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国有林伐採の解決策 第4回「苗木の管理は放置プレイ」

これまでの経験と独自の観点から、国有林伐採の解決策となりそうなアイデアを綴るシリーズ、第4回。
culrides.hatenablog.com

今回は「苗の管理フロー」について、具体的に記して参りましょう。


🌑苗木の管理は放置プレイ🌑

さて、前回から引き続きまして、お次は発芽した苗木の管理方法について記してみよう。


先ず、この管理に関して個人的な体験談で述べてしまうと、無事に発芽した後は概ね「放置プレイ」で充分だと考えている。
いや、本当に完全なる放置では枯れてしまいかねないのだが、「必要最低限の世話」で賄うのがポイントとなる。

何故なら、第2回の例で挙げた「小学一年生の時に植えたクヌギとビワが現在までに立派に育った」事例では、殆ど管理らしい事はしておらず、ただひたすら生えたままにしておいて特に問題が無かった経験に由来する。
しかも、水やりは雨水のみで、やたら狭く陽当たりの悪い隙間みたいなスペースで、である。

強いて何か施したとすれば、飼っていて死んだ魚やザリガニなどを根元に埋めた事で、結果的に栄養価の高い肥料になっていたのだろうなぁ、と言った程度である。


また、それ以外にも、近年ではアボカド、柚子、甘夏、グレープフルーツ、梅などなど、これまで複数の樹木のタネを植えて来たが、これらはかなり高い確率で発芽し苗まで生育させる事に成功している。

その証拠として、下の画像はこの1~2年の間に埋めたタネから発生した、「実生(みしょう)」の苗。
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判りづらいが、左から柑橘類(何だったか忘れた)、梅、アボカドとなる。

これらのタネは前年(食べた年)の春から年末にかけて埋め、概ね翌年の春から初夏にかけて発芽。
また、思いのほか発芽率は高く、それぞれの株も数個以上あるなど、何だかんだ埋めたタネの殆どが生えてくれた。


更に言えば、これらもやはり単純に「タネを土に埋めただけ」のパターンで生えており、何ら特別な施しも行っていない。
無論、プランターの土が乾いたら水をやる必要があれど、やはり世話としては最低限だった。

つまり、一定水準の環境さえ整っていれば、一般に「発芽は難しい」と評される樹木でも、意外なほど簡単に生えてくるし勝手に育つのだ。


ただし、タネから育てた「実生の株」では個体差が出る場合が多く、もし貧弱な個体ならば適切に管理しないと早い段階で枯れてしまう事になりかねないし、実際に生命力が弱い傾向にあるのも確認済みである。
その為にタネの予備が必要となるのだが、その発芽後は強い個体と弱い個体とで選別する「間引き」の必要性も出てくる。

しかし、この間引き作業の重要性については懐疑的で、個人的には「どちらも全て育ててみれば良い」と考えている。
何故なら、弱い個体も実際は一定水準まで育つ場合が多く、植える場所次第でまた変化する可能性があるからだ。

無論、強い個体を優先して育てた方が効率的なのは確かだとしても、何かしらのアクシデントで失われる事態に備え「予備のまた予備」がある方が得策と言う訳である。


また、もう1つ注意点があるとすれば、上記は基本的に「直まき」での事例である事。

実は、何故かプランターや植木鉢などの様な狭い環境では発芽率が極端に低い傾向が見られ、全く生えて来なかったり、生えても貧弱な個体となるパターンを多く確認している。
どうにも恐らく、これは「土壌の微生物による刺激」を受けるのが「スイッチ」となる様で、より自然に近い環境でなければタネ自体も生命力も目覚めてくれない様なのだ。


この画像はアボカドの芽であるが、いわゆる「地植え」の方がプランターと比較して発芽や成長速度が早く、苗のサイズも大きくなる傾向が伺えた。
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この理由としては、地植えの方が広く深く根を伸ばしやすいので、それに伴って成長率も高まる訳である。

従って、プランターで育てる場合においては、出来るだけ大きいサイズの鉢を用意し、その中に一定量の「自然の土」を混ぜる必要があるなど、そのぶんだけ手間が増えてしまうのは致し方ない所となるだろう。


と、上記の発芽条件で本当に問題無いと仮定した場合。

学校での管理はと言えば、余程に乾燥が続いて土中が乾き生育どころでは無くなる様な気候が続かない限り、たまに水をやる位で問題無いと思われる。

苗木の根がしっかりと張り、枝葉も生え揃ってくれればしめたもので、ここまで成長すれば週1~2回位の水やり程度で済むし、それこそ雨の多い時期ならば完全なる放置プレイで大丈夫だろう。
世話は家庭科の授業や隙間の時間に行えば、やる側の手間も少なくて済むはずだ。


しかし、幾ら自分達で育てるとは言えど、中には全く興味の無い子もいるし、そもそも「授業」として何年間も組み込むのには無理があるものと考えられる。

それはアサガオの例にしても、真面目に育てる子もいれば適当にやる子もいる以上、全員が真剣に取り組める訳ではない。
ましてや教員だって、ただでさえ日々の業務に忙殺される昨今であるし、無駄な負担が増えるのは避けたいはずだ。

僕がしきりに「放置プレイ」を強調するのは、必要以上の作業ウェイトを強いない様に、「誰でも簡単に管理できる」方が精神的にも肉体的にも手軽に済むし、様々な場所で応用が利くから。
これを「義務」としてしまうと、もし枯れてしまった場合などで、誰かに責任を求めたりしてモメてしまう理由にもなりかねないからだ。


そう、この苗木の育成や管理で最も重要なのが、「強制しない」事。

あくまで暇つぶし程度の感覚で、「結果的に育てばオッケー、沢山出来たらラッキー」位のプロジェクトなのであります。


ここまで来ると、次第に意図が判って来たのでは無いかと思います。


「皆の力を分けてくれ」と言うのは、どんな形でも良いから沢山集めておけば、いずれ大きな効果を発揮するよ。

成功するに越したことはないが、もし失敗しても予備を譲りあったりすれば大丈夫だよ。


と、そんな意味があるのです。


かくして絶対数が揃った苗木であるが、それとて無事に行くとは限らない。
植林までは、まだ幾つかの課題が残されているのです。

次回は、育苗中の課題と解決案について触れて行きましょう。



では、また、CUL。