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食べ蒔き作物プロジェクト報告書 7月上旬~中旬の様子

誰が言ったか知らないが、言われてみれば確かに育つ気がしてくる、食べ蒔き作物シリーズのお時間がやって参りました。

お相手は、この私です。


さて、前回までに定植が完了。

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緊張感を伴い初々しくも大地にそびえんとする姿は、まさに「ガンダム大地に立つ」を彷彿とさせたりさせなかったり。

今回は定植後の様子について、ザックリかつダイジェスト的に、記憶の限りに綴ってまいりましょう。



🌑7月上旬~中旬頃🌑

6月下旬の定植より、約2週間ほど経過した頃。
いよいよ気温が高まり、夏の気候が本格化してくると同時に、あれほど貧相だった畑に大きな変化が現れます。

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今年の異様に短い梅雨明けのタイミングを見計らったかの如く、どの株も立派な苗へと急成長。

と言うより、見た目は既に作物としての姿へ移行しており、この短期間に彼らの体内では劇的な変化が起きたであろう事が推測された。


そして程なく蕾も次々に開花し、ミツバチやらハナアブやらが花粉を求めて続々と集結。
このクロマルハナバチなども、その代表格。

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朝方などは、これら昆虫の「ブンブン」と言う羽音が凄く、もはや何て虫か判らない程の種類が現れては大騒ぎを繰り広げている。

どの虫も夢中で、アチコチの花へ手当たり次第に頭を突っ込む姿は、まさに「オートマチック受粉装置」と表現出来そうな様相であった。



🌑トマト🌑

この期間に、どの株も倍の高さに成長を遂げ、最大では1m以上にまで伸びた個体も。
春までは極端に成長が遅く殆ど変化すら見られなかったのに、季節が変わればこの姿。

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これが「旬」の力なのか。

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成長の個体差は相変わらずであるものの、概ねどの株も同時期に花が咲き揃い、早い物は既に着果している。

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ここで判明したのは、株の背が高い低いに関わらず、ある時期(気温)に達すると、その背丈の段階で花を咲かせ着果する点だろうか。
また、どれも殆ど同じ数の花を着ける点からして、一定の背丈と気温が符合した段階で、自動的に開花のスイッチが入るのだろう。

まぁ、植物の性質を考えれば当たり前の現象なんだけども、それだけ季節とか外気温の影響力は大きいのだなと再認識した次第である。


しかし、全体的な着果数で言うと、一本の株につき大体3個づつが限界らしく、それ以上の花は咲かず、実も付けられない場合が殆ど。
更に、開花してもいつの間にか落花してしまう、いわゆる着果不良もチラホラ存在し、必ずしも全てが結実する訳では無かった。

そして、この着果と同時に株自体の成長も遅くなる傾向が見られる事から、結実後は果実の方に成長力を注いでいる様子が伺えた。

一応この辺りは、栽培における通説通りとは言える。


ただ、仮にこれらが「食べ蒔きの種」ゆえに株自体が劣性で着果数が少ないのか、それとも外的な環境(土壌・気温・手入れ方法)に由来するのかまでは判然としないが、状況を鑑みれば前者ではありそう。
実際、通常の菜園で栽培されている品種は、もっと結実しているからね。

少なくとも、一時に纏まった数の収穫が難しい事は確かな様で、株の数や成長率から見ると些か寂しい印象ではある。


と、数は少なくとも、このまま順調に行けば意外と立派な実がボチボチ収穫出来るのでは。

などと、捕らぬ狸の皮余りは上野クリニック。
ここからトマト栽培は、更に思わぬ苦戦を強いられる事になるのです。

それはまた次回に。



🌑カボチャ🌑

一番の成長株だけに、その大きさも他を圧倒する伸び率。
既に地表を覆うほどに葉が繁り、足の踏み場に困る勢いで日毎にツルが四方へ拡散しつつある。

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実はこの時点で、この種がやっと西洋種らしい事が判明。

何れの株も「親ヅル」が一直線に伸び、子ヅルや孫ヅルが見当たらない点で判別が出来る様になったのだ。
情報では、基本的に西洋種は摘芯しなくて良いとの意見が見られたので、一先ずはこのまま伸ばす事に。


