CULrides カルライズ

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食べ蒔き作物プロジェクト報告書 カボチャのレビュー

さて、前回は遂にカボチャの収穫と相成りました。

9月上旬の様子前編 カボチャの収穫

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タネ蒔きから約4ヶ月、そして着果から収穫までが最長2ヶ月弱と、なかなかの期間を要しましたが、食べ蒔きのタネでも何とか形として実を結ぶ事が出来ました。


また、同時に二種類のメロンも収穫。

9月上旬の様子中編 メロンの収穫

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こちらも8月より単発ながら収穫が続き、これまでの栽培に対するアンサーが現れている状況となっております。


そんな食べ蒔きプロジェクトの収穫物ですが、今回はカボチャをレビューしてみましょう。

ちなみに、味だけでなく、これまでの感想も含んだ記述となっています。
文章量の都合上、作物別に記事化して行きますので、そちらとも併せてお楽しみ頂ければと思います。


果たして、どんな仕上りとなったのか。


では、いざ。



🌑カボチャ🌑

先ず一つ目は、「ソフトボール大のコマ」みたいな形状の小さいサイズ。
重量は、約200gほど。

イメージ 1


前回に記した通り、この個体は着果が遅めだった上、その間に株へのダメージが重なってしまった事により、成熟が間に合わなかったと見られる。

イメージ 2


通常より早い段階で収穫せざるを得ない状況だった事を考えるに、中身の成熟加減の予想が難しくもあります。


で、料理済みの画から。

イメージ 3


エリンギ、マイタケとニンニクを加えオリーブオイルで絡めて炒めた、シンプルな一品。


実はカボチャ2つとも、調理前の断面図を撮り忘れてしまったので画像が無いのであります。
すみませぬ。


その身質について触れると、確かに身の内部は些か水っぽい感触。

イメージ 4


やはりタネは殆ど未成熟で、スイカの白いタネとよく似た質感とルックスをしていたが…。



では、実食…。 




む…。




ふむ…。




ほーう…。




なるほど…。




その調理後の食感は、部位により微妙に違いがある。

ある部分はカボチャのホックリとした食感、別の部分は水分の多いカボチャのベチャっとした感じ、そして本当に未熟らしき部分はウリに似たシャリッとした歯ごたえと、実は結構なバラつきが感じられる。


ただ、全体的を通した味で言えば、確かにカボチャですし、それはそれで普通に食べられるものではありました。
恐らく、何も言われず出されてしまえば、「こういう野菜」として普通に受け入れられる様な気がします。


これを数値化するに、通常の西洋カボチャの食味を「10」とした場合。
部分により「3~6」と、若干の振り幅がある出来となりそうです。


とまぁ、普通に考えれば流通など有り得ないが、家庭菜園程度なら工夫して問題なく食べられる。

そんな仕上りで御座いました。



さて、お次は2個目。


ご覧の通り、今回のカボチャでは最も立派かつ、まともな姿に育ってくれた個体となります。

イメージ 5


この株も全体が枯れてしまい、また虫食いに見舞われた為に収穫としたのですが、見た目だけなら売り物と遜色無い仕上り具合い。

イメージ 6


重量は約700gほどあり、ズッシリと重く、味にも期待が持てます。


追熟は常温で2日ほどですが、そもそも株が枯れてから暫く外に置かれていた果実なので、丁度よい頃合いであるはず。


それで、またお先に調理後の画像をば。

イメージ 7


こちらはオーソドックスに煮物へ。
見た目は非常に良好であります。

その中身は、実際に市場に出回る物と大差はありませんでした。

イメージ 8



ただし、少しタネが小さく表面が凸凹しており、幾つか未成熟な物も見られる。

イメージ 9


元のタネと比較するに違いは一目瞭然で、やはり二代目は形が一定しない傾向にある。
これが今回、採種したタネ。

イメージ 11


こちらが元のタネ(食べ蒔きした方ね)。

イメージ 10



その質感から言えば、発芽したとしても正常な発育が望めるとは感じられず、ここから新たに栽培するのは非常に難しい様に見受けられました。



さて、肝心なのは味です。


とりあえず一口…。




お…。




おぉ…?




これは…。




うまいぞ…!




その食味は、見事にカボチャそのもの。
甘味も強く、ごく当たり前に美味しく再現されている。


その味を数値で表すに10段階中、「8~9」あたりの高水準として良いと言えます。

これまでに収穫した作物の中では、最も完成度が高い仕上りとなりました。


強いて気になる点を挙げるとすれば、やや水っぽく全体的にベチャっとした食感である事か。

最近の硬めでホックリとした西洋カボチャ(だと思う)に馴れていると、少し柔らかすぎる様に感じられる。
もしや、追熟が足りなくて水分が抜けていなかっただけか?

どちらかと言えば日本カボチャに近い食感をしており、確か一昔前まではカボチャと言えばこの水分量が多いタイプの品種が主流で、煮物も軟らかいのが普通だったはず。

そんな記憶のせいか口に入れた瞬間、微かに「懐かしさ」が込み上げて来たのです。


こういった食感の品種って、何となく最近では見られなくなった様に思えるんだけど、熱で煮崩れを起こしやすいからなのかな?
とにかく、久しぶりに味わった感覚である。

これはもしかしたら、昔に比べて料理が更に西洋化した事とも関係があるのかも知れない。

実際、最近のカボチャって食感がシッカリしているし、色々とレパートリーに幅が出るとか言われれば納得しなくもなく。
例えば、コロッケとかで形を纏め易いとか、サラダに入れても水っぽくならないとかね。


この仕上りと、これまでに収穫した作物の例から推測するに、もしかすると。

このカボチャも交配した品種のどちらかに微妙な先祖返りを果たしたか、あるいはその「中間」を取る形で、「株の見た目は西洋で果実は日本」。

みたいな特性が発現したのかも知れません。


などと様々な感想と臆測が浮かびますが、何とか美味しいと言えるカボチャを収穫出来た事に関して言えば、間違いなく「成功」と言える結果となったのではないかと思います。

無論、その収穫数だけで見れば少ないですし、また、全てが納得の出来映えかと言われれば難しいのが事実。
しかし、それでも、食べ蒔きでも、まともなクオリティの作物を実らせる事だけは証明出来たはず。

その意味で今回の結果は、当プロジェクトを実行した意義が深まりますし、また達成感も大きいものとなりました。

本当に、ごっつぁんでした。



次回は、またメロンのレビューをお送りする予定で御座います。

これまた色々と興味深い発見があったのですが、その辺はまぁ期待せずにお楽しみ下さいな。



では、また、CUL。