ここ数回、シリーズ化しているタコ釣りに纏わる話題。
前回までは、ロストエギのリメイク、捨て糸の作り方、そしてテンヤのカスタマイズについて記して来ました。
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ロストエギのリメイク
ワタクシ流、捨て糸の作り方
テンヤのカスタマイズ
でもって今回は遂に、それらを実戦投入。
表題の通り、「オクトパしてみた」のです。
その一部始終をダイジェスト式にお送り致します。
とは言え、特に派手な結果を残した訳では無く、しかも再び考えさせられる事案も色々あったりするのが実際の話だったりします。
まぁ、無駄な前置きはここまでにして、先ずは本編に移りましょう。
🌑試験釣行の様子🌑
さる1月某日。
訪れたのは、昨年度のテスト釣行にて釣果を得られた漁港。
先ず用意したるは、「リメイクエギ」のシリーズ。
これらの中にはロストエギの他に、新品同様のまま使わず保管されていた小型のエギも含まれているのだけど、この機会ついでに改造を施してみた。
その一部を、ざっとご紹介しておきましょう。
これはヒイカ用のマイクロエギで、ボディが割れて穴が開いてしまい使用不能になっていたもの。
その割れた箇所を「ホログラムテープ」で塞ぎ、瞬間接着剤で仮止め。
その上からPEラインを巻き付けて固定し、最後は再びエポキシ接着剤で固めて防水してある。
更に、追加のフックと装飾品を施す事で、今度はタコ仕様にリボーン。
コチラも、エビ感を重視したルックスに仕上げてみた。
怪しげなグラデーションを描く目に、揺らめくヒゲと脚、そして煌めくホタテシートが否応なしにタコをソソルはず。
かくして、割れて廃棄寸前だったエギが、新たな戦力へと変貌を遂げたのである。
下も確か、だいぶ昔にサルベージしたロストエギだったはず。
とりあえずカンナが錆びて一段外れていたので、背中にダブルフックと、更にカンナはトレブルの二段構えで補強。
少し特殊な装飾として、オモリの部分には「ラトルフロート」なる、文字通りラトルの入ったシモリウキを装着。
この内部には金属球が3個ほど封入されていて、文字通り水中でシャカシャカ鳴る仕組み。
画像では接着剤を塗り固めた後なので中身が判らないけど、本来はクリア樹脂で丸見えである。
かなりマニアックなアイテムだが、東北地方でのアイナメ狙いに使われる事が多いそう。
これも以前、カレイ釣り用に購入した余りものだ。
タコに対する効果の程は謎だが、とりあえずアピール力と浮力を補強する意味で使ってみた。
※ただし、このエギは実戦投入していません。理由は後述。
他のリメイクエギも、概ね似た様な改造を施しているのだけど、勢いで作ったせいかウェイトバランスが悪くなってしまったものも多かった。
なので、こちらも応急措置としてカンナにシモリウキを括り着けて、浮力を補強している。
リメイクエギの記事で、「小さいエギはバランスにシビア」と書いたのは、こんな事があったからなんですねぇ。
これを、捨て糸の記事で紹介した様に、ダウンショット・リグにして使う。
しかし、投入の前に済ませておきたい作業が、もう1つ。
それは、ロストしてしまったエギのサルベージ。
実は昨年度のテスト釣行にて漁港のスロープを探っていた折、誤って基礎石の隙間にハマッてしまい、結局引っ張り出せずにロストしていたのだ。
画像の中央をよく見ると、エギが逆さまに刺さっているのが判る。
当時は真っ直ぐ横向きだったけども、何時の間にか倒立姿勢に。
多分、この数週間に潮流などで動かされたのだろう。
その隙間に向け、捨てオモリだけ投入。
エギのカンナを捨て糸で絡め取るべく、ティップやらラインをアレコレこねくり回す事、数分。
見事、執念のサルベージに成功。
そう言えばアゴリグにしていたせいか、隙間に近付いた途端に重心が引っ張られて、そのままスッポリ挟まってしまった事を思い出す。
エギってこうして根掛かりするんだなぁと、しみじみ原因を垣間見た気分である。
早くもカンナとアイに錆が出始めていたが、思ったよりダメージは少なく、これでまた復帰となりますな。
さて、肝心要である「リメイクエギ」シリーズの結果としては、以下の様な具合い。
岸壁際のボトムをズル引きしながら誘っていると、小さめの一杯。
