CULrides カルライズ

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食べ蒔き作物プロジェクト報告書 発芽行程 スイカ・カボチャ・ゴーヤ編

さて、前回はトマトとメロンの発芽方法に触れました。

今回は後半として、スイカ、カボチャ、ゴーヤの発芽方法を記述します。


詳細な手順と道具類については、前回と連動していますので併せてご覧下さると、より伝わり易くなるかと思います。

トマト・メロン編

culrides.hatenablog.com



では、いざ。



🌑4下旬頃~5月中旬頃🌑

イカのタネを蒔く。

イメージ 1


いずれもランダムに、よくある大玉の二種類を使用。

と言っても、実質的に定植出来たのは1種の様なのだけど、理由は後述。


発芽方法はトマト、メロンと全く同じなのですが、こちらの苗は些か神経質な模様であった。

と言うのも実は4月下旬に一度、発芽に失敗しており、このタネまきは今シーズン2回目。
5月上旬~中旬に再挑戦し、遂に発芽に成功したものの、どうにもスイカの芽(苗)はメロンに比べて弱い印象を受けていたからです。


初回は、あまりに芽が出る様子が見られなかったので暫く室内保管していたのだが、玉子パックの中でヒョロヒョロの芽が出たものの、そのまま萎れてしまった。

二種類の種を植えたのですが、どちらも萎れてしまうか全く発芽しない状況で、玉子パックの温度が低かったのか、それとも水が多すぎたのか根本的な原因は不明。
一応、メロンは同じ条件下で普通に発芽しているのだけど、何れにせよ管理方法が良くなかったとの結論に至る。


2回目は逆に、日中の外気温を積極的に取り入れ、高い温度を保ち続ける事で、発芽に成功。

その発芽率については事前情報の通り、タネの品質により大きく違う事が伺えました。

実際の所、きちんと苗まで成長したのは、「より大きく黒光りする肉厚の充実した種」ばかりで、それより見劣りする種は発芽しないか貧弱な傾向が強かった。


その違いとして、上記画像の左右を参考に比較し、説明すると。

右は元の果実の時点で、黒光りする「イケてるタネ」が沢山詰まっていた品種。
反対に左の、白く未熟なタネが目立つ中から、ギリギリ及第点(黒いがビミョーに色や肉厚が薄目)の「イケてないタネ」を選ばざるを得なかった品種では、根本的に植物そのものの生命力が違うらしいのだ。

これは当然の如く、前者のイケてる方が圧倒的に生育に有利と言う事なのだけど、何だか人間の世界にも似ている様な、色々と考えさせられるなぁなどと思ったりである。


とまぁ、すったもんだで無事に発芽し、本葉が出た頃合で紙コップへ移植。
イカの苗もメロンと同じく、纏めて虫かごに仕舞い、定植の適期を待ちます。

その後の経過は次回にて。



🌑5月上旬~5月中旬頃🌑

カボチャの種を蒔く。

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やはり二種類ほどをランダムに使用し、多分どちらも西洋種の模様。

二種とも果実の段階では見た目の違いが判然としなかったが、強いて言えば、種が大きい品種(画像・右)と種が小さめな品種(画像・左)を使い、ある程度多様性を持たせた感じです。


こちらは、最初からポリポットへ蒔く方式を採用。
その理由と言うのも昨年度に一度、実験的にカボチャを試しており、比較的に成長が早い様子を見ていたから。

その時は時期外れで収穫には至らなかったものの、発芽して間もなくグングン伸びていた事から、カボチャに関しては初期段階で大き目なポットが必要だと判明した訳です。
まぁ、この辺はネット等で調べれば即座に判る部分なのだけど。


しかし、スイカ同様、こちらも一度発芽に失敗している。

こちらの場合、ポットを虫かごに置きビニール袋を被せて、発芽温度を一気に上げる作戦でいた。
だが、どうやら今度は温度が高くなり過ぎたのか全く発芽しないか、発芽した直後に全て萎れてしまったのです。

イメージ 8

(再現画像。方法は前回参照)

原因としては、温度上昇を急ぐあまり、昼夜続けてビニールを閉め切っていたが為に、まるで「蒸し風呂」状態になっていた様なのだ。
イカの場合は、室内保管時に玉子パックを触っても大した温度変化が無かったので、恐らくは低温と加湿が原因と見られるが、カボチャは高温が仇に。


