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超仮説シリーズ・発達障害が存在する真相 第4回「作物と人間との共通点」

これまでに得られた経験と知見を基に、この現代に「当事者が存在する理由」の真相を解き明かすべく迫るシリーズ、第4回。

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今回は「作物と人間で共通するメカニズム」について、話を展開して参りましょう。


🌑作物と人間との共通点🌑

さて、前回までのメンデルの法則で更に疑問が沸くのが、「F1品種では子孫を残せないのに、どうやって先代や先々代、さらに祖先達は生き残れて来たのか?」

ではないかと思う。


このヒントとなるのが、「古代種」や「固定品種」と呼ばれる作物たち。

これぞ、まさにF1品種の元ネタ、即ち「その親世代から先代となる品種」である。
話をシンプルにする為、以降は「固定品種」に統一して記述してみよう。


先ず、この固定品種について簡単に説明しておくと、「世代を重ねても同じ性質の子孫が生まれる品種」と思えば概ね正しいだろう。

基本的に、これら固定品種のタネからは先祖返りが起きず、継続して同じ品質としての栽培が可能だとされている。
また、比較的に生命力も強い傾向にあり、その土地で世代を重ねる事で、やがて「本当に土地に合わせた性質」へと自然に変化する事さえ可能になるとも言われる。

その意味では、先祖から脈々と続く「野性的な本能」や「植物本来の姿」を色濃く残したままの性質を保持している。
また別の言い方をすれば、雑草の様な「生命力」や「免疫力」を持っていたからこそ、今まで生き残って来たとも表現出来るだろう。

この事に関して、前回記したF1品種のタネから栽培した際も、より「原種に近い姿を留めている作物」であればあるほど、病害虫に対する免疫力が強いだけでなく、受粉の成功率も高く果実を付けやすい様子を確認しているので、世代を遡るほど原始的な性質となるのは確かな様である。


ただし、デメリットとしては「果実サイズや収量が少ない」であるとか、「味にクセ」があったり「甘さ控え目」であるなど、一般市場に出回る品種と比較して「劣る」扱いとなり、そもそも現在では売られるシーンが殆ど無いのが実情。
また、各々の品種ごとに病原菌に対する抗力や、かかりやすい病気が違うので、栽培する土地の気候風土との相性も重要となり、地域性が幅広く何処で育てても均一な品質という訳には行かない。

いわば「性質に偏った部分」が残っていたりするのだが、昔の野菜や果物ほど「渋味、酸味、苦味などエグみがある」などのパターンが見られる様に、これら固定品種は調達や調理に手間がかかるなどで、あまり売れなくなってしまった部分もあるのだろう。

別の言い方をすれば、栽培地(産地)に馴染みやすい代わりに、「その他の地域への適応には時間を要する」であるとか、「極端に客ウケする品質にはならない」のが固定品種の特徴なのかも知れない。
そのデメリットを解決する意味もあって、これら固定品種の合の子として「とっつきやすいF1品種」が生まれているとも言えるだろう。


それに対して、総合的に優秀であるはずのF1品種にも、実は決定的なデメリットが存在する。

それは、「育てる為に膨大な肥料と土地」が必要になってしまう点である。


先ず、何故このF1品種が優秀なのかと言えば、これは「雑種強勢」と呼ばれる現象によるもの。
簡単に言えば、両親の「良いとこ取り」を果たしたハイブリッドであり、生物の中では非常に優位性が高いものとなるからだ。

それ故、「優秀かつ優位性が高い=他の作物より圧倒的に強い」事になり、なおかつ「より栄養価が高く理想的な品質に仕上げ易い」品種となる。
だからこそ、必然的に市場の中心を占める様になるので、それまでの旧い品種や固定品種は隅に追いやられて行く構図となる。

しかし逆に言えば、これらが「以前の品種より大きく栄養価が高くなる」と言う事は、きちんと育てるにも相応の量の「養分」が必要となって来る事も意味している。

具体的には例えば、その成長力は非常に高いものとなる為、本格的な栽培に際しては広大な土地が必要になるほか、その成長を支える豊かな土壌や環境を整備したりと、「場所作り」にも大きな作業を要するであるとか。
また、栄養価が高いと言う事は、害虫などの外敵に狙われる確率も比例して高まる事を意味しており、防除の手間も多くなりがち。
この他、高い生育状態を維持するために、特定の肥料や薬剤を使用するなど、より高度に細かなケアが必要な場合もある。

要するに、「美味しく大きい優秀な品種」を完成させたはずが、それと同時に大量の「資源」が必要となってしまうのだ。


更に言うと、作物には「連作障害」と言って、例えば同じ場所(土地)で再び同じF1品種を栽培してしまうと、特定の伝染病に罹患しやくなったり、また養分が不足するなどして土壌が疲弊してしまい、まともに育たなくなる場合もあると言う。

この要因としては、先に育てていた作物に養分を取り尽くされた以外にも、特定の品種向けに「土壌を改良」するなどした結果、本来あった微生物のバランスが偏ったりなどで、一時的に「生態系のリカバリー能力」が失われてしまったものと考えられる。
その為、もう一度植えて育てるには「改めて土壌を活性化させる作業」を行い、「同じ位の資源を再び投入」する必要性まで出てくる様になる。


これは雑草をよく観察すれば判る事だが、通常の植物であれば同じ土地や土壌で何世代も繰り返し発生し、それでいて問題なく勝手に生育する。

対してF1品種では、「その代」までは理想的な形となったとしても、継続的に「それ以降」を維持するには用意した場で最初から最後まで面倒を見なければならないし、しかも、その子孫に至っては生命力が弱いので、いずれその育った場所ですら生き残れない事になってしまう。

つまり、そもそもF1品種を生むには固定品種が存在しなければならず、また失われれば自らも存在が出来なくなる。
そして、作物として優秀なはずの品種による継続的な栽培は、逆に土地の荒廃を招く要因になるだけでなく、自ら子孫を残す事も出来ないので、いずれ種そのものが途絶える可能性すら有りうるのだ。


ここで勘の良い方ならお気付きかと思うが、このF1品種と固定品種との違いについて、どうにも「人間と同じ原理」が適用されているのでは無いか?

と言う点であろう。


無論、ここまでの話は既に方々でなされていると思うし、殊更に新しい発見と言う訳でも無いはずだ。
しかし、ここにある「条件」を加えて検証するにつれ、話は更に深い部分へと触れる事になるのです。


その核心に迫るべく、次回に続けて行きましょう。



では、また、CUL。