これは冒頭で紹介した、ボディが割れたマイクロエギをリメイクしたもの。
小さくともアピール力は確かな様で、この他にも2ハイ連続でバイト。
っても、この2ハイとも連続バラシに終わったんだけどね…。
一応の結果としては、見た目には割れて使えなくなっていたとしても、ちゃんと塞いでリメイクすれば、また活躍出来る事を証明する形になったのではなかろうか。
イカに使えなくともタコには使える。
これがリメイクエギのミソですな。
だがしかし、これ以外の改造エギにも掛かるには掛かるのだが、どうやらフッキングパワーが甘いらしく、以降はバラシが多発。
特に、水面近くの水圧が落ちるタイミングで外れてしまうシーンが多く、どんなに早巻きしてテンションをかけても水面でバレてしまうのに苦戦。
多分、現状ではカンナと追加フックのサイズが小さ過ぎるのか、あるいは装飾品などとの位置関係が良くないのかも知れない。
根掛かり対策のつもりで施したフックシステムだったが、これが逆効果となっている疑惑が浮上。
一応、ヒットするのは確かなので、あとはフッキングパワーだけ解決すれば、もっと使い勝手が向上するはず。
ここは課題の1つとして次回に活かしたい所である。
しかしながら、エギング中はホイホイ上がって来るのに、いざ狙うとバラシまくる。
いわば外道の時はイージーモードなのに、本命となるとハードモード。
これぞ、フィッシング七不思議の最たる例と言えよう。
それはさて置き、狙ってから気付いたのだが、タコって他の釣り以上にバラシが多い印象を受ける。
それこそ、陸揚げした途端に針から外れてしまうシーンが多い事からして、実際はフッキングした段階から「外せるスキ」を探っているのは間違いない。
また昔、とある動物番組の実験で、スクリューキャップ式のビンに閉じ込められたタコが、器用に内側から蓋を外して脱出する映像を見た事があるけど、それを例えるに、マジシャンの「水中脱出」に近い感覚だったりするのかも。
これらの事例から、タコは「自分の身に何が起きているのかを把握する能力」が高い為に、バラシも多くなるのだろう。
話を釣りに戻そう。
今回のテストにおける一連のパターンとしては、ラインテンションを張ってエギを踊らせたり、あるいはリフト&フォールするよりも、単純にスローなズル引きの方にアタリが多い傾向が見られた。
この理由としては、サイトフィッシングでタコを狙うと良く判るのだが、目の前に来たターゲットには即座に飛び付いてくる反面、やや距離が離れていると途端に動きが遅くなり、少し様子を伺っている様なシーンを見られる事がある。
この行動は恐らく、ターゲット(ルアー)に気付かれぬ様、ゆっくり接近しながら「スキ」を狙っているのだと考えられる訳だが、この時にリフトしたりドタバタ動かし過ぎると、いわゆる「食わせの間」が無くなってしまう可能性が有り得る。
この傾向から、結局はダウンショット・リグでも、ボトムコンタクトしている状態をキープする必要がある。
同時に、食わせの間を作る為には、非常にスローなリトリーブでの動きを意識しながら、誘いのアクションも抑え気味にするなど、タコへ「間合いを詰めるだけの時間」を与える事が重要となりそうだ。
ともあれ、無事にリメイクエギにてタコをゲット。
また、新たな課題についてもフィードバックを得られる実戦結果となったのでありました。
そして、別の日。
同じ漁港にて、今度は「カスタムテンヤ」を投入。
然り気無くコチラもシリーズ化して、試作品を幾つか用意していたので御座います。
しかし、当初は岸壁際のボトムを引いていたが、この日は何故かサッパリ反応が無い。
暫く一帯を探っても何ら出て来ないので、誰か先客でも入ったのだろうか。
仕方ないので、捜索範囲を広げるためにキャスティングへ切り替え。
個人的な本音では、キャストだとボトムの状態が把握し難くロストも増大するので気が進まないが、結果を求めるには致し方ない。
ただ、狙いのゾーン選択が難しく、まるっきりフラットなボトムでは期待が持てないし、なるだけ海底のストラクチャー周りを狙う方が良いのも事実。
その間のジレンマが悩ましいが、結局の所、タコ釣りとは根魚と同様に「リスク」と「釣果」でイコールの関係なのだろう。
