2014/6/20の事。
迷った挙げ句、結局行ってしまいましたWarped Tour。
一応、電車を使える事が判明したし、駅から歩いて会場まで往復出来る距離だったので。
今回はLA中心より東に位置する、PomonaのFairplexという会場。
普段は車やバイクのレース場として使われているそうで、実際、2008年に来た時もXDLと言うStunt Bike(バイクでウィリーしたりする、日本だとエクストリームと言われる競技)の世界大会を観に来た事があります。
前回はバイクで来たんだけど、電車にしろ車にしろ都心部からは大体40分程の距離にあります。
こうしてまたこの場で、またWarped Tourに来るとは想像だにしなかったなぁ。
Pomona駅から30分程の距離を歩き、会場に到着。
敷地のゲートの向こうには、会場入りするであろう客の列が見える。
敷地のゲートから入ろうとすると、誘導の人らしきオイちゃんに止められる。
誘導「Warped tourか?」
自分「イエス」
誘導「ここから入る事は出来ない。このゲートの前にシャトルバスが来るから、それに乗って」
自分「シャトル?わかった、有り難う」
言われた場所に向かうと、やはりシャトルバス待ちと見られる少年が二人。
確認がてら話かけてみる。
自分「君らシャトル待ち?」
少年「そうだよ」
自分「いつ来るんだ?」
少年「知らないよ。俺達も待ってるだけだし」
しかし、待てども一向に現れないシャトルバス。
そうこうしている内に、自分と同じ電車で降りてきた別の客達も集結し始め、やはり同じゲートで門前払いを食らっている。
ここで見かねた誘導のオイちゃんが何処かへ連絡したのか、我々の元へやって来た。
誘導「みんな、ここから入ってくれ。あっちに向かって」
どうやら妥協案が出た様で、結果的に最初のゲートから入場可能に。
迅速な対応有り難う御座います。
だだっ広い敷地を歩き回り、やっとこBox Officeに着いて無事に当日券を手に入れたものの。
既に半端ない入場待ちの行列に唖然。
入場するにもあと2時間はかかりそうな長蛇の列。
前回もそうだったけど、コレのせいで見たいヤツの時間過ぎてしまって、回りの同じ目的だった人らも「Oh!Fuck!!」なんて言ったりしてた記憶が。
理由として、アメリカは持ち物検査が厳重でとにかく入場に時間がかかる。
念入りに一人一人全ての持ち物チェックするもんだから、そりゃ何万人と同じ事してれば時間がかかるのは当たり前。
で、あまりにチンタラ列が進むもんだから、やはりフラストレーション爆発寸前な人々から次第に「入れろ!!」コール勃発。
こうなるともはや止められない集団心理により、一気に広がる入れろコールの輪。
今にもゲートを破壊しかねない勢いで人々が押し寄せるもんだから、危険を察知した運営側も早々に折れて、パチスロの大当たりよろしく開かれる入場門。
すると、一気に入場出来る状態になった事で、今度はパチンコ玉の如く人々が入口へと一気に集まり、列の途中から次々に流れ込むカオス状態。
そんなドサクサに紛れ自分も入場してしまった訳ですが、運営の方々は止めようにも止められず迷惑そうだったしで、今さらながら反省しきり。
教訓:当たり前ですが列はちゃんと並びましょう。
そんなすったもんだで会場に入って直ぐの所で、当日のタイムテーブルを販売するニーチャンらを発見。
反射的に入手する。
ステージ割
ただのコピー紙なのに$3とか地味に高いけど、無きゃ無いで「何処で誰がやってんのか分からなくなるからなー」と買ったその数分後、会場内中央に掲示されているタイムテーブルを写メに収める人々を発見してしまい……。
コレ、返品できませんかね?
