CULrides カルライズ

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食べ蒔き三期生ダイジェスト 11月上旬前編・ゴーヤの連作障害とウリノメイガ出現

前回の10月下旬には、夜間の気温低下が一気に進み、大部分の作物が終了モードに入っていた。
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そして今回、11月に入るなり更なる寒気が流れ込み、より一層秋の深まりが本格化。
辺りの野草や樹木も落葉と紅葉が始まり、晩秋の空気を漂わせている。



この低温が与えたダメージは大きく、10月の頃とは比べ物にならないほどの枯れを促していた。
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上の画像は毎度お馴染み「ゴーヤ三世」のヤグラであるが、もはや全体の50%以上は枯れて、枝葉の密度が薄まりスッカスカ。
中には、もう全て枯れたかの様な姿の個体もいる。


前回の10月から、たった数週間も経たず御覧の有様であるからして、寒気がもたらす影響の大きさが伺われる。
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しかし、その様な過酷な環境下においても、まだ開花する所が凄い。
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しかも、全体的に枯れ込んでいるにも関わらず、先端部は新芽が生えてくるのだ。
なんたるタフネス。
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もっとも、その生育自体は随分と衰えているので、こうして結実していても、成熟させるまでの力は残されていない様子。
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この果実は前回10月下旬にも登場していたが、あれから一切変化が無いまま今に至る。
残念ながら今後も好転する事は無いだろう。



今期、最後に収穫したのは10月上旬で、これは過去の一期生と二期生でも同様の傾向であった。
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然るに、概ね10月半ばまでが植物としての生殖限界になるため、以降は「生えてるだけ」になるし、本来なら土から抜いて処分しておく方が良いのかも知れない。

個人的には何となく、いつまで粘れるのか興味があるのと、その間に新しい発見があるんじゃないかな、などと思っていたりするので、まだ暫くは残しておく予定である。



そんな中、他のゴーヤの未熟果を調べていたら、その内の一つに気になる穴が。
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これはもしやと思い、試しにパキッと二つに割ってみましたら。



な、なんだおみゃーは?誰ぞ?
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とりあえず「ゴーヤ 穴 幼虫」などのワードで検索してみると、どうやらワタヘリクロノメイガ(別名ウリノメイガ)と言う蛾の幼虫である模様。

てっきり最初はヨトゥームシだとか、タバコガかなと思ったが、コレは初めて知った新顔だ。
しかも、ゴーヤに虫が入ってるのは初めての光景で、ちと驚きである。
更に調べてみると、どうやら秋に活発になり、よくゴーヤなどウリ科の果実に寄生するんだとか。


う~ん、病害虫に強いゴーヤでも、こう寒くては外敵を弾き返す抵抗力が残されていなかったらしい。
とりあえず君には悪いが、増えても困るので、このまま土の上に放置させてもらうぞ。



とんだ珍客の来訪に見舞われた一方、今期は上記した三世以外にも、「前年度に市場の果実から採種したタネで育った二世」の個体が幾つか存在している。
(※この二世に関しては、ご近所との兼合いを考慮して全体の画像は無しです)


しかし、それら二世は三世よりも早い段階から枯れが進んでおり、この11月時点で既に完全終了を迎えていた。
なんなら、10月の半ばには三世より一足先に枯れ始めていた位である。

両者を比較するに、今シーズンを通して三世の方が遥かに樹勢が良くて寿命も長く、結実した数も多かったのが興味深い。
有り体に言えば、三世まで世代が重なった事で「土地に馴染んだ性質」に変わったからこそ、この結果があると考える事も出来るだろう。


ただし、この二世に関しては2018年、2019年、そして今年と、三年連続で同じ場所で育てている点からして、もしかすると「連作障害」が関係している可能性も有り得る。

実際、一期生と二期生では夏と秋の二回ほど収穫出来ていたし、数は少なくても量は纏まっていた。
だが、それに比べて今期(2020年)の二世では結実していてもサイズが小さすぎたりで、収穫ラインを満たす果実が全くと言ってよいほど採れ無かった。
しかも、定植した個体数は今までより多かったにも関わらずである。

また、ネットで調べてみても「ゴーヤは連作障害が起こりにくいが、数年で出る場合もある」と言う解説もなされているので、過去と現状の違いを鑑みるに状況としては符合しそうである。

要するに、この3年目にして、今のゴーヤ二世が育っている場所では、二世(またはゴーヤ自体)が育ちにくい土壌になっているとも考えられるのだ。


当プロジェクト全体を通しても、今期は連作障害が疑われる症状が幾つもあって釈然としない日々が続いていたし、9月上旬の時点でも同様の仮説を記していたのだけど、ここへ至るに半ば確信に変わりつつもある。

これが単なる憶測に過ぎないのか、それとも確定かまでは断定出来ないが、もし来期に再開するとした場合、やはり位置を変えたり等の対応が必要になって来るのかも知れない。



そんなゴーヤ二世であるが、実はまだ現時点で残されている果実が幾つか存在する。


既に全身の9割以上が枯れた中で、ギリギリぶら下がっていたのがコレ。
むろんミニサイズであり、収穫には値しないものである。
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で、よくよく観察していたら、その先端部に見覚えのある穴が空いていて…。



興味に誘われるままホイホイ覗きましたらね。
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ここにもウリノメイガー!
ついでにヨトウムシを逆空耳風に言うと、Yo!Tow my shit!


これには二匹ほどパラサイツ。
しかも、大小の個体が居るので、完全に狙われていた様子。
仕方ないので、これも果実ごと土に埋めて、お還り願う事にした。
ある意味、イオマンテである。


そう言えば2018年の一期生でも、秋に入ってから蛾の幼虫が活発化してトマトが噛られていた思い出が。
結局のところ、気候的に落ち着いてるのは虫にとっても快適と言う事なんだろねぇ。
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そんなメイガー(もう略した)騒ぎを尻目に、更なる「忘れられていた二世」の果実も存在している。
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とは言っても、既に黄色く成熟した期間を過ぎて破裂していたりして。
これは10月の段階から放置してあったもので、11月に入るまでに株も果実もカピカピに枯れていた。


この親株に関しては例の如く画像は無いのだけど、前途の二世とは全く違う位置に定植していたもので、成長率もフツー位だった。
だが、上記の果実だけ割と立派に結実していて、地味に今期の最大サイズであったりするし、タネのサイズも結構デカイのが特徴である。

じゃ、なぜ収穫せずに放置していたのかと言うと、植えた位置が悪すぎて集まってきた虫にボロクソに食われていたから。
それでも持ち前の免疫力でキズ痕が修復されたりしつつブラ下がり続けていたが、そんな様子を伺っている間に現在まで至るのだった。



で、このタネに関しては野外に放置したままで冬越しをさせてみるつもりである。


今期は他にも「野外で完全放置」を試しているタネが存在するが、果たしてこのハードなプレイに耐えられるかは全くもって未知数。
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しかし、この過程を経る事によって、まさしく野生だった頃の生命力が目覚めるのでは無いか。
そんな淡い期待を込めて、出来たらラッキー位のノリで試しているのだった。



なんて、ゴーヤの話ばかり続けていたらボリュームが多くなってしまった。

次回は後編、トマトの経過報告に続きます。




では、また、CUL。