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超仮説シリーズ・優生思想は無意味 第5回「遺伝子は思わぬ形に変異する」

これまでに得られた経験と知見を基に、「なぜ優性思想は無意味なのか」を解説すべく迫るシリーズ、第5回。
前回まではコチラ遺伝子 カテゴリーの記事一覧 - CULrides カルライズ


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今回は、「遺伝子の変異と副作用」について検証して参りましょう。


🌑遺伝子は思わぬ形に変異する🌑

前回までの流れを総合して、もう少し解説を加えてみよう。


先ず、生物の体内には「遺伝子とその機能が消えた場合」に備えて、いくつもの「予備DNA=ジャンクDNA」が存在している。

そして、このジャンクDNAが機能を回復させるにあたり、それまでとは微妙に違った形のパターンを何通りか発生させる可能性がある。

ただし、それで機能の完全再現とはならないばかりか、下手するとそれまでとは全く違う機能を発現させる可能性が有り得る。
もし思いもよらない形に変異した場合、その遺伝子の保有者に対してどの様な影響をもたらすのか不確定。

更に、ジャンクDNAが機能を復元させるとしても、それは「その時の単なる代役」の域を出ず、「本物の機能」となる為には更に数世代の時間を要するであろう所も重要なポイントとなる。


では、上記を解りやすく、今度は「会社の人事」で例えてみよう。


ある日、元々あった遺伝子、つまり「担当者」が前触れもなく外されたり、あるいはクビになったりしてしまった。
理由はズバリ、「将来的に閉鎖する業務であるから」とか、「病弱だし何だか頼り無いから」と言う一方的な裁定による処置。
これは即ち、遺伝子の一部を「切り取られた」状態に相当する。

しかし、元々は「昔から存在していて必要な仕事を担っていた者」だったので、担当者が居なくなると、その部署(生体機能)の業務は滞るか停止する事になる。
それが急に居なくなってしまったせいで、まさに社内は大混乱である。


ならば新たな担当者を雇い入れたい所だが、あいにく適切な人材はすぐに見つからないし、そもそも「無くす」前提だったので応募もしていない。
また、他部署の遺伝子を引き抜いて新たな担当者に充てようにも、その人達は既に自分の業務に手一杯で抜けられない。
仮に彼らが抜けてしまうと、更にそちらの業務が滞る悪循環となってしまうし、今から新たに覚えるにもまた時間がかかるからだ。

とは言え、結局は社内(体内)の人材で賄わざるを得ない状況。
どうにか適任者を擁立しない以上は、業務が止まったままである。


そこで、ならばと白羽の矢が立ったのが、まだ立場が確定していない「ジャンクDNAくん達」である。

このジャンクDNAくん達の経歴は様々で、全く未経験な新人もいれば、中にはニートをしていて経験値の少ない者、はたまた会社でも暇な部署に居た者などが候補者として挙がり、試しに「やらないか?」と声をかけてみたのだ。


そんな経緯により、遂に業務の再始動が始まる。
だが、ここで新しい担当者達は、一つ重大なミスが発生している事に気付く。


それは、前任者からの「引き継ぎ資料」が全く無い事。
しかも、その前任者が全ての業務(免疫・代謝機能)を一任していた為、他の誰も詳細を知らない。

つまり、彼らは全く何も教えてもらえない状況から、あるいは聞き齧った程度のスキルだけで仕事をこなさなければならなくなったのだ。
「いやいや聞いてないよ、どうすんの!?」と言いたい気持ちである。


それでも何とか業務に邁進するが、この前任者が居なくなった影響は大きく、何のノウハウも持たない彼らは様々なアプローチを試みる。

そこで新たな担当者達は、次第に「オリジナル」なやり方を通す者、あるいは「やってる風」に装う者、はたまた「全く関係ない仕事」を始める者など、それぞれのキャラクターが現れだす。