さて、今回の会場はレース場より離れた芝生のある公園みたいなエリアで行われていたんだけど、当日は乾燥した気候のせいで砂ぼこりがヒドかった。
あちこちで色々なマーチャンダイズが売ってるんだけど、みんなうっすら砂まみれ。
そりゃ炎天下の中アスファルトで1日中やるよりは芝生で寝そべれる方がいいとも言えるけど、全身砂まみれもキビしいよなぁ。
当然だが、VANSが主催者なので会場の各所にVANSのテントが設置されていて、型落ちのT-shirtなどを比較的安価で販売している。
ステッカーも段ボール箱にまとめて入れたのをタダで配布しているのだが、皆ヒャハーとばかりに次々と手が伸びる。
でも案外、皆マナーよく順番に取っていきます。
テント
ステッカー収穫ホクホク
とは言っても最終的にこのステッカーを入れてた箱は、終了間際に地面にブチ撒けられていましたが。ヤケクソ。
今回のメインスポンサーは、Journeysと言うカジュアル靴のチェーンストアなのだが、もう1つの大きなスポンサーが韓国系の自動車メーカーであるKIA(起亜自動車)である。
これはWarped Tourのプログラムに掲載されていた広告。
2008年はAT&Tという、日本ではNTTdocomoあたりに該当するアメリカでは最大手の通信会社であったが、遂に韓国系の企業がスポンサーとは…時代であろうか。
そのスポンサー力の賜物なのか、ステージの名前まで[KIA Soul Stage]なんてのも。
ちなみに画像の[Soul]とは、KIAの新型車の名前である。
テントにはWarped Tourに微塵も興味なさそうなアジア系のオッチャン営業マン?がいたけど、あんま客がいなくて暇そうだった。
せっかく実物の車も展示してたのに、何だか勿体無い扱いの様な。
時代で思い出したと言えば、各レーベルのサンプラーCDの有料化が進んでいた事だろうか。
昔はタダかチップを軽く払うだけのバラ撒き同然状態な印象があったけど、やはり世相を反映してか、そういった無料配布系のマーチャンは以前よりも減った印象。
大体、あの頃はタイムテーブルだってタダで皆に配ってたしね。
まぁ、ネットやスマホのお陰で音はすぐ聴けるし、タイムテーブルも画像に収めれば資源の節約とは考えられる。
でもやっぱサンプルとかあった方が嬉しいよね。
エピタフのサンプラー。
Victory recのサンプラーやカタログ等。あとTERRORのステッカーも入ってて太っ腹だった。
以下、観たバンドの感想など。
Born of Osiris
キーボードを含むシンフォニックなメタルコア。
メンバーの見た目もゴス風味。
数年前から有名な存在なので客入りも良く、1日の始まりとしては上々のスタート。
For Today
今回初めて知った中ではかなりイケてたバンド。
The Ghost Insideにメロデス風味を加えた感じで、今風ではあるけどかなりスマートにまとめた印象。
既にかなり人気あるのか、凄い客の数。
Voが、Warped Tourに客として来てた自分がここに立ってるなんて信じられない!夢が叶ったぜ!みたいな話を熱く語ってたのが印象的。
他にも色々話してたけど、その通りの熱い人物なんだろう。
Finch
一時期、2000年の初期あたりにThriceやThe Usedと並んで若手スクリーモのホープだった彼ら。確か当日まだメンバーは10代だったような。時間過ぎるの早すぎ。
あれからこのジャンルも落ち着いたのか、あまり活動的な情報を聞かなくなったけど、もはやベテランだけあって安定感抜群。
初めて観たけど、思ってたより骨太な印象。ま、歳やキャリアを考えればそりゃ当然とは言える。
The Ghost Inside
これは旬の人達だけあって、盛り上がりは言わずもがな。
ただ、これは他のバンドにも言える現象だけど、音楽と同じくファッションも数年前と違い流行りの感じになってて、簡単に言えばスキニーパンツにカットオフベストみたいな格好してるのを見て、案外、アメリカ人も流行りに流されやすいんだなーと思ったりして。
