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国有林伐採の解決策 第6回「植林と引き渡しの方法」

これまでの経験と独自の観点から、国有林伐採の解決策となりそうなアイデアを綴るシリーズ、第6回。
culrides.hatenablog.com

今回は「苗木の行き先」について、具体的に記して参りましょう。


🌑植林と引き渡しの方法🌑

さて、前回のフローを踏まえて無事に苗木が育てば、残る目標は引き渡し、または植林となる。


この植林を実施するにあたり、現地で作業を行うには概ね3つのパターンが考えられる。
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先ず1つ目は、生徒自らが植林に参加するパターン。

これは六年間育てた集大成として、修学旅行や自然教室などの行事に交えて行う事が想定される。
と言うより、既に所により実施されているとは思うのだけど、この記事では改めて独自の方法論にて述べて行きます。


この場合、自ら育てた事で積極的に参加する子は居るだろうし、確かに最後の仕上げを行う事で達成感も味わえるはずだ。

それとは逆に、体を動かすのが苦手な子や消極的な子もいると思われる。
ただ、その場合については強制させるのでは無く、やる気のある子を中心とした立候補制や選抜式にすればストレスが少なくて済むだろう。

植林の際には「関わった人」のネームプレートなどを掲げておけば、自ら育て植えた感触がよりリアルになるに違いなく、仮に参加しなかった子でも、いつか思い出す事で意義は残り続けるはずだ。


課題は山での安全面となるが、これは当然、斜面の緩い入山しやすい場所を前提として、林業関係者の監督の下で行われるべき作業となる。
また、イノシシやクマなどとも遭遇するリスクもあり、あまり山深い場所や警戒情報の出ている地域も避けた方が無難。
場合によっては、事前に地元の猟友会などの協力を仰ぐ必要性もありうる。

また、現場は雨などの気候的条件にも大きく左右されるので、天候が安定し雨量の少ないシーズンが理想的。
となると、概ね春以降から梅雨入り前に限定されて来る事となる。

初冬や春先も安定してはいるが、苗木の体力では寒さに耐えきれず「霜枯れ」してしまう可能性があるので、いずれも土に定着しやすい条件の時期を選ぶ必要性がある。
もっとも、この点に関しては地元で営林に関わる人や専門家の意見を参考にしながら、時期を決定するのがベターとなるだろう。


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2つ目は、現地で伐採を行う業者に引き渡し、植林用の資材として活用して貰うパターン。

これは、いわゆる提携先企業との間で執り行われるやり取りとなるか、またはタネを送ってくれた業者へと引き継ぐものである。

ただし、現時点では再生や植林まで義務化されていない為、実際に使われるかまでは不透明な部分が大きく、下手すると転売される可能性も有り得るし、植林後は放置されたりなどの課題も残る。
故に、業者の選定には一考の余地があると言えるだろう。

ある意味、紳士協定みたいなものだが、一先ずの資源(苗木)は確保出来ているので、もし仮に使われなさそうな場合は別の譲渡先を探したり、必要とする自治体に委譲するなどの代替案が考えられる。
これに関しては、どこであれ活用されていれば目標を達成したと言えるし、 捨てられてしまうよりは遥かにマシとはなるだろう。

いずれにせよ、互いの信頼によって成立する方法ではあるし、とにかく始めない事には判らない部分だってある。
こういったルール的な部分は、いずれ時間が解決するかも知れない。


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3つ目が、間伐予定地にある自治体(市町村の環境課・営林課など)に、業者の選定を含めて委任する方法。

これは2つ目と共通するが、例えば「自治体が認定している地元の業者」であれば、昔から地域に根差す形で営業しているだけ比較的に信頼性が高く、譲渡先としては申し分ないと思われる。
また、経営体力が乏しい中小の業者にとっては、育苗に関わるコストと期間が肩代わりされた分だけ手間が省ける事になり、負担感の軽減にも繋がるはずだ。

植林後の管理に関しても、自治体と地元業者間は密接な関わりにあるだけでなく、その地元の山林を行き来する頻度を考えれば監視体制としても有利となるだろう。

更に、こうして自治体と学校が繋がる事で、林業以外の分野でも相互作用が起きる「タネ」となるのがポイントとなる。

例えば、給食に農産物や特産品などを使わせてくれたり、植林以外の様々な体験教室を開催するなどで、生徒の経験値を高める効果も期待出来る。
その意味では、この3つの中では最も実現性と信頼性の高いプランかも知れない。


と、上記した3つが主な方法として想定される。


ここまで言っておいて何だが、どのパターンにせよ育てた生徒が植林に参加しても良いし、しなくても良い。

理想論を言えば参加した方が良いのだろうけど、何度も言う様に、これは「暇つぶしがてらに手伝って貰っていた」だけの話であって強制では無いのだ。

結果的に「ちゃんと植える」事が一先ずのゴールとなるので、そこだけ円く収まれば成功なのです。


次回は最終回として、一連の「補足な話」について触れて行きましょう。



では、また、CUL。