CULrides カルライズ

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食べ蒔き作物プロジェクト報告書 1月中旬~下旬の様子

前回に引き続き、食べ巻き作物プロジェクトの報告書であります。

🌑1月上旬~中旬の様子🌑

culrides.hatenablog.com



なのだが、昨年末に落果と枯れが本格化して以降、残されたトマト達の生命力が尽きているのは明白であり、もはや菜園の体を成していない状況。

そう、実質的には「もう何も育っていない」のです。

果たしてクソ粘りで観察を継続すべきか、まして記事にする意味があるのかも謎が多く、その引き際を決めあぐねている昨今であります。


そんな当プロジェクトですが、一体全体どうなっているのか。

早速記して参りましょう。



🌑1月中旬~下旬頃🌑

先ず言うまでも無いが、前回の時点で全てのトマトは枯れきっており、ハッキリ言えば世話をすべき箇所が残っていないのが現状。

故に、この1月からは殆ど何も施してはおらず、単なる経過観察だけに留まっているのが実際の話となります。


とりあえず根回りをチェックしてみると、だいぶ水分が抜けており、青みも消えて茶色くなって来ている。

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枝葉には幾分か青い箇所が残っているものの、触るとドライフラワー並にパリパリと乾燥しており、既に生命感は消えている。

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そこで、試しに全体が枯れきっていた個体を抜き取り、もう少し観察してみた。

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画像では判り難いが、この株は既にパサパサに乾いて色素も抜け、枝葉は萎びて先端から垂れ下がっている。
また、少し前に全て落果しており、あとは抜き取るだけしか対応が残されていなかったものである。


とりあえず、根元あたりの幹(主枝)を折って、中身をチェック。

表皮は茶色くなっているが、中心部は幾分か水分と青みが残されている。

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だが、実際の手触りでは完全に乾いているも同然で、強く摘まむとペコンッと折れてしまう。

この質感を例えるなら、「湿気た段ボール」みたいな感じ。
無論、溢れんばかりに瑞々しかった頃の面影は微塵も無く、茎の水分量には雲泥の差がある。

つまり、ほぼ完全に「給水力」が失われており、後は乾燥を待つのみの状態なのだ。


更に、根もチェック。

こちらは常に地中に埋まっているせいか、割りと普通に水分が保持されており、まだハリも残されている様だ。

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この感触では、生きていると言われればそう感じるし、あるいは温暖な地域であれば再び生えそうな雰囲気さえ残されている。

いや、まさか、この根だけをポットに埋めてビニールハウスに保管してたら、また生えてくるなんて事が…。

ありえなくもなさそうとは言い切れない感触である(結局どっちなんだ)。


しかし当然ながら、全盛期と比べれば些か「ヒゲ」の密度や発色が薄くなっていて、そもそも根の張り具合いもユルく、簡単にスッポ抜けた印象。

それは即ち、いくら水分が残されていると言えど、あくまで地中に埋まっていたから「乾燥から守られていた」だけの事なのかも知れない。

仮にこの根で水分を通したとて、既に枝葉への供給力が失われているのは明らか。
結果的に、限界な事には変わらずと言うのが、現段階における結論なのである。


その一方。


異常な量のポロリが頻発していた果実は、このタイミングで何故かピタリと落果が止む。


まだ果房には幾つかの未熟果が残されているのだが、触っても簡単に外れない事から、これらは保持力が高いらしい。

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ただ、いくら保持されているとは言え、ここから成熟して収穫まで目指すには無理があるだろう。
これら果実も赤くなると言うより、ただ黄色く「変色」しているだけにしか見えないのが実際の所。

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まだ果房に残されてはいるが、今は時々、野鳥に噛られるだけの「身」である。


そう言えば、あれだけ苦戦を強いられておきながら、ついぞ「普通のトマト」は収穫出来ず仕舞い。

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いくら果房が残されていようと、既に株の寿命は尽きている。
後は他の果実と同様に、朽ちるのを待つのみとなろう。

