CULrides カルライズ

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食べ蒔き作物プロジェクト報告書 メロンとスイカのレビュー

さて、前回は遂にメロンとスイカと言う、「作物らしい形の作物」の収穫に成功。

8月中旬~下旬頃の様子

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特にメロンは、この食べ蒔きプロジェクトにおいて、初の大物と言えるサイズと相成りました

しかしながら、気になるのは肝心の食味。
早速、出来ばえを確認して参りましょう。

では、いざ。



🌑メロン🌑

先ずは、名称不明ながら立派な姿の「白いヤツ」。

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その大きさと重量感は凄まじく、見た目通り中身もパッツンパツンに詰まりまくりすてぃ。

タネ蒔きから、およそ4ヶ月ほどで収穫となったが、期間的には妥当なラインでしょうか。


直径は最大20cm強ほどあり、重量も約1.6kgとかなりグラマーかつボリューミー。

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すごく、大きいです…。

まさにガチムチ。
腹ん中までパンパンだぜ(?)と言わんばかりな、「メロン的」果実に仕上りました。


鼻を近付けると、ほのかにメロンの香りがしており、既に熟成を迎えている雰囲気も漂うが、とりあえず常温で3日ほど追熟。

冷蔵庫で冷やしてから包丁を入れると。

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して、その切り口と断面は、非常に綺麗な発色の色艷をしていて、タネもしっかり詰まっている。

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虫に噛られてはいたが、中身に変色など無く、普通に無事。
ルックスだけなら、かなり良好な質感である。

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ただ、やや水分の少ない印象で、身質は固め。
この辺は、マクワを彷彿とさせる感触だ。

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ならば、肝心の味はどうなのか。


さて、一口。



む…?



ん…。



ふむ…。



味…。



薄…。




その印象はズバリ、「超薄味のメロン」。


皮ぎしから中ほどはシャリっと、リンゴや梨の様な歯応えで、やはり水分量も少な目。
比較対象が上手く思い付かないが、やはりマクワウリに近いと言えば伝わるでしょうか。

と言うか正直、僕はマクワウリを食べた記憶が曖昧なのだけど、強いて例えるに「昔食べた黄色いメロン」の歯応えと風味の、超薄味バージョンと想像して頂ければ大体合っていると思います。


しかし、まるっきり甘味が無い訳では無くて、タネのある中心部には確かなメロンの甘さと柔らかさが有る。
なので、先ずは中心部を噛り、その甘味で全体の薄味をカバーする様な食べ方が適切であると感じた。

ウチには糖度計が無いので便宜上、その甘味レベルを市販のネットメロンと比較して、自己基準で数値化すると。


市販品種を最大値で「10」とした場合、こちらは最大で「4」程度の値となりそうである。


ハッキリと言えば、市場に出せる代物とは言い難いし、本来は加工品等に回されるであろう食味には違いありません。

それこそ、果実自体が大きいだけに些か肩すかしを食らった感もあるが、触った感触で何となく想像していた通りとは言える。
当然、元の品種(ネットメロン)からは大分離れた性質の食感なのは言うまでもない。


しかし、これが原種(親)の特徴に近いとしても、何をどうしたらあんなに甘くてジューシーかつ、トロリとした食感のメロンが生れるのか謎すぎる。

当然、人工交配だからこそ成しえた甘味なのは解っているけど、もう一方の親が居るとして、それは一体どんな味のだ?
単純に性質の異なる親同士を掛け合わせただけで、出来るもんなのか?
そして、仮に自然交配でも、あれほど美味な品種が誕生し得るのだろうか?

気になる点は尽きない。


何にせよ、当プロジェクトで、少なくとも「食べられる」メロンを収穫出来たのは事実。

甘味の再現については、まだまだ改善の余地が多かれど、食べ蒔きのタネからでも大きな作物が育つ事だけはハッキリと証明出来かと思います。

そんな手前味噌ぎみな自己主張はさて置くとして、せっかくここまで育て上げた果実。

メロンに纏わる様々な可能性について考えつつ、有り難く全てを平らげたので御座いました。



🌑スイカ🌑

お次は、今期やっと「形」として収穫出来たスイカです。

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表皮にキズらしき痕が残っているが、原因は何だろうか?
もしや虫かな?
まぁ、中身が無事ならヨシとしておきましょう。

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既に熟成していそうな雰囲気であったが、こちらも常温で4日ほど追熟。
冷やしてから切り分けてみると。

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外見のイビツさとは逆に、切り口の断面は非常に綺麗で期待を持てる。
タネも全体的に黒々と発達した、「イケてる」ヤツとなっているし、熟成具合は良好そうだ。

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前回、裂果して失敗した果実を試食してはいるので大体の予想はつくが、こちらの味は如何なものでしょう。


いざ、一口…。



お…。



これは…。



うまい。



うん、間違いなく美味しいスイカである。



その味は見た目通り、ちゃんとジューシーな果汁と甘味、そしてサクッとした爽やかな歯切れの食感が再現され、まともな食味をしている。


無論、元の大玉に比べれば及ぶべくも無く、だいぶ矮小化された物であるのは事実であり、若干薄味なのも間違いありません。

しかし、何も言われず出されてしまえば普通に受け入れてしまう事は確かで、それこそ新種の「ミニ小玉スイカ」だとか二重表現で言われても納得してしまいそうでもあります。
実際その食味も、一昔前の小玉スイカ的な甘味と食感に近い。


メロンに倣って数値化すると、「7~8」くらいのポイントが付けられる甘さレベルと言えます。


ただ、皮ぎしの、ごく一部分にスポンジ状の組織があり、それだけフニャッと食感がイマイチだったのだけど、これは表皮のキズのせいだろうか?
やはり虫かな?(デジャビュ)
それさえ残らなければ、文句無しの仕上りとなったはず。


ともあれ、味だけでも上手く行って本当に良かった。

思い返せば、あんなに頼り無かった苗から、良くこんな果実を収穫する所まで到達したものだ。

そう考えると、何だかんだで結果的には、やってみて良かったと言えるかも知れない。

ごちそうさまでした。



そんな訳で、食べ蒔きで作物を栽培する当プロジェクトにおいて、新たな結果と事例が加わりました。

次回は、再び作物の経過と、更に収穫したメロンとスイカの話になります。

でも、ネタバレですが全く期待出来ませんので、気になる方だけご覧下さればと。



では、また、CUL。