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オクトパす③ ワタクシ流、捨て糸の作り方

さて、前回まではロストエギのリメイクについて触れました。

🌑オクトパす ロストエギのリメイク🌑

culrides.hatenablog.com



しかし、「そのまま」使った場合、根掛かりでロストしてしまう確率については変わらないのが現実。

従って、実戦投入の前にもう1つ、根掛かり対策を施す必要に思い至る。


その方法として、「ダウンショット・リグ」。
即ち、胴突き仕掛けを採用する事にしたのであります。


まぁ、エギのダウンショット・リグについては、コウイカ釣りや今回のタコ釣りでもポピュラーな手法ではあります。

仕掛けの作り方についても、既にネット上ならば幾つもの情報が手に入る事でしょう。


そこで、今回はダウンショット・リグの作り方に関する、「小ワザ」シリーズに触れてみようかと思います。


ほんのちょっとした拘りですが、この小ワザを駆使すればより快適なダウンショット・ライフ(?)を満喫出来るかも知れません。

とは言っても、期待を煽る程のネタかはアレなので、いわば「個人的な手法の一つ」として、参考程度にご覧下さいな。


🌑ワタクシ流・捨て糸の作り方🌑

作成にあたり、用意するのは主に以下のアイテム。


画像の右側より。

イメージ 1


右・「捨て糸」

今回はナイロンの10号を使用。

あくまで捨て糸なので号数は何でも良いが、太い方が仕掛けのカラミを抑えられます。
長さは40~50cmほどでカットしておき、作成の段階で短くするなど微調整して行こう。

基本的に「捨て糸」と言うだけあって、あえて切れ易い細い糸を使用する場合が多い。
一方、この捨て糸は上記の糸ガラミ防止のほか、頑丈な方がキャスト切れに強い面もあるので、現状では太目にしています。


中央・「ゴムパイプ」

パイプ径は、「捨て糸の太さ×1.5倍~2倍」程度が目安。

細すぎれば入り難いし、太すぎれば緩くてキッチリ固定されないのですが、あまり厳密でなくとも大丈夫。
合計2個、予めカットしておこう。

パイプの長さは捨て糸の全長によって決まるが、短ければ1cm程度でも良いし、長ければ5cmでカットする事もある。

ハッキリ言えば要らないとも言えるので、使うかどうかはお好みで。


左・「スナップスイベル(上)・サルカン(下)」

捨て糸の両端に接続するのだが、スナップスイベルは必須。
サルカンについては、あった方が便利だけど無くても何とかなるし、他の溶接リング等で代用が可能。

ですが、別に両方とも使わなくて良い方法もあります。

これらの詳細は後述します。


では、具体的に手順を見て行きましょう。


(1)捨て糸に、カットしたゴムパイプを2個とも通す。

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パイプは先に通さないと、後々やり直しが難しくなります。
修正する際、糸を解いた時にクセが付いたりなどで台無しになるので注意が必要。

実際の作業ではポロリと抜け落ちてしまう事が多いけど、とにかく先に通す事だけは意識しておきましょう。


(2)糸の両端にスナップスイベル、サルカンを通したら、端糸をゴムパイプの中に通す。

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これが固定の第一歩。
捨て糸の太さとパイプ内径のバランスが合っていれば、適度な摩擦抵抗を感じるはず。

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実は、このままパイプ内部に瞬間接着剤を流し込んで固定する方法もアリです。

その場合は、内径の狭いパイプを使い、キツめに絞まっている方が保持力が高くなる。
また、ゴムパイプを長めにカットすれば、より強度と保持力を得られる様になります。

具体例については最後の方でご紹介致します。

ただ、今回は一手間加えて、更に強度を高めたバージョンにして行きましょう。


(3)パイプ内から端糸を20~30cmほど引き出したら、パイプをサルカン側へスライドさせ締め込む。

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この時点で、捨て糸の全長を微調整しながら決定しておこう。

目安としては、エギより数センチほど長く取れば良いかと思います。
結果的にエギもボトムに着低するシーンが多くなるので、個人的にはラインテンションを張った時に直接底に当たらない程度に調節しています。

全長を直したい場合は、パイプを引いてズラせば可能。
ただし、キンク(曲がり)などのクセが付きやすいので、糸も緩めてから再調節しよう。


(4)端糸を使い本線へとハーフヒッチを編み込み、最後はエンドノットで締める。

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概ねハーフヒッチを5セット以上繰り返す事で、結び目がズレずにキッチリ固定されます。
最初の編み付けは若干緩めに、回数を増やす毎に締め付け強度を上げるのがコツ。