Everytime l Die
前回のWarped Tour以来、6年ぶりのEID。
やはり2000年代の初頭、カオティック系の新鋭だった彼らも今では音楽的なアプローチが大きく変化したけど、セットリストの最後に昔の曲を入れるあたり、根っ子は変わってないんだろう。
そして、彼らもまたルックスが変わってて、メンバーのヒゲ面率が高くなってた。
ちなみに、今アメリカの特にこういったバイクや音楽なんかの「はみ出し者カルチャー」に関わってる人々の間で流行っているのが、口髭。
こちらではMustacheと呼ばれているんだけど、昔の英国紳士みたいな立派なヒゲを蓄えて、更にそれ専用のポマードで形を整えたらピンっとハネを作って完了。
こんなプリングルスのキャラクターみたいなヒゲした連中をよく見かけます。
そういや、この形を模したオモチャや服も良く見るね。
更にもう1つの方向性として、ほぼ顔面ヒゲまみれになるまで伸ばしてる人も多数。これはBeardと呼んでたかな。
これも歴史の教科書で見た様なまんまのモジャモジャ加減です。
こんな立派なヒゲ野郎ばかりなんて、すごいよマサルさんの花中島マサルが見たら泣いて喜ぶ画だろう。
昔からアメリカ人のヒゲに対するこだわりってゴイスなもので、多分、「ヒゲ部」とか同好会みたいのは確実に存在すると見られる。
ヒゲに関して人一倍のこだわりを持つ自分としては、非常に羨ましい環境です。
Bouling For Soup
いつかのIndependence-D以来。
とりあえず下ネタとジョークのオンパレード。何回PenisとVaginaと言ったか。
当日はいつになく動物愛護活動が活発で、ブースにわざわざファームでの動物達の不当な扱いを訴えるDVDを見せるスペースとか、色んなミュージシャン達によるVegetarianを薦めるブックレットを配ったりだのを繰り広げていたんだけど、それを揶揄する様なジョークも言ってたな。
まぁ、やりすぎ感がある分、言いたい気持ちも分からないでもない。
ちなみに、コレが会場内のブースで配布されていたベジタリアン啓蒙のブックレット。
このワープドツアーにも参加している面々のコメントや、動物を取り巻く実情を中心に掲載されていて、とにかく「ならないか?」と言う話の様です。
と、過剰な社会問題に対して強力なカウンターパートが現れて、また更にカウンターが出る所が海外らしいダイナミズムとも捉えられる。
その辺もお国柄と言う訳ですな。
TERROR
このためだけに今回のWarped Tourに来た様なもんです。
前回は彼らのホームであるAnaheimにあるChain Reactionと言う、ハードコア関連のライブで有名なクラブで観たんだけど、またLAで観る事になるとはね。
Strike you downで上々の幕開け、とは言ったものの、ホーム戦なのにいささか少ない客入り。
Warped Tourのメンツでは浮いてるって訳でもないんだろうけど、若い子ウケはしないからだろうか。
実際、このイベントも若い子向けのハデなバンドに客が多く集まる傾向が見られるし。
でも、僕はこういう地味と言うか不器用と言うか、頑固な姿勢を貫くバンドが好きだ。
媚びないし群れないし変わらない。
TERRORの、と言うよりScottのキャラクターがそうさせてるんだと思うけど、昔っから基本姿勢がブレないと言うか、ルックスも音楽も変わらず流行無視。
NYからLAに活動の場を移してかなり経つけど、ここまでブレない人も珍しい。
しかも、いつ何処でライブをやっても安定したパフォーマンスを披露してくれるのもまた素晴らしく、それが日本であろうとアメリカであろうと全く手抜き感がなく、自分の音楽とキッズに対して真摯に向き合う姿勢を貫くあたり、もはや天賦の才なんだろう。
当日も「これがReal Musicだ」と熱く語っていたし、各ステージに[Mosh、Dive禁止]と書かれているのに容認してくれていたセキュリティに対しても感謝の意を述べていたのが印象的。
ドローンでライブを録画してたみたいだけど、映像化するのかな?
