CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

メリケン道中記 Maribu Beach

今回はサーフスポットであり、リゾートとしても知られるMaribu Beachへ。

ここは都心部より距離があるので、先日のマンハッタンビーチより一気に田舎の空気が漂います。
とても落ち着きのある場所なので、都会の喧騒から離れ一人で黄昏たい。でも、人の匂いは感じておきたい。
そんなワガママな要求も満たしてくれる場所でもあると思います。

サンタモニカから海岸沿いの通りであるOcean Aveのバス停より、パシフィックコーストハイウェイを走る事、約30分の距離。

そんなバス待ちをしている時の事。
同じくバス待ちをしていると言う、キレ気味なシャーフロ風のオヤジに話かけられる。


オヤジ「おう!お前マリブに行くのかよ!?」

自分「そうだよ」

オヤジ「バスは来ねぇよ!!俺はここで1時間以上待ってんけど、サービス止まってんじゃねぇの!?マジ腹立つぜ!メトロ(運営会社)にクソ文句言いてぇ!!」

自分「あぁ、そうなんだ。まぁ落ち着きなよ。俺、時刻表あるし」

オヤジ「ぁあ゙ん!いつまで待たせんだクソメトロがよ!文句言いてぇんだよぉ!!」

怒りが収まらない上に、人の話も聞く様子ではないので、とりあえず放置しておく。

しばらく経つと、バックパックにスケボーを積んだ旅人風の若い二人組がやって来た。

若者「ここマリブ行きのバス停?」

自分「そうだよ」

若者「何時来るとか分かる?」

自分「時刻表だとそろそろだけど、遅れてるみたい。あのオヤジが色々言ってたけども、彼に聞いてみな」

と、丸投げしてみる。

彼らも同じく一言二言交わすと、

オヤジ「知るかボケハゲカスゥ!いつ来んだチックショおメェ!!あ゙ー文句言いてぇ!!」

自分は「ダメだこりゃ」と首を振り、若者はいささか困惑顔。

それからも独り、大声で罵声を喚き続けるオヤジを見て、「駄目だこいつ…早く何とかしないと…」

と、思いはしたもの、本当に来ない。

結局、それから更に一時間近く経過した頃、そろそろ自分も我慢の限界が近づき、彼らに「俺もギブアップかなー、今日は止めとこ」と、言った辺りでやっとバスが来る。

「やっと来たかよこのクソバカメトロヤロー!!おっせーんだよ!!」

叫びながらオヤジがいの一番に乗り込み、運転手に絡む。

オヤジ「どうしてこんな遅せーんだ!どういう事だよ!」

運転手「アクシデントよ!アクシデント!しょうがないでしょ!」

ここロサンゼルスは、事故が非常に多い。

実際、自分が乗るバスの目の前で衝突事故が起きたり、あるいは事故直後で道路が封鎖されるなど珍しい事ではありません。
その為、行き先案内盤にDetour(迂回)と表示されたり、「アクシデントの為、○○通りから××通りへ迂回します」と、車内でアナウンスもされます。

こうした迂回の場合、自分が降りたい場所では一切降りる事が出来なくなるので、そこからどうやって目的地に着けるかも考えなくてはならない。

ひとまず説明を受けたオヤジは、ブツブツ周りに愚痴りながらも落ち着きを取り戻し、時に笑いもする。
乗れたら上機嫌。現金なものである。


そんなすったもんだもありつつ、無事にマリブの終点に位置するZuma Beachに到着。

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辺りには数件、商店とレストランが見られるのみで、人もまばら。

海岸沿いに駐車場が長く併設されており、そこにはベンチやテーブルにトイレもあるので、チルアウトには絶好のロケーション。

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環境的には千葉の勝浦や御宿あたりによく似ており、小高い丘から一気に砂浜が現れる地形は、確かに勝浦にもマリブと言うサーフポイントがある事からも、此処との類似性を感じられる。と言うよりここが元ネタな訳だけども。
それと同時に、2005年の9月に千葉のマリブで開催されたWCT(サーフィンの世界ツアー大会)を観戦しに行った事も思い出す。


海岸伝いにサンタモニカ方面へ遡ると、砂浜で戯れる人々の活気で徐々に賑やかになっていくが、あくまで郊外なので煩わしさは一切感じられない。

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今回に限っては、どこかの小中学校の遠足があったのか子供達が多かった分、賑やかさが増している様子。
昼飯用なのか、大量のピザを配っていたが僕も食べたくてしょうがなかった。
「一枚おくれ」って言えば貰えたかな?なんて。

