CULrides カルライズ

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メリケン道中記 INK-N-IRON FEST

2014/6/8の事。

Long BeachはQueen Mary号にて毎年行われているという、INK-N-IRON Festivalを見てきました。

この名が示す通りTattooとHot Rod、そしてそれにまつわるKustom Culture(Customでは無く、あくまでKustom。この違いを説明するのは難しい)全般を3日間に渡って紹介するイベントであり、僕はその最終日のみ観覧してきたのであります。


全世界から集まったTattoo Artistによる実演販売?(要はその人のブースで即、その場で入れてもらえる)や、その出来栄えを評価するコンテストに、SULLENやFATALなど日本でもその手の人に知られるClothing Brandも多数。

また、Grease(ポマード)のベンダーや、そのグリースの使用感を確かめる為のBarber(床屋)まで出展している。
勿論、ゴリゴリにイジったVintage CarやBike等もあるが、それは案外少ない印象。


更に、Pole Performance Showcase(要するにポールダンス。セクシーなチャンネーが棒に絡み付いてこねくり回すアレ)や、そんなチャンネーのセクシーポーズだけを観賞するブースもある。
全身TattooだらけのKat Von D(アメリカ人の女優)を更にイカれさした様な水着姿のチャンネーが沢山いたけど、普段どうやって生きてんだろ。

あ、一言断っておきますが基本的にこの人達はヌードにはなりませぬ。一応、All Ageのイベントなので。つまんね。
でも、ライブ中に女性客が興奮のあまりポロリしたり、バンド側に煽られポロリなどは時々あります。よかった!


そして、何よりメインと言えるのが各バンドのライブ。


実の所、このイベントはこっちで知り合った日本人の方に教えてもらった訳なんだけど、Suicidal Tendenciesがトリだとしても別に自分はホットロッダーではないし、ましてノンタトゥーなので最初はそんなに興味が沸かなかった。

しかし、ふとLA WEEKLYの広告を見た時、その3日目にSICK OF IT ALLとMADBALLの名を発見した瞬間、参加決定。

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イベントのフライヤー裏面より。

画像をご覧の通り、この面子もまたバラエティー豊かなモノで、RockabillyにPsychobilly、PunkにHardcore、そしてBlues等。
つまりTattooやHot Rodが好きな奴等の好きそうな音楽を全て交ぜ込んだ内容。
その為か、先日のBLACK FLAG以上に客層が幅広いものでした。


特に2日目はThe Briefs、Fear、The DamnedBuzzcocksのレジェンド組連発と Punksなら脱糞モノな組み合わせ。
3日目がDeath March(TransplantsのSkinhead Robのバンド)、MADBALL、SICK OF IT ALL、そしてトリにSuicidal TendenciesとHardcore好きには失禁モノな組み合わせでして、勿論、私はこの3日目に行った訳です。失禁はしませんでしたが。

ハッキリ言って、今年のWarped Tourより明らかにこちらの方が「らしい」メンツだと思う。



そんな訳で、当日券でもSold Outはまず無いとの情報通り、午前中の早い時間に到着したお陰か割りとすんなり入場成功。

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入って気付いたのは、ある意味でコレはコスプレパーティ的な側面があるなぁと。

Levi'sにドクターマーチン等のブーツもしくはコンバース、そして白又は黒T-シャツの袖をロールアップしてパンツにInした上に、サスペンダーとリーゼントという50~60年代からタイムスリップしてきた様な連中。
あるいは、バンダナにフリップアップキャップ、そしてネルシャツとディッキーズという正統派Old Skoolギャングスタイルの連中。

女性も同じく50'sや60'sを意識した格好で、映画Back to the Futureの過去シーン等を想像して欲しい。
髪型もやっぱり巻いてるかリーゼント、もしくは極端にセクシーなビッチルックと、男女ともに徹底した恰好をしている。


ちなみに、こちらの特にHot Rod系のイベントに集まった女性達が高確率で所有しているアイテムがある。

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それは日本の唐傘。

冗談抜きで会場にある日傘の95%はこの唐傘でした。
しかも扇子も流行っているらしく、これ等をセットで持つのがどうにもステータスらしい。
柄もベーシックな花柄や日本画など色々あり、中にはFORD Mortorsなんてのも。
勿論、それらを売るベンダーも出展していました。


と、普段はそんな格好してないけど、この日だけ気合い入れてきたんだろなぁって人が多く、その辺は日本も海外も変わらないなと。
何故かと言えば、こっちでもそんな格好してる人は日常でまず見かけないからです。