Keepers of the faithで〆。
で、関係ないけど、今回はお土産入れとして口をヒモで縛るシンプルなバックパック(J.C.Pennyで見つけて衝動買いしたHart And Huntingtonのヤツ)を背負ってたんだけど、前回も同じ様なバックパック(OGKのメット袋)を背負ったままモッシュしてたら、ヒモが千切れて困った事がある。
そしてまた今回もそれを背負ったままモッシュしていたら、案の定コードを通すループ(ハトメ)が破損。おい。
またやってもーたである。
しかもおろしたての新品をだ。
マッタク、自分の学習能力が低いのかバックパックの耐久力が低いのか最早どちらでもいいが、次回こそは更にバックパックの強度を上げてモッシュに参加する事を心に決めたのであった。
Attila
今回、観るのも聴くのも初だった中で最も印象に残ったバンド。
アトランタ出身との事で、ステージにはデカデカと[Atlanta's Attila]と書かれたBannerが掲げられていた訳だけど、まさかこんな人気があるとは知らなかった。
デカイBannerを使っているだけあって、これがまたとんでもないモンスター級。ここがMonster Energy Stageだけに。
音楽的には今風のモッシュ狙いなメタルコアなんだけど、それにLinp Bizkitの様なラップ、グロウルを含むデスボイス、STATIC-Xのダンサンブルなインダストリアルサウンドに早口言葉みたいな歌い方、更にピロピロとしたギターソロやツインリードまで絡む、まさにラーメンで言うトッピング全部乗せ状態のやりたい放題。
それでいて散らかる所か上手くまとめてくる辺り、とんでもないセンスである。
そのせいか、客入りや盛り上は半端でなく、恐らくDevil Wears Pradaあたりを抜いて当日一番だったと思う。
メンバーのルックスもまたバラバラと言うか、Voが全身Tattooでタンクトップとショーツに紫ブチの眼鏡(伊達?)で、見たまんまの喋り方するチャラ男。
Guは一応、黒スキニーにカットオフGベストと一見、Avenged7foldみたいなメタルヘッズ風と、やはり今風のメタル系のルックスを総まとめした様な構成。
こんなメンツ集めてあんな音楽が出来るなんて、デキすぎでしょって感じ。
いずれサマソニ辺りで来日しそうだけど、あのVoのチャラトークに日本の客がついていけるかが気がかりではある。
ほんで、またしても終盤にアメリカ名物乱闘騒ぎ発生。
しかし、今度はケンカがケンカを呼ぶ大乱闘スマッシュブラザーズに発展。
キッカケは何か知らないけど、白人タフガイ数名と黒人タフガイ数名のケンカが台風の目らしく、一人相手に集団リンチを加えるヤカラと、そこを起点に更に広がるケンカの輪。
あちらこちらでバッチンバッチン、ボッコボッコと歯止めがきかず拡大する光景は、もはやバカすぎて逆にほほえましい。
案の定、セキュリティがすっ飛んできて何名かのタフガイがつまみ出されていた。
いつぞやのSummer Slaughter Tourでも半端ない大乱闘があって巻き込まれそうになったが、この人達って一度スイッチ入ると見境なくなるから危ないんだよな。
とにかくアメリカのハードコア、メタルのライブではケンカが付き物です。
現地で観覧する時は、常に客の動きに気を付けましょう。
Chelsea Grin
同じ時間にFalling In Reverseと言うバンドもやっていたけど、この2つが実質的な大トリ。
ちょい前にYellowcardやLess Than Jakeが出てたけど、トリ違うくね?と言えなくもない。
このChelsea Grinも結構前からいるけど、個人的にはWhitechapelやDespised Iconあたりと見分けがつかず…。
そういえば、この2つも2008年のSummer Slaughter Tourで初めて観たんだったっけ、Winds of Plagueと一緒に。
それはそれとして、やはり今をときめく人気バンドではあるので大盛況のち終了。
お疲れ様でした。
終わってからは、帰りの終電が近い事もありダッシュで駅へ。
この姿を見た人は相当怪しんだ事だろう。
やはり車社会アメリカ。
郊外へ出るには足が無いと不便です。
とまぁ、何だかんだ今回は殆どメタル系に偏って観てたなぁ。
正直、TERRORが目的で行った様なもんだし。
パンクの出演者も、どちらかと言えばポップでメジャーなのが中心な訳で、Bad ReligionとかNOFXの類いは一切出てない上、Epitaphですらサンプラーのタイトルが[Epitaph Metalcore Summer]とある位だからね。
とは言っても、この動きは今に始まった事では無いし別にいいんだけども。
いずれにしろ、今のWarped Tourはパンクフェスとしてよりサマソニみたいな感覚で楽しむべきなのかも知れない。
次はいつ行けるかな。
番外編
ツアーのプログラム。無料。
ビーフジャーキーの試供品。これは美味い。
会場の飯が高いので、コレと持参したけど暑さでドロドロに溶けたミールバーで餓えをしのいでいた。
多分、The Story So farかFour Year Strongあたりの一枚。
決して手前のチャンネーが撮りたかった訳ではない。