CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

ライトゲーム戦績 海のハーフタレント

今回は、久しぶりの釣りに関する記事で御座います。


昨年の記事でも記したのですが、ここ暫くは希にしか釣りに行っておらず、優先順位が低い昨今。
強いて言えば、有力な情報を入手したとか、ターゲットのシーズンが合えば行くかな程度のノリなのです。


そんな中、去る10月の半ば頃。
食べ蒔き作物プロジェクトが一段落した辺りにて、久々に釣行へと繰り出してみる事に。

まぁ、特に情報など調べてはいないのだけど、この時期定番のメッキやセイゴなどが出ていないか、様子見がてら竿を出してみたのでありました。


あ、「竿を出す」と言っても、アレを露出する訳ではありませんので誤解なきよう。

※関連記事
ハタとカサゴの野外露出

culrides.hatenablog.com

 

さて、訪れましたのは、割りと近隣の小さな漁港。

なにぶん久々なので、先ずは近場で短時間だけ、肩慣らしのつもりで手軽な場所を選んだ次第。
何しろ、ただえさえモチベーションが低い中、出掛けても釣れないのは切ないですからね。

とは言え勿論、過去に実績を確認済みの場所である。


とまあ、エクスキューズはどうでも良いとして、案の定と言うか、これまたサッパリウンともスンとも反応が無い。

攻める流れとしては、先ずは漁港で一番「水深のある場所」へ。
その「最も実績のある位置」から手始めにポッパーでの誘き出しするが、何も追って来ない。
一気にレンジを下げてシンキング、ミディアムダイバー、ヘビーシンキングと試すが、何の影も見えない。

通常、何かしら魚が居れば追う個体が現れるのだが、ベイトのイワシ類さえポツリポツリ程度で、生命感に乏しい。
水深の浅い壁際を引いても、アナハゼすら出て来ないとは。
正解に言えば、シマダイらしき幼魚が様子見してくる位か。

予想してたとは言え、これは厳しい状況。
元々ムラっ気のある場所ではあるが、良い年なら即座に反応が返ってくるだけに、早くもアレな予感が過る。


更に歩を進め、次は漁港のスロープと側溝の流れ込みをシャローミノー(と言うか普通のミノー)で潰し込むが、やはり気配が無く、たまに跳ねるのはイナッコくらい。
他あるとすれば、時おりウミタナゴ風の小魚が興味ありげに接近してくるが、すぐに反転しバイトする程のヤル気は見えず。

そうこうしている内に、スロープの端に到達してしまった。
ドン突きまで来るに、残るは地続きの「ゴロタ底」が広がる堤防ゾーンへ進行。
便宜上、ここでは「ゴロタ・ゾーン」と呼ぼう。


ちなみに、この漁港はボトムの質が三種類に分かれていて、最初の「水深が深いゾーン」は砂泥。
次の「スロープ周辺」は貝殻の割合が多い砂礫。
そして最後は、敷き詰められた「ゴロタ石」が遠浅に続く。

位置的には、深いゾーンとゴロタゾーンが漁港内で向い合わせとなり、スロープは双方から挟み込まれる様な形だ。

何故この様な構成になったかは謎だが、1つの小さな漁港でも海底の変化が大きい以上、それだけ海中の変化があり、また魚種にも違いがあろう事は想像に難くない。
然るに、ゾーン毎にルアーだけでなく、「リトリーブ方法」も変える必要があるのだ。


このゴロタゾーンは水深が平均して1m~1m50cm前後あるので、今度はミノーを「潜らせ気味」で攻める。

一応、このシャローエリアにおけるミノーの使い方の違いを解説すると。

スロープ様な極浅の場合は根掛かりしない程度にティップを上げ気味にし、水面直下でペンシルのドッグウォーク的なトゥイッチを細かく入れる。
それに対し、やや水深のあるシャローではティップを水面まで下げ、ミノーの「最大深度」に潜らせつつ大きめのアクションを入れるのがミソ。

スロープの様なドシャローではトップ系を使いたい所だが、結果的にミノーの方が反応が良かったりする。
また、ミディアム~ディープレンジ系が使いづらい浅場では、シャローミノーが安心。

つまり同じタイプのミノーでも、場所ごとに違うメソッドを繰り出せば対応の幅が広がる訳ですな。


などと、細かな工夫を凝らしたとて、魚が居ない時は釣れない。
当然の如く無反応だ。

この状況を総合すれば、少なくとも今回の漁港にはメッキもセイゴも居ないか、居ても反応が無い以上は粘る理由も無いと判断すべきなのだろう。

無論、竿を出した時間は日中なので、夕マヅメになれば状況が一変する可能性は無きにしもあらず。
だが、そもそも魚が入っているなら時間を問わず反応があるはずなので、それも望み薄となってしまう。


従って、最後に打つ手はそう、ゴムでプレイ(by西山八九三氏)である。

イメージ 1


まぁ、簡単に言えば根魚狙いに切り替えたってだけなんですが、コイツをゴロタと岸壁のキワに沿って、リフト&フォールを繰り返す。

すると直後から、ベラらしき魚が追う様子が見られる様に。
まさに辛い時のゴム頼みである。


やっとヤル気の生命体を確認して程なく、ガツッと手応え。

からのスポッと抜き上げますと、ちびっ子のムラソイ。

イメージ 2



なんだが、上げてみるに妙な違和感。
何と言うか、カサゴみたいな色味なのだ。
何だこりゃ?


