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メリケン道中記 Summer Slaughter Tour2014

@House of Blues Sunset Strip

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実は去年の出来事で画像も全く無い上に、ほとんど覚えていないという不始末。

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とりあえず思い出せる事だけ。


先ずは腹ごしらえ。
FAT BURGER超うめぇ。

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簡単に重量選べてトッピング追加出来るし、名に恥じぬボリューム感。
普通のバーガーチェーンに飽きた方にオススメ。


会場に着くと黒Tの人だかり。

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来た来たって感じ。

セキュリティに見せてもらったタイムテーブル。

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Goatwhoreの所に「!!!」とかあるけど、運営者か誰かの思い入れでもあるんだろうか。


確か今回は新人バンドの人気投票だかで優勝したバンドがツアーに参加していたはずなんだけど、誰がどんなバンドだったか全く記憶しておりませぬ。
覚えているのは、オープニングか二番目のバンドがSLIPKNOTの「ヘコんだペー」をカバーしていた事か。


ORIGIN
かれこれもう15年位前にカンザスから現れて以来、デスメタルシーンの最速最高峰に君臨し続けている訳ですが、思い返すと90年代末から2000年代の初頭はSkinlessにDying Fetus、Nile、Cephalic Carnage、The Dillinger Escape Plan等のRelapse勢が全盛期だったなぁ。
この辺のバンド達が、現在のブルータルデスメタルやテクニカルメタルの礎になりましたね。

そんな以前から来日するとかしないとか、あるいは2011年の震災によるKABUTO METALキャンセル騒動で、話が出ては消えていた彼らが遂にジャパンツアーを果たしたのが2013年の夏。
この時、来日する事すら知らなかったので見逃してしまったが、一年遅れてこのSummer Slaughter Tourで初体験。

ジャパンツアー後に色々とゴタゴタでメンバーが一気に脱退し(クビもか)、3人編成となってしまった事もあり、再現性と言う点で色々と大丈夫なんだろうかと思ってはいましたが、一体何なんですかアレは。

出だしの方こそ軽く聴こえていたが、進行するにつれて顕になる凄まじい音圧。
むしろ人数が少ない分、それぞれの音がクリアに聴こえる印象。

それ以上にあの楽器隊、特にベースのMikeは本当にちゃんと弾いているかどうか不明な程の手指の早さ!本当にどうなってんの?
いや、グルーヴがあるのでちゃんと弾いているはずなんだけど、人間って鍛えまくるとあんな弾き方出来るの?むしろ、あれ人間なの?
この編成からボーカルも兼任する事になったギターのPaulも、何をどうすればあの手の動きでマイクに向かう事が出来るの?

そして、言わずもがなのJohnのドラムさばき。
あんな異常すぎる手数の中に確かに見える音の輪郭。
明らかにブラストしている時間の方が長いハズなのに、一向にブレないズレない圧落ちないと言うバケモノぶり。あれ本当に人間なの?

音源よりも更にテンポが早かった印象だけど、いずれにしろアレで全員息が乱れず、細かいリズムチェンジにズレる事なく演奏出来るなんて最早人間業じゃない。

これがフルラインナップならどうなってたやら。

Loud ParkでもExtreme the Dojoでも何でもいいけど、もっと来日していいのでは。
個人的に本日のベスト。


Goatwhore
すみません、実はあまり覚えていないのです。
当日のメンツの中では若干毛色が違っていたので、盛り上がりはそこそこ。
実際、音楽的にもシブ目だし。
いや、ブラックメタル自体は好きなんですがね。


Thy Art is Murder
Dispiced Iconを彷彿とさせる今風のメタルコアだった印象。
モッシャーが集まって、結構盛り上がってました。


The Faceless
現在のメタルコアシーンでは、頭一つ抜けた知名度を得ているとの印象ですが、音楽的にもブルータリティよりテクニカルな部分を押し出してはいるせいか、小綺麗なナード風青年が細かい演奏に集中してる姿は、Slaughterって感じがしない。
Voはかなり動いていたし、旬のバンドではあるので会場の反応は良いものの、努めて大人しく演奏する楽器隊とのギャップに、お客さんも些か「聞き入りモード」で盛り上がっている様子。


Dying Fetus
何だかんだの大ベテランであり、Originとはまた違う意味で現在のシーンに多大な影響を与えたと言える彼ら。
この辺りから、ニュースクールデスメタルなんて言葉も出てきたんだっけ。
当日のThe Facelessを始めとした若手のメタルコア勢は、彼らやThe Dillinger Escape Plan等のハイブリッドと表現出来るだろう。

実際に観るのは初なんだけど、いつだか来日した元メンバーの在籍するMisery Indexはとんでもなく素晴らしかった記憶がある。

この人達もメンバーが減って以来、三人組で固定されているハズなんだけど、やはりと言いますか、それを一切感じさせないスピードパワーテクニックの三拍子に会場内も相当な盛り上がり。ピットグチャグチャ。

そんな中、ふと僕の腕に何かが当たってるなぁと思い横を見てみると、ノリノリでヘッドバンギングかますロン毛の二人組がおり、彼らの髪がバシバシ当たっている。
見た目はAmon Amarthのメンバーにでも居そうなヴァイキング風貌。

客席の後方で観ていた事もあり、回りは普通に立っている人達だけの空間で扇風機ヘドバンかます彼らはかなり目立つし、バッチンバッチン髪が当たるので思わず声をかける。


僕「あんたらノリノリだな!クールバンガーズだわ!」

ロン毛「おーよ!オメーもどーよ!」(泥酔)


と、腕を捕まれるまま、何故か勢い三人で頭を振る。


僕「何てこった俺の髪短いよ!イテぇ!あんたの頭、鼻に当たったよ!」(頭を振っていたら、彼らの頭が鼻っ柱に当たりマジで痛かった)