ただ少なくとも、結実から成熟までは到達出来ていたので、あと一歩だったのは間違いない。
それこそ、別の品種から取り出したタネであれば、もっと簡単に栽培できた可能性すらある。


無論、この失敗については、当プロジェクトでの栽培方法が上手くフィットしていなかったり、あるいは何かしら間違えていた影響も有り得るのでしょう。
成熟していた以上、本来なら収穫も可能だったはず。

従って今回の結果が、食べ蒔き(実生)の限界だとは思って頂きたくないのが正直な感想でもあります。


ついでに、「普通のトマト」の経過は以下の様な具合い。

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8月下旬の様子

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10月中旬~下旬の様子

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12上旬~中旬の様子

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上を読み返すと、ほんと毎度もうチョイってトコだったんだよなぁ。

どんな味なのか確かめてみたかった。


ちなみに、このトマトの未熟果についてネット上の情報では、どうにもフライ等で食べられるとの話を散見するのだけど、なかなかどうして手が出せずにいる。

まぁ、先入観抜きに試せば良いだけなんだけど、ほら、どうしても青っぽさと言うか、スーパーとかで売ってるのを見かけない時点でねぇ。
本当に美味いのかな?って。

どなたか、本当の味を知ってる方っていらっしゃいますかね。


そんな訳で、これら未熟果は土に埋め戻すのが、現段階における対応の限界だったりします。


そして、このまま下旬に入ると、ますます枯れ木らしい姿に。


もう根回りは完全に茶色く、枝葉の色素もだいぶ薄まっている。

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その手触りは、まさしくパリパリのドライフラワー
葉なんて、握れば砕けてしまう程だ。

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この乾燥について言えば、昨年末からこの1月下旬にかけて記録的な小雨が続いていた為、これが枯れに影響を与えている可能性は否定出来ない。

しかし、実際は昨年末までは雨が降っていたし、暫くは土の水分が保たれていたにも関わらず枯れが進行していた。
定量の水分があるのに乾いてしまう以上、外気温気などの気候的要因、そして株の健康状態に支障が出ていると見るのが筋である。

前回でも「霜枯れ」に言及しているし、既に結論も出されてはいるが、やはり状況証拠からして「季節的に限界を迎えた」と見るのが正解となろう。


枯れた幹と落果した未熟果の、侘しき画。

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保温の為に敷いた雑草マルチの儚い抵抗感が、更に哀愁を誘う。

そう言えば、前回で触れた「霜枯れのトマトの気根」を記した宮沢賢治も、こんな風景を見ていたのだろうか。


それでも保持されている果房の「気根」たるや、さすがのケンジ(友達かよ)もクリビツテンギョーではないか。

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むしろ、逆に何故、この一部だけが残されているのか謎過ぎる。

実は画像の他にも小数残っているのだが、落果した未熟果と保持されている未熟果では、一体何が違うのだろう。

もしや長く保持されている方が、より栄養を蓄えられて生物学的に優位となるのだろうか?
それとも、単に成熟が遅かったので、離層(果房と果実の繋ぎ目)の剥離が進まなかっただけか?

イマイチ判然としないが、違いがある以上、本当は何かしら理由が存在するはず。
この理由について、何かしらご存じの方がいらっしゃいましたら、是非コメントを頂きたく思っております。


もっとも、これら果実の変色は著しく進行しており、水分が抜けて表皮にシワが寄ったり、茶色いシミも増加しているなどで、明らかに劣化している。

つまり、いくら保持されているとしても、株が枯れた時点からは成熟も止まり、後は朽ちるだけとなってしまうのが実状。

やはり赤く色付くには、株そのものが元気に生きている事が大前提となるのでしょう。


うーん、やはりいい加減、引き際か。

後は、どの様な形で最後とするか…。

難しい判断を迫られつつ、次回に続きます。



では、また、CUL。