CULrides カルライズ

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ライトゲーム戦績 ハタとカサゴの野外露出

昨年から今年にかけては、殆ど釣りに行っていない。


正確には、行ったには行ったが、ちょっと気晴らし程度で数えても4回位か。

釣果は無いに等しく、確か昨年の初夏に一度だけ500g程度のアオリイカと、秋のライトゲームでヒラセイゴを釣った事までは覚えている。
画像は消えたのか…何処にあるかも不明である。

まぁ、昔から釣りに行く周期と言うか、ムラがあるので止めた訳では無く、少なくとも優先順位を下げているのが現状なのです。



と言う訳で、季節は早くも秋の半ば。
一年で最も多彩な魚種が揃うシーズンを迎えている。

そんな、台風21号が発生する前の週の頃合いにて。

久しぶりに毎年恒例のメッキ探しを兼ねて、ライトゲームへと繰り出してみたのです。



しかしながら、例年ランガンで訪れている場所は、ものの見事に全滅の有り様。


強いて言えば、イワシがミノーのトゥイッチにジャレついてくる程度で、全くバイトすら無い状況。
また、希にカマスらしき魚影が足下まで追って来るが、やはり手前で見切られてしまう。


当然の如く、メッキのメの字も無い。
毎年手堅いはずの、ヒラセイゴすら顔を見せてくれないではないか。

釣れないパターンはよくあるとしても、まるっきり無反応なのは想定外。
これでは、攻め手の引き出しも早々に出尽くしてしまう。

尤も、色々ゴタクを並べた所で、居れば連発するし居なければカスりもしないのが釣りの宿命。
ベストシーズンとは言えど、何も無い日は幾らでも起こりうる。


だが、ここまで何も無いと、流石に納得が行かなくなるのも人の性。
久しぶりなのだし、何とかして結果は出しておきたい所ではある。

そこで、ここ暫く足が遠退いていた、とある小さな漁港へと向かう事に。



その漁港で始めるにあたり、今日の状況からしてシャローでは出ない事は予想出来ている。
案の定、ミドルレンジまでは無反応の様子。

そこで、早くもディープダイバーで、スロープの「ブレイク際」を丁寧に引いてみる。


参考記事
ライトゲーム戦績 メッキとカマス

culrides.hatenablog.com



すると、足下に転がっている大きな岩の影から、何やら「縞模様」の魚影が追って来るのが見えた。

最初はシマダイかと思ったが、シマダイがミノーを追う姿は見た事が無い。
同じコースを再度引いてみると、やはり同じ魚が足下で追い回しており、バイトには至らない程度に口先で突っつく様子が見える。


これはもしや。


そう思い、ソフトルアーにスイッチ。
エコギアの「グラスミノーS」をセットする。

ちなみに、個人的にライトゲームにおけるソフトルアーに関して言えば、このグラスミノーSさえあれば他は要らない程、何でもかんでも釣れる魔法のアイテムと考えている。

サイズはMでもSSでも無く、このSこそが至高の黄金比による完成度を誇っているのです。

何となくだが多分、ある程度釣り歴が長い人の中には、同じ感想を抱いている方がいらっしゃるのではなかろうか。



でもって、それを1g程のジグヘッドに装着し、例の岩の側へ落とし込むと…。


迷わずパックリ。

イメージ 1


その正体は、マハタの幼魚でした。


ついでに、「おそ松くん」がリバイバルしている現在で言うなれば、マハタ坊っちゃんはまさに「ハタ坊」みたいな。

だから何だって話ですね。



で、マハタマハタモドキとの見分け方について調べてみると、どうやら体の縦縞模様の尾から数えて2番目が、途中で上下に「分離」しているのがマハタの特徴だそうだ。

要は、この魚はマハタで正解の様である。


かねてより、この近辺に居ると言う噂は聞いていたが、実際に自分で釣るのは初めてなので結構嬉しい。
見ての通り、体長は10cm程と超マイクロサイズだが、その姿は既にハタ科の風格が備わっている。


特徴的なのは、カサゴメバルと比較して「歯」が非常に鋭く頑丈に発達している所か。
このサイズでも、既にビッシリと立派な歯が並んでいる。

イメージ 2


これは文句なしにカッコヨイ。
根魚などのロックフィッシュゲームにおいて、皆が最終的にハタを狙いたくなる気持ちが良く解る。



後々に調べてみると、どうやら近辺でマハタを放流しているらしい。

つまり、天然モノでは無いが、このまま野生化している場合、更に大きなサイズが潜んでいても不思議では無い事になる。
30cmまでなら堤防で釣れる事がある訳だし、可能性は高いはずだ。