ロン毛「ギャハハハ!!イェェェ!ブンブン」(泥酔)


そんなこんなで結局、まともな会話すら無いままDying Fetusが終わるまで彼らと頭を振り続けていたという。

その後、二人は何処へともなく移動してはひたすら頭を振っていたのであった。面白コンビだなぁ。

で、Dying Fetus自体は割りと淡々と進めていたせいかOrigin程の強烈なインパクトは残らず。って言うかOriginがイカれ過ぎなんだけど。

しかし、音圧自体は凄まじく、終始一貫した安定感は今日イチだった様に思う。
そういやジャパンツアーの時にも、Misery Indexがこんな感じで淡々とバカテク演奏を繰り広げてて、見てる側はポカーンだったなぁ。

やはり、これがフルラインナップ当時ならまた印象が違っただろうか?
2002年のExtreme the Dojo Vol.3
行っておけば良かった。


関係ないけど、この手のブルータルデスやグラインド系バンド観てると何故かラーメン二郎とイメージがカブるんだよなぁ。

ヤサイマシマシゴアグラインドニンニクブラストカラメで食べる人も選ぶ二郎直系に対し、大盛り味濃いめでも女性に口当たり良くバリェーション豊富なインスパイア系みたいに。
もち、The Facelessなんかはインスパイア系ですな。魚介とのダブルスープ的な。
で、Morbid Angel辺りはオールドスクールな家系。

うん、どうでもいいね。


Morbid Angel

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確か前回観たのは2001年のBeast Feast以来か。
あの時生まれた友達の娘も、もう中学生。
時の流れは早い。

特に事前情報も得ないまま観ていたが、どうやらアルバム「Covenant」の20周年記念的な側面もあってのヘッドライナーな模様。

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こないだのUnearthみたい。
っても僕はDominationしか持ってないんで、セットリストにどう反映されていたかは不明と言う。

内容自体は、ベテランであり尚且つムード重視の方向性がある分、全体的に落ち着いた雰囲気。

と言うより、いつの間にか復帰していたDavidのルックスがデスメタルでは無く、ニッキー・シックスとかLAメタル上がりのオヤジにしか見えないせいもあってか、どうにも喋り方とか立ち振舞いが全体的に「ロックバンド」な印象。

確か、Beast Feastの時のボーカ
ルはSteve Tuckerと言う人物だったハズなんだけど、彼の方がルックスも動きもデスメタルらしいパフォーマンスしてた分、余計にDavidが浮いてる様に見えた。
いや、体デカくて迫力あるからステージ映えするし、もの凄い貫禄があるんだけど。

そもそも彼が以前に脱退した理由も、当時のEat MagazineのBeast Feast特集号で記されていた内容を要約すると、「Trayとの音楽的嗜好の相違と、声質の変化がバンドに合わなくなった為」という話であった。
そう考えると、今のDavidのルックスやキャラクター的な部分に納得は行くんだけど、どんな経緯で復帰する事になったやら。
いや、復帰当時Burrrn!か何かで読んだけど失念。
あと、EricとPeteが抜けて以降のメンバーの入れ替わりも把握してなくて、後にWikiを見て知ったんだけど、当日はザイクロンのデストラクターとティムって人がヘルプだったのかな?

まぁ、良い悪い云々では無く、あくまでその他の要素が目についた。と言うだけの話。
派手さや過激さで後続に譲るのは致し方ないものの、パフォーマンス自体は実にカッチリとしていて、オリジネーターの本家本元たる姿を見せてもらいました。


しかしながら、今回のライブやここ数年のシーンに触れて思うのは、デスメタルにも色々と種類のある中、Morbid Angelの様なオールドスクールデスに忠実で、魔術や神秘性を基調としたバンドって現在では少数派なのではなかろうかと。
直系と言えそうで思い付くのはNile位か。

この魔界的オカルティズムな世界観って、今はブラックメタル勢が得意とする所だし、強いて言えばBehemothやBelphegorあたりはモビエン的な方向性と類似性を感じる。
そういや誰だったか忘れたけど、「Belphegorのボーカルマジで頭おかしいナリ」とか言ってたな。

でも確かに、そういった古典文学やオカルト文化にどっぷり漬かって「直接吸収してきた人」と、「その人にインスパイアされた系」では、内容の深みが違うからなぁ。
前者は「本当にオカしい人」で、
後者は「本当にオカしい人に影響されたちょっとオカしい人」な訳で。

そう考えると、Morbid Angelの様な神秘性と残虐性の両立って、実はかなりハードル高いバランス感覚が必要なのかも知れない。

更に凄い余談だけど、トレイってまだらんま1/2が好きなんだろか。
Beast Feast2001の時、フツーにバックステージで女らんまのTシャツ着てたのが話題になってたけども、高橋留美子はこの事知ってるんだろか。

オカルトや文学に堪能で、エクストリームメタル界の伝説にして日本のアニヲタでって。
こういう「いい意味で本当にオカしい人」が「先駆者」になるんだろうなぁ。
レジェンドはレジェンドたらしめる物を持ち合わせているのです。


数年前まではAsakusa ExtremeとかKoiwa Death Festもチョイチョイ覗いてたし、Tokyo Death Festも全て観に行ったりだのしていましたが、ここ暫くはエクストリームミュージック関連のライブに行く機会がめっきり減り、新しいバンドもチェックしなくなっていた。

変な表現だけど、今回久しぶりに本格的にブルータルな空気に触れて気分爽快。
これからまた細かいライブ情報でもチェックしてみますかね。


そんな事を思った今回のサマースローターツアーなのでありました。