本来の目的はパイプから抜けない様に固定する為ですが、もう1つ、捨て糸の両端に「ハリとコシ」を与える意味を含んでいる。

つまり、捨て糸の結び目から「遊び」を無くす事で、リグ全体が絡まり難くなり、また絡んでも解け易くなるなどのメリットを得られる事となります。

市販の胴付き仕掛けや投げ釣りの仕掛けなど、結び目にゴムパイプを通してあるのはカラミ止めの為であり、ハーフヒッチはその補助となる訳です。


これは上記の「行程(2)」で触れた通り、この方法ならパイプ内部に瞬間接着剤を流すより遥かに強度が高まります。

当然ながら、ゴムパイプに瞬間接着剤を流し入れて固定するだけの場合は、ハーフヒッチは必要ありません。
また、そもそもゴムパイプが無い場合でも、ハーフヒッチを長くすれば近い効果を得られるかと思います。


(5)結び目やパイプ内部に、瞬間接着剤を流し入れ補強する。

イメージ 7


この行程は無くても良いが、太いナイロンは結節が緩くなりがちで、ひょんな拍子にほどける場合もしばしば。

そこで、接着剤を結び目に塗れば、完全に固定される事となります。
大量に厚塗りする必要は無く、ほんの微量を「染み込ませる」程度で大丈夫です。


以上の工程が完了しましたら完成。

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この方法で作った捨て糸は、とにかく頑丈。

その為、スナップやサルカンも強めにしないと、根掛かりを外す時に接続部から吹っ飛ぶ事があるので、捨て糸の強度に合わせた大きさを選ぶと良いでしょう。

ちょっとやそっとでは破断しないので、強度が欲しい時にオススメです。


ついでに、他のバリエーションもご紹介しましょう。


コチラは、片側のサルカンを省き、「ループノット」で作成。

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材料の話で触れた様に、サルカンが無くてもノットだけで対応可能。
これはスナップスイベル側にオモリ、ループ側にメインライン(リーダー)を接続すればOKです。


更に突き詰めると、両端を全てループノットだけで作成しても使えます。

画像の様に、オモリは「チチワ結び」で着脱出来ますし、実際、エギもメインラインも捨て糸も全てチチワだけで接続可能だったりします。

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ただ、この場合は着脱が面倒だったり、またアクションも固くなりがちで糸ガラミも増える場合があるので、素直に回転してくれるスナップスイベルの方が便利ではあります。


そして、コチラは「半遊動」バージョン。

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捨て糸に中通しオモリを通したら、サルカンの反対側(オモリ下側)は溶接リング等で固定。
その結び目の上(画像右側)に「ゴムクッション」を被せて保護。

これにより、フォールやシャクリの衝撃から結び目が守られ、解け難くなります。


ちなみに、この捨て糸にスナップスイベルを通す事で、自由にオモリを交換出来る仕様にもなる。
また、捨て糸を極端に短くすれば、コレ自体をナス形オモリの代用とする事も可能です。


これら上記の方法は、手持ちの資材が足りない時などに有効。

これから仕掛けを自作する際に覚えておいて損は無いと思いますので、ご参考となれば幸いです。


最後はオマケで、「三本ヨリ」バージョン。

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画像では判り難いですが、コレは捨て糸では無く、投げ釣り仕掛けのモトスに使うカラミ止めの一種。

前回でも触れましたが、かつて投げ釣りをしていた頃に自作したモノで、この記事に合わせて久々に引っ張り出してみた。
今回使った10号のナイロンラインは、その当時のストックなんですねぇ。


今回は「三本ヨリ」の作り方について触れませんが、慣れれば超簡単。

単純に3本の糸を縒り合わせたら、端糸をゴムパイプに通すだけ。

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そうすると、ヨリ糸同士が内部で絡み合う為、あとは瞬間接着剤を流し込むだけで必要十分な強度が得られます。

イメージ 13


ただし、強度はパイプ内径と糸のバランス次第で変わるので、サイズの組み合わせにはご注意を。


まさに投げ釣りマニアックスですが、こんな仕掛けイジリ記事を書いていたら当時の記憶が蘇ったりして、何だか懐かしい気分。

まだ資材は残っているし、いつか再チャレしてみようかなぁ、などと思ったりなんかするのでした。


そんなこんなで、捨て糸もスタンバイ完了。

次回は更なる準備として、「テンヤのカスタマイズ」について記して参ります。


では、また、CUL。