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超自己流修理・シューグーの巻 その2 接着剤を塗布する

さて、前回はシューグー補修の前段階として、マスキング貼りまで終えました。

その1 事前準備

culrides.hatenablog.com


ブログの機能上、一挙にアップするのが難しく小出しになるのが些か申し訳ない部分なのですが、その分、ごゆるりとご覧下さればと。


そんな今回は、接着剤の塗り付けまで進めるとしましょう。



(2)マスキングを貼り終えたら、接着剤を塗布する。

イメージ 1


先ずは、下地として溶剤系の万能ボンドから塗る。
ヘラを使い、薄くムラ無く伸ばしながら、やはり凸凹にも塗り込んでおこう。


コツとしては、ホットプレートに「クレープ生地」を引く様な感じで、サッと手早く。

シューグーと同様に割りと速乾性なので、モタモタしていると「ダマ」や「シワ」になってしまう。
厚塗りはせず、薄く塗る事で結果的に乾燥時間も短縮されます。
キャシイ塚本の如くコネくり回し過ぎるのは失敗の元になるので注意。


塗布して約10分程経過すると、表面が硬化して来る。
ヘラ先で突っついて、ネバつかなくなれば重ね塗りが可能になります。

また、これと同時にヘラに付着した接着剤を剥がして綺麗にしておき、再度キッチリ塗布できるよう準備しておこう。
硬化すると、卵の薄皮みたいに簡単に剥がせるはず。



(3)次に、下地の上へ重ねてシューグーを塗る。

イメージ 2


要領は万能ボンドと全く同じ。
なるべくなら、ギリギリ下地が乾く前に、粘度が残っている間に上塗りした方が定着し易いかも知れません。

イメージ 3



ただ、シューグーは表面の乾燥が早く、これが結構に扱いが難しい。
あっという間に固まってしまうので、一度に厚塗りすると「ダマ」になってしまう事が多い。

コツとしては、少量をヘラ先に取りながら、サッと薄く伸ばしつつ早めに一気に塗ると、馴染みが良いです。
何れも、接着剤は用量の調節とスピードがキモと言えます。


更に注意点として、重ね塗りする場合は、力強く圧す様に塗り付けるのは避けるべきです。
下地の表面下はまだ乾いていはいないので、下手するとグチャグチャに片寄ってしまう。

パテシエがケーキに生クリームを塗るが如く、つとめてジェントルかつ優しくヘラを這わせながら、「乗せる」感覚で上塗りしましょう。



🌑接着に関して余談と注意🌑


それで何故、万能ボンドから塗るかと言うと、「ベース・レイヤー(下地)」としての役割りがあると考えているからです。

実の所、シューグー単体の場合、接着力が甘くなりがちな傾向にあります。
特に、ミッドソールからアウトソール側は凹凸が多いのでヤスリ掛けが効かず、履いている内に剥がれてしまった方も多いはず。

そこで、先ずは溶剤系でソール表面を溶かしつつ、そこへシューグーを塗り重ねる事で接着剤同士を溶着させ、定着を促すのが狙い。
同時に、「かさ上げ」効果でシューグーを節約しようと言う魂胆なのです。


ただし、冒頭で「注意」と延べたのは、この重ね塗りが化学的な意味で大丈夫なのか未確認である為です。
ハッキリと言えば、完全に溶着するか実際は何とも怪しかったりで。

一応、今までこの手法で特に健康上の問題は発生していないのですが、いずれにせよ作業の際は換気に気を付けて行ないましょう。
また、接着剤が乾ききるまでは靴もなるだけ履かず、外気に晒せる場所に保管するのがベストです。

※[追記]:今回の接着剤とシューグーの重ね塗りの結果、何度か歩いている内にペリペリ剥がれてしまう現象が発生。
そのまま暫く使用していましたが、結果的に全て剥がれ落ちてしまいました。

従って、この記事における手法は参考程度に留めておき、皆様でベストな接着剤の組み合わせを発見して頂ければと思います。
色々とウンチクを垂れておいてサエない結果となってしまい申し訳ないです。


また、もう一つの注意点としては、万能ボンドを単体で使用する場合、「他のパーツと触れ合わない部位」にのみ使用すべきでしょう。

過去の失敗例として、バイクのグローブの左右のグリップ面(掌)を補強する為に塗ったものの、そのグリップ面を重ねて保管する間に接着面が化学反応で溶着してしまい、剥がすのに難儀した事があります。

同じく、スニーカーの内側(インソール面)に使用した時も、本体とカップインソールが溶着して剥がれなくなってしまったり。
あるいは、履いている内に圧着されてしまい、はみ出た接着剤で靴下までベリベリに接着されてしまう事さえあります。
※圧着自体は、「貼り合わせ」の方法としてかなり有効で、メーカーも推奨しています。


従って、溶剤系の接着剤をスニーカー等に使用する場合は、本体の「外側」か、もしくは他の部位に触れ合わない位置かを確認した方が良いでしょう。
そして保管する際も、プラスチック製品や樹脂の面には絶体置かない様、注意が必要です。


と言うより、大前提として溶剤系の接着剤自体がかなりシンナー臭い上、取扱いに神経質にならざるを得ないアイテムとなります。
根本的に直接人体に触れたり吸い込まない様、使用するのが基本にあるのです。



と、注意事項をよくお読み頂いた上で、作業を続けましょう。



(4)行程(2)(3)の要領で、重ね塗りを繰り返す。

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万能ボンドにせよ、シューグーにせよ、概ね10分~20分ほどで重ね塗り可能な粘度になります。
いわば「ミルフィーユ」的に、交互に塗り重ね行程を進める内に、次第に厚みが出てくる。

イメージ 5



この重ね塗り自体はシューグーの説明書にも、実際に効果がある行程として明記されています。

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ものの数秒間に表面の硬化が始まる分、薄く塗らないと修正が難しくなってしまうだけに、理に叶っていると言う訳ですな。


素材の摩耗度合いにもよるのですが、今回一番凹んでいた箇所は4~5回ほど重ねた辺りで埋まってきました。
画像では変化が見え難いですが、確実に厚みが増しています。

後は、細かい凸凹を埋めつつ微調整をすれば完了。



(5)塗布が完了してもマスキングは剥がさず、このまま最低一日は乾燥させる。

イメージ 7


注意点として、完全に硬化するまで、そして溶剤が揮発するまでは、必ず人から離れた換気の良い場所で保管しておく事。


くどい様ですが、溶剤系は揮発に時間が必要になります。

乾いたと思いきや、シンナー臭いまま使うと剥がれ易かったり、油断してプラスチック等に触れる位置に置くと、溶着してしまったりする。
まして、寝室に置いてしまうと部屋が接着剤臭くなり、かなり不快な状況となるでしょう。

出来れば、1週間以上は揮発に時間を使った方が無難で、個人的には1ヶ月くらい置いても良いんじゃないかとさえ思っています。


上記の行程を纏めるに、シューグーや接着剤での肉盛りにおける最大の要点があるとすれば、「一つ一つ丁寧に、焦らず定着を待つべし」なのかも知れません。



そんな具合いで、ここまで済めば一段落。

次回は、シューグー補修の最終段階。

仕上げ工程に続きます。



では、また、CUL。