CULrides カルライズ

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食べ蒔き作物プロジェクト報告書 8月上旬~中旬頃の様子と初収穫

食料自給率を向上させるべく、買ってきて食べた野菜などから採った種を植え、新たに作物を育ててみる極秘作戦。


その名を通称、[The Operation "TABEMAKI"]


の報告書であります。


略してTOT(←泣くんかい)。

いやコマンダー、それでは極秘と言うより極貧では…。



そんな前置きはどうでも良いとして、前回までは各々の作物も遂に着果するまでに成長。

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収穫までの経過が楽しみな状況となって参りました。


あれから1週間弱、遂にその時が来るのか来ないのか。

この期間の出来事を記してみましょう。



🌑8月上旬~中旬頃🌑


🌑トマト🌑

前回、結実したものの何故か株の下の葉から枯れる症状に見舞われ、結果的に二本の株を失うアクシデントが発生。
辛うじて生き残った株を見守っていました。


ただ、それらに着いていた実も日に日に赤みを帯びて行くのですが、ここに来て更なる問題が発生。

その生育を確認する度に、いつの間にか果実の数が減っており、落果した様子も無ければ萎んだ訳でも無いと言う現象が出始める。

その状況から見て、どうにも野生の鳥獣に採られてしまっている様なのだ。


特に、赤みが出た頃合いで奪われる実が多く、明らかに熟すタイミングを狙われている。

その為、収穫しようにもまだ早いし、成熟を待てば先に採られてしまうしで、まともな数が残らない状態が続く。
しかし、ネットで囲うにも、他の作物のスペースとの兼ね合いで上手く張れない場所なのが悩ましい。

更に、この間にも例の枯れる現象が進行しており、いずれ株全体がやられるリスクも漂っているので、ある意味では二重のリスクに晒されているとさえ言える状況である。


そうこうしている内に時は過ぎ、8月の下旬に差し掛かろうとする頃。

もはや先に採られたり枯れるよりはマシと、取りあえず目ぼしい果実を早めに収穫。

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実は、この1週間ほど前にも一個だけ残った赤いヤツをテストがてらに収穫しているのだけど、その間にも幾つか奪われてしまい、結果的にこの4つだけがギリギリキープ出来たのです。



しかし、何故か、この時に収穫したモノもテストで収穫したのも、全て「ミニトマト」。


大玉でも中玉でも無く、明らかにミニトマトなのだ。



あれ…?

確かミニトマトは植えてないハズなんだけど…。


その詳細な状況と味のレビューについては、また別記事にて。



🌑カボチャ🌑

生育状況は、これまで通り。
相変わらず親ヅルはグングン伸び続けており、うどん粉病も株がやられるほどのダメージは無く、大きな異常は見当たらない。

一番の課題である結実については、幾度か人工受粉を試す内、成功したと思われる実がポツポツと散見される様に。


ただ、この結実を境に懸念材料が一つ。

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どうにも、少しづつ根元から枯れが出始めており、葉が完全に茶色くなってしまった部分もある。
これは果実に栄養を持って行かれてるからだろうか?

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また、この時点で気付いたのだが、どうやら根本的に株そのものが通常の品種より小さいらしい。

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具体的に言えば、「葉」のサイズと「茎(ツル)」が、一回り細くサイズダウンしたまま生育を続けているのだ。


これは、他の畑にあるカボチャを見て初めて分かった部分であるが、やはり食べ蒔き(実生)が要因なのか?
はたまた、苗の栄養分が不足していたからか?

カボチャは葉が広いので、光合成により自ら栄養を補う能力があると言う。
また、ツルからも根が生えて、そこからも養分の吸収が可能なんだとか。

しかしながら、この様子を見るに多分、タネの段階で「その後のサイズ感」までが決定している場合、あらかじめ免疫力や生命力そのものの範囲も決められている可能性が高い。
故に、いくら栄養を与えても、その先天性を覆すには至らず、枯れ易くなっていると考えられる。

そうだとすれば、如何に収穫まで持たせられるかが、今後の焦点となりそうだ。


所で、結実した中でコレだけ、円柱っぽい形状の果実をしていた。

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上記のトマトといい、一体どんな姿の親世代が交配したんだろうか。

