前回は、土作りの概要について能書きを垂れました。
🌑土作り🌑
勿論、冗談で無闇に語った訳では無く、これまでに得た知識と経験をベースに、様々な可能性について考察を加えた上で、結構なマジモードでお話したつもりで御座います。
宜しければ是非、そちらも併せてご覧頂ければと思います。
そんな今回は、土作りにて実際に使用した、肥料や薬剤などの資材についてご紹介致しましょう。
🌑初期の化学肥料🌑
有機栽培を標榜しつつも、実際の発芽から苗の段階では主に液体系の化学肥料を投与していました。
と言うのも、全体的に頼り無い苗が目立っていたが為に、このまま単なる水だけでは定植に耐えうる力を保持するに至らなかったり、最悪は枯れてしまう懸念があったからです。
次回にその詳細を記しますが、本当に春までは全く成長しなくて、これで対策せざるを得なかったのだ。
確かに、ネットで調べても苗の間は吸収の良い液体肥料を推奨する言説がよく見られるし、そもそも人間や動物だって幼少期に充分な栄養を摂取したかどうかで、その後の成長すら左右されると言われている位である。
ましてや、免疫力や生命力が色々と「スポイル」されているであろう現代の作物を見るに、いきなり最初から全て自然派の環境に適応するとも考え難い。
となれば、痩せ我慢よりも先ずはセオリー通りに、化学肥料の力を借りて「生命維持」を優先したのでありました。
🌑肥料🌑
・配合肥料
コチラは表記の通り、いわゆる堆肥と化学肥料を混ぜたものらしい。
随分と昔の余り物なのだが、かなりオイニーがツイキーで家畜舎を彷彿とさせます。
でも、長年熟成した割りに、腐ってダメになった様子はありませんでした。
これは相当に栄養価が高い様なので、定植時の元肥として一度だけ少量使用。
・顆粒の有機肥料
「バラの肥料」との事ですが、表記とはお構い無しに使用。
少なくとも、多分、有機肥料である以上は全く野菜に対してダメでは無いはず。
まぁ、確証は無いんだけども。
これも昔の余り物で、何となく金魚の餌に似たオイニーがします。
こちらは、苗の頃に元肥として、また一部追肥にも使用。
所で、この顆粒肥料の匂いから想像するに、もしや「ペットフード」も肥料としては好都合ではないかと予想するのだが…。
意外と試す価値アリだったりして。
・培養土
これも相当昔の余りもので、追肥にごく少量だけ使用。
いや、単に300ml程度の量しか残っていなかっただけなんですけどね。
この際なんで、処分してしまおうかなと。
個人的には、表記にある「土を良くする微生物入り」と言う謳文句がそそります(変態)。
🌑リアル有機肥料🌑
そして今回、メインとなる肥料。
それがズバリ、「生ゴミ」。
そして、「除去した雑草」。
まさに言葉の通り、家庭から出た生ゴミを手当たり次第、土に埋めて分解させる事で肥料化させ栄養素を確保する方法を指しています。
そして同じく、除去した雑草も極力棄てず、一ヶ所に纏めるなりで腐葉土として使用。
謂わば、「自然のコンポスト」を利用する訳ですが、その為に前回の「土壌の力(多様性)」が重要となるのです。
この一年、アレだのコレだのと随分と埋めて来ました。
野菜と果物の皮や芯、煮干の出汁ガラ、ティーバッグのお茶っ葉に、果ては死んだセミや昆虫など、「おおよその有機物は肥料に出来る」との考えの下、土に混ぜ込んでいます。
僕はこれら埋設した場所を、「生ゴミゾーン」としました。
これら上記の様な生ゴミは、「殆ど栄養素が残されていないので、再利用は無意味」と言われる事も多いのですが、それには疑問符が付きます。
何故ならば、単純に「形」が残っている次点で、それらを形成している栄養素が残っている状態と言えるからです。
例えば、「煮干の出汁ガラ」ならば、魚の形を残していれば間違いなく「タンパク質・カルシウム」が豊富に含まれていますし、それは他の生ゴミも然りと言えます。
ちなみに、肥料なら植物性より断然、動物(生物)性の方が栄養価が高いと言えます。
従って、魚の皮や内臓、傷んでしまった肉類なども捨てず、肥料化して有効活用してしまおう。
これらは分散して埋める事で、より腐敗を防げます。
あえて言うなら、「この世に本質的に生ゴミは存在しない」。
これを証明して行きたいのであります。
そう考えると、ラーメン屋とかって、相当に勿体無い事している様な…。
ラーメンの出汁ガラなんて間違いなく超高栄養の肥料になるだろうし、それこそビジネスにならないものなのかね。
🌑生ゴミ&雑草の肥料化、その留意点🌑
もう一つ触れたいのが、この生ゴミ堆肥や雑草腐葉土のデメリットについて。