実際、海を覗くと、どうやら2~3匹が同じ場所に居る様子が見て取れる。
やはり一帯で繁殖している可能性は高い。



しかし、これ以降はバイトして来たものの掛けるには至らず、完全に見切られてしまい後が続かない。


まぁ、今更ミノーに戻してもメッキは出ないし、ソフトルアーでハタが出るなら、このまま根魚に切り替えてしまおう。

そう思いヘチ際を探ってみると、今度はザ・根魚の代表格が登場。


そう、カサゴなんですねぇ。byアキラ・イケガミ

イメージ 3


でもって、やはり超マイクロサイズ。
偶然にも、ハタもカサゴも同サイズ。



改めて見比べると、同じ根魚でもかなり違いがある。

イメージ 4


ルアーを追う姿にも違いがあり、カサゴはテリトリーから全く動かず、側へ落ちた餌にのみ反応を示す。
※稀に水面までバイトしてくる場合もあるけど、通常は「出不精」である。


一方、マハタはテリトリーから離れていても、興味のあるルアーが接近すると、まるでアナハゼの様に中層まで後を追いかけて来る。

イメージ 5


よく水族館や海中映像などでも、ハタ類が悠々と泳ぎ回る様子が見られる様に、やはり遊泳力が高い事が判る。


幼魚の段階では、カサゴの方が厳めしく見えるが、最終的なサイズはマハタの方が遥かに上だ。
先述の様に歯も発達しているし、また、水切りの良さそうなヒレを含めて遊泳力も高そうな体型をしている。

もしかすると、カサゴの「省エネ体質」に加え高い「捕食力(遊泳力)」、そして、浅瀬から深海までメバルの如き「回遊性」を備えているが故に、大型化した可能性はありそうだ。


ただ、この場所の様に、幼魚期は同じエリアに生息している点からして、縄張りが競合しないのかも気になる所。
とは言え、結果的にハタは移動してしまうから、あまり影響は無いのかも知れないけど。



で、話を釣りに戻すと。


このソフトルアーでは他に根魚のバイトが何度かあったものの、いずれも小さい上にフッキングに至らないシーンばかり。

また、ジグヘッドも暫く使用するシーンが無かった為に、ちゃんと準備しておらず、使い回しが多くて針先がナマクラ化していた事もバラシに繋がっていた。

ここまでは、水深約1メートルでの出来事なので、サイトフィッシングが楽しめてはいるが、いまいち噛み合わない。
ま、基本的に釣りってそういう日ばかりなんだけども。



結局、程なくこの漁港でも早々にスレてしまったので、最後の場所へと移動。

しかし、そこで更に想定外の事態と遭遇する事となる。



訪れた場所は、国道沿いに面した、かなり奥まった入り江のポイント。
一帯の水深は平均して浅く、大体1mから最深部で3m程と言った所。

しかし、その生態系は豊かそのものであり、範囲は狭いながら非常に多彩な魚種が生息している。

湾の一番末端から流れ込む小川、周囲には森林、そして砂浜もありと、多様な要素が絡む。
その環境のお陰もあり、ここは「生命のゆりかご」的な場所でもある。

無論、その水深からしてサイズは平均して小さいのだが、毎回何かしら魚の姿は見えるので、ライトゲームでは必ず訪れる鉄板ポイントだ。


釣りとしては、この国道沿いの歩道から海へとキャストする形となる。

当然、後ろを走る車や歩道の人には気を付けねばならないが、割りと人通りや車通りが多い分、釣れると話し掛けられる事もよくある。



だが、鉄板ポイントのはずが、これまたカスりもしないではないか。

いや、このポイントでも釣れない日は何度もあるが、ここまでまるっきり無反応なのは珍しい。
上から海中を覗くと、いつもより魚種も少なく見える。
普段なら、イナッコがワラワラ群れていたりするのに。


特に、早めにソフトルアーに換えても根魚すら出て来ないのは珍しい現象だ。
丁寧に探れば、ムラソイかアナハゼ位は姿を出すはずなのだが。

何しろ、ここまで生命反応が薄い海も珍しい。
この一日を通して、いつもの海と何だか様子が違うと言うか、一体どうなっているやらと謎は深まるばかりである。

尤も、「お前が下手なのだ」と言われれば、それもそうなのだけど。



そんな、粘り気味に海沿いをローラー作戦で歩いている時。


不意に一台の黒い乗用車が、僕のすぐ近くに停車した。
運転席から一人の男が降りると、カメラを持ちながら景色を眺めている。


ちなみに、このポイントは入り江から沈む夕日が美しく、写真撮影のスポットとして来る人が多い。
車を横付けしたまま撮影出来るので、夕方になるとこうして一瞬だけ現れる人もよく居るのだ。


