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食べ蒔き二期生レポート 9月下旬・変態的肥料その3

前回、9月上旬~中旬までは厳しい残暑が続き、また台風の暴風雨によって生育が一段落となった二期生。
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しかしながら、9月も下旬に入ると流石に夜間の気温も落ち着き、涼しさを感じる日が増えて来る様になる。


まぁ、だからと言って根本的な侘しさが改善された訳でも無いのだけど、少なくとも人間にも作物にとっても過ごしやすい気候に移り変わりつつあるのは確かだ。


して、如何なる状況なのか。


では、いざ。


🌑9月下旬・変態的肥料その3🌑

台風一過より暫し、先ずは畑の様子をば。
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うーん、管理不足過ぎて草生える。
もはや何がなんだか判らぬほどボーボーである。


ただ、あえて言い訳をするならば、そもそも今期に関しては何も育つ気配が無かったので、雑草を抜き取る必然性が感じられなかったからでもある。

実際、定植したメロンは殆ど伸びておらず、既に大半はフェードアウトする様に枯れて消失。
直播きで生えた苗も、何時の間にか姿を消している有り様だ。


この違いは昨年度の同時期と比較すれば明白で、当時はメロンとカボチャの収穫がラストスパートを迎えていた。
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それを振り返るに、この二期生では未だヒョロッとした姿の、苗に毛が生えた様なサイズにしか育っていないのが実情。


こちらの辛うじて生えてきた直播きのカボチャも開花はすれど、やたら矮小化されており、まず期待は持てない。
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昨年度なら、もっと大きく育って結実までしていた訳で、余計に差異が露になっている。

今はただ、「その辺から生えてきた観葉植物」みたいな状態である。
これはやはり、根本的にタネの生命力が足りなかった事に由来するものとなろう。



その中で唯一、しれっと結実していたのが、メロンの果実。
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この株は今期の中では一番まともな姿をしていて、8月下旬の頃から然り気無く結実を続け、何とか生育も維持していた。


とは言え、果実のサイズ的には「小さなマクワ」位のもので、しかも何やら虫か何かに刺された様な痕跡もある。

やはり昨年度の果実とは比べるべくもなく、残念ながら食用には向かないだろう。
また、株も実際は枯れが目立って来ているし、長くは持たないであろう事を思えば、もはや観賞用として楽しむのが精一杯である。


これら不調の要因を挙げるに、結局のところ全てはタネの品質に由来する事は間違いない。
それは発芽した苗の段階から解ってはいたけど、やはり「二年越し」のタネでは「保存の間」にも生命力を消耗してしまうのだろう。

今にして思えば当然の成り行きではあるが、それでも改めて「鮮度の良いタネを使うに越したことはない」のだな、と思い知る経過となったのであります。



その一方で意外な健闘ぶりなのが、このトマト。
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こちらは春蒔きの苗が頼りなく、ヤケクソで直播きしたら生えてきた一本で、意外なほど大きく成長してくれていた。
背丈も150cm以上はあったりして、まさかここまで伸びるとは思わなんだ。


この結実率からしても判る通り、あちこちから花房が発達し、次々に開花してくれている。
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今期におけるトマトの開花と結実に関しては、盛夏の頃はやたら落花が多く、サッパリ期待が持てない状況にあった。

しかし、この9月中旬~下旬に気温が下がってくる頃になり好転したと言う事は、まさしく「結実の適温」を迎えた事を意味している。
それは、昨年度の一期生でも全く同じ現象が起きていた点でも解ってはいた事でもある。
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この「気温変化による生育状況の変化」が起きうるからこそ、粘り強く見守りを継続すべきなのだと再認識するところ。

従って、読者の皆さんが「ぜんぜん結実してくれない」と言う症状に見舞われているのだとすれば、それは「環境や気温が合っていない」可能性が有り得ます。
逆に言えば、「変われば好転する可能性がある」と言う事でもあるので、諦めず試行錯誤しながら、最後まで生育を維持させるべきでしょう。

そう強調しておきたいのであります。



もっとも、まるっきり楽観もしていられないのが今期の実相。


このトマトも昨年度と比較すれば遥かに矮小化されているし、更に結実した時期も少し遅れている。
この点を鑑みれば、果実が赤く成熟する為には、些か期間的に危ういものがある。

然るに、本格的に寒くなる前に、何とか纏めて収穫出来るかが焦点となりそうだ。



さて、最後に触れておきたいのが、ゴーヤの様子。


前回から大した変化は無く、相変わらず開花が続いている中にあって、次第に本格的な結実を再開しつつある状況。

猛暑日が続いていた頃は着果不良ばかりが続いていたが、「気温が落ち着いてくれば回復する」との予測通り、再び結実してくれているのは喜ばしい傾向である。


ただ、台風のダメージは思いのほか大きかった様で、次第に枯れた部分や虫食いもチラホラ出る様になる。
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勿論、そろそろ夜間の気候的に涼しくなっているので、ゴーヤの体質的に合わない環境に移り変わりつつある頃ではあるのだろう。
また、既に幾つか収穫もなされているので、体力的な消耗もあるはずだ。



ちなみに今期、これまでに定植し収穫まで生育出来たのは2株ほどだと記していたが、実は他にも定植している株が存在していた。


このゴーヤは、いうなれば「欠番扱い」せざるを得なかった一本。
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実のところ、苗の時点ではそれなりに成長していたが、定植してからはサッパリ伸びず、また開花しても雄花ばかりで終ぞ結実しなかった株なのである。


それでも台風に耐え、新芽を伸ばしながら地味に生育を続けるあたりで、植物の持つ底力を感じられる部分ではある。
これでもっとイケてるタネならば、更に収量が増したのだろうなぁ。


こんな感じで、今期はタネのバラつきに一喜一憂してばかりなのであります。



おまけシリーズ。



この9下旬に入り、最後の「ファイト一発」として投入した変態的肥料。

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そう、ハブドリンクなんですねぇ。


何故、マムシでなくハブなのかと言うと、随分昔に友人から沖縄土産として貰ったもので、結局、飲まずに未開封のまま部屋の飾りにしていたのだ。

しかし、もはやここまで熟成期間を置いてしまうと、飲むに飲めない心境ではある。
かと言って、単に捨ててしまうなんて勿体無い真似はしたくない。


然るに時ここに至り、ならば作物に与えてみれば非常に強力なカンフル剤となりうるのではないかとの確信に至る。


我ながら謎すぎる思考回路だが、この成分を読むに、間違いなく効く気がしたのだ。
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だってハブですよハブ。
沖縄の生物+沖縄の植物で相性が悪いワケがないじゃないですか。

いや、まぁ根拠は無いんですが、こじつけでも期待感だけは充分です。



で、中身を開けてみたのだけど…。

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なんだかドスの利いた茶色い液体に、何の成分なのか黒いバニラの粒みたいのが混じっている。
うん、飲まなくて本当に良かった。


まぁ、コレを作物に与えると言うのもアレな気がしないでも無いけど、全ては有効活用してこそ。
基本的には天然由来の有機物だろうし、その辺は微生物達が何とかしてくれる事でしょう。


はてさて、どんな結果となるやら。

次回に続きます。



では、また、CUL。