これを教訓に、2回目は温度管理を変更。

晴れた日中だけビニールを開け、夜間と曇雨時は被せるを徹底。
安定した環境になる様、温度調整を試みる。
すると、今度は約1週間ほどで、無事ほぼ全て同時期に発芽。
その発芽率も80~90%ほどと、上々の結果に。


自分で栽培を始めた事で思い知るのは、植物の温度管理や湿度調整が如何に大事で、且つ非常に難しいかである。

その特性に合わせ、マメに調整を繰り返さないと、ほんの些細な変化で成功と失敗が左右されてしまう。
これは恐らく、どんな事柄にも当てはまる原理な訳だけど、とにかく、これら全てに日々気を遣い作物を育てている全国の農家さんに感謝するばかり。

いくら当プロジェクトでは「余計な手間を省く」などと宣った所で、結局は手入れをした分だけ結果に反映される訳です。

その後の経過は、次回にて。



🌑5月下旬頃🌑

ゴーヤの種を蒔く。

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適当に買った一品種で、まだ青々とした所謂、未熟果より採種。

無論、乾燥後も殻がベッコリ凹んだり潰れたりしない肉厚の良い種を選び、そこから残った二粒を使用。
事前情報では、「未熟果の種ではまともに育たない」との評価であるが、モノは試しで挑戦。


発芽には高温の環境が必要との事だったので、まずは紙コップの底にティッシュを敷き、種を乗せたら水をヒタヒタに注ぐ。

イメージ 4


その紙コップをラップで包み、つま楊枝で天井に空気穴を開けたら、室内の日当たりの良い場所に置く。

一応、事前情報に倣い、種の殻の先端を少しだけ割って発芽しやすい状態にしておいた。

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こうした保温と割礼(他に言い方無いんかい)が効いたのか、2~3日程で二粒とも同時に発芽。

たった二粒なれど、その確率は100%と上々の滑り出し。
更に生育を促すべく、そのまま「紙コップ保温」で1週間ほど経過した頃には、約3センチほどに伸びており良好な成長率である。


しかし、そこを過ぎた頃合いでアクシデント発生。

ある日紙コップを確認すると、ティッシュや種の殻に青カビが発生していたのだ。
しかも、日に日に範囲が広がり、しまいに芽にまで付着し始めた段階で、急いで別の紙コップへ移植。


移植作業は他の作物と同様に、土を入れたコップに苗を植え、水をヒタヒタに注ぐ。

当然、芽に付着したカビはティッシュで拭き取り、極力除去に努めたが、カビの影響か若干葉も少し枯れている部分まで見られる。

ただ、この処置が候を奏してか、移植後は即座に「プランターとビニール」で保温を再開すると、カビは消えて行き、何とか土へ定着してくれた。

消えた要因としては多分、恐らくだけど、土壌の微生物の作用によりカビが抑制されたか、あるいはそこに含まれた栄養素を吸収した事で、ゴーヤの免疫力が向上したのでは無いかと考えられる。

当たり前の話だけど、やはりティッシュと水だけでは、生育環境としての必須要素が圧倒的に足りないのだろう。


辛くもアクシデントから立ち直った、ゴーヤの苗。

保温して以降は、これまたビックリする位に成長が遅く、なかなか伸びないし、正直やけに葉も弱々しくて頼りない事この上無し。
それでも何とか、この二株とも定植まで漕ぎ着けるのですが、一筋縄と行かず…。

その後の経過は次回にて。




そんなこんなで、勢いと思い付きで遂に本格始動した食べ蒔きプロジェクト。
失敗はありつつも、何とか発芽に成功しました。

次回は、定植後の様子について触れたいと思います。




おまけシリーズ。




コンクリの石垣で日なたぼっこしていたニホントカゲ

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ここ数年はあまり姿を見かけなかったのだけど、今年は何故か当り年?なのか、やたら頻繁に現れる。
土を掘り返している時にも、土中から飛び出してくるシーンがあったりで、何かと目につく。

逆に、今年はヤモリが例年より見られないのだけど、もしや競合したり勢力図が変わるなんて事があるんだろうか。

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まぁ、周期的な現象にせよ、賑やかなのは確か。
これで畑の害虫も食べているのかと思えば、また可愛いものである。
と言うか、実際、謎のイモムシを食べていたし。

何にしろ、グッジョブ。



では、また、CUL。