CULrides カルライズ

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メリケン道中記 サウスセントラルを歩く 後編

後編ですが、特に面白い画像もオチも無い事をお断りしておきます。
いわゆるナニオーです。

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さて、歩みを進める中、通りの番号が概ね70番台を過ぎた辺りから、ダウンタウン直行のバスが度々通過するが、あえて乗らずあくまで徒歩に徹する。


当時は連日30度近い日が続いており、例年に無い異常気象であると言われていたが、空が広いロサンゼルスの強烈な日差しの中をひたすら歩くのは、苦行そのものである。
持参した水は早々に飲み尽くしてしまい、喉もカラカラ。

こんな時、天使が現れて飲み物をくれないものか。
ゲッティセンターにあったイライジャの絵を思い出す。


なにしろ、この近辺には有名なチェーンストアなど無い上、どの店も佇まいがアレ過ぎて入る気が起きないのだ。

実際、こういった地域にアジア系が入ると「何でオメーみたいのが居るんだ?アブねー目ぇ会わねぇ内に消えな!」的な対応を取られる事もあるらしい。


更に歩みを進め、50番台に入る頃になると急に街に賑やかさが出始める。
メトロブルーラインの駅としては、Florence駅からVernon駅の一帯。
ここからはダウンタウンも近く、人口密度が増すのだ。


このエリア周辺はラテン系が大半を占め、わずかながらアジア系もチラホラ見られる様になる。
ただ、アジア系と言っても商店の店員として発見できるのみで、大概は中国や韓国系。
いずれにせよ、外を出歩いてるのは珍しい事に変わりない。

この辺りでも写真撮影は難しく、やはり観光客の様な行動を受け付ける余地は微塵も感じられないが、先程までの殺伐とした光景と変わり、だいぶ「街としての呼吸」を感じられる様になる。

相変わらず建物の警備は厳重だが、まだ入れる余地がありそうだ。


しかし、とにかく街が汚い。
そして臭い。


それまでのエリアは住宅街であったせいか「汚れる要素」が無かったと言えるが、このエリアから急に食料品を扱う店が増え始める。

その為、道端に捨てられたりこぼれたりしたであろう有機物が蓄積しているのか、路面が黒ずんでベタつき、街全体が生ゴミの様な臭気を放つ。
まさにオイニーがサイクーである。

そして、チリやら紙屑やらのゴミがあちこちに散乱し風に舞い、町の空気も「砂漠的な熱気が埃っぽさを孕む様に」澱んでいる。
ちなみに、黒人やラテン系の住むエリアの繁華街は大抵こんな雰囲気である。


それと相まってか、みずぼらしい風体の人々が目立ち、そして皆眼光が鋭い。

あるローカルファーストフード店が並ぶ一角に、鋲ジャンモヒカンパンクスの集団がタムロしていたが、まんま世紀末救世主伝説北斗のソレだ。
種籾よこせってか。

住めば都とは言うが、とても人が暮らすに適した環境とは思えない。


更に歩みを進めて行くと、この50番台からダウンタウンまで次第に建物が大きくなり始め、商店の集まる一角や倉庫が多くなる。
まさに都心部へ戻ってきた感覚だ。

その前の黒人が多い地域は「他所者を受け付けない」空気に満ちており、歩いているだけでカラまれる危険性を感じたが、このラテン系が集まる地域はまだ賑やかなので歩きやすい。

しかし、一本裏道は死角だらけで、特に日が落ちた後は一気に人気が無くなり、更に危険な空気感が倍加する。
それは、これらのエリア一帯に共通する特徴でもあるが、結果的に「安全な道」など無いに等しい。


30番台に入るあたりでやっとダウンタウンらしい馴染みの光景が目に入る様になり、ここに来てDel Taco(Tacobell、El pollo loco等と同じタコスチェーン)に入り休憩。
ここまで歩いてやっと座る事が出来た上、タコス屋なのに「デルチーズバーガー」が美味くて身に染みる。
画像無いけど、コレはイケます。


ここまで来ればゴールまで一気。


夕方の帰宅ラッシュに混み合うダウンタウンの喧騒を抜け、滞在先に帰還したのは19:00頃。

ガーデナを出発したのが13:30頃であったので、6時間ほど歩き続けていた事になる。
何キロ、何マイルあったかは知らないが良く歩き通したものだ。

有森裕子の如く自分で自分を誉めたい気分ですが、翌日は筋肉痛でバキバキ。
一体何してんだか。


しかしこの後、知人からロングビーチからダウンタウンまで歩いて帰ってきた話を聞いて、この人も一体何してんだ。
と思うと同時に、「上には上がいるんだよなぁ」とも思うのであった。



最後に重ねて強調しておきたい事が幾つか。


今回、辿ってきたルート、エリアについて。

「基本的に他所者、部外者が歩いて良い場所では無い」

と言う事です。


サラリと書き記した部分が多く、その危険度が伝わりにくいと思うのですが、間違っても「何だ別に問題なく行けそうじゃん」などと思わない様にすべきです。

特に日本人観光客の場合、どうしても、どんな服装でも身なりや表情が「小綺麗」なので、いくら身を取り繕っていても目立ちます。
それはハッキリ言って、馴れればすぐ「日本人だ」と見分けがつく位です。


そして、根本的にアジア系が居れる場所ではありませんし、まして出歩いてる事もありません。
その為、ジロジロチラチラ見られる事も多々あります。

もし歩いているとすれば、それは地元民かちょっと頭がアレな人だけでしょう。





アレ…?だとしたら僕は…




おまけシリーズ。



今回、とあるエリアで発見した電線スニーカーの群生。

イメージ 1


同じ靴ばかりなので、恐らくイタズラか何らかの記念(卒業など)だと思われる。


これを撮影した時、この真下にある民家の住民が窓から、「こいつ一体何してんだ」と云う具合に、怪訝な顔で見つめておりました。


お邪魔しました。