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リサイクル品のサルベージ スニーカー編 その2 使用前のメンテナンス

さて、前回はリサイクルショップにて、良さげなVANSのローキャブをゲット。

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culrides.hatenablog.com

 

ちゃんと「使える」状態である事も確認出来た。


しかし、いざサルベージしたは良いが、そこは十数年前の中古品。

このまま履くには抵抗があるのも事実。
いくら状態が良かれど、最低限のメンテナンスが必要な事もある。


そこで今回は使う前の下準備。
心地良く履く為には先ず、リフレッシュさせてみよう。


ならば。


丸洗いするのみで御座います。

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それはもう見ての通り、タライにぬるま湯を張って「ドブ漬け」してしまいます。
まさに、全てを洗い流すのです。

スエード?キャンバス?
こまけぇこたぁいいんだよ。


※お断り。
この行程は自己流の荒療治です。
基本的に、「普段履き」から「仕事用」、あるいは「ハードコンディション」などで使い倒す事を目的としています。
くれぐれも「オシャレ用」のスニーカーで真似をなさらぬ様、ご注意下さい。
下手すると悲しい事になります。

こまけぇ!


この行程を具体的に解説すると、以下の要領になります。


(1)シューレース、インソールを外してバラす。
それら全て、一度ぬるま湯に潜らせて、全体的に濡らす。
正確に温度は測っていないが、概ね30℃前後と言った所。

あまり湯温が高いとスニーカーの場合、ゴムやライニング内部のスポンジ、接着剤にダメージを与える可能性があるので、むしろ風呂の残り湯でも充分で経済的である。


(2)全体を濡らしたら、全てのパーツに家庭用の「洗濯洗剤」を、ぬるま湯で溶かしながら各部位に擦り込む。
特にベロ、インソールとクツの内側、つま先には念入りに。
繊維の隅々まで浸透させよう。

※注意点。
漂白剤が入っている洗剤は色落ちが激しい時がある。
もし色柄を大事にするなら、なるべく避けた方が無難。
僕は大して気にせず使用していますが、念の為。


理想的なのは、「ミヨシ」や「ウタマロ」などの「固形の洗濯用石鹸」を併用しながら、生地に直接ヌリヌリゴリゴリ擦り込む方法。
こういう形のね。

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大抵、一個あたり¥100なのでコスト的にもチリバツ
尤も、それでも水洗いする時点で、それなりに色落ちはしてしまいますが。


(3)各部を指で圧しながら揉めば揉み込む程に、表面の油やホコリなどの汚れが、泡と混じりながら灰色っぽく浮いてくる。

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この間に、ブラシを使い隅々まで磨く。
ソールの裏側も忘れずに。

※注意点。
色柄モノのキャンバスや黒いスエードの場合は、「無限」に着色料が流れ出してくる場合があるので、汚れと勘違いしない様ご注意を。

更にこの場合、乾燥後に履いた時でも、靴下やパンツに「色移り」が発生する確率が高いので、服の組合わせにも注意が必要です。


(4)表層の汚れを掻き出したら、一度すすぐ。
やはり念入りに、各部位を揉みながら浮いた汚れを流そう。


(5)(1)~(4)が終了したら、今度はアタックやトップなどの酵素パワー溢れる「液体洗剤」を、同じくインソール、そして靴の内側からつま先にしっかり塗り込む。
無ければ、やはり粉末を溶かした水溶液か固形の石鹸で代用しよう。


(6)全てのパーツをタライに入れ、ヒタヒタになるまでぬるま湯を注ぎ、浸け置く。
やり方は冒頭の画像に準じるが、大きいタライを用意した方が全体的に入り易い。

インソールは浮力で浮いてしまうので、靴の下にでも敷いておこう。
要は、水の浸透圧を利用する訳です。

その一方、固形石鹸だけの場合は浸け置かなくてOK。
泡だらけのまま放置した後、早い段階でもう一度洗おう。
浸けても「泡」が水に溶けて流れ出てしまうし、また置き過ぎると石鹸が残って白い跡になる時もあるので。


(7)数十分~数時間浸け置く。
長いと思うけど、とにかく古い汚れを掻き出すには、繊維の奥まで洗剤を浸透させる必要がある。

この行程では更に汚れを浮かす他、今後の臭い対策としても有効。
この間に家事をしたり、買い物でも行こう。

※注意点。
年式の古い靴は接着剤が剥がれたり、加水分解したソールから浸水して割れが発生する可能性があります。
特に、接合部の接着剤やソール周りが黄色く変色していたら、要注意。
既に劣化が起きている証拠です。

その場合は、あまり長時間浸け置きしない方が良いでしょう。
と言うか、今回は置き過ぎてごく僅かにヒビが出てしまいました…。


(8)浸け置きが終わったら、すすぐ。
もしくは、本格的に汚れや臭いが酷い場合は、改めて(1)~(4)を行う。
仕上げとして、浸け置いた間に溶け出した汚れを、全て掻き出すつもりで仕上げよう。


