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国有林伐採の解決策 第5回「リスクマネジメントの課題」

これまで経験と独自の観点から、国有林伐採の解決策となりそうなアイデアを綴るシリーズ、第5回。
culrides.hatenablog.com

今回は「考えられるリスクと解決案」について、具体的に記して参りましょう。


🌑リスクマネジメントの課題🌑

さて、タネ蒔きから発芽までは何とかなるとして、最も懸念されるのが災害やイタズラ、そして盗難など管理上のトラブルになるかと思う。

たとえ大きな施設の敷地内で管理していたとしても、基本的に野外で育成する事が前提にある以上、様々なリスクがつきもの。

いや、そもそも幾ら暇つぶし程度とは言え、いざ被害に直面しては精神的に堪えるであろうし、そうならない様な対策を講じる必要性が出てくる。


先ず、台風などの災害に関しては、苗木が置かれたスペースをネット等で被う事が最も効果的と思われる。

しかし、これではコストも手間も嵩むし、少子化で台所事情が厳しい昨今の学校では、現実的に難しい所もあるだろう。


強いて考えられるとすれば、プランター同士を密着させて固定する事で、お互いの「摩擦力」によって保持させる方法。
見た目には単純だが、これだけでも飛散リスクは軽減される。
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あるいは、プランターや幹をロープ等で「いかだ」形式に繋いだり、それこそ建物自体に固定するなど、やはり何かしら「支え合う構造」が考えられる。
これでも希に将棋倒しとなる場合もあるのだが、少なくとも方々に飛び散る確率は低くなるはずだ。

とにかく、物理的に倒されたり飛ばされたりされない工夫が必要となるが、その中で最も安上がりな手法を色々と試すほか無さそうではある。


次に、苗木を折られたり抜き取られたりなど、イタズラによる被害への対策。

だが、これに関しては正直、完全に防ぐ手立てが無い様に思える。
と言うより、大量に空きスペースで育てる時点で、間違いなくスキを見て「やらかす人物」が現れるだろうし、ある意味では止めようがない部分さえあるからだ。


とは言え無策である訳にも行かないのだが、強いて考えられる手段としては、人感センサー付きのライトで照らすか、防犯カメラなどの装置に頼る等が挙がる。
ただ、これらは物理的な接触を完璧に防げる訳では無く、完全防備とは行かない部分もあろう。

となると現状、これについては最低限「皆で見守ろう」と言った意識を教えてる事でも、かなり抑止力が高まるのではないかとも考えるのだが…。
しかし、これは楽観に過ぎないだろう。

ここは一つ、対策となるアイデアも皆で集めて、そこから効果的な手段を見出したいところ。


ちなみに、もし幹や枝が折れられたり抜き取られたりした場合、やり方次第でリカバリーが可能である。

例えば、下の画像は直まきしていたタネから発生したアボカドの苗なのだが、よく見ると幹からでは無く根に近い「脇」から芽が出ている。
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実は昨年度、いざポットに植え替えようと土を掘り起こした際に、誤って「一番太い根」の真ん中をボキッと折り破損。
ダメ元でポットに移しておいたのだが、案の定、程なく枯れてしまった。

しかし、何となく蘇生する様な気がしたので、そのまま惰性で水やりを続け、やがて冬を越してから今年の春頃、何と画像の「脇芽」が発生。
この現象はつまり、「幹となる根」はダメになったので一度は枯れたが、「脇芽となる根」は生きていたからこそ復活出来たのだ。
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また、折れた枝も「挿し木」にすれば復活する。
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上の画像は、やはり梅の苗を植え替える際に柔らかい先端を折ってしまったものだが、その先端部だけ別のポットに挿し木する事で回復。
画像では虫食いがあるし、挿し木にすると若干生命力が落ちる様なのだが、一応現在でもちゃんと根を張って生きている。

と、もしイタズラ被害に遭っても、諦めず継続的に世話をすれば復活の余地があるのです。
この話は、いずれまた別の記事でも触れる事にしましょう。


そして最後に、盗難への対策。

これはイタズラ対策とも共通する課題となるが、やはり外部からの侵入者による被害も懸念される。

実際の所、いずれの種類の樹木を育てるにせよ、市場において価値がある品種ならばターゲットになりうる。
また、最悪なパターンとしては、一定量が揃っている所を夜中にゴッソリ一網打尽に奪われてしまう事態も考慮に入れねばならない。

無論、これは小さな苗木であるほど狙い目となってしまうのだが、いずれのサイズにせよ保護は必要で、如何にして守り続けられるかがカギとなる。


この対策案について、上では人感センサー付きのライトやカメラを挙げたが、個人的にはあまり仰々しいアイテムの導入には消極的である。
いや、もう既に導入されている学校が多いのだろうけど、このプロジェクトの為にわざわざコストを割くほどかどうかは謎である。

何しろ、これは都市部の学校では設備投資が可能だとしても、地方や僻地となれば簡単な話ではないだろう。
あくまで「授業の合間の暇つぶし」的な側面がある以上、無駄なコストを抑える工夫が必要だと考えているが、しかし、それでも何らかの抑止力が欲しいのが悩ましい所。

この矛盾を解決するに、やはり屋上が防犯の観点で強いのは間違いなく、保管場所として最適であろうと思われる。
最大の問題となるのは、台風などの強風でプランターが落下するリスクと、児童が転落するリスクを防ぐ事が焦点となる。


ここまでの検証を踏まえ、現時点で出せる案としては以下になるかと思う。


プランターは一ヶ所に纏めて、お互いを支え合う構造にしたり、建物と繋いだりして飛散を防ぐ。

・もし屋上で育てる場合、周囲をネット等でキッチリ囲い落下を防ぐ。

・児童が事故に遭わぬ様に、世話の際は教員の指導の下、必要な作業だけ短時間で終える。

・解決しない場合の最終手段として、センサーライトやカメラを使う。


無論、上記は僕が考えただけの対策案であり、完璧でない事は承知の上である。

故に、有効な手段については常に検証の余地があるし、様々な人のアイデアを随時に募りながら、よりベターな方策を編み出して行きたい所。

そこも含めて、また「オラに力を分けてくれ」なので御座います。


次回は、無事に育った苗木の植林と引き渡しの方法について触れて行きましょう。



では、また、CUL。