とは言え、流石に伸ばしっぱなしでは他の作物にまで無軌道に絡み付く恐れがあったので、各株の根元に木の枝を使った小さな櫓(ヤグラ)を組み、ツルを誘導。

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更に、ツルは紐などで固定し、なるべく一ヶ所に纏まる様、「とぐろ」を巻いた感じに整枝しておいた。
パッと見はメチャメチャ適当だけど、コレでも台風では倒れないし、果実の重さにも耐えられます。

これで暫くは持ちそうなのだけど、予測以上の成長スピードと伸長範囲の長さに驚くばかり。
これが、カボチャの栽培には広い土地が必要だと云われる所以なのですな。


その一方で、この7月中旬に入る頃、ある問題を発見。

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湿度の高まりに伴い、うどん粉病が発生。
あちこちから、白い粉が吹いてしまっている。

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定植前にカルスメイトなる薬剤を撒いてはいるが、これでも効いている方になるのだろうか?
まぁ、普通に考えれば、分量が少な過ぎた事が原因なのかも知れないし、むしろ、元々たくさん撒く気も無かったけども。

とりあえす、これには別の対策を打たざるを得ない様である。
その方法については、次回に記します。


ただ悪いニュースばかりでは無く、この頃には雄花はもとより、雌花もアチコチで蕾が開き始めている。

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当然ながら、虫の寄りも抜群で、正直このまま放置しても勝手に受粉してくれそうな気すらしていた。


しかし、実は画像の果実はこの1週間後あたりで黄色く変色し、触るとポロッと落ちてしまった。

いわゆる、着果不良と呼ばれる現象なのだけど、この辺りから結構な数の着果不良が発生し、新しく雌花が開いても結局腐り落ちる例を頻繁に見かける様に。
調べた限りでは、「虫まかせにするより人工受粉させた方が確実」との解説を読んではいたけど、こういう状態になるからかぁ、と実感しきり。


そんな経緯により、どうやら今回のカボチャは、虫によるオートマチック受粉とは行かない模様。
「朝方の花が開いている時間」までが人工受粉のチャンスらしいので、目ぼしい雌花を見付け次第、自らの手で受粉を促してやる事に。


だが、ここに至り一つ、疑問が浮上する。

もし、この人工受粉が大前提にあるとした場合。

コレだけ開花し花粉を媒介する昆虫が集まっていながら受粉も結実も困難って、それは植物として「正常」なのだろうか?
いや、自然界の法則で言えば、どれもこれも結実に成功する訳では無いとしても、いくら何でも「殆ど自力では結実出来ません」なんて事があるだろうか?

そう考えると案外、今の市場にあるカボチャ(その他含む)とは、その味と引き換えに何か生命にとって大事な能力を失ってしまった作物なのかも知れない。

そんな状態で、はてさて何処まで成長するやら。
以降は次回に。



🌑メロン🌑

コチラも順調に、今勢いに乗る成長株。

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むしろ成長ペースはカボチャと殆ど変わらず、やはり櫓で整枝しないとメチャクチャにツルが伸びまくっている状態。


摘芯については、この段階に至るまでイマイチ「確信」が持てず、迂闊に親ヅルを切ると成長が止まったり、逆に栄養素が分散して果実が小さくなりそうな懸念があったので、基本的にそのまま。
要するに、このメロンの「生命力」が、どれ程のレベルなのかを見極めたかったのだ。

情報では、子ヅルと孫ヅルに着果させた方が味も良いとされているし、概ね摘芯すべきと言う情報が主。
ただ、中には「特にしなくても大丈夫」みたいな意見もあって、結局どっちが正解かハッキリせず大いに迷う。
まぁ、本来こういう場合はセオリー通りに摘芯する方が良いんだろうけども。