一応お断りしておくと、いくらアメリカだからと言ってもブッ飛んでる人ばかりではなく、オカシイ事してたりチョイとズレた格好してると、周りから浮いてジロジロ見られるか、興味深げに話かけられるか、ヒドければ注意されます。

単にライフスタイルの1つとして「開き直って」やってる人が多いのが実情で、案外TPOには気を使っている人が大半。
なので、日本人が海外旅行だからと気合いを入れすぎて「変に凝ったファッション」で外に出ると、逆に浮きまくる可能性が高いので注意が必要。

とは言ってもやはり開き直りの度合いも極端な連中が多いのは事実。
それでも「後は好きにしろ」的な辺りはアメリカだなと思うが、こういう人達が普段どうやって生きてるのかマジに知りたい所ではある。
いや、普段は普通の仕事をしている人が殆どではあるのだろうけど、どの辺でプライベートとのバランスを取っているのか気になる所。

見てるだけでもかなり面白かったけど、色々と写真撮らしてもらえばよかったなぁ。


あと、アメリカの特に野外ライブでは、常にどこからともなく「ハッピーな植物物語のかほり」が漂っています。
あちこちから漂ってくるので、同じ空気吸ってるだけでラリるんじゃないかと思ったり。
「一口くれよ」みたいなヤリトリもよくある。
ま、ブリブリにドンギマってる人を見るのは楽しいのでアリですが。


以下、ライブの感想。


Death March

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何も知らずに、おー良いなぁなんて見てたけど、後で例の日本人から教えてもらってこれがRobの別バンドと知る。でも、こんな感じの人だったっけ?
いや、特別な何か思い入れがある訳じゃないんだけど、時々、短期間で人相っていうか全体的なルックス変わる人っているなぁと。
RANCIDのTimとか、いつかのPunk Springで見た時なんて「誰この人」とか思うほど変わっていて、些か困惑を覚えた位だし。

音楽的には何となくIntegrityやその周辺、あるいは最近流行ってるらしいRawなハードコア等にインスパイアされてる様な印象。
いや、絶対好きだと思う。


MADBALL

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こっちもFreddyがロン毛になってた。

当然だけど、ステージや客席はDMSのシャツを来た連中がどこからかワサワサ。
ピットも北斗の拳で言うハート様にクリソツな巨漢とか、ゴツイ体格の「ワルそうな奴は大体トモダチ」みたいな人らばかり。
終始危ない空気が漂ってましたが、揉め事が起きなくて良かった。

セットリスト自体はいつも通りって感じだったけど、今回は「MADBALLのoriginal soundを作った男だ!」との事で、懐かしのMatt Hendersonも途中参。
わざわざNYから来たのかな?それともLA在住なんだろか。LAのキャップ被ってたし。
ちょっとレアなshowでした。


あと、TERRORのMartinもプライベートで客として来てて、色んな人に話しかけられてました。
うーん、TERROR超見たい。今年のWarped Tourに出るんだけど、他に見たいの無いんだよなー。
場所もちょっと郊外で行きにくいし、どうしよ。※12/13の日記参照。


SICK OF IT ALL

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こちらもセット自体はいつも通り。

途中、Louがこのイベントに出演してるメンツについて話してたけど、クネクネっとフザケた表情で踊りながら、ヒップホップが出なくて良かった的な事を言って軽くバカにしてたのが印象的。

まぁ、確かにこのイベントには不向きだわなと思いつつ、昔とあるHip-Hopグループとロゴマーク(ドラゴンのヤツ)の使用権で揉めた事があるので、それも影響してるのかな。

そんで、MADBALLからMoshに交ざるかかなり悩んでいたけど、お土産が沢山入った手荷物をぶら下げてたので本当は我慢するつもりだった。
6年前のWarped TourでMoshしていたら、 バッグのヒモが切れて困った事があるからだ。

しかし、Scratch the surfaceWall of deathかました辺りで我慢しきれず、結局荷物持ったまま突入。
Step Down、Us X Themでグチャグチャ。
足ひねったし、脇腹も誰かのタックル食らったのか痛いけど、無事に踊り倒してきました。

所で、この脇腹、この日から1ヶ月以上痛かったけど、もしやヒビとか入ってたのかな?治ったからいいけど。

そういえば、この日もGood RiddanceのTシャツだったんだけど、ピットでグルグルしてた時、突然横からイキのいい兄ちゃんが俺の肩をつかんで話しかけてきた。

あまりにハイテンションで早口にまくし立てるもんだから、ほとんど何を言ってるか聞き取れなかったけど、彼も同じバンドのT-シャツを着てたのでその事について喜んでいた様子。
色々言われた中で唯一、聞き取れたのは「25 年間!!」だけです。


