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メリケン道中記 LAの公共交通で遭遇した人々1 バイオレンス鈍行列車

LAの公共交通には、イカレポンチオサムなヤツがゴロゴロいる。


そりゃもう日本なら即刻ニュースネタになりそうな連中が次々現れる。


今回は、そんな人材の宝庫で遭遇した、あんな人こんな人シリーズ。




これはダウンタウン周辺を走る地下鉄、メトロレッドラインの車内にて。

Whilsher/Western駅に着いた時の事。


この路線には、いつも無許可でスナックやジュースを車内販売している、オリラジ藤森(ただしスキンヘッド)みたいなルックスと喋り方をする陽気なニーチャンがいる。


大体、この手の車内販売は現地でもダメな人がゴミみたいな物を販売してたりで、ぞんざいな扱いを受ける事も多いのだが、彼はペラペラとチャラそうな喋りと風貌で車内を笑わすなどエンターテイメント性があり、ピン芸人みたいな存在。


そのパフォーマンスをあえて再現するなら、「どーもデース!みんなノドキャワイてナーイ!?小腹スゥイてナーイ!?」

みたいな具合だ。



しかし、そんな彼が今日は何やら焦り気味に、早歩きで何かから逃げている様子。


すると、その約30m後方から、見た感じフツーの小太りなラテン系の男が猛烈に怒鳴りながら追ってくる。


ニーチャンは車両前方へ向かいながら車内に逃げ込む。


そのラテン男も後方のドアから車内に入って追って行く。


が、何故か途中で、無関係そうな周りの乗客に絡み出す。


ここで車内の空気が怪しくなり始める。

しかも、次第にそのラテン男が、誰彼構わず絡み出すではないか。


もちろん、こんな事態になればアメリカ人が黙っている訳も無く、次第に周りもキレ始める。


すると案の定、揉み合いが始まるのだが、ラテン男の様子がおかしい。


どうにも武器を隠していたのか、片手に小さい金属バットの様な棒を持って暴れ始めた。


すかさず周りも反撃に転じると、誰か腕力の抜群な人にブッ飛ばされたのか、バッコンと車内からホームへと弾き出される男。
カランカランッと、棒が転がる。


しかし、ダメージが無いのか男はすぐに立ち上がり、棒を掴み車内に突入。


すかさず車内の人らも猛反撃に出るが、何度もホームに弾き出されては表情一つ変えずに立ち上がり、執拗に襲いかかる男。


まさかのノーダメ。
やだ、何なのこの子!?


この時点で、尋常ならざる事態に乗客達が焦り出し、皆一斉に「ドア閉めろ!!」、「何やってんの早く閉めてよ!!」、「早くドアを!!」と叫び出す。


僕も思わず横にいた女性に「何が起きてる!?」と聞くが、「分かんないわよ!!」と取り付く島もない。


その女性は近くにあった緊急呼び出しボタンを連打し、何度も運転士に呼び掛ける。


だが、全然応答が無くテンパリ出す。


そして、その女性は何を思ったのか、今度は男に向かって「Fuck you!!!!」と叫ぶ。


すると何故か、振り向いた男の目と僕の目が合ってしまい、今度はこちらに向かって来る。
余計な事すんな!!


しかし、また別の方向からヤジを飛ばされると、そこへ向かう男。
もはや意味不明。


このタイミングでやっとドアが閉まり、何とか事なきを得る。


こうして閉め出された男は、映画「シャイニング」のオヤジと「時計じかけのオレンジ」を混ぜた様な、上目遣いでニヤニヤした表情を浮かべつつ、発車する電車を見つめているのであった。

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お薬でも嗜んでらっしゃる方だったのだろうか?


拳銃乱射系バーサーカーじゃなくて良かった…。







あれ、そういや車内販売のニーチャンはその間どうしてたかって?







知らない。