CULrides カルライズ

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食べ蒔き5G 3月中旬~下旬・トウ立ちダイコンを食べた感想ついでに、オクラの種を採り乾燥トウガラシも作った

前回から久々の更新であります。
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この間、厳寒期もあってか動きは殆ど無いに等しく、ひたすら放置プレイを続けていた。
だが、3月に入り急に気温が上がるとともに、アブラナ科に変化が。



よく見ると、去年から植えっぱなしにしていた大根からニョキニョキと芽が伸びているではないか。 


もしやと思い観察を続けていると、時間が経つごとに蕾も形づくられてきた。
いわゆる「トウ立ち」である。

試しに味見しようと蕾を取ってパクッと口に入れてみると、生の状態ではピリッとした辛味と葉野菜みたいな青っぽい風味が同時に感じられる。
ズバリまんまカイワレ大根と同じ味で、どちらかと言うと主菜よりは薬味で使いたくなるテイストだ。


この画像を撮った3月中旬には、全ての個体がトウ立ち状態に。
とりあえず調べてみると、どうやらトウが立つと根の成長が止まりダイコンが大きくならないほか、筋が出たり実に隙間が出たりでクオリティが落ちるのだとか。

つまり状況から考えて収穫には遅いと言う事になる。
という訳で、いくつか引き抜いてチェックすると…。



全然まったくもってダイコンが出来てないですYO!
収穫うんぬん以前に、根本的に「根」から変わっていない姿なのだ。


こうして並べてみても、どれも未熟なまま。
大根の部分は大きくても5cm未満くらいしか無い。


去年10月の種まきから約5ヵ月を経て、結論を言えば大根は失敗という事になる。
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この原因は複合的に重なっていると考えられ、まずタネ蒔きの時期が遅かった事で、暖かい時期の間に成長を促せなかった点が挙がる。
もう1つには、同じ場所で過去数年間にわたって色々な野菜を連作したり転作を繰り返した事により、土壌の養分を消耗しきっている可能性も高いので、ある意味では必然的な低成長であったとも言えるだろう。


事実、ここまでに育てていた個体のどれも、明らかに普通のスーパーで並ぶようなダイコンに比べて葉や背丈が小さく貧弱である。
これを感覚的に表現すると、通常個体の1/4程度で成長が止まったままの状態であった。
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いや、本音を言えば去年の末ぐらいから殆ど成長していない事に気付いてはいたし、うすうす失敗するんではないかと言う懸念はあった。
当プロジェクトでは「生ゴミや雑草といった天然の有機物で育てる」事を基本コンセプトにしていたが、やはり残骸などでは決定的に養分が足りなくなってしまうのが現実なのかも知れない。
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こうなるにつけ何か他に打てる手立ては無かったかとも思うが、よもや土壌をゴッソリ入れ替えるとか、投入すべき肥料も膨大であろうと思うと、規模が大きすぎて出来る事が限られるのがもどかしくもある。



とは言え、せっかく育てたものだし、単に廃棄するのは勿体ない。
とりあえずはトウの部分だけを収穫して、後日、試しに根の部分も食べてみた。

でもって味噌汁の具として賞味した結果をレビューすると、トウの部分は実に優しい食感と、ほんのり甘味が感じられるナイスな一品に。
上でも触れた様に、生ではカイワレ大根と同じ辛みがあったのだけど、煮ると辛味が消えて仄かにダイコンの風味が出てきて面白かった。
また菜花特有の苦味は全く無く、この蕾はクセがなく食べやすい。

若い蕾の歯ごたえはホウレン草、あるいは成長が進んだトウでは繊維質が少し強く水菜っぽい食感。
いわゆるスーパーに並んでいる様な「成長しきったダイコンの葉」だと繊維質が強すぎて固くゴワついたり、青臭さが出過ぎたりするけど、これは「菜花の柔らかい部分+ホウレン草+水菜」みたいな風味で、食べやすさもグンバツだし他の料理にも幅広く応用できそうな感じ。
逆に言えば強いアクセントが無いので物足りなさもあるが、これなら子供や好き嫌いの多い人でもイケるんではないかとも思う。