(9)最後にしっかりすすぎ、タライの水にも汚れが浮いて来ない状態になったら、水気を切って屋外で乾燥させる。
良く晴れた日の日陰に置いておこう。


(10)乾燥の行程と同時に、インソールと靴の内側にまんべんなくオドイーター等の消臭スプレーを仕込めば、繊維に浸透して防臭効果も持続。
非常に快適な使い心地になります。

実際、現在でも何度か使用していますが、かなり汗をかいて足がサイクーになっても、靴は一応のフローラルさをキープしてくれています。


と、異常、もとい以上の行程で洗浄します。


重ねて強調しますが、くれぐれも勝負スニーカーではこの方法を真似しない様に。

ハッキリ言って、キャンバス(スエードも)の着色は落ちるし、スエードは油分まで抜けてパッサパサに乾燥してしまいます。
下手すると、古いモデルは一気に加水分解が進む事にもなりかねません。
恐らく、普通のスニーカーマニアなら絶対やらない愚行でしょう。


でも、コレはコレで良いのです。

何故なら、コレはスケシュー。
そう、結果的にガシガシ使う事になるので、別に色落ちしようが皮が硬くなろうが、キッチリ使えれば目的を果たせるのです。

個人的な感想としては、今まで何度もこの方法でスニーカーを洗っているけど、実際の使用感には関係無い印象ではある。
そりゃ多少ゴワつくのは確かなのだが、履いている内に「こなれて」来るので、気にならなくなります。

もし、それが気になるなら柔軟剤も併用するか、スエード用の栄養剤をスプレーすれば良いでしょう。

普通に使う分には、大して不都合が感じられないのであります。


ちなみに、フィッシング用のブーツやウェーダー、ウェアにバッグ類も大抵同じ洗い方をしていて、特にベストは面白い位にキレイになる。

それで何年も使えているので、たまには道具と一緒にお風呂に入って背中を流しながら、日頃の老を労うのもアリです。


全部乾いたら、爪先とカカトに「SHOE GOO」を塗る。
塗ると耐久性が上がるからね。
また、ソールの僅かなヒビ割れなら、コレで何とかカバー可能。

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この時、そのままフラットに塗るだけでは、簡単に剥がれてしまう。
接着力を高める為に、面倒だけどソール側はしっかりヤスリで磨こう。


でも、シューグーってすぐ乾いてしまうので、手早く伸ばさないとダマになったりゴワついたりで、案外扱いが難しい。

なので、マスキングテープを貼ってから丁寧に「薄く」塗り重ねると、見栄えは多少良くなる。
上の画像は、マスキングを剥がした後の状態です。

この場合、剥がす時はカッターを使い、靴をキズ付けない様に「境目」に少しずつ切れ目を入れよう。
例えるなら、塗装と壁紙クロス貼りを併せた感覚の作業です。


ここまで来れば、もう使うに十分であろう。

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どうだい、ピッカピカだろう?
ここまでやると、案外気持ち良いもんだよ~。


そんな具合で、洗浄とメンテナンスを終えてスタンバイ完了。
こまけぇこたぁいいとか言いつつ、かなりこまけぇ作業の連続でしたな。


と、言いたい所だけど、この後でほんの少しだけ更なる「ひと手間」を加える事に。

次回は、より快適な「使い方」に移りましょう。



おまけシリーズ。



靴の洗浄には「洗濯用石鹸」が効果的と記した通り、これが結構便利な存在。
思っている以上に、かなり汚れを落としてくれます。

それは靴のみならず、服でも部分洗いしなければならない時や、例にも挙げた釣り用のゲームベストなど、洗濯機に入らないモノを風呂場で洗う時には欠かせないアイテムである。


そんな現在、僕が使用しているのは「オレンジ」の香りが残る石鹸。
上記行程の画像で記したヤツです。

使用感も、ほのかに香りが残る程度なので、香料の強い柔軟剤と比べると不快感が無く、普段の洗濯でもオススメ。
勿論、普通の石鹸でも充分な効果があるけど、こんなヒネリを加えるだけでも新鮮な感覚を味わえます。


ただ、そのメーカーが不明な上に、商品名までド忘れ。
更に、ググっても同じ物が見つからないので、下手すると今は生産が終了している可能性もある。
メモっておけば良かった…。


どうしたもんかと思っていると、どうやら¥100ショップでお馴染みの「セリア」や「CanDo」でも、オレンジの石鹸がある事が判明。

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勿論、スニーカーにも使えるとあります。

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僕が使っている石鹸と同じテイストかどうかは分からないけど、表示を見る限りでは、普通のタイプと比べてこちらの方が洗浄成分が強い模様。

当然、スニーカー専用タイプもありますが、一捻り加えたい方は試す価値アリかと。


とにかくも一個あると便利なのは確実。
一度使用すれば、その効果を実感出来る事でしょう。

皆様も是非、お試しあれ。



では、また、CUL。