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超仮説シリーズ・LGBTが存在する真相 第5回「メスだけの環境でオスを産んだトカゲ」

これまでに得られた経験と見解を基に、LGBTとなる真相を解き明かすべく迫るシリーズ、第5回。
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今回は「爬虫類の性別決定のメカニズム」について話を展開して参りましょう。


🌑メスだけの環境でオスを産んだトカゲ🌑

さて、魚類以外にもトカゲなどの爬虫類も環境変化によって、オスメスの違いが顕れる事は良く知られている。

例えば、卵の時に地熱が低ければオスに、高ければメスになるなどで違いが出るのだが、この話もまた人間における「男女の産み分け」の俗説とも似ている部分である。


実は、この性別決定のプロセスについて検証すると、また「必然的」な違いが覗いて来る事になる。

基本的に爬虫類は外気温に体温を依存する傾向があり、簡単に言うと寒ければ体も冷えて動きが鈍り、やがて冬眠に入る。
逆に、暖かければ活発に動き回るなど、環境の変化に敏感で生命力そのものに影響を与えているであろう事が解る。

つまり、寒いとメスまで生命力が落ちてしまうので、最初にオスを産んで早くから積極的に子孫を残させる。
逆に暖かいなら、ゆっくりパートナーを選ぶ余裕があるので、最初にメスとして産まれておく。

この様な違いがあると考えられるのだ。


更に、それとは別に、時に爬虫類は「単為生殖」を行う事がある。

この単為生殖を簡単に説明すると、オスと交尾せずメスのみで次世代(卵)を産む現象を指す言葉なのだが、これも何かしらの条件が重なる事で起きるとされている。

そこで最近、興味深い事例をテレビ番組で拝見したので端的に内容を記してみよう。


これは日本のとある動物園にて。

オオトカゲのメスだけを数匹、同じスペースで飼育していたのだが、それは飼育頭数をキープする為にオスと交尾をさせず、繁殖を防ぐ為でもあった。

だが、その内の一匹が単為生殖で産卵すると、そこで生まれた子供達は全てオスになったと言う。
※その番組内では地熱についての言及が無かったので不明なのだけど、「まさに想定外」と言う扱いだったので、恐らくは温度調整していたものと思われます。


この現象について表面的に捉えるならば、単純に無精卵でも子供が出来るんだなぁ、と言うだけの話ではある。
しかし、このオオトカゲはメスだけのグループの中に、あえてオスを産んだのがポイントとなる。

理由として考えられる線としては、メスだけのグループである事に対し何らかの危機感覚えたりなどで、「オスを産む必要性に迫られた」のでは無いかと推測される。
その危機感とは例えば、遺伝的な多様性(性質・体質など)が薄まって種を維持する機能が低下するとか、あるいはオスが居ないと縄張りが維持出来ないなどの状況が該当する。

これは翻せば、「身の回りの環境変化に応じて次世代の性別を決めた」と言う事になり、その意味で魚類とも共通した遺伝子のスイッチが備わっていた証明とも捉える事が可能となる。


となると、この「環境変化に応じて性別を決める遺伝子のスイッチ」が人間にも備わっているかどうかの話になってくるのだが、個人的には「ある」と考えている。

何故なら人間が生まれるにあたり、受精した卵子細胞分裂を繰り返す間、胎児は魚の様な姿から両生類の様に尻尾の生えた姿を経て、やがて哺乳類の形へと変化していくからだ。

その様子は、いわば「進化の追体験」とも表現出来るのだが、それらが本当に「進化の過程をおさらい」しているのだとすれば、人間も共通した遺伝子のスイッチを備えていておかしくない事になる。


また、先の魚類を例にすれば、「同じ種類でも生息環境や食性の違いによって性別のプロセスも変わる」可能性について述べている。

となれば、人間もまた各々で生活環境は違うし食べ物や習慣も違う以上、遺伝子のスイッチが入るパターンも様々に変化する事になるはず。

この組み合わせのパターンが幾つも存在するからこそ、LGBTのパーソナリティ(性的指向)が何通りか分かれる事にも辻褄が合ってくるのだ。


つまる所、現代人においてこの遺伝子のスイッチは基本的に「休眠状態」であったりなどで、余程の変化が起こらない限り使われていないだけ。

それが近代になり、「入力される機会が増えている」のではないかと考えられる訳です。

これを踏まえて、次回に続けて行きましょう。



では、また、CUL。