尾ビレの先端が丸いらしい所(画像では畳まれてますが、先端が凸形状に見える)、ウロコの大きさ、錆色の縦縞など特徴はムラソイだ。

イメージ 3


ただ、部分的に赤みが強く、顔つきとトゲの感じ、胸鰭の筋の長さがカサゴによく似ている。

イメージ 4


君は一体、どっちの誰なのだ?
まさかハーフ?


そんな疑問が次々と湧いて仕方ないが、一先ず魚が居る事だけは判った。
即座にリリースし次を狙う。


お次はキャストに切り替え、ボトムを広範囲に探ってみる。

方法は、沖目から手前までボトムバンピングで誘いを入れつつ糸を巻き寄せるのだが、単純に言えば細かいリフト&フォールを繰り返すだけの事。

ゴロタは根掛かりしやすいので、一度着低した次の瞬間、跳ね上げる様にティップを上げ、またフリーフォールさせながらスラックだけを巻き取っていく。
着低はラインの動きで判断するが、弛ませ過ぎもアタリが取り難いので微調整する。
テンションフォールは根掛かり要因第一位の高リスクメソッドなので、努めてフリーフォールに徹しよう。


この時、着低時に「食わせの間」を置いても良いが、根魚が居れば殆ど着低の瞬間か直後に食ってくるので、あまり必要は無い。
逆に、間を置きすぎると根掛かりの原因になり易く、アタっても根に潜り込まれるリスクが飛躍的に高まってしまう。

着低した次の瞬間にリフトさせるのを意識しながら、ワンピッチジャークの要領で「ポーンッポーンッ」とリズミカルに攻めれば、アタリが取り易くヤリトリも楽。
それでもネチネチ攻めたい方は、アンダーショットリグなどに切り替えるのが無難です。

何だか今回はハウツーみたいな話ばかりだなぁ。


で、そのキャストを開始して間もなく。
着低直後のリフトで、またガツッと手応え。

で、スルリと上げてみれば、またしてもベビー・カサゴ…。

イメージ 5


じゃない、やっぱムラソイ?


画像では陽に当たって判りにくいが、実際は更に赤みが強く頭が長い所など、上げた瞬間のパッと見は完全なるカサゴ
しかし、尾ビレの形状とウロコの大きさ、そして錆色のマダラ模様などはムラソイのソレ。

更に、この二匹とも背鰭に沿って並ぶ斑紋はカサゴなのに、魚体と柄の全体的像はムラソイと、要するに両方の特徴が混ざっているのだ。

イメージ 6



振り返れば今まで根魚も結構釣って来たつもりだが、こんなパターンは初めてだ。

根魚は生息する場所により体色と柄が大きく変化するが、少なくとも近隣やこれまで釣った地域では見た事の無い外見的特徴をしており、どちらとも同定がつかない。

ちなみに、昨年釣ったカサゴ

イメージ 7


前の記事から引用したので解像度が低いが、違いは判別可能かと。


これはもしや、世に聞く「交配種」とか「交雑」した個体?
さっきも似たコが当たったけど、同じ「親」が由来の個体が周辺に生息してると言う事なのか?

だとしたら特徴に納得が行くし、また親が同じであれば、似た個体が連続して釣れた事の説明もつく。


無論、これは仮説であり断定は出来ないが、基本的に双方が殆ど同じ生息域に居る以上、まるっきり可能性は無きにしもあらず。
実際、自然界では似た種類による交配種の例は幾らでもあるし、別に殊更珍しい現象でも無い。

ただ、個人的には生命の「進化の過程」を目撃したみたいな、何だか得した気分でもある。
長く釣りをしていると、こんな事もあるんだねぇ。


結局、その後は同じボトム攻めを繰り広げるも後が続かず。
また、深いゾーンに戻ってディープレンジやらジギングラップやらゴムやらを試すが何も出てくれなかったので、これが潮時と日没を前に納竿。


およそ二時間の短い釣行。

しかしながら、テレビ業界のハーフ・タレント化が進んでいる様に、もしかすると海の中もハーフ化してたりするのかと想いを巡らせた、秋の一時なのでありました。



🌑使用道具類一覧🌑

ロッド:アブガルシア シーサイドスティックSS702改
リール:シマノ 10アルテグラアドバンスC3000HG
ライン:デュエル Xワイヤー0.8号(かれこれ8年くらい巻きっぱなし)
リーダー:サンライン スーパートルネード3号(確か15年以上前に買ったもの)
ルアー:エコギア グラスミノーSピンク



では、また、CUL。