CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

超仮説シリーズ・LGBTが存在する真相 第4回「同じ仲間でも環境の違いでプロセスが変わる」

これまでに得られた経験と見解を基に、LGBTとなる真相を解き明かすべく迫るシリーズ、第4回。
culrides.hatenablog.com


今回は「同じ種類でも性転換のプロセスが変わる」と言う点について話を展開して参りましょう。


🌑同じ仲間でも環境の違いでプロセスが変わる🌑

さて、前回までの様に「生息環境の変化により性別が決定づけられる」と仮定した場合、魚類におけるマダイとクロダイの例も重要な意味を持ってくる。


この両者は同じ「スズキ目タイ科」に属するグループであり、見た目こそ単なる色ちがい程度である。
なのに、何故か前者はメスからオス、後者はオスからメスに転換するのは先述の通り。

然るに、この相違点が起きる理由としては、両者間の「食性」、そして「住む場所」との違いに重要なポイントがあるものと考えられる。


例えば、基本的にマダイは外洋に面した綺麗な水質の海域や潮流の効いた磯場を好み、ゴカイやエビを始めとして、イワシ等の小魚、イカなどを主食としている。
その回遊力は高く、エサを求めて広範囲を泳ぎ回り、良い潮の流れる目ぼしいエサ場があれば、そこが主な住み処となる。
幼魚から若魚の時は沿岸の浅場に多く生息するが、成長するにつれ沖へ出るのが通常のパターンである。

一方、クロダイは沿岸の港湾部や磯場、あるいは河口に住み、割りと水質の汚濁にも強い性質を持つ。
また、若魚から成魚どちらも普段はマダイより浅場に生息し、一生を通じて同じ様なエリアで過ごしている例が多く見受けられるが、成魚になると外洋に面した磯場に移動する個体が出てくるなどの違いも顕れる。

その食性はマダイと共通しつつも雑食性が強く、動物性から植物性まで何でも食べられる。
この話も釣りをしている人ならば御存知の通り、実際に黒鯛釣りのエサとしては、イソメや甲殻類に貝類だけでなく、蜂の子のほかスイートコーンなどの穀物、果てはスイカなどなど、様々なエサが存在する点でも食性の幅広さが判るところ。

その性質ゆえか、エサを求めての大きな移動はせず、やはり基本的に同じ海域に留まりながら生活する傾向が強い。


実はこの「生息環境と生殖活動との相関性」について両者を比較すると、更に興味深い相違点浮かび上がる。

以下は推察なのだが、その違いとやらを記すと。


・マダイは回遊範囲が広く外洋までエサを探しに行く事が出来るが、常に大型魚など外敵に囲まれていて幼魚の死亡率が高いため、自らも大型化して遊泳力を高めた方が有利となる(マダイはクロダイより遥かに大型化する)。

となると、ここで最初にオスばかり生まれてしまうと、「成長する間に誰も卵を産めない」ままとなり、大きくなる前に外敵に食われっぱなしになるばかりで、最悪は絶滅してしまいかねない。
その為、若魚は大きな外敵の少ない沿岸で過ごし、対抗できるサイズに成長したら沖へ出る仕組みとなる。

つまり、マダイのオスとは、外敵からのプレッシャーに耐え大型化に成功するほど「生存率が高かった個体」と言う事。

そこまで成長した遺伝子を素早く残すためには、「最初からメス」として生まれ、早い時期から卵を産める様にする方が種の保存に有利な構図となる。


クロダイは沿岸部に住むので、エサの選択肢が豊富で外敵も限られている為、さほど大型化する必要性は無い。

だが、栄養価の高い海域では感染症などの病気や寄生虫の種類が多くなるだけでなく、港湾部や河口は自然災害の影響が大きいほか、赤潮などが発生すると酸素濃度が低下したりなどで、いきなり生活場所が失われる場合もある。

つまり、若魚の段階では、まだ「メスになるには体力と免疫力が低く卵を抱えるには心もとない」し、最悪は環境の変化についていけず生存率も下がってしまいかねない。
なので、あえて最初は「抱卵できないオス」として生まれてくる方が好都合。

やがて無事に成長し、「卵を持つのに充分な体力と免疫力を備えたメス」となる事こそが、生存率の高かった個体の証しとなる。
いわば「姉さん女房」となる事により、オスには若い内に生殖活動をしてもらう方が効率的。
また、大きくなる事で回遊範囲を広げる事も可能となるだけでなく、外敵にも強くなるので産卵場所の選定にも有利になる。


これら上記に倣うならば、結果的に「身の回りの環境により性別が決定づけられる」点においては、実はタイだろうがベラだろうがクマノミだろうが同じ事が判る。
もっと言えば、分類上は同じ魚種であっても、その生息域や生活スタイルの細かな違いにより「性別決定のプロセス」まで変化する可能性が浮上するのだ。

しかも、これを人間に当てはめた場合、マダイならば「大陸を移動する人々」、クロダイならば「内陸や島に留まる人々」と例える事も出来るだろう。

いわば前者は早熟な行動傾向となり、後者は成熟に時間を使うシーンが多くなるはずで、その傾向の違いによりホルモンバランスなどが変化していてもおかしくなく、結果的に次世代への影響も変わるはずだ。

上記の例を通し検証するにつれ、これら先代の受けた生活環境の影響が性別決定を、即ちLGBTに繋がるであろう事にも、また整合性が取れてくるのである。


ますます共通点が明らかとなる、魚類と人間の性別決定のメカニズム。

これは果たして偶然と言えるだろうか?

この共通点を踏まえつつ、次回に続きます。



では、また、CUL。