カボチャは二種類植えたのだが、基本的には大きい種からは大玉、小さな種からは小玉サイズが生っている様ではある。

ならば仮に、突然変異としてその内の優位性が高い方が発現したのだとすれば、何故こんな違いが出るのだろうか。
それとも、コレがこの畑の環境に合わせて適応した形と言う事なのか。


もしかすると、こうして同じ場所、同じ環境の、同じ種であっても、自然任せに発芽し生育させた場合。

自動的に次世代に「多様性」を発生させ、特定の病気に耐性を持たせたり、より土壌に合わせた特性を持つ種へ変化したりと、まるっきり全てが同質にならない様に「意思決定」しているのではないのか。
つまり、群の中で一人だけトリッキーなヤツが現れる事で、群全体が絶滅するリスクを回避しているのと似た原理が働いているのかも知れない。

突然変異とてまるっきりランダムでは無く、何か「そうなった」理由が存在するはず。

そう考えると、上記のミニトマト同様に辻褄が合って来るのだが、読書諸兄の皆様は如何に思われるでしょうか。


はてさて無事に収穫まで辿り着けるのか。
経過は次回に。



🌑メロン🌑

生育状況は良好で、大きな変化は無し。
病気知らずで健康そのものである。


で、順調に肥大化していた果実ですが、更に見た目も立派な姿になりつつある。

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その大きさは、スーパーで見る大玉サイズと全く同じ感触。

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小さい物も、概ね小玉サイズやキンショーメロン程度のサイズ感。

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着果を確認してから約1ヶ月弱で、ここまで急成長するんだなぁ。
どれもしっかりと身の詰まった重量感があります。


しかし、やはりここでも気になるのが、これら果実の姿形だろうか。

こちらも、実際は二種類(ユウカとタカミメロン)だけ発芽し植えたはず。
正直、どの品種をどの位置に植えたかは覚えてないけど(おい)。

ただ、二種類ともネットメロンなのに、結実した実には大きな違いやバラつきが見られる。

白い方は、一昔前のニューメロンとかを彷彿とさせる表皮でツルツルしており、ネットメロンとはまるっきり似ても似つかない。
緑の方は、表皮に薄くもネットが張り、見た目は元の品種にかなり違い。

他の株も、小玉のネットメロンとクリソツな実や、「黄色くないキンショー」的なルックスなど質感にバラつきがある。
更に、本来はこれらと別にマクワウリ的な形状の実も結実していたのだが、それは肥大化の途中で腐ってしまい破棄していた。

となると結果的に、二種類の種から四種類ほど性質の異なる果実が生まれた、と言う事になろうか。


何故どうしたら、こうもバラエティー豊かな面々が育つのだろう。

トマト、カボチャの項で触れた様に、いわゆる多様性が発動した結果と見るのが適切なのだろうけど、逆に言えばこの場合、これだけの種類が祖先にいる表れと思えなくもない。

このメロンで出た多様性とは要するに、元の種(採種した実)の両親、その両親の両親(祖父母)、そして祖父母の更に両親など、遡れば様々な品種と交配していたはずで、それが特定の条件下で先祖返し特性が発現する事。

つまり、それら両親の何れかは自然環境の中で「タフ」に生き残った種に違いなく、例えばより厳しい環境や未体験の土壌で生育せざるを得なくなった場合において、改めて「どちらが生存に有利」なのかパターンを探り直しているのではないか。

この仮説を基に現状を考えると恐らく、より自然に近い環境に置かれる事で生存本能のスイッチが入り、余計に種類を増やした可能性が有り得る訳です。


とまぁ、トマトもカボチャもメロンも、実生では品種や品質が安定しない傾向はあれど、色々なパターンが出てくる点は面白いと言えば面白い。

後は収穫となるのかどうか、それは次回に。



🌑スイカ🌑

7月中旬頃に着果を確認して以降、こちらも病気や害虫の被害は見られず順調な生育状況。
果実は徐々に肥大化を続けており、刻々と収穫のタイミングを迎えようとしていた。


この収穫時期については、概ね受粉より30~40日が目安とされている。

しかし、実際は外気温に大きく左右される様で、開花してからは日々の気温の合計数(収穫には800~1000℃必要らしい)も重要なファクターだと言う。
それは言うなれば、結果的に外気温+日数により状況はケースバイケースとなろうし、何しろトーシロには判り難い。