いわゆるネットなどの菜園関連の情報では、「カビや雑菌の温床になる」とか「害虫を誘引してしまう」と、ネガティブな言説が主であり、それは紛れもない事実に違いありません。
仮に有機物の腐敗が「飽和状態」に至った場合、要らない虫やら病原菌まで発生するリスクは大いに有り得るからです。
しかし、土壌の力が正常に働いている場所であるならば、基本的には悪影響を及ぼす前に分解されてしまいますし、それは実際の自然環境を見れば一目瞭然と言えるはず。
例えば、「果実や落ち葉が堆積し過ぎて病原菌だらけになった森」と言うのをまず聞きません。
また、「害虫に荒らされて荒廃した山」があるとして、その原因も大抵は「特定の樹木に偏らせ過ぎた」り、「天敵がいない環境へ変化してしまった」場合が実情では無いかと予想されます。
つまり、健全な環境(土壌)であれば、荒れない様に正常化が自動的に行われる訳です。
また、菜園において害虫扱いされるダンゴムシやアリを始めとした昆虫なども、実際は「環境の循環役」でしかなく、 むしろ排除してしまったり居るべき場所に居なかったりしている状態は、自然環境として危険な水準にあるとさえ言えます。
分解すべき有機物を循環出来ない状態とは即ち、土地そのものの生命力が失われている事と同義。
それは極論、植物すらも正常な機能(免疫力・繁殖力など)を果たせるか難しい環境と、表裏一体を成していると言っても過言では無いかも知れません。
当然の事ながら、これら生ゴミを埋める場合は、しっかり土が被さる位の深さに入れましょう。
同時に、場所も分散させるのが腐敗を防ぐコツとなります。
地表に出ていると、本当にカビだのハエだのが寄って来る割りに全然分解されないですし、臭いも出て流石に不衛生です。
また、分解される期間も数カ月は必要なので、その辺も逆算しながら埋めるのがベターかと思います。
一方、雑草は地表に出したままで腐敗を待ちます。
埋めてしまうと再び根を張ってしまいますし、これは致し方無い処置かも知れません。
本来は、焼却処理して灰を肥料にするのが一番理想的ではあるものの、近所迷惑になりかねないので除外。
使用にあたっては、一度しっかり太陽光に晒して乾燥させれば、概ね分解の準備が整ったと見て良いと思います。
結果的に、その下には自然とダンゴムシやワラジムシ、土中にはミミズが集まり、勝手に分解を促してくれますし、その糞も肥料となります。
また、地表の保水も兼ねているので、今回は「稲藁マルチシートの代用」としても使用しました。
なので便宜上、こちらは「雑草マルチ」としておきましょう。
果実への虫除けについては、次回以降に記したいと思います。
🌑薬剤(農薬)🌑
いきなりコンセプトと矛盾する様ですが、土作りの初期段階においては、畑の一部に「トップジン」なる薬剤を散布しています。
その理由として、前年度にテストとしてカボチャを撒いた際、親ヅルが伸びた段階で「うどん粉病」に見舞われてしまい、そのダメージにより枯れが進行している様子が伺えたからです。
この時は、食べたその場のタネ(冬越しさせていないタネ)だったせいか、免疫力が目覚めていなかったとも言えるのですが、何れにせよ病気が発生するリスクだけは確認されたので、最低限、対抗策を打つ必要はあろうと判断。
ただ、あまり大量に散布するのは憚られたので、とりあえず一袋を約10リットルの水に溶かし入れ、うどん粉病が確認された2~3平米ほどの範囲に一度だけ散布したのみ。
これ以降は一切使用せず、推移を見守ります。
🌑殺虫剤🌑
薬剤は使わないんじゃないんかい!?
と言うツッコミはさて置き、コチラは有名な「オルトラン」。
地表に撒き水で浸透させ、根から吸収させるタイプの殺虫剤となります。
実は、コレには一つ狙いがありました。
初回において、「弱い苗も全て植える」とした通り、これらの苗を畑から外れたゾーンの適当な場所に定植した後、殺虫剤を蒔き吸収させます。
つまり、その弱い苗を害虫の「おとり」に使おうと考えたのであります。
これなら被害を分散出来るし、多様性も崩さないのではないか?
ある程度、殺虫剤を吸収した苗を食べさせれば、学習したりで効果があるのでは?
などと予測していたのですが、これがどうにも…。
その経緯は次回以降に。
そんなゴタイソウでウンチクだからけの見立てにより、今回は世評とは逆説的に、微生物や昆虫の力を積極的に活用しながら土作りを進行しておりました。
はてさて、どうなるやら、どうなったやら。
次回、「発芽行程」に続きます。
では、また、CUL。