CULrides カルライズ

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食べ蒔き2021年11月上旬・最終ゴーヤーwith単発トマト

9月初旬から10月上旬までの低温化により、ゴーヤーの変色は拡大し果実もサイズダウン。
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全体を通して成長率が格段に下がり、菜園の周辺にも空間が出始めていたが、辛うじて纏まった数の収穫物を得られていた。



そこから暫く経って今回は11月へと突入。
この一ヶ月間で、さらに深まる季節と寒さの影響は如実に顕れていた。


まずは菜園の全景からして、一見すれば終了の様相。
前回までは青い葉が多く残されていたが、ほんの僅かな期間で枯れた箇所の方が大部分を占める様になってきた。
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一応ゴーヤーの先端部だけは生きていて、ツボミや雌花がチラホラ出てきてはいる。
しかし、なかなか開花までは行かない様で、仮に着果したところで収穫までは期待出来ないだろう。
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そんな中でも、10月から着果していた果実が数個だけ残されていた。
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ただサイズとしては極小で、だいぶ色味も薄くなっている。
しかもヘタから伸びるツルまで枯れているので、ここまでが成長の限界点だったであろう事は明白だ。

しかしながら、この時期までツボミや果実が残されている期間、つまり生育限界は過去最長になろうかと言えるほど粘っている。
恐らくは、ここ最近の日中気温が平均的に安定していて、台風も無く荒天が少ないのが要因と考えられるが、実はこの生命力の強さこそゴーヤーの真骨頂だったりもする。



片や、トマトも粘りモード発揮中。
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夏野菜のわりに寒さに強く、例年この時期までは普通に生育できるタフネスが頼もしい。
現時点までの果実は保持されているし、まだ開花も続いている。
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もっとも、今から開花したとて結実率は極端に減るので、この時期の花は「咲いているだけ」の観賞用にとどまる。
まして果実を成熟まで持たせる事などほぼインポッシブルに近く、どれだけ結実率が高く暖冬であろうと、年末~年明けまでには大半が落果してしまうのが勿体ないところ。


これで日中の平均気温が高めに推移していれば、成熟に必要な「積算温度」まで達しやすくなるんだけど、その辺はもう天気に任せるほかないのが実状である。
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さらに問題となるのが、早くもウドン粉病が発生している点である。
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トマトの場合、例年なら寒さの深まりとともに免疫力が低下する事で発症するのだが、今期に関しては10月半ばの段階で発生しており、既に広範囲へ症状が出ている。

このままでは寒さとウドン粉病のダブルパンチで体力的を奪われるだろうし、今ある果実の成熟にも影響を及ぼしかねない。
さらに今期は、良い年に比べて枝葉の勢いが足りないし、着果する果実も数が少なかったり小さかったりとバラつきが多く安定感に欠けている。
故に、患部を剪定しても根本的な改善に繋がるかは分からないのが実状で、これといった対策が打てずにいる。


ともあれ、あまり期待は出来ないにせよ、昨年度は12月下旬に収穫された実績もあるので、今は推移を静観するだけなのであった。
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で、この芳しくない状況下、ヤケクソ半分で収穫したのがコチラである。
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もはや収穫する意味すら無さそうなミニマム感が泣かせる。
しかも、中央のゴーヤーにはキズが入っていて腐敗も始まっている。
唯一まともと言えるのはミニトマトくらいのものだが、盛期にくらべ色味は薄くなり、数も単発のみだ。

正直な話をすると、今回のゴーヤーに関しては保存中に腐らせてしまい、味は確認出来ずじまいである。
自分の管理ミスとは言え、食材は極力ムダにしないようにと書いていた手前でこれなのだから締まりがない。
もっと早く収穫して調理しておけば良かった…。


せめて状態だけは確認しておこうと中身を開くと、意外と立派なタネが入っていた。
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果実の上部側には未発達なタネが詰まり、下部側には成熟したタネで分かれている所で、発達していった段階が推測できる。

この質感なら次期に蒔けば再び生えるものと思われるが、これほどの極小果実からでも採種された事は思わぬ発見であった。
こんな小さくとも次世代を残そうとする生存本能が逞しい。


ちなみにミニトマトは、この約一週間後に1個だけ追加した程度で、つい先々月ごろまで纏まって収穫されていたのがウソのようである。
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量的に少なすぎて全てそのままポイッと口に放り込んで賞味したが、少し風味が薄く酸味が表に出ていた。
また、皮も盛期より硬く厚みが増している印象で、もしかすると寒さから果実を守る為に強度を上げていたのかも知れない。



かくして今シーズンも終盤戦をむかえ、あとはどれだけ粘れるかどうか。
そう言えば、この11月に入るあたりからパタリとハチや蝶の姿が無くなった。
つい先頃までは大量に飛び交っていたが、やはりこの気温低下には耐えられなくなったのだろう。
植物にも昆虫にも厳しいシーズンの訪れを感じる。

しかし、まだ生育している以上は観察を継続してみましょう。




では、また、CUL。