こうなると、他部署の遺伝子との「連携」にも、それまでとは微妙な違いが生ずる事になる。

とりあえず仕事を回す為にも、「仕方ないから彼らに合わせるか」と妥協する者、あるいは「やらないよりマシだ」と一応取り次ぐ者、はたまた「アイツとはやってられっか!」と言う反応により、次第に会社(身体)のシステム自体が変わり始める。


これら担当者のバラつきは、時に「トラブルシューティング」にもバラつきを残す事もある。

それは前任者であれば完璧な対応が可能であったが、現状においては「ギリギリ何とかなる」時もあれば、「サッパリ手が打てない」事もあるし、「もはや対応すらしない」場合もあるなどで一貫性が無くなり、そのトラブルが解決しないままの事も多々。
これはまさに、免疫機能の不全が該当する。


このカオスな形態が、いずれ後輩などの「次世代が継承」するにあたり課題が残されていく。

いや、統一基準を設ければ良いのだが、実はそれぞれの担当者のやり方には一長一短があり、しかも「これが必要だからやっている」と、業務に対するプライドも芽生えている。
当然、それでシステム(生体機能)を維持している現状では、余程の事が無い限りは自分から辞める理由も無い。

ここへ至るに、その中で再びリストラしてしまうと、また何が滞るか判らないし、残すとしてどの部分を組み合わせるかでも先々に影響があるので、一概には決められない状況。
今は多少の「機能不全」があっても、暫く様子見するほか無いのだ。


かくして、新しい体制が確立しつつある弊社。
果たしてこれから上手く行くのかどうか誰にも分からないし、未だ暗中模索の日々が続くのでありました。

完。


と言う訳である。


ちなみに、この担当者を「中途採用」などで雇い入れる場合、つまり「新しく遺伝子を組み込んだ」としても、果たして上手く行くかは全くの未知数である。

何故なら、その新たな担当者が表面上は上手く取り繕っていても、いざ入れてみたら「モンスター野郎」の本性を現し、やたら支配的に振る舞ったり、あるいは他者を虐げたりなどで、逆に和を乱したり組織そのものを破壊してしまうリスクがあるからだ。

こうなった場合、時としてイチ部署内だけの騒ぎに留まらず、もしエグゼクティブクラス(体内の主要な機能)で起きてしまえば「創業者vs社外取締役」の構図ともなり、影響は組織全体へと波及する事になる。
これを生物に置き換えれば、「体に合わない異物」となり生命維持にも悪影響を与える場合すらあるのと同じ事。

また、そうでなくとも、「何だか馴染めないなぁ…」と会社に合わず、イマイチ実力を発揮できなくなる場合も然り。

元から社内(体内)に居る従業員(遺伝子)との間に「能力差」があったり、あるいは「そもそも社風から浮いている」などでイメージ通りのパフォーマンスが再現されないとなれば、やはり業務の連携に支障や滞りを残してしまう。
当然、これも生物ならば「体調不良」の大きな要因となる。

結果として元の体調を取り戻すにも、それら違和感との「調和」を図るには相応の時間を要する事になるだろう。


この様に、それほど「元々いた担当者の役割り」とはデカく、居なくなって初めてその大切さに気付くもの。
仮に新しい担当者が現れたとしても、必ずしも狙い通りの役割りを果たしてくれるとは限らず、それらが今までの連携の機能自体を変えてしまい、場合によっては不調の要因ともなりうる。

特に人間は他の生物と比べて生体機能の連携が極めて複雑であり、一部がエラーを起こすだけで複合的に「連鎖反応」を引き起こしてしまう為、どの様なリスクが発生するか予測がつかない。

更に、それが次世代に引き継がれた場合、いずれ予想していなかった動きを始める事さえありうる。
しかも当然の如く、良い面ばかりが継承される訳ではなく、「悪い面」までも継承される可能性すら孕んでいる。

これこそが大きなメリットを得た引き換えに生まれるデメリット、即ち副作用なのだ。


とすると、元々は必要欠くざる大事な役割りを担っていたはずの担当者たる遺伝子が、なぜ時に「不要」などと判断されてしまう事になるのか?


次回、その理由についても検証して行きましょう。



では、また、CUL。