その一方、花の数は非常に多く、連日あちこちで咲き誇る様は壮観で、どの株にも虫がブンブン集まりまくっている。

カボチャと同じく、7月中旬頃から次第に着果し始め、小さな楕円形の果実がポツポツ見られる様に。
こちらは問題なくオートマチック受粉が機能していると判断し、後は虫たちにお任せする事に。

その後については、次回に。



🌑スイカ🌑

今回、初期の苗から最も急激な変化を遂げたのが、このスイカ

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定植時の貧弱そうなルックスから一転、梅雨明けと共に急に親ヅルが伸び出し、あれよと言う間に立派な姿に成長。
花もポツポツ咲き始めている所からして、概ね順調そうな生育状況である。

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また、こちらも7月中旬あたりに着果しているのを確認済みで、受粉にも成功している様子が伺えた。
ハッキリ言えば、「結実する前に枯れるだろな」と思っていただけに、この急成長は嬉しい誤算である。


摘芯についてはメロン同様、特にしない方向を選択。

急成長したとは言え、農家さんの畑で見る「通常の品種」を育てた株と比較するに、親ヅルは短いし葉が少なく感じられるのが実際の所。
それ故に、やはり「ちゃんと生い茂った」と言える段階までは安心出来なかったのだ。

何にせよ、初めての挑戦は全てが試行錯誤。
セオリーはあれど、結局は状況次第であったりするし、どれが正解かは最後まで判らない事ばかりである。
とにかく、今回はこの方向性を信じるしか無い。

そんな気持ちを抱えつつ、続きは次回に。



🌑ゴーヤ🌑
※画像が無い理由は、前回をご参照下さい。

定植後、相変わらず変化の無い状態が続いていたが、梅雨明けになり急成長。

親ヅルがスクスク伸び、色ツヤも見違えるほど良くなり花も咲き出している。
こちらもスイカと同様に、季節間の変化が大きい点から見て、殊更に外的環境に強く依存する作物である事が良く解る。


ただ、同時に定植した二本の内、一本は知らぬ間に枯れていて、気付いた時には殆ど姿すら見えない状態になっていた。

小さい苗だった当時から、やけに葉が少ないなど一際成長の遅さが目立っていた個体だけに、恐らくは元からして強いタネでは無かったのだろう。
また、急成長したもう一本についても、実際はかなり茎がヒョロヒョロで葉の数も少なく、やはり通常の買ったタネに比べれば弱い性質が出てしまっている印象だ。

あるいは、他の菜園ではツルが四方へ拡散し青々と葉が繁っている姿を良く見るので、これはもう未熟果からの採種による先天性が表れたのだろうと推察せざるを得ない。

苗から現状までは定期的に液体肥料を与えていたけど、流石にその体質までを改善する効果は無い、と言う事になりそうだ。


そうなると、完熟したタネとはつまり、その種が持つ「生命データ」が全て記録されたメモリーカードや記録媒体。
未熟なタネとは、そのデータが足りず正解な引継ぎが難しい、「内容の中途半端な資料」みたいなものなのだろう。


しかしながら、あんなに早い発芽スピードとは対照的に、苗における成長の読めなさと言うか唐突に強弱が表れる所は相変わらずである。

無論、茎の太さとか葉の状態を見れば大体見分けがつくとしても、成長が遅いまま生えているので結局「どっち」なのか判りにくいのだ。
まして未熟な種なら通常、そもそも発芽する事すら難しい訳で、それが簡単に生えたとなれば「お、こりゃイケそう」とか思う訳ですよ。

もし、食べ蒔きの種とか関係無しに、これが根本的なゴーヤの特徴なのだとすれば、その生育について本来はとてもデリケートな性質なのかも知れない。

そんな扱いにも気を揉みつつ、しばし経過を見守る事に。



と、タネ蒔きから定植の段階に比べ、想像以上に作物らしい姿となってきました。
少なくとも、見た目には順調そうではあります。

次回は、また2週間ほど経過した当時の様子について振り返ります。



では、また、CUL。