前回のSummer Slaughterで色々と思い出したので、今回は当時の記憶を綴ってみる。
2008年、初めてのアメリカで初めて観たライブがSummer Slaughter Tourだったりする。
ググったら、当時のフライヤーを発見。
今見ても超豪華メンツだなこりゃ。
これで$15だなんて、お国柄と言うべきか。
当時のチケットも発見。
2014年が税込み$34だった訳だけど、やっぱMorbid Angelが出演する為だろうか。
ってThe Facelessも出てたのか?
え、Born of Osirisも?
二つとも先日が初見だと思ってた…。覚えてねー。
場所はロングビーチのダウンタウンで、今は無きVAULT350と言うクラブ。
初めてチケットを買った場所でもあり、当時は全く英語も勝手もチンプンカンプンで苦労した覚えがある。
確かこんなヤリトリだった。
僕「チケット欲しい」
店員「いつの?」
僕「7月14日、サマースローター」
店員「いくつ?」
僕「一枚」
店員「名前を教えて。あと、IDも見せて」
僕「○○と申す。アィディー…アィディー…あぁ、これパスポートです」
店員「OK、フォーナンバーは?」
僕「フォーナンバー?(え、4つの番号?って何?パスワード設定とかって事?)うーん、エート、フォーナンバー…フォー…スマン分からぬ」
店員「…あぁ、いい。大丈夫だよ。じゃコレね」
僕「有り難うです」
かなり要約するとこんな具合で、当時はチケット所かファーストフードの注文すらままならなかった事もあり、実際は更にキョドリながら応対していたものです。
ま、今でもキョドリながら対応している事に変わりないけど。
その後、色々と会話する中でやっと「フォーナンバー」は「フォンナンバー(電話番号)」の聞き間違えと気付く。
会場内はクラブチッタ川崎やO-Eastに似た広々とした造り。
カウンターテーブルにはフリーのピーナッツが軽く盛られており、観てる合間に摘まめたりと快適だった。
いいハコなのに何で閉店したんだろ?
BGMにはIntegrityのMicha:Those Who Fear Tomorrowが流れてて、目の前の客が「おぉっ、いいねぇ」みたいなリアクションしていた。
確かに当日の雰囲気にチリバツですな。
当日、トリ前のSuicid Silenceがキャンセルになり、代役でWinds of Plagueが出演していたのだが、地元LA出身でブレイクしたてだった事もあり、かなりイケイケで相当盛り上がっていた。
しかし、当日になってスイサイドサイレンスのキャンセルが判明したので、こんなヤリトリもあった。
青年「ねぇ!この後誰が出るか知ってる?」
僕「分からない。フライヤーではSuicid Silenceらしいよ」
青年「彼らはキャンセルだって!」
僕「キャンセル?何で?」
青年「さぁ、何かアクシデントでもあったんじゃないかな。所で君は日本人?」
僕「そう、でも英語イマイチ」
青年「問題ない、僕だって日本語はコンニチワ、アリガトしか知らないよ」
僕「あはは、ありがとう」
青年「まぁ楽しんでこう!じゃ」
そう言うとピットへ去って行ったが、独特の訛りがあったので、もしかしたら彼もアメリカ人では無かったのかも知れない。
異国で異国人同士がライブで絡むホッコリエピソードである。
結果的にこの後、ステージに出てくるまでWinds of Plagueが代役である事も知らされていなかったので、サプライズではあった。
何故かVADERやCRYPTOPSY、KATAKLYSMの事はほとんど覚えておらず、何となく盛り上がりも他と比べて今一つだった印象。
この時点でもレジェンド枠扱い出来る人達だし、日本なら大盛況間違いなしだがなぁ。
まぁ、メンツ的に若者寄りではあるし仕方ないとも言える。
何故かカタクリのバン。
