が減ったと思っていたが、犯人は君か。
しかし、本当に誰なんだ?ヌシか?
調べても幼虫だけじゃサッパリ見分けがつかないし、オオタバコガと似てる様で何か違う気もするしで。
強いて言えば、ケツの「アンテナ」みたいな突起が手掛かりっぽいけど。
こんなの初めて見たんだけど、どなたか正体をご存知でしたらコメントを頂きたい次第です。
[追記]頂いたコメントによると、どうやらクロメンガタスズメかメンガタスズメの幼虫の模様。
そんでもって、最初は捕まえて別のテキトーな雑草にでも移すつもりだったのだが、逆に巨大化した姿が面白くなってしまい、結局このまま放置プレイ。
逆にもう、行く所まで行って下さいと言う感じでヤケクソである。
何だか今回は幼虫ばかり目立ってますが、秋の深まりは昆虫にとっても「書き入れ時」と言う事にしときましょう。
てか、そう言わないとやってられません。
赤く熟せば、野生鳥獣の餌食に。
青く未熟でも、害虫の被害に。
全く、一筋縄では行かないのがもどかしい。
この様に、実はトマトって、基本的に寿命が長くて挿し木出来るほど生命力が高い反面、外部からの食害にめっぽう弱いせいで、収穫まで漕ぎ着けるのが極端に難しい面があったりする。
故に、農園などで一定の収量を確保するには、ハウス栽培やビニール小屋に依存せざるを得ないのでしょう。
結果的に、当プロジェクトの様に野外で、しかも防除ネットや薬剤を使用しない環境下では、デメリットが強く反映されてしまう訳ですが…。
やはり何らか対策を講じなければ、解決は難しいのかも知れません。
そう考えると、トマトは元々どうやって自然環境を生き延びて来たのか謎である。
仮に、これら野生動物や昆虫が蠢く中でタネが熟すまで果実が残ったとすれば、今より遥かに免疫力や生命力が強かった事になるだろうし、それこそ大昔の原種は現在と似ても似つかない性質だったのかも知れない。
うーん、何だかカボチャと似た結論に達してしまうなぁ。
所で、切除した果実は最早どうしようも無いので、その後は雑草マルチの中へ投入する事で処理。
本来なら生ゴミに出すか完全に潰すべきらしいのだけど、そこはあくまで、極限まで自然の循環を頼りにがコンセプト。
後はダンゴムシやアリが何とかしてくれるはずだと信じたい所である。
正直な話を言えば、まともな収穫を諦めざるを得ない状況にも思えて仕方ないのだが、それでも意地で見守りを継続していくのでした。
次回は中編。
カボチャの収穫と、メロンの残骸と果実の免疫力についての話に続きます。
おまけシリーズ。
8月下旬頃に近所で見つけた蝶。
弱っていたのか、地面に伏せていた所に指を出すと手に乗って来た。
最初はアゲハチョウの仲間かと思ったが、どうにも見慣れない柄で違和感を覚える。
そこで調べてみた所、名前は「アカボシゴマダラ」であると判明。
主に中国が原産の外来種だそうで、近年日本に定着しつつあるのだとか。
口を伸ばして、手をペロペロ。
腹減ってるのかも知れないけど、汗の味しかしないぞ。
この後、とりあえず近くに咲いていた花に乗せ替えておいた。
まぁ、外来種だろうが何だろうが、人が持ち込んだのか間違って飛来したのかは置いといて。
知らぬ間に新たな生物が居着いていた事だけで見れば、新鮮な感覚ではある。
お馴染みのアオマツムシも一説では外来種とされている様だが、この蝶もいずれこんな風に普通の光景となる日が来るのだろうか。
特にオチはないけど、そんな生物の分布でフクザツな感想を抱く、夏の一時であった。
では、また、CUL。