CULrides カルライズ

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食べ蒔き作物プロジェクト報告書 7月下旬~8月上旬の様子

育つなら、育てて見せたい、食べ蒔き作物シリーズでござい。


前回までは、梅雨明けに急成長を遂げた作物たちの様子。

culrides.hatenablog.com



その姿を目の当たりにし、季節の変わり目、そして旬が、植物にとって如何に重要なファクターであるかを認識出来ました。

今回も、これまで起きた出来事をザックリかつ、ゆるりと纏めて記述してみたいと思います。



🌑7月下旬~8月上旬🌑

さて、前回から過ぎる事、約2週間。


梅雨明けしてからと言うもの、日本列島は記録的な猛暑日が続き、早くも異常気象の様相。

更に、その猛暑日に伴う高温と、2週間ほど続いた長い日照りのせいで、土は乾燥しっぱなしで作物もバテバテ。
朝夕に水を与えても、日中あっと言う間に乾いてしまい、焼け石に水状態。

この高温に耐えきれなかったのかメロンが2株、軽く触れただけで根本からポッキリ折れたりとアクシデントも発生し、もはや夏野菜ですら危険な水準の暑さである様子が伺えた。

ニュースでも農業被害が報道されていたけど、ここまでエクストリームかつカオティックなハードコア・ウェザーでは、対処する方が難しい位でありましょう。


しかし、7月末頃になり今年初の台風が上陸すると一転、一気に大地や畑を潤す事となり、今度は定期的に雨が降る様になる。

まぁ雨と言ってもゲリラ豪雨が中心と言うか、「ゲリラ豪雨が中心」な時点で色々と考えさせられるんだけども、まるっきり降らないよりはマシと言わざるを得ないのが切ない所。

この天候の読めなさも場合により、農作物にとっては致命傷になり得るし、また、各地に被害を与える懸念は大きいのだが、少なくとも気象だけを見れば水不足は起こらなそう。


何にせよ、全く降らなかったり、いきなり降り過ぎたりと、激変する環境へ対応するのは容易では無いのでありまする。



🌑トマト🌑

各株とも比較的、順調に開花し着果までを確認。
小粒だった果実も徐々に色付き、収穫まであと一息と言う所。

なのだが、ここに来て一つ問題が出る様に。


と言うのも、果実が色付き始めた頃合いで、いくつかの株から下の葉より次第に枯れ出す現象が発生。
それが順を追う様に、日毎に先端の葉まで展開しつつあったからです。

理由や原因はハッキリとしないが、どれも結実した段階までは元気だったし、その実が熟す頃から発生した現象なので、病気では無さそうではある。

考えられる要因としては、食べ蒔きの種だから劣性の面が出てしまい、果実に体力を奪われ易いのか?
もしや、生ゴミ肥料だけでは栄養が足りないのか?

しかし、様々な情報を見ると、トマトは痩せた土でも大丈夫とか目にするし、実際これで立派になった株もあるしでハッキリしない。
あるいは、この暑さ自体が、生育や生命力に影響を与えている可能性も有り得るのだけど、全体的な状況を見れば「食べ蒔き説+気候」の合わせ技が濃厚そうではある。

なにぶん、画像が無いので説明が難しいですが、これが結構にハードな枯れ具合いなのだ。


見極めの為に暫く様子を伺ってはいたものの、収穫前にも枯れそうな勢いで謎の症状が広がりつつあったし、止まる気配も無い。

この辺りで、果実に青さが残る段階で若干早めに収穫すべきか悩んだのだが、時すでに遅し。
そうこうしている間に、果実の萼(ヘタ)も茶色く変色したり、果皮にも穴が空いたりなどでダメージが出てしまい、仕方なく株ごと抜いて破棄せざるを得ないと判断。

結果的に、この症状で二本の株を失う事となる。


そんな経緯により、急に減ってしまったトマトの株。

実は、残りの株にも同様の症状が軽く出ているのだが、それはさほど問題化せず結実後の色付きも順調と言えたので、そのまま見守りを継続。
どうやら、症状にも個体差がある様だ。

だが、このまま少ない本数では、仮に結実しても収穫量が少な過ぎるだろうし、もし他の株も枯れた場合を考えれば継続するに心許ない。

そこで、どうにか株を増やせないかと、ある方法を試みる事に。

その詳細は、また別の記事にて。



🌑カボチャ🌑

台風よりもたらされた大量の水分を得て更なる成長を遂げ、もはや畑はカボチャ・ジャングル状態。

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足の踏み場すら見えない程で、迂闊に畝の間に入ると茎やらツルやらを踏んづけてしまう混雑ぶりである。


この時点で、ツルを誘導する櫓は意味を成さなくなっており、完全に地這いで放置プレイ。

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とは言え、無秩序ではありつつ元気良く生い茂る姿は、なかなか壮観で嬉しくもある。


しかし、この頃になると畝の表土から白い根が飛び出し始め、これ以上伸ばせなくなっている様な「手狭さ」が感じられるシーンが増えてくる。
これでは株の成長を阻害しかねない。

