CULrides カルライズ

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食べ蒔きウォッチング 2月中旬・なんちゃって雪下ダイコンを作るもタイミングを外した味に

前々回、1月の記事で触れたミニマムダイコンは、収穫期の違いによる食味の違いを確かめるため一部だけ残していた。
culrides.hatenablog.com

ほんで2月上旬、まとまった雪が積る。
天気予報で降雪の情報を得てから狙ってたのが、いわゆる「雪下ダイコン」の実験である。



本来の雪国では、収穫後に雪を被せて貯蔵するのが通例との事だけど、こちらは大して降らなかったので植えたままで行く。

これらを雪が消えて土が軽く乾く頃合いまで数日置いたのち収穫。
と言うか、本当ならもっと長めに貯蔵したかったのだが、2月中旬になり急に気温が上昇したため、これ以上置くとトウ立ちして繊維が固くなりかねなかったので期間がメチャメチャ短くなった。
いくら低温期とは言え、ほんの数日だけ雪下に置かれた程度で糖度が増すとは思えないけどね…。



今回、取り込んだブツたち。
相変わらずウズラ~鶏卵ほどしか無いミニマムダイコンである。
やや菜っ葉が萎びているが、モノとしての質感は問題ない感じ。

ほんで味について簡単に述べると、食感が若干固くなっていて、何だか甘味も薄まっている印象だった。
鍋料理で煮込む形で食べたが、なんだか柔らかくなりきらず、ゴリッと歯ごたえを感じるくらいである。

他にも特徴的だったのは、果肉の透明感が無くなり全体的に白っぽくなっていた点。
多分、繊維の密度が増えていたからではないかと考えられるが、もしやあれはトウ立ちに向けた準備なのだろうか?
これが約一ヶ月前ならば、火を通せばホロホロに柔らかく透明に、かつ味が染みて甘味を感じられたのに、今回では明らかに肉質が締まっていたし、これにより味の染み具合も弱くなっていた。
これは決してマズかった訳では無いし、何ら問題無く食べれるのだが、良かった時と比較して明らかに質が落ちてしまい、デメリットの方が際立っていたのである。

結果的に雪下ダイコンは失敗と言う事になる。
この原因も単純に、「ギリギリまで成長エネルギーを蓄える」&「雪下の冷気」のダブル効果で熟成が出来るかと思いきや、ただ単に土に植わった状態で長く置きすぎて収穫のタイミングを逃していただけ。
下手に収穫期をズラして食味を比較するより、やはりダイコンは適期に取り込んだ方が良いのだろう。

と言うのが今回の教訓であります。



かくして上記をもってダイコン収穫は終了。

記事にはしていないが、実は現段階までに20本ほど同じようなダイコンを収穫していて、全てちゃんと食べる事が出来た。
しかもちゃんと収穫期が合っていれば、外見に大して関係無く美味しいと判ったのも新たな発見である。

もっと意外だったのは、思いのほか纏まった数が採れた事か。
何しろ、元々は「根から成長しなかった生育不良のダイコンから採れたタネ」を使っている事もあって、よもや収穫まで行けるとは思っていなかったし、半分ジョークのつもりで蒔いた節があるほど。
前々回でも記したけど、もし育てるのに失敗した未熟ダイコンだったとしても食べる価値はあるし、タネを採る意味だってあると言うのが個人的な感想であります。

ともあれ小さいながら楽しめました。
ごっつあんです。



ちなみに、これらミニマムダイコンは、まだタネ採り用に植わったまま幾つか残している。
成長率高めな個体をメインにしつつ、「根」の姿のままの未熟な個体からも予備をゲットする方向で行く。
事実、上で述べた様に今回のミニマムダイコンも未熟個体からトウ立ちしたタネを元に育てた結果、小さいながら美味しく出来ていたので使えない事はないだろう。
仮にタネがダメっぽくても菜花が採ればイイ。

つまりルックスはどうあれ美味しく食べられればOK。
また次も育てばラッキーと言う計画なのであります。




おまけシリーズ。



今回のヘッダー(トビラ)画像候補の一つ。


冬日の間から覗く暖かな陽光と西日の角度具合のコントラストがダイコンの季節感と合ってる様な。

要は何となく、牧歌的な情緒を感じた訳です。




では、また、CUL。