さて、前回は塗装前の下準備について触れました。
超自己流修理・リペイントの巻 その1 事前準備
塗装面以外は、新聞紙とマスキングで全て塞ぎ、準備は完了。
そんな流れで、今回は塗装作業に参りましょう。
(4)塗装は始めに、銀色から吹き付ける。
コツとしては、スプレーを吹き付ける場合、出来るだけ薄ーく、何度か重ねる様にしよう。
一時に厚塗りすると、乾かないどころかタレてムラになったり、ブリスター(気泡)が発生してしまいます。
また、もう一つのコツとしては、塗装面に対して「上側から」、「正面から」、「下側から」と、3方向から吹き付ければよりムラ無く塗装出来ます。
注意点として、銀色は粒子が大きいせいなのか、他の色に比べ粘度が高い傾向にある為、一度に大量に吹き付けるのは避けるべき。
下手すると、タレたままコブ状に固まってしまい、修正が困難になってしまうでしょう。
とにかく、一回吹き付ける毎に表面が乾くのを待ちながら、更に3回くらいに別けつつ、薄く塗り重ねる事によって綺麗な塗膜が完成します。
これは接着剤でも同じですな。
所で何故、銀色からと言いますと、実は黒や白などの単色でそのまま塗装すると、下地の色を「透過」してしまう場合があるので。
科学的な詳細は置くとして、どうにも白黒は塗料の粒子が小さく、何度も重ね塗りしないと下地が隠れず、最悪の場合は塗装ムラが酷くなってしまう。
つまり、塗膜が薄いと透けてしまい、変な色合になる事があるのだ。
また詳細は置くとして(おい)、銀色には細かい金属粒子が含まれているとの事。
要は、恐らくその金属粒子の「厚み」によって、下へ光が透過しにくくなっているのかも知れません。
上記の理由により、最初の下地として銀色を吹き付けておく訳ですが、これで不思議と透けなくなるだけでなく、白黒の乗りと発色が良くなります。
逆に、銀色を表面にする場合は、白黒ないし灰色あたりを下地にすると乗りが良いそうな。
うーん、不思議。
(5)全面が塗膜で覆われたら、暫し放置する。
銀色ってだけで、何だかサイバーである。
一応、パッケージの目安表示にある通り、数十分~数時間あれば下地の粘度が落ちて、上塗り出来ない事もありません。
しかし、厳密にするなら、最低一日以上は外気に晒して乾燥させた方が無難でしょう。
ラッカー塗料は有機溶剤が主成分なので、乾かない内に上塗りすると下地を溶かしてしまい、滲みやムラの原因となってしまう。
表面だけでなく、なるだけ内部も乾いた頃合で別の色を重ねた方が失敗しにくくなります。
(6)乾いた頃合で、黒を上塗りする。
やり方自体は(4)(5)に準じますが、黒や白はサラサラと流動性があるので、タレに注意する。
くどい様ですが、一度タレてしまうと、そこだけ溶剤が集中してしまい下地を溶かしてしまう。
やはり厚塗りはせず、一回一回定着を確認しながら薄く塗り重ねよう。
前回でも触れた通り、今回は先に艶ありブラックを下塗りしつつ、艶消しブラックで仕上げに。
車用の塗料を纏ったスニーカーも、また大変に変体的な感触でたまらない。
アリかどうかはさて置き、このマニアックさがD.I.Y.の醍醐味です。
しかしながら、塗装していく内、実はこの「ソフト99 ボデーペン つや消し黒」がかなり優秀である事が判明。
特筆すべきは、速乾性と塗料乗りの良さ。
色合いも絶妙です。
正直、通常のラッカー塗料はかなり乾燥に時間がかかる上、幾ら乗りが良くなったとしても、塗膜が薄ければ下地を透過してしまう。
結果的には、仕上げに重ね塗りが必要となり、その間に下地を溶かして滲んでしまう事も多く、実は扱いが難しい面があります。
だが、ボデーペンなら乾燥が早く、一回の塗膜が厚く透過し難い。
つまり、かなり扱い易いのだ。
しかも、キャップの裏には丁寧な説明書も付属。
この記事で解説している話の大半が、この紙1枚に記されています。
説明文に性能がしきりに強調されている通り、実際に違わぬ高性能です。
もしかすると、アクリルラッカーで塗装するなら、下地は要らずこのボデーペン一本で十分かも知れません。
「何故か手元にあった」と言う理由だけで使ったにも関わらず、意外な発見過ぎて驚いてしまった。
これは所謂、「大事なモノは案外、身近な所にある」みたいな感じでしょうか。
大袈裟だけど。
(7)全面を塗装出来たら、最後にまた乾燥させる。
この最後の乾燥が大事な所でして、出来れば1週間以上は通気の良い場所に放置しておきたい。
シューグーの記事でも触れましたが、くれぐれも部屋の中には保管しない事。
僅かでも溶剤が残留していると、臭いが室内に充満してしまいます。
兎に角、ラッカー塗料はシンナー臭い為、しっかりと溶剤を揮発させておく必要があります。
また、それにより定着を促す事で衝撃にも強くなり、塗装剥がれも防げます。
焦らずじっくり「熟成」を待ちましょう。
次回は、塗装の最終工程として、完成形のチェックを。
そして、細かな手直しについて触れてみます。
では、また、CUL。