そんな僕の貧乏メシ。

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バナナ黒。

余談ではありますが、Stage9と書かれた白い袋は弁当袋。
そして、買い物した物を入れるエコバッグとしての役割も兼ねる。
これに自作のサンドウィッチと飲み物とオヤツ、後は地図等の小物を入れて色々と出掛けてました。

INK-N-IRON FESTもこれ持ったままモッシュしていたけど、恐らく周りからは奇妙奇天烈亜細亜人に見られていた事でしょう。
今にして思えば、何故バックパックを使わなかったのか意味不明である。

ちなみにこのステージナインとは、たまに利用している洋服の直し屋さんです。
親身に相談に乗ってくれるし、仕上がりも良好なので、洋服のリフォームを検討中の方にお薦め。


こうして数キロ程歩き、ズマビーチのダウンタウンに入る。

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ダウンタウンと言っても、やはり数件のお店が1ブロック内に収まる程の規模。
ダウンタウンと言っても、やはり数件のお店が1ブロック内に収まる程の規模。

その中で、何となくお土産でも手に入ればと、一軒の小さなサーフショップに入ると、不意にスタッフの女性と話が盛り上がり暫しの歓談。
土屋アンナ似のワイルドな雰囲気で、話し方までクリソツな面白い方でした。


そして再びバスに乗り、お次はマリブのダウンタウンとフィッシングピアへ。

マリブのダウンタウンも非常に小ぢんまりとした集落といった風情で、30分もあれば全て回れる程度の規模。
以前のマリブビーチを知らないので何とも表現が難しいものの、最近出来たらしい小さなファッション街もあり、ここで土産探しがてら落ち着くのもお薦め。

また、海側のマリブ川河口には、マリブラグーンと言う小規模な湿地帯が広がっており、自然観察するための遊歩道や、そこに生息する生物の案内等が設置されている。

その湿地帯の外では親子連れが凧上げしたり、海では地元少年達が波乗りを楽しんでいる等、のどかそのもの。

で、またしても画像が無い訳だけども、自然と街が大変コンパクトに調和した素晴らしい場所である事は確かです。


そして、最後に立ち寄ったのがマリブスポーツフィッシングピア。

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どうやらここは無料の施設である模様。

ここも比較的施設が充実しており、エサの売店の他、軽食店や土産屋も併設されているので、釣れなかったとしても楽しめるのではないだろうか。

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桟橋の両脇には竿掛けまで設置されていて便利。これがある施設は初めて見た。

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当日はほとんど客がおらず、何も釣れていない様子だったが、エサの売店の壁には釣れた獲物の写真がいくつも貼り出されている。

写真を見る限りサメ類が主な大物らしく、時折ヒラメも混ざる様だ。

確かに、前回ロングビーチを訪れた時にも黒人の少年達が70cm近くはあろうヒラメを釣って大騒ぎしていたし、海を覗いてみれば海底をカスザメとおぼしき魚が沢山泳いでいるのが見える。

サンタモニカのピアでもやたらこのカスザメが泳いでいるのを見かけたけど、あれだけ浅瀬に大量にいると、海に入る時に踏んづけそうでチト嫌だな。
ま、そうは言いつつ最初は「マゴチすげー沢山いる!」などと勘違いしていた訳ですが。

ちなみに、この陸側にはマリブで最も大きいサーフショップであるMaribu Surf Shackがあり、レンタルボードもあればオリジナルグッズも充実。
また、モーテルも隣接しているので、釣りやサーフィン等をしながらの滞在も可能。

とにかく街全体が小さいので、基本的に1日あれば主な見所は回れるはず。
また、山も目の前にあるので、ハイキングをしたい人にもうってつけ。コースも沢山あるみたいです。

山、川、海、そして街。
これからを同時に楽しめる贅沢な場所、それがマリブの魅力と言えましょう。
そりゃリゾートにもなりますわな。



おまけシリーズ。


サンタモニカの海岸風景。

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常に観光客でごった返し、特に週末はイベントも多いので、かなり賑やか。夜も治安は良い。

奥に見えるのが、サンタモニカの象徴とも言えるサンタモニカピア(桟橋)。
このピアは、パシフィックパークと言う遊園地であり、先端では釣りも可能。
横浜コスモワールド周辺みたいな雰囲気ですかね。

このゲートをくぐった先がパシフィックパーク。楽しんでらっしゃい。

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海岸の向こう左手側がマリブ。距離的には近い。

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Venice BeachからSanta Monica方面へ続く遊歩道。

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海岸沿いでは、スケボーローラーブレード自転車サーフィンビーチバレージョギング筋トレ等々、渚にまつわるエトセトラ全部乗せ。


それはまさにカリフォルニアバーガーそのままの世界なのであった。