CULrides カルライズ

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食べ蒔き三期生ダイジェスト 5月上旬・タネ蒔き開始

2018年の初代より開始した当プロジェクトも、気付けば早3年目。

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改めて概要を説明しておくと、いわゆる市場に出回る品種の作物などからタネを採種し、再び蒔いて栽培してしまおうと言うもの。

過去の実績から言えば、そのクオリティ面は別として、確かに収穫し賞味可能である事が確認されていた。



しかしながら、その再現性については不確実性が高く、世代を跨いで全く同じモノを作るのは難しい事も分かっている。
総合的に言えば、満足な収穫物を得られる確率は低いし、それこそフツーに市販のタネを使った方がフツーに栽培出来るのが事実である。


正直、この試みが一体何の役に立つのか自分でも良く分からない。

だが、それでも、続けてみれば新しい発見があるのではないか。

そう言った実験的観点で進めているのであります。



はてさて、そんなこんなで今年もチャレンジと相成る。



正直、やってる事や栽培している作物も例年と変り映えしないのだけど、強いて理由を挙げるとするなら、いずれも単に採種しやすく育て易い品種だからである。
まぁ、他のタネが手に入らなかったって言うのもあるんだけど…。


しかし、有り体に言えば、それらは成長が早く経過観察に適しているし、継続的に栽培する事で比較検証も可能になる。
そこは一種の定点観測と言うか、年により「こんな事例もある」との参考資料にはなるかなと。

実際、2018年の一期生と2019年の二期生では、その生育条件など様々な違いが明らかになりましたからね。



そんなムダな前置きはここまでにして、チャチャッと話を進めて行きましょうかね。


では、いざ。


🌑5月上旬・タネ蒔き開始🌑

昨年暮れから今年にかけては暖冬で、やけに気温が高い日が多く冬らしくない気候が続いていた。
特に今冬は、その傾向が顕著であった。

変な話だが、何故か2月頃に「夏の匂い」が空気中に漂っていた時があり、今までこんな事は無かったので違和感が凄い。

それは春に入ってからも変わらず、なんだか季節の変わり目が曖昧で、メリハリ無くズルズルと「暖かさだけ」が上下しながら推移していた様な印象。
実際、今年は異様に早く桜が開花した点からしても、例年との違いが際立っているのは確かだ。



そのせいもあって、暖かいんだか寒いんだか、タネ蒔きのタイミングが掴めずにいたのだが、とりあえず5月のゴールデンウィーク明けから日中気温が安定して来たので、手始めにトマトの発芽を試す。

やり方は、これまで通り「卵パック+ビニール袋」での保温である。
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今回のタネは、昨年度に採種したものや数年前のものが混在。
それぞれ質感も微妙に違っている。
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その昨年度にあたる2019年の二期生では、新しいタネも2年越しのタネも上手く行かず、結果的に不作に終わった年になってしまった。

なので、今期はあまり保存期間には拘らず、手当り次第試して発芽率の高さを重視。
とにかく沢山蒔けば、成長する確率も高まるであろうとの想定である。



ちなみに、今回は新たに黒土(黒ぼく土)を導入してみた。
特に理由は無いが、何となくフレッシュな土を使って発芽させてみようかなと。
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なのだが、この第一陣に関しては失敗。
蒔いてから一週間以上経過しても、何ら変化が現れないままであった。



原因は判然としないが、恐らく夜間気温が寒くて発芽温度が不安定だった可能性が有りうる。

と言うのも、この時期にしては珍しく日中気温が30℃あたりまで上昇していたのだが、夜間気温は10~15℃と寒く乾燥した気候が続いていたからだ。

この落差によって保温効果が一定せず、せっかく発芽温度をキープさせていても夜間になり一気に卵パック全体が冷やされて適温から外れてしまう。
これでは、目覚めのスイッチが入力されても、すぐに停止させられている様なものである。


確か、2018年の4月~5月頃は今ほど昼夜の気温差が激しくなく、日中に保温しておけばジンワリと効果が持続していた記憶があるが、それと比較して今期は妙に極端で読みづらい。

よく天候不順などでタネ蒔きが遅れる話がある様に、植物は些細な環境変化を敏感に感知していて、その影響が発芽時点で顕れてしまうし、のちの生育をも左右する事に繋がる。
そりゃ自然界でも「当り年・外れ年」がある様に、必ずしも同じ種類が同じ勢力で発生しないのも、こうした環境的要因が絡んでいるせいもあるのだろう。

その意味では、如何にして安定的な環境下で発芽させられるかが生育の成否を分かつだけに、まいど保温や管理の難さを実感するところ。



もっとも、この失敗は昨年度も似たパターンで発生しているし想定内ではある。

とにかく、今は手数を増やし、沢山蒔いて試しまくるのみなのであった。




では、また、CUL。