すると、今度は助手席からまた一人、若いギャル系の女性が降りてきた。

なるほど、彼らは釣りでは無く、この景色と夕日を背景に写真を撮るのか。



そう納得した次の瞬間。



唐突に女性は「羽織って」いたシャツの前を開けたかと思うと、いきなり下着姿に。



その姿は、昔の「ガスター10」のCMを彷彿とさせる脱ぎっぷりと言うか、コートを開いてポコチン丸出しにするストリーキング的な野外露出のアレである。

山之内製薬 ガスター10 CM
https://youtu.be/ir72rlMJ-fY


ただ、全部を脱ぐのでは無く、どうにもシャツの前を開けた下着姿(水着かも知れないけど、良く見ていない)がミソらしい。

それで、そのまま歩道のガードレールにもたれかかると、男が一気呵成とばかりに撮影を始める。



何だ、一体、何が始まったのだ。

いや、私、横にいるんですけど。

てか、何も言わず始められても。



そう言えば、昔のボキャブラ天国で。

魔法使いサリーの主題歌にある「マハリクマハリタ ヤンバラヤンヤンヤン」を、「股に熊書いた アンタら何なんだ」に改造したネタがあったが、まさにそんな心境である(どんな心境だ)。


そんな僕の存在を無視するかの様に、あるいは気にしないでゴリ押しするかの様に、様々なポーズを取りながら撮影を続ける彼ら。


それで、何となく周りを見渡すと、やはりすぐ近くで散歩していたおじいちゃんが、めちゃくちゃ興奮気味な表情を浮かべてこちらを見ている。

それはまるで、映画「テルマエ・ロマエ」でのイカ八郎氏、あるいは「ちびまる子ちゃん」の友蔵じいさんの笑顔を彷彿とさせた。

けしからん、本当にけしからん。

イメージ 6


ちょっ、顔、顔。
まぁ、気持ちは分かるけども。

(※どうでも良い話ですが、無意味に画像を編集し直しています。夕方の日差しの感触を出してみたかったので…)



更に、割りと交通量のある場所のせいか、その横を通過する車も一様に、撮影に気付いてスピードを落としながら様子を見ている。
でしょうねー。


一度、その内の一台が彼らに「注意」したのか、彼らの車の後ろに停車しながらクラクションを鳴らすも、一応チラリと気にするだけでお構い無しに撮影は続く。
声が小さくてよく聞き取れなかったが、どうにもベストなショットについて拘っている様ではある。


この間、僕と彼らの距離は3m程しか無く、すぐ真横で撮影が行われているのだが、もはや集中が出来ない。

横移動しようにもカメラのフレームに入ってしまうし、大体、彼らも僕がジャマじゃ無いのか謎である。
何にしろ、わざわざ人の近くに来てまで欲しい絵面がコレだったのだろうか。



その最中、やがて僕はこうも思い至る。



そこまでやるなら、もう全部脱いじゃえばいいじゃんと。

心も体もShape upして、Make upしたプライドなんか捨てればいいじゃないと。

痛い事とか恐がらないで、もっと奥まで行けばいいじゃないと。

それが、誰も止められないBody&Soulじゃないのと。


そして、たった一人、スタンド・アローンな私が「エェッ!?マジすか!?」と、思わずお茶を噴き出してしまう位のインパクトで笑わせてくれよと。



いや、そういう問題か。


べ、別にアンタの裸が見たい訳じゃないんだからっ!
ホントなんだからっ!(白目)



しかしながら、傍目から見れば、夕陽に向かいひたすらルアーを動かす釣り人と、方や半露出の女が同じ空間に居る甚だ異常な光景。

まさか仲間には見えないだろうが、「あの人達、一体何がどうなってるの?」と思われていたのは間違いない。



大自然+夕焼け+釣り人+露出女+カメラマン+通行人。



一応、この場に揃った要素を列挙してみたが、我ながら極めて意味不明。
何か良く分からないけど、いささか「クレイジーソルト」状態。



こうして暫く撮影した後、女はシャツの前を閉めると男と共に車へ乗り込み、あっという間に去って行った。
この間、僅か数分足らずの出来事である。


もしや、これが彼らの「時合い」だったのか。
取敢えずそう言う事にしておきたい。



しかし、マジで何だったのだ。
てか、ああして他の場所も回っているのだろか。

実は、釣りをしていてこの手の「野外撮影」を目撃するのは、この数年で2回目だったりする。
その時はショアジギ中で、自分の立ち位置から離れた磯場の影で、一人の女性を囲んで数名が撮影している様だったが、これは最近の流行りなのか。

いやはや海もカオスなら、人もカオス。
珍しい魚が釣れた日に、珍しい人に遭遇するとはね。


そんな、世の中デキてるんだかそうでも無いんだか訳が分からないけど、様々な意味で想定外の出来事が重なった一日。


結局、この後も何にも釣れず、僕は「時合い」を逃してしまった。


でも、何か面白いモノ見れたからまぁいいや。


と、思う秋の一コマでした。


ちゃんちゃん。



○使用道具○

竿:アブガルシア シーサイドスティックSS702改
糸巻:シマノ アルテグラアドバンス C3000HG
糸:デュエル エックスワイヤー 0.8号
先糸:クレハ シーガーグランドマックス 3号
擬似餌:エコギア グラスミノーS (ピンク)



では、また、CUL。