CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

メリケン道中記 Getty Center美術館

今回は滞在先の知人より、是非行くべきだと推されていたスポットである、ゲッティセンターへ。


ノースハリウッド近隣のシャーマンオークスよりメトロバスで30分程の位置にあり、ちょうどゲッティセンターの目の前に停車するので移動は楽。
ダウンタウン中心部からは、電車とバスを乗り継ぐ事約2時間。

イメージ 14

システムマップより。
ゲッティセンターは地図上、左端にあるUCLAのすぐ左上あたり。


ここはトパンガキャニオンの外れに位置する山の中腹にあり、ビバリーヒルズやサンタモニカから東のLA市内を一望出来る超好立地。
特に、施設内にある展望地点では相当な絶景を堪能出来ます。

敷地内は至極綺麗に整えられており、館内も通路幅が広いので狭苦しさは無く、そして、巨大な施設にも関わらず周辺の自然との調和を感じさせる見事な景観は、芸術鑑賞するに最高の環境と言えます。


ここの創始者であるポール・ゲッティ氏は、親子揃っての石油王で実業家だったそうで、稼いだ富で美術品を集めていたそうな。
しかし彼らの死後、膨大な遺産を相続した遺族に対し、裁判所より「その資産を使いなさい」との判決を受け、この施設の運営に充てられているとか。

とまあ、詳しい事はググる先生に訊ねて欲しいのだが、とにかくゲッティパイセンのオイルマネーマジパネェすという事の様である。


そしてその恩恵とも言うべき最大の特徴となるのが、この施設に展示されている芸術作品の全てが無料で鑑賞出来る事。
そもそも入場がタダなのだ。

払うとすれば、車で来館する場合の十数ドルの駐車場料金か施設内の飲食代、あるいは豊富な種類の土産代だけであろう。
ちなみに、僕は自前のサンドイッチと飲料水を持ち込んで屋外のテラスで食べていました。
※当然ながら展示館内は飲食禁止。

施設内にはベンチやテーブルが要所要所に設置され、休憩も容易。
また、芝生エリアや川のせせらぎを再現して数々の花を植えたセントラルガーデン、砂漠地帯の環境を再現した一画など、植物園や親水公園の側面も持っている。

そのせいか、近所の公園の様な感覚でピクニックや散歩がてらに訪れているであろう方々も散見され、いわゆる「芸術鑑賞」と云う敷居の高さは感じられない。

ちなみに、砂漠地帯に植わっていた花にハチドリがやたら飛来していましたが、近隣の住宅地でも時折見かけます。何か羨ましい。

でも、日本にはオオスカシバと言うハチドリにクリソツな蛾がいるので安心。
これが蛾のクセして超カワイイんだ。
個人的には昆虫界の筆頭癒しキャラ。


閑話休題


入館するには先ず、駐車場やバス停の直ぐ目の前にある丘下トラム駅から、そのトラムと呼ばれるモノレールに似た乗り物で山の上にある本館まで登って行く仕組み。

イメージ 1

ガイドより。

日本でも、麓でロープウェイや一両型の電車に乗って頂上の施設とか寺院?を往復するアレがあると思うんだけど、概ねそんな具合。
いや、いい例が思い浮かばないだけなんですがね。

エントランスに到着したら、インフォメーションで「マップとガイド」を手に入れよう。

イメージ 2

各言語に対応しており、こちらは日本語版。
内容も非常に判りやすく、かなり良く出来てます。

表は施設の位置情報。

イメージ 3

イメージ 4

裏は各施設の概要。

イメージ 5

イメージ 6



収蔵品は主に中世ヨーロッパの彫刻や絵画などの美術品が中心となり、一部現代芸術や写真なども展示されている。
しかし、あまりに膨大な数が展示されている為、特に一点づつ解説文を読んでいては中世の作品も1日では見終わらないだろう。
僕はじっくり見て回りたかったので、2日連続で入り浸っていました。

この規模の施設と収蔵品の量を無料で解放している美術館なんて、他に存在するだろうか?
やっぱゲッティパイセンゴイスー。


館内と作品の一部。

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

イメージ 10

フラッシュ撮影は厳禁だそうで、時々、焚いちゃった人が学芸員の人に注意されてます。


その中で何となく心に引っ掛かった作品がコレ。

イメージ 11

題名「預言者イライジャに天使現れる」(かなり意訳)


解説文をブロークン英語で訳するに、「イライジャが数日間歩き回り(理由は忘れた)、疲れ果てて木の根に腰を下ろしていた所に、天使が現れ飲み物と食べ物をくれた」的な話だった様な。

つまり、「どうしようもない僕に天使が降りてきた」と言う事か。
それはノリユキマキハラ。

何で気になったかと言えば、数年前に当時の職場に中途入社して来た帰国子女の女性から、「イライジャ」略して「イラ」とアダ名を付けられていたから。
何故そう呼ぶのかと聞いたら、「聖書に出てくるけど邪悪だから」だそうだ。


なに?Evil?どういう訳よ?
でも間違ってはないよ。

いや、そもそもイライジャって邪悪なの?


ちなみに、ジャニーズ顔の青年には「アレックス」とか名付けてましたね。なめとんか。


所であの女、一年位で辞めてったけど今どこで何してんだろう…。
いつか思い出した頃に御便り下さい。
お互いの連絡先知らないけど。

そんな甘酸っぱくもないメモ
リーが蘇ってきた次第。


更なる収蔵品の詳細な内容については長くなるので、地球の歩き方や専門のウェブサイトを参考にした方が良いでしょう。

ここは画像が豊富で伝わりやすいですな。
http://www.tripadvisor.jp/Attraction_Review-g32655-d147966-Reviews-The_Getty_Center-Los_Angeles_California.html


ちなみにこのゲッティセンター、実は先日のマリブに兄弟館があり、そちらも無料となっているそうなので、お時間のある方はそちらも伺ってみては。


お手軽かつ本格的な芸術鑑賞を楽しみたいなら、それでなくとも、ざっくりと「雰囲気の良い場所」を求める方には是非とも訪れて欲しい、げに素晴らしきスポットでありました。




おまけシリーズ。


今回、最も心に残った作品。


題名「Angel of citadel(砦の天使)」

イメージ 12

股間に漲る力がアバンギャルドかつ、芸術は爆発的なお気に入りの一枚。


お口直しに美しい薔薇をどうぞ。

イメージ 13