CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

竿のトップガイド修理に挑戦 前編

昨年、ライトゲームを楽しんでいた折。


急にキャスト切れが連発した事に違和感を覚え、ラインをチェックすると、猛烈にササクレている。


まさかと思いガイドをチェックすると、トップガイドのSiCリングが見事に砕けているではないか。


思い当たる節と言えば、さっきトゥイッチしていた時に、「カリッ…」と岸壁にぶつけた感触があった事か。

あの程度の衝撃で割れてしまうとは、どこかにヒビでも入っていたのだろうか。
いや、そもそも小さいリングで、それほど強度が高く無いものである以上、ぶつけない様に気をつけるべきだったなと反省する事しきりである。


結局、当時は直さず、それ以降は別のロッドでプレイしていた訳だが、どうしても使い勝手の良さが忘れられず、今になってやっと修理する事に。


まぁ正直、ガイドの交換なんてやった事無いので、単にメンドくて放置してただけと言う。
修理出すのもお金かかるからね。



そして、その彼が今回の患者である、アブガルシアのシーサイドスティックSS-702君である。

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彼については、また別の機会に記述するとして、早速オペに移ろう。



作業にあたり、用意したのはコチラ。

・ライター
・カッター
・ハサミ
・ペンチ(プライヤー)
・布巾(布、紙)
・エポキシ接着剤
・塗料トレー
・ナイロン筆
・新品ガイド
・スレッド
・あればラッカー薄め液



まず、割れたトップガイドを外すのだが、スレッドのコーティング部を軽くライターの火で炙るだけで簡単に外れる。

融点に達すると、ブジュブジュっと溶けて軟らかくなるので、そのスキにペンチで抜き取ろう。
素手ならヤケドに注意。

あまりにアッサリ外れたので、画像撮るの忘れた。


ここで大事なのが、一気に加熱するのではなく、コーティングが柔らかくなるまで、あくまで軽く徐徐に火を当てる事。

ブランクへのダメージを最小限にするのと、熱で余計な部分のコーティングまで剥がれるのを防ぐ為だ。



コレが取り外した患部。

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既に割れたリングは除去済み。

これはかなり古いタイプで、昔の磯竿やトラウトロッドに良く搭載されていたが、ガイド絡みが起きやすく、現在はどのロッドにも使われていない様だ。

特に用途も無いので、処分するのみ。



外した部分には、まだ僅かにスレッドやコーティングの残りカスがこびり付いているので、大きいモノはカッターの「背」で削る。
「刃」を使っても良いが、ブランクをキズ付ける恐れがあるので慎重に。


ざっと「バリ」が取れたら、目の細かいサンドペーパーや乾いたタオルでキレイに均すと、こんな具合でツルツルになる。

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後は、水を絞った布巾やペーパーなどでホコリを拭き取り、乾かす。



そして、ここから新しいガイドの取り付けを開始。



今回使用するのは、お馴染みFujiのFST6-1.8と言うタイプ。

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この型式は1個¥500ほど。

この6-1.8と言う番号は、6がガイドリング径で、1.8がパイプ内径となる。


当然だが、リング径は何とかなるとしても、パイプ径を間違うとブカブカだったり、あるいはキツすぎて入らない事になる。

従って、出来れば最寄りの釣具店にロッドを持ち込んで、「試着」した方が無難です。

パイプのサイズさえ合えば、あとは好みのタイプを選ぼう(オーシャンとかチタンフレーム等)。



で、ガイドの接着に移るのだが、今回用意したのはダイソーの¥100エポキシ接着剤。
硬化時間は10分。

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ネット上では、専用の接着剤と比較すると強度不足であるとか、黄色く変色しやすいなどと言われているが、とりあえずはライトゲーム用ではあるし、何より硬化時間が長いのは面倒。

なので、コスト面、更に作業的な負担感の軽減の意味で、こちらを使ってみる事に。


大抵のエポキシ接着剤は二液混合式なので、A剤B剤を少量トレーにとり、付属のヘラでよく混ぜる。

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これは10分硬化型なので、素早く混ぜよう。

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練って練ることねるねるねるねの如し。


しかし、結構あっという間に粘度が増してしまうので、練りすぎ注意。



ちなみに、トレーは何故か明治キシリッシュの蓋。

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昔、プラモデルを作っていた時に使っていた、ステンレスのトレーを無くしていたので、目の前にあったコレで妥協。

でも、ヒネるとグニグニ曲がる為か、乾いた接着剤がパリパリとすぐ剥がれるので掃除がラク。オススメ。



そんな、マゼマゼした接着剤をブランクへ塗り付けるのだが、厚塗りは必要なし。
ごく薄く、「巻き付ける」様に。



塗り付けにはナイロン筆を使用するのだが、コレもダイソーで¥100。

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結果的に、エポキシ接着剤で筆が固まってしまう為、使い捨て同然に扱う必要性があるので安物で十分。



接着剤を塗布したら、すかさずガイドを差し込むのだが、隙間無くタイトに挿入されるので、必ず接着剤が溢れてくる。


そんなハミ出した接着剤の拭き取りは、布だとホコリが付着してしまうので、新聞紙や紙ナフキンを使うと良い。

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やはり硬化も早いので、ハミ出した接着剤も素早く拭き取ろう。



そして、接着剤が柔らかい内にガイドのズレを修正。
ライトに照らして、リングの列を覗き込むと解りやすい。

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#2ガイドよりトップガイドを覗いてみた所。


こうして、真っ直ぐ取り付けられたら、硬化と定着を促す意味でも一日程度、放置しておこう。

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次回、後編。

スレッド巻き付けに続く。