CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

メリケン道中記 LAの釣り場にて

ロサンゼルス周辺の釣りポイントには、必ずこんな注意書が貼ってある。

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上段には、「貴方の健康を守って。汚染された魚を食べないで」
下段は、「健康な魚を選んで。貴方の地域の注意書を確認して」


となる。

実際、この一帯の水質汚染は深刻だそうで、現地の新聞にも取り上げられたりする。


表記されている魚種は上から。

・イシモチ(ニベ)
・シマサンドバス(ホッケかアイナメ似)
・クロニベ?(名前はどうあれ、フエダイ系に見えるが…)
・トップスメルト(キュウリウオの事らしいので、ワカサギの近似種かな?)
・バラクーダ。


これらを見て思う。


要は、表層から海底まで全層の魚が対象ではないかと。
これでは食える魚など居ないではないかと。


例えば、低層のイシモチとアイナメが駄目なら、ヒラメやカサゴにキスも駄目じゃないか?

低層から中層のフエダイが駄目なら、タイやメジナはどうなる?

まして表層のキュウリウオやカマスが駄目なら、イワシやサバは大丈夫なのか?

陸が駄目なら、どこまで沖で釣れたらアリなのか?


疑問点を挙げればキリがない。


カマスフエダイの仲間は、生育環境によって体内に毒素を溜め込む場合も多いのだが、仮に注意書の魚がそれに該当する可能性があったとしても、種類が多すぎやしないか。
さすがに表記以外の魚についての言及も欲しい所。

と言うより、そもそもこの看板にしろニュースにしろ、一体何故に、どんな物質に因るものかまで解説されていないのが気になって仕方ない。
ただ「汚れてます」って言われてもね。

まぁ、あまり公表したくない様にも見えるが、いずれにせよ一言では片付けられない問題なのだろう。

いつかイワシだかアジだか釣っていたオヤジは、見た所、更にそれらを切り身にしてエサにしていた様だが、食べはしないんだろか。
ロングビーチの桟橋からヒラメを釣った少年達は、あれからどう処理したのであろうか。

謎は深まるばかりだが、それら「注意書の魚」が一般的なスーパーで売られている所を見た事が無いので、基本的には食用にしないのだろう。

アメリカのスーパーで売っているのは、養殖のティラピアとサーモンが主だろうか。
あと、タラの他にマグロやカツオ等のサバ科の大型魚、よくてヒラメ等のメジャーな魚類しか売っているのを見かけない。

これらは基本的に切り身で、冷凍パッケージ販売されているのだが、鮮魚の場合は肉屋と同じく、専門コーナーのケース内にある切り身を更にスライスしてもらう量り売り方式が主流。
少数ながら、海沿いの市場や品揃えのいい専門店、特にアジア人系の店では色々な魚が丸ごと置いてあり、中には養殖のバラマンディ(50cm位)も売っていたりする。

この辺りからしてもしかしたら、アメリカの人ってスシとフィッシュ&チップス以外で魚を食べる習慣が無いので、あまり頓着してないのかも。

「イシモチもアイナメも食べ方ワカンネーからどうでもいいけど、ヒラメは注意書に無いし魚屋で売ってるからOK!」位のノリで。
魚の汚染レベルなんてシラネ。みたいな。



でも気になるなー。
そんな海で海水浴とかサーフィンして大丈夫なのか、とかね。



そんなアメリカの釣りにちなんで、もう1つ。


向こうの大型スポーツ用品店で見かけた、日本メーカーのリールの一部。

ダイワ ラグーナ

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見た所、レブロスやサイ辺りのグレード。


シマノ セドナ(手前)、ソルステース(奥側)。

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それぞれ、エアノスとエルフ位のグレードだろうか。


こちらの釣具店(スポーツ用品店、個人経営の小規模店)では、一度もツインパワー又はセルテートに該当するモデルを見た事が無い。
ましてステラなんて、何処で売ってるのかと。
向こうにもポイントやキャスティングみたいな大型専門店があるのかな?

どんなに高くても、バイオマスター(アメリカではストラディックとの名称)クラス迄が限界。
竿にしてもハードガイドばかりで、SiCガイドなんて1つも見当たらなかったなぁ。
ソルティガ」と銘打ったダイワのサーフキャスティングロッドもハードガイドだったし。

ただ、通販ではUSAシマノやダイワのハイクラス製品を見るので、恐らくバスやオフショアのプロショップの様な限られた店でしか扱わないのだろう。

あるいは、盗難や略奪のリスクが高いお国柄故か、セキュリティ面で販売する事も所有する事も難しいのかも知れない。
日本ではエントリークラスのリールがケース内に置かれている辺りからも、そんな雰囲気を感じる。

そしてまた、釣りをするのに無駄な高級パーツや機能など必要無いと考えている人が多いとも聞く。
この辺りは、ペンのリールを見ても納得。

更に、釣りをしている人種も偏っており、8~9割がラテン系。
そこに少数派として黒人やアジア系が混ざると言った具合。

こう言っては何だが、陸っぱりで釣りをしている彼らは低所得層である場合が多く、そもそも道具類にコストを割く事が出来ないとも考えられる。

実際、釣り場でも[凝った装備で繊細なテクニック]を駆使している人は居ないし、皆、適当にブッ込んで終了みたいなスタイル。

そういった背景もあってか、日本人目線からするとこちらの釣り具は些かチープな印象。
偶に良さげな道具を使っている人も居る程度で、前途のラグーナやセドナですら、釣り場で見かける事は無かった。


そういや、ルアーフィッシングしている様子もサッパリ見受けられなかったけど、フロリダや五大湖周辺に行くとまた違いがあるのかな?

確かに、向こうの釣り映像を見ててもボートからのが多いし、実際の所、[本格派]はオフショアに流れていくのかも。


日本との釣りに対する姿勢や背景の違いを観察するのも、また楽しいものです。