CULrides カルライズ

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身近な生物との遭遇シリーズ7 外来種に住む在来種

前回の国有林の話ついでに、出先で遭遇した昆虫と植物の話をば。
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最近、たまたま通りかかった場所で、セイタカアワダチソウの草むらを発見。
ちょいと近付いて覗き見してみた。


すると、そこは昆虫達のパラダイス銀河

とにかく凄まじい種類の虫が、花粉を求めて飛来しまくっている。

ミツバチの仲間は勿論だとして、大小のツチバチも集結。


また、一口にハナアブと言えど様々な姿の種類がいるんだなぁと実感。

あまりに数が多すぎて、もはや何て種類か不明。


この細いアブを調べてみると、どうやらホソヒラタアブの模様。
ホバリング姿を上手く捉えられた。

ハチやアブが飛び交う空間を仕切る「虎ロープ」が味わい深げ。


コアオハナムグリ
普通のハナムグリより一回り以上小さくて可愛らしい。


コチラはイチモンジセセリと思われる。
いわゆるモフモフ系。


これはツチイナゴ。
普通のイナゴより一回りほど大きく、やや茶色みが強い。

そう言えば、ここ何年かトノサマバッタやクルマバッタを見かけていないが、どこに行ってしまったのだろう。
昔は腐るほど居たのに。


この機に乗じてカマキリも参戦。
判りづらいが、これはハラビロカマキリが逆さまになって食事しているところ。


圧巻だったのは、こちらのオオカマリキ。

この撮影を始めた時、既にハチか何か獲物を手にしていた。

しばし観察を続けていると、この次に近付いてきた大きなハラナガツチバチの仲間をキャッチ。
が、掴みどころが悪かったか、手が滑る様にしてポロリと落としてしまった。

ハラナガツチバチも一度は地面に落下したものの、すぐに体制を立て直し飛び去って行く。


更にその後、またしても近くにミツバチらしき虫が接近。
この画像ではポケピンだが、ちょうどカマキリの眼前にハチが飛来してくる所(赤い丸印)で、そこに狙いを定めている。

と、ハチが花に着陸した直後、パシッと捕獲されてしまった。

何とも厳しい自然界、そして食物連鎖の瞬間を捉えた一枚。

いやはや、それにしても凄い成功率である。
この数分の間に幾つもの獲物を捕獲している訳で、ここまでイージーに捕獲シーンを目撃出来る機会なんて、そうそう無いですからね。


しかし、ハチ達はカマキリが居ても気付かなかったのだろうか。
あんな真正面にいたのだし、これでは自分から捕まりに行った様なもの。
いくらでも花はあるのだから、わざわざ近付く理由も無い。

単純に考えれば、花粉に夢中で気付かなかっただけかも知れないが、案外カマキリの色や姿を識別出来なかった可能性もありうる。

そこもまた自然界の謎である。



一連の様子から察するに、ここは幅広い層の昆虫達にとって、餌に困らない豊かで居心地の良い場所なのでしょう。
そんな事を思いつつ、道すがら観察を楽しんだ一時であった。


この様に、セイタカアワダチソウは昔から外来種として日本に定着しているだけに、都市部の草むらには必ずと言ってよいほど生えているポピュラーな存在。
小さい頃などは、この群生地みたいな空き地が沢山あり、頻繁に昆虫採集をしていたものである。

しかし仮に外来種であれど、天然の草花が減少した場においては、むしろ命の揺り篭みたいな存在となっているのも確か。
それは今回の様に、「外来種の植物」が「在来種の昆虫」にとって重要な住み処として機能している所で一目瞭然。
こうして生態系を形成している以上、一概に「外来種だから侵略的」と断じれるものでは無い事が分かる。

そもそも植物だって様々な要因で勢力図が変わるのだし、結局はバランスの問題と言う事なのだろう。


まぁ、そんなオカタイ事は抜きにして、様々な花が咲いている今、軽い気持ちで近所の野原に出かけてみては如何だろうか。

案外、生物の興味深い姿なんかを目撃すると、ハマるものがありますYO。



では、また、CUL。