何でこの画像を収めたのか未だに意味不明。
ただ、ヘッドライナーのThe Black Dahlia Murderは別格だった。
なんちゅーピンボケ加減。
初来日から何度か観てるけど、基本がブレてないし、毎度あのテンションで安定のライブかませるって凄い事だと思う。
ちなみにこの後、チルボドの前座としても出演してたので、アメリカでは二回観たことになるのだが、この年以降は観てなかったりする。
そんな中で特に良く覚えているのが、Whitechapelの時は酷くピットが荒れていて、今までのライブで一番ヒドイ出来事だった事か。
最初、イキ良く跳ね回ってた一人の青年が突然、ピットの外に弾き出されて気絶。
恐らく誰かにブッ飛ばされたのだろうが、そのままセキュリティに担がれ外に出て行き、二度と戻って来なかった。
ここでバンド側が気付き、落ち着けと促す為に止めに入るが、流れで程なく再開。
しかし、この直後、更に会場中を巻き込む大乱闘が発生。
今度は、あるキッズが僕の目の前を猛ダッシュで通過し、何かに向かって飛びかかる。
向かった先を見てみると、一人の客が地面に転がされ、殴る蹴るの猛烈な集団リンチを食らっているではないか。
あっという間に乱闘は急拡大し、会場の半分を占める勢いで乱闘が乱闘を呼ぶ大乱闘スマッシュブラザース状態に発展。
更に、別のもう一人がターゲットになると、大人数にボコボコにされながら追い回される勢いでフロアからバーカウンターの前へ雪崩れ込み、追い詰められざまに誰かのパンチで失神KO。
そして倒れた所に、バタービーン(またはハート様)みたいなスキンヘッド巨漢が、トドメと
ばかりに「高跳び」で頭めがけて踏みつけを食らわす。
エゲツねぇ!
これはマジに死んだんじゃないかと思った。
この時、僕は巻き込まれまいとバーカウンター周辺の柱に隠れながら様子を見ていたが、同じく隣の柱から覗いていた黒人のキッズが一言、「Fuck'n stupid. 」と呟く。
全く同じ気分ですわ。
そして、セキュリティが総動員されると暴動は一気に鎮静化。
どの乱闘シーンでもセキュリティ来た途端に大人しくなるんだけど、やはりセキュリティと揉めるのだけは避けたいって事なのか。
確かに、基本的に暴れてるヤツらの平均以上に体デカイ連中ばかりだし、そうでもなきゃ止まらんわな。
その後、踏みつけを食らった彼は気絶したまま、やはりセキュリティに抱えられて出て行ったが、数時間後、フラフラになりながらも復帰。
なんつータフさだ!
で、そのままセキュリティと共に「犯人探し」をしていました。
ちなみに、彼はその後の他のメタル系ライブでも度々目撃。
あれでよく体イカれないもんだ。
とまあ、荒れに荒れてライブは一時中断を余儀なくされる訳だが、何とかWhitechapelも続行し、興行自体も完遂に至る。
そんな事もあり、初めてのアメリカでのライブはかなり刺激の強いものとなった。
しかしホント、何度か乱闘シーンを目撃したけど、こっちの人らって一端暴れだすと歯止めが効かないから危ない。
時々、暴動やら警官のリンチがニュースになるけど、この辺の動きを見てはいるので納得するばかり。
何せ、止めに入った人まで殴られてはまた反撃して、野次馬だった連中まで参戦し始めての繰り返しだからな。
さすが、大陸を移動しながら生息域を広げてきた連中の「向こう見ず」っぷりはガチです。
日本でもたまに小競り合いが起こるけど、基本的に単発で終わる事が多いし、止めに入れば収まる分、まだ平和なもんだなーとしみじみ思ったりするのだった。
おまけシリーズ。
どっかのバーガー屋の店先にあった看板。
今月のバーガー「ブラックダリアバーグ」
ダジャレ?
良く見れば周りの丸いステッカーも、メタリカのロゴ風に「GRILL 'EM ALL」とか書いてあるし。
シャレが利いてますな。
でも食わなかったと言う。