しかも、そのハミ出た根をダンゴムシがカジッていたりするしで、具合いとしてはイマイチよろしくなさそうである。


ただ、畑の規模からして、これ以上のスペースは広がらないし、何より移植には根を張りすぎている。

なので、応急処置ではあるが、ここへ「土寄せ」を施す。
方法は単純に、空いてる場所からスコップで土を集めて、ハミ出た根回りに盛るだけ。

なんだけど、結局これも根本的な解決とは行かない様で、また雨が降ってはハミ出るを繰り返してしまい、結構骨が折れる作業となるのだった。


更に対策として、この土寄せと同時に株の根回りを「雑草マルチ」で覆う。

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目的は、日射しによる土の「乾燥」と、雨による「泥はね」の防止。
夏本番を迎えるにあたり、保水力を確保すると同時に、急な豪雨などで作物が泥を浴びない様に工夫してみます。

ちなみに、画像の草はススキか何かの雑草。
要するに、イネ科植物を使った「稲藁マルチ」の代用品である。

ただ、代用品とは言え、普通の「雑草マルチ」より表面の乾燥が早いので湿気を飛ばしやすい一方、日影を作って地表を保湿してくれるなど、相反する効果を発揮してくれます。
この特性こそ、稲藁マルチがオススメされる所以なのですな。

これは当然、湿気を好むうどん粉病の対策でもあり、飛び出した根を保護する意味あいも含まれる。

とどのつまり、「土寄せ+通気性+根の保護」の三重奏で、成育を補助した訳です。


そんな中、前回うどん粉病に見舞われていた葉を見ると、どうにも消滅している様子。

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それとも、成長に伴って免疫力が高まったのか?
とにかく、あれほど表面に蔓延していたのが、やけにスッキリとしている。

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して、その前回に記した対処法とは、「アルコールスプレー」を噴射する事。
ご覧の様に、どこの家庭にもありそうな一般的な製品だ。

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何故かの理由を述べると、以前、家のカビに噴射した所、ほどなく消滅。
比較的に効果がある様子を確認していたから。

それで、うどん粉病もカビの一種であるとの話であったので、ならばと試してみたのです。

噴射した箇所を確認すると、確かに消えてはいるので効果は出ているのかも知れない。


ただ、フチの茶色く枯れた部分や、白くマダラに変色した箇所との因果関係は不明である。
見た感じ、生育上は大きな影響が無さそうではあるが。

勿論、完全には消えた訳では無く、まだ発生自体は続いているのだが、現状を見るにうどん粉病で枯れるリスクは減少傾向にありそうだ。

一つお断りしたい点として、ハッキリ言えば、コレが正解かどうかは定かで無いし、科学的な根拠がある訳でもありません。
実は、葉にダメージを与えている可能性だって否定出来ません。
従って、一つの事例として参考程度に捉えて頂ければと思います。


この成長率に対して果実の方は、相変わらず着果はするものの結実に至らないパターンが殆ど。
調べた通りに人工受粉をしているつもりなのだけど、変色して落果するばかり。

この要因が何故かを観察するに、どうにも「受粉のタイミング」が合っていない事にありそうな雰囲気である。

言うなれば、「イケてる雄花」と「イケてる雌花」の花粉が、「受粉すべき時間」に交配するなど、特定の条件が正解に噛み合わないと結実しない様なのだ。


この「イケてる花」とは雄花・雌花ともに、どうやら「受粉当日に咲きたて」が該当するのだけど、少しでもこのタイミングを逃すと上手く行かない傾向が見られた。
つまり、咲いて二日目とか日数と時間が過ぎるほど外れ易くなり、そして雌雄の「イケてる期間」が同時に揃わなければ、確率が圧倒的に落ちてしまうのでしょう。

その奇跡的な組み合わせの妙は、昔、大ヒットした漫画で例えるに、まさに「イケてる二人」を彷彿させる様でもあります(どんなだ)。


従って、確実な結実を目指す場合、殆ど付きっきりで経過が見れる環境を調えるのが理想的と言え、これからカボチャの栽培を目指す方においては、是非とも参考にして頂きたい重要ポイントとなりそうです。

とまぁ、これで上手く行くのかどうか、それは次回に。



🌑メロン🌑

カボチャと同じく、こちらもウェルカムトゥザジャングル状態。

冒頭で記した様に、7月の渇水で二本ほどポッキリ折れる事案に見舞われはしたが、生き残った株は雨後に見事元気を取り戻し、日毎にグングングルト的な成長ぶり。

カボチャの項目にある画像の通り、以降は何時の間にかカボチャとゴチャマゼになってしまい、もはや見分けがつき難い程のケイオス畑である。


こちらは「全自動受粉」を期待していた通り、既に7月中旬頃には着果を確認してはいたが、こうして無事に結実している光景は掛値無しに嬉しい。

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中には肥大化した果実も幾つか見られ、大きい物ではマクワウリ位のサイズにまで膨らんでいる。

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この果実を保護する為、空きプランターを利用。
地面に置いたままでは確実に虫に噛られてしまうので、発見段階での対処が理想的と言えます。

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しかし、この「緑と白」の果実の違いが一体、何故発生したかは不明。
確か記憶では二種類植えたはずなので、恐らくはその親世代のどちらか優位性にある方の特徴が出たものと思われる。