それでも、とりあえず根掛かりの少なそうなゾーンに投入して、広範囲を探る事に。
ごくスローに、海底の感触を確かめつつゆっくりリトリーブしていると、手前まで来た辺りで「モヤッ」とした妙な重み。
まるで海草の破片が如き微かな重みなので、そのままズルズル引き摺りながら足下まで寄せてみると、何と1投目からヒッツしているではないか。
小型ながら、早々にカスタムテンヤでも無事に釣果を得る事となりました。
更に2投目にも、全く同じ手法で連続ゲッツ。
上は、逃げる宇宙人を慌てて撮影した臨場感溢れる画像。
つまり、単に撮影が下手でピンボケただけと言う。
しかしながら、まさかの2連続。
この打率からして、どうやら性能は本物と見て良さそうである。
このカスタムテンヤ自体のインプレとしては、どうやらリメイクエギと比較してフッキングパワーが高い様で、割りとガッチリ掛かっており、バラシが少なそうな印象。
やはり大きいカンナの方が、タコの体に「触れる面積」が広いぶん、物理的な「引き上げ力(=摩擦力)」も高くなるのかも知れない。
判り易くスケボーで例えるなら、デッキのノーズに対して靴の「接触面」が広い方が摩擦力が高くなり、オーリーが引き上げ易くなるのと同じ原理だろうか(判り難いよ)。
反対に、小さい針ではこの「接触面が狭い」せいで身切れしたり、そもそも刺さりが浅くスッポ抜け易くなるはずだ。
またネット上でも、エギの改造では大きいカンナに換装している例を良く見るので、やはりフックのサイズが重要となっているのは間違いない。
先述したリメイクエギでの連続バラシは恐らく、針の小ささ故に接触面積が足りず、また水面で水圧から「開放」されたが為に摩擦力まで失われてしまったからなのかも知れない。
つまり、エギのカンナみたいに重量バランスや根掛かりを気にした小さいフックを使うのは、バラシ率を高めてしまう原因だったのだ。
なるほど、昔からテンヤやタコジグの針が大きいのには、純然たる理由が存在している訳ですな。
当たり前な事でも、自分でリメイクだのカスタムだのしていて、初めて気付く事実がこの世にある。
また一つ、勉強になりましたな。
所で、この2杯のタコなんだけど、やけに縦縞が多いのが気になって調べてみたら、正体は「イイダコ」なのだそう。
今までは、本当にザ・イイダコ的なミニサイズしか釣った事が無かったけど、今回の個体は大きくて「小さいマダコ」みたいな感じ。
こんな大きく成長した個体を初めて見たし、しかも、ジャノメとか縞模様がハッキリと出るなんてのも知らなかった。
今回はてっきり小さいマダコだと思って両方リリースしたけど、次回はキープして食べてみようかな。
まぁ、本当は「すわ、ヒョウモンダコ…?」と警戒してたってだけなんですがね。
そんな訳で、「リメイクエギ」そして「カスタムテンヤ」ともに釣果を獲得。
一先ずテストは成功と相成りました。
🌑オクトパす反省会🌑
しかし、良い結果ばかりと行かないのが、釣りの悲しい現実。
このテスト自体は他にも数日に分けて実施したのだが、実はその期間中にまたしてもリメイクエギの大半をロストしてしまったのだ。
あれだけ「ロストエギの再利用」だとか、「ロストした分のプラマイを近付けたい」などとゴタクを並べておきながら、何とも情けない有様。
これでは結局マイナスである。
その中には、このリメイクシリーズの切っ掛けとなった「ビッグバン・ベイダー仕様」も含まれているのだが、これに至っては投入したハナから何も釣る事も無く、たった数投で根掛かりロストしてしまう体たらく。
故に、残存するエギやテンヤも出来るだけ温存する為、今一度使うかどうか見合わせ中である。
毎度ながら、根掛かりやロストが連続した時の心境たるや、やるせない気持ちで一杯になる。
その意味で反省点は尽きないのだが、とりあえず仕掛けや使い方の見直しを図るべく、暫しタコ釣りはおあずけ。
機を改めて出直しと致します。
おまけシリーズ。
去年、思い付きで描いた「SK8ハイボーイ」。
超妄想新商品シリーズ その3タコハイ・スケートボード缶 - CULrides カルライズ
まさか今になり、タコ釣りとスケボーが繋がるとはね。
改めて、物事の原理は同じと言うか、全ては一つに繋がっているんだろなと思う昨今です。
では、また、CUL。