もし大根を育てていて未熟だったり失敗しても廃棄なんて勿体ない。
トウの立った蕾、食材としてオススメです。


これとは逆に、「大根になりきれなかった根」については間違ってもオススメできない代物であった。
ルックスはミニマムなので柔らかそうと思いきや、味らしい味は殆ど無し。
しかも、いざ噛んでみると異常に繊維質が強すぎる上、噛んでも噛んでもずっと筋が残り続けてしまい、口内にトゲトゲしさまで感じられるほど。
これを例えて表現するに、「強化版ゴボウの繊維+段ボール」を延々と噛んでいるかの様に固く、かなりズイマーである。
冒頭で調べた結果でも、「トウが立つと大根の部分は筋張る」みたいな解説があったけど、確かに食べるには難しく他の調理法も思い付かないので、残念ながら土の肥料として戻してしまうのが無難かも知れない。



ちなみに他に蒔いたハクサイ、ニンジン、菜花などのアブラナ科については、ほぼ消息不明な状態。

この人参は去年から全くと言って良いほど成長しておらず、大根以上にミニマムで未熟である。


画像は下旬に撮ったものだが、半年近い期間を使って長々と様子見を続けていたのにコレでは、もはや根本的に育ちようが無い状況だったと言う事なのだろうか。

いくらなんでも食べる気が起きなかったので、このまま土に置いておいた。


下の画像では背景と混じって判別しづらいが、これは初めは確か白菜だったもの。
やはり大根と同じくトウ立ちし、いつの間にか開花してタネまで形成されていた。

と言うか、白菜は発芽率が極端に低かっただけでなく、ついぞ結球する事は無かったりで、果たして本当に白菜だったのかも怪しい。


これならマシな方で、菜花については姿すら無く、去年の記事にて発芽したであろう画を記したが、いつの間にか殆どが消失。
強いて多分コレじゃないかと思われる個体を4月上旬に撮ったのが以下で、所々からパヤパヤ生えているが、どれもあまりに貧弱なので確信が持てないでいる。

いずれにしろ今は全く生えていないも同然。
あのホロ苦い菜花を食べられるかと楽しみにしていたけど、まさか大根の芽で代用する事になるとは思ってもいなかったよ。


これら失敗の要因も、恐らくはタネ蒔き時期が遅かった為ではないかと考えられる。
本来なら夏の終わりまでに済ませなければならない所を、秋にズラした事で成長期を逃したのかも知れない。
かくして今回は上手く行かなかったが、次回は適期に改めて挑戦してみたい所である。



話は変わって、去年から残していたものがオクラの果実。
これも野外での冬越しを試していたので、今回の暖かくなった頃合いで採り込んでみる事に。


で、中を開けてみた所、タネの表面を白いカビらしきものがビッシリ覆っていた。
画像では少し取り除いた後だが、去年の冬に開けた時は無事だったので、この間に暖かさと相まって成長してしまったのだろう。

状態としてはシッカリとした質感なので発芽に影響はなさそうだが、決して具合が良い訳ではないだろうし、基本的にはカビる前に回収するに越した事はない。
とりあえず生えるかどうか次回にためしてみよう。



おまけシリーズ。


前回の記事で触れていたトウガラシだが、ほどなく後に収穫。
真冬の気候下のためか、株全体だけでなく果実までシワシワに萎れ始めていたので、これ以上は熟さないだろうと判断し、いわゆる青唐辛子のまま採り込む形となった。


これを約1週間ほど天日干しして、パリッパリに乾燥させてみた姿がコレ。

果たして青いままのトウガラシはどんなんかと調べてみると、赤いものより辛味が弱くなるらしいものの色々なレシピがある事がわかった。
まだ冷蔵庫で保存中なので、食べられる日が楽しみ。



とりあえず今期の収穫は全て終了とみなし、これにて一段落。
また暖かさが増す頃に再開するつもりである。




では、また、CUL。