いや、正直に言えば、この時点で何を何処に植えたか見分けがつかなくなっていただけなんです、ハイ。


それにしても、相変わらず花の数が非常に多く、雌花・雄花ともに咲き乱れ昆虫が群がる光景は、生物間のサイクルが正常に機能している表れだけに、一種の安心感すら覚える。

これら条件が揃えば自然交配は必然的であるにせよ、同じウリ科の作物で、しかも食べ蒔きの二世でありながら、その結実率はカボチャと大きく違うのが興味深い。


更に、ある段階で発見した違いが、作物に集まる害虫の数。

実は、この頃からウリ科の害虫として有名なウリハムシ(ウリバエ)が寄り始め、カボチャの葉をパリポリ噛る様子が見られる様に。

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しかし、何故か彼らはカボチャにばかり集中的に群がる傾向があり、メロンやその他の作物には殆ど寄り付かない。
正解には、来るには来るが、明らかに特定の作物ばかり偏食していて、好みがハッキリ分れている様なのだ。

ちなみにメロンは、うどん粉病など全くと言って良いほど発症せず、見た目にも青々と健康そのもの。
いずれにせよ、病害虫対策に関しては、現状維持で問題無さそうではある。


同じ畑でゴチャマゼ状態の中、片やカボチャはうどん粉病とウリバエの来襲。
片やメロンその他は被害軽微と、逆に何故ウリ科でこうも違いが出るのだろうか。

相対的に見れば、メロンの方が免疫力や生命力が高いと言う事になるのだけど、樹勢(成長力)は圧倒的にカボチャが早いし大きいしで、その性質には差異が多く存在する。


尤も、これらは過去より人工交配や品種改良を重ねた結果として、「株と実は大きいが病弱」であるとか、「さほど派手に成長しないが健康」などの、特徴が顕在化しただけの話ではある。

「どちらかを立てればどちらか立たない」と言う、ある種の「引き換え」みたいな関係性を見るに、案外、植物も人間も本質的な違いは無いんだろうなぁと、染々そんな感想を抱くのであった。

この先、どこまで成長して行くのか、それは次回に。



🌑スイカ🌑

初期の生育不良、梅雨の急成長、そして渇水を経て、今では見違える程に青々と成長。
こちらも例に漏れず、カボチャ・メロンとゴチャマゼなのだけど、その勢いに負けじと茎、葉、ツルを四方に広げている。

実際の所では、やはり農場のスイカ畑に比べて明らかに矮小化している様で、茎(ツル)はヒョロリと細く感じられるし、その株自体が決して「大きい」と言えない姿ではある。


しかし、それでも花の数には問題が無く、雄花・雌花ともに立派に咲き誇り、昆虫の寄りも上々である様子から見て、「成長」は小さくとも「生育」は正常である事が理解出来る。
また、メロン同様に殆ど病気や害虫の被害が無く、見た目以上に意外な生命力の強さを感じさせる。


その健康状態は、この結実した果実でも証明されている訳です。

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7月中旬~末頃にかけて雌花が膨らんでいる様子を確認していたけど、何時の間にか結実していて、色柄だけなら立派なスイカである。
大きさは、まだ「デカいスーパーボール」程度ではあれど、一先ず「カタチ」になった安心感と言うか妙な達成感を得られるのが楽しい。


こちらもメロン同様、空きプランターで「お立ち台」を作り保護。

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その具体的な手法とメリットについては、別記事に致します。


もし、今後の課題が残るとすれば、後は大きさと中身となるだろう。

ここからあとどれだけ膨らむのかは、また次回に。



🌑ゴーヤ🌑

一本が枯れて以降、残り一本を地道に見守っていた訳ですが、梅雨を過ぎたあたりから開花が本格化し、着果も確認できるまでに成長。
長さはと言えば、全長1mある無し程度なのだが、着実に生育が続いているのは確かである。

無論、殆ど親ヅル一本だけしか伸びず、ヒョロっと弱々しい姿については相変わらずだし、そこから出た葉のみで光合成をしていた事を考えれば、ある意味で驚異的な生命力。

株の小ささは、タネの先天的な性質として諦めるほか無いにせよ、実が着く段階まで生育してくれた姿には安堵するばかり。
本当に、あの貧弱な苗が着果にまで達するなどと、当初は思いもしませんでしたからね。


例によって画像は無いのだけど、実はこの時点で既に小さいながら「まとも」な果実が一つだけ結実しており、日に日に肥大化していく様子を確認していた。

7月中旬あたりに着果している所を発見して以降、割りと短期間に肥大化を始め、あのゴーヤの実特有の青々とした色ツヤと特有の香りを放っている。


親ヅル一本だけで生育している状態であれど、健気にしっかりと実を生らせるとは、見た目と裏腹に意外なファイター気質を垣間見た気分である。

さて、初収穫なるやどうかは、また次回に。



とまぁ、夏も本格化するにつれ、結実に成功する作物が出始めて参りました。

そろそろ収穫も視野に入りそうな雰囲気もありますが、如何に。



では、また、CUL。