Suicidal Tendencies

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何だかんだ実際にライブ自体を見るのは初。
割りと良く日本に来るし、まあいつでもいいかな的な感じで今に至る。

このイベントのちょい前にInfectious Groovesと二役で来日してたけど、インフェクシャス好きなのでそれは行っておけば良かったかなと思ったり。


それでSuicidalですが、当然ながらライブ自体は素晴らしく、特にやはりWar Inside My Head、Possessed to Skate辺りの盛り上がりは半端なく、絶えずデカイサークルが発生。
メインのMosh Pit以外にも小規模なヤツが端っこに出来てて、そこにはラリってるであろうアホみたいな動きの連中が集まってて面白かった。

最終的に、Mikeやメンバーが「ステージに上がってこい!」と煽り出し、会場のセキュリティも勝手を知っているのか手は出さず、次々に上がる人々。

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あっという間にステージ上は客で埋まり尽くし、最早メンバーが何処にいるかすら判らないカオス状態。まさにルール無用。

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そこまではよくある事だが、ここで客の一人の女(短髪でTattooだらけのいかにも風)が、ステージ上でアメリカ名物パイオツポロリをかまし、更に会場のテンション爆発。
みんな一斉に口笛ふいたり写メ撮ったりして大騒ぎ。素直でよろしい。

案の定、他の客に触られてたけど、ドサクサ紛れに思い切り横から鷲掴みにして吸ってるヤツがいたのはウケた。すぐひっぱたかれてたけど。
まぁ吸う方もアレだが脱ぐ方もアレだわな。
そんな中、誰かがマイクで「パンティも脱げ」とか言ってて余計に会場中爆笑。

ちなみに、会場の転換中に喋るステージMCの女がいるんだけど、このネーチャンもムチャクチャなダイナマイトバディでして、Suicidalが始まる前のトークの最後でやっぱりステージ上でパイオツ晒してブルブル振り回してました。
でも、ビーチクに飾り着けてたのがイタダケ無い。
他の客も「それ外せよ!」とか叫んでたし。
そう言えば、ちょっと前に出たBatmobileも「アンタの乳見せろよ!」と女性客煽ってポロリさせてたな。

この日だけで一体、何人がポロリしたやら。素敵やん。

他にも父母連れのハイパー半端ない美少女がSuicidalのシャツとフリップアップキャップ被って盛り上がってたけど、こういうの見るにつけ、あぁアメリカってスゲーなぁ。などと思うのであった。


そんなこんなで、しっちゃかめっちゃかしたまま本日というか、このイベントが終了。

帰り道やバスの中でも、「S!T!S!T!」とか騒いでる連中があちこちにいて賑やか。
バスの運ちゃんや関係ない乗客はメーワクそうだったけど。

自分も隣の乗客に「何の騒ぎだ?」と聞かれ、「Suicidal Tendenciesのライブがあった」と答えると、「あぁ、アレね…」というリアクション。ご迷惑おかけします。


その他、オマケ画像シリーズ。


Tattoo関連も世界各地から様々なアーティストが集い、三階建てビルの各階全てに渡って、あちこちからマシンの音が。

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みんなスナック菓子でも食うかの様にホイホイ入れてます。

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でも、コレの料金システムってどうなってんだろ。
コンテストも体の一部部門や体全体部門等があり、その中でその日の総合優勝を決めているらしい。
一日中、しかも3日間どこかで誰かがTattoo入れてるなんて、狂った事してるよなー。


Pole performance
ちょっとしか見てないけど、当初はいかにもストリップ的な物を想像していたが、全然違ってて、いわゆるスポーツ。

要はどんだけポールを使って肉体の限界というか、アクロバティックにセクシーポーズを 決められるかがポイントらしく、どう考えてこんな動き思いついたんだ。みたいな技のオンパレード。

そのせいかどのダンサーもムキムキマッスルボディで、エロ度はサッパリ。
その中でも如何に際立った動きを魅せられるかがポイントの様で、たまに展開がイマイチだと即ブーイングが起きる所はお国柄だろう。
部屋が暗く、観客が多すぎて離れた場所から見てたので特に画像は無しです。


ちなみに、このイベント3日間で一番ボリュームが薄いのが最終日の日曜で、一番分厚いのが土曜。
こちらも基本的に月曜は仕事始めだし、3日連続なせいで疲れている人も多いからだろう。 金曜土曜は23:45までやってるけど、日曜は 22:00で終了します。


なかなか面白かったので、次回も行って見たいですな。