さて、去る11月下旬に入る頃、当プロジェクトでは久々となるトマトの収穫に成功。
11月中旬~下旬の様子
数量は計7個と決して多くはなく、元々の品種と比較すればだいぶ縮小されたサイズ感。
最大でも、ゴルフボールを一回り大きくさせた程度である。
ルックス的には、「大きいミニトマト」とも「小さいトマト」とも表現出来そうな印象。
強いて例えるなら、最近流行りらしい「フルーツトマト」の様な小粒の果実となったのでした。
しかしながら、小さいながらもズッシリとした手答えのある重量感と、いずれも鮮やかに赤々と色付いた姿は、文句無しに充実の出来映え。
擬音で言えば、まさに「ピチピチ」「ムチムチ」「プリンプリン」などの破裂音を使いたくなる様な、はち切れんばかりのツヤとハリ。
それこそ、「食べ蒔き(実生)では、まともに育たない」などの下馬評を大きく覆せそうな、非常に整った綺麗なルックスに育っています。
そんなトマトですが、実際はこれまでにも少数ながら収穫しており、そして食べてもいました。
しかし、それらは単発か少量であった為、単にサラダに放り込んだ程度で済ます事が多く、あえて個別のレビュー記事は残して来ませんでした。
そこで、この11月下旬から12月までに纏まって収穫出来た事を踏まえ、今回はその食味について詳細にレビューしてみたいと思います。
とは言っても、大抵は他の料理に混ぜただけですので、そこまで拘った内容では御座いません。
そこは、サイズと量の兼合いでサラっと軽めに行きます。
前置きはともかく早速、記してみましょう。
でもって、この11月下旬グループは、全てマリネ風サラダにイン。
収穫された数量的に言えば、普段スーパーで売っているパッケージの概ね一回分の量でしたからね。
脇芽を株分けしてから、育てるのに約4ヶ月。
食べるのは本当にあっという間なんだよなぁ。
しかしながら、その果肉は瑞瑞しく、色艷もグンバツ。
外見と違わぬ充実感を湛えている。
果実ごとの微妙な違いとして気になる部分があるとすれば、しっかりタネが発達している個体と、何故か未熟な個体が存在する事。
いずれも果肉は成熟しているが、以前にも同様にタネが未熟な個体を確認している。
恐らくは、元々の品種に内包されている遺伝的な特徴が、何かしらの要因で株ごとに、あるいは枝ごとに発現したのかも知れない。
その考察については、冒頭のリンクより前回の報告書をご参照下さいな。
だとして、肝心な味の方はどうなのか。
いざ一口…。
ん…。
おぉ…。
これは…。
良い出来…!
その味、口あたりの食感、皮と果肉のバランスと、もはや文句の付け所が一切無く、明らかに美味なトマトに仕上がっている。
トマト特有の酸味であるとかエグみは全く感じられず、むしろ甘味の方が前面に出ていて万人受けする食味だ。
確かに酢の風味が強いマリネにした事で、それら酸味が隠れた部分はあるにせよ、確かな甘味が残ってくれている。
いわば、外見と中身がズバリ一致した果実であり、売り物にしても納得と言えそうなクオリティを実現しているのだ。
この食味を数値化するに、市販のミニトマトの最大値を「10」とした場合。
今回は「8~9」と、高得点を付けられそうな仕上り。
ギリギリ満点で無い理由としては、元々の品種から少し縮小したサイズだったので。
ただ、もしかすると味は越えているかも知れないレベルです。
手前味噌ながら、当プロジェクトで育てた作物では上位に位置する内容であり、完成度には自信を持てる一作。
もっと言えば、現在までに収穫したトマトは全て美味しく仕上がっているのだけど、今回は更に上を行く食味を実現したのは間違いありません。
その意味では、この栽培方法でも上手く行く事が証明された様な、見事な実績となりました。
この他に収穫した果実や、12月に裂果してしまった果実については、上記と同じくサラダに混ぜたりスープに混ぜたりで賞味。
それらも、概ね同様のクオリティを実現しており、全て安定した食味となっていた。
サイズや数量、キズ(裂果)の有無について一考の余地があるものの、結果的には上々の完成度と言えるのでは無いかと思います。
ちなみに、この12月には「落果」してしまう未熟果が相次ぐ事になる。
それについては追い追い記すとして、下の画像が該当の落果した果実。
これから赤くなる途中で落ちてしまったのだけど、勿体無いので一部を賞味してみた。
こんな具合いで、豆腐ステーキの付け合せ的に、バターでソテーしてからオン。
感想としては、思いのほか甘味の方が際立っていてナイスな一品に。
まだ青みが残っていたので酸っぱいかと思いきや、熱と油を通せば、やや未熟気味なトマトでもイケるんですねぇ。
普通は熟した果実が流通するので、こうして食べるのは初めてだったせいか意外な印象でした。
とりあえず、この状態の果実で、この食べ方は美味しかったのでオススメです。
そんな訳でして、当プロジェクトのトマトをレビューしてみましたが、如何に思われたでしょうか。
上でも少し触れた様に、これまでに収穫したトマトについては基本的に全て美味しく出来ていたので、ある程度は予測済みの結果ではあります。
そう、意外な事に、様々なトラブルに見舞われていても、いまだ「酸っぱ過ぎ」とか「不味い」などの失敗作が一度も無いのです。
故に、こうして食べる回数を重ね、ある程度の数を纏めて検証する機会を得るに、1つ確信出来る結論として。
「食べ蒔き(実生)でも、美味しいトマトを作れる」
この様に表現しても良いのでは無いかと思います。
無論、当プロジェクトでの栽培方法が正しいかどうかについては、検証の余地が大きいのも認めざるを得ない所。
何せ、殆ど思い付きで進めているので、全ての事例が他の土壌や品種で通用するのか未知数だからです。
ただ、毎度しつこい様ですが、少なくとも、この栽培方法でも一定の作物は収穫出来た。
それだけは紛れもない事実となります。
従って、これまでの作物についてご興味が御座いましたら、過去の報告書やレビュー記事も併せてご覧頂ければ、収穫までの経過がより伝わり易くなるかと思います。
尤も、メチャクチャ文章量も多いのですが…そこは暇つぶしがてらにお読み下さればと。
そんな訳で、トマトの味も無事に検証が完了。
次回の報告書は、年明けとなる予定で御座います。
では、また、CUL。