そこで、これらと別の目安とされるのが、「果実に一番近い位置のツル」が枯れているか、そして「ヘタの周囲の若毛(うぶ毛)がハゲている」か目視で判別する方法。

そしてもう一つが、指でポンポン叩いて中身の詰り具合いを探る、昔ながらの方法。
これなら「外見+音」の会わせ技で判り易そうではある。

つまり、「頭頂部あたりに一本枯れたツルだけが残り、その周囲も無毛にハゲ上がった果実を叩いて、音の良さを確かめる」のが要諦となる訳ですが、これをノリスケが波平に試した場合、「そうかそうか左様…ばっかもーん!!」と否応くブチ切れられるであろう事は想像に難くありません。


上記により、ツル全体が枯れる限界ギリギリを狙っていた訳ですが…その着果を確認してから1ヶ月を経過した頃。

8月中旬になり連日暑い日が続き、収穫期もいよいよ目前かと思っていた矢先、急なゲリラ豪雨が発生。
その翌日の朝、雨後の様子が気になり果実を見ると。



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アッー!ケツから裂果してるぅぅぅぅぅぅう~~ッ!!



この画像は割った後の画像なんだけど、発見当時は既に実の尻から2/3が割けていて、中身のルーシー(注:汁)が垂れまくっている状態。
しかも、雨の跳ね返りで土も入り込んでるしで正直、食べるには適さないであろう有様である。


状況から察するに、乾燥気味な天候が連続していた折の豪雨により、水分量が一気に増えた事で果実内部の水圧も上がってしまい、表皮が耐えきれずに割れたのだろう。

今回のスイカで一番早く着果した実だっただけに、これは切ない。
ツルも全体が枯れているし、まさに適期だった様で、あと一日早く収穫していればと思わずにはいられない心境です。


しかし、しかしである。


せっかくここまで育て見守っていたスイカ
中身の色味は良さそうだし、どうせなら食味も確かめておきたいではありませんか。


と言う訳で、土が付着した部分を水で洗い軽く水切りをして、食べても良さそうなスペースを確保してみる。

そこへスプーンを入れて一口だけ食べてみると…。


これが見事なスイカの味で、ハッキリ言えばウマイ。

軽くスプーンを入れるだけで果汁が溢れるジューシーさ具合、シャクリと歯切れ良い果肉、そして丁度良く熟した頃合いの甘さといい、その食感は市場に出回るスイカと殆ど変わらず、なかなかの完成度なのだ。

それだけに裂果してしまったのが悔やまれるが、少なくとも現時点までに美味しく仕上がったのは事実。
大袈裟だけど、食べ蒔きで、しかもこの栽培法で、ちゃんとした味の作物が育った事に妙な感動さえ覚えてしまったのだった。

残念ながら今回は土の付着が目立ったので、万が一を考慮して残りは畑の空きスペースに埋め、再び肥料とする事に。
種は未熟気味だったので、採種はしなかった。


そんな訳で、初回は思わぬハプニングに見舞われたので完璧とは言い難いものの、中身は成功に近い仕上がり。

まだ畑にスイカは残っているが果たしてどうなるか、また次回に。



🌑ゴーヤ🌑

虚弱体質な株でありながら、前回までにたった一つだけ着果に成功した実を確認し、その肥大化を見守っていました。


で、この7月中旬頃の結実から8月上旬の短期間に、一気に果実の成長が促された様で、あれよという間に青々とゴーヤらしい姿に変貌。

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※収穫後、撮影。


そんなゴーヤの収穫適期については、開花から概ね2~3週間前後とされ、時間的には現在の果実と符合する。

ただ、何となくまだ大きくなるのではないかとの希望的観測もあり、もう少し収穫を待ってみようかとも思ったのだが、どうにもある一定のサイズまで達した段階から肥大化が止まっている様子。

この果実の成長が止まった頃合いを見極めるのが重要だそうで、あまり置き過ぎると急に黄色く熟してしまい、たった一日でも適期を逃してしまう場合があるらしい。


従って、ここがボーダーラインと見切りをつけ収穫と相成る。
詳細なレビューは、疑惑のミニトマトと共に別記事にて。



さて、小さなハプニングがありつつも、遂に収穫へと漕ぎ着けるに至った、食べ蒔き作物プロジェクト。

これに続くのは、一体誰となるか。

また次回に続きます。



では、また、CUL。