CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

食べ蒔き2021年12月上旬・初冬の侘しき菜園に夏野菜どもが夢の跡

前回の11月上旬を境に、日増しに下がる気温とともに作物の成長も急激に鈍り、菜園は着々とシーズン終了へと向かっていた。
culrides.hatenablog.com

そんな中で、辛うじて開花はしていても今は咲いているだけ。
もはや結実した所で意味は無く、残っている果実が成熟するかどうかだけが焦点になりつつあった。



それから約一ヶ月を経て、あれよという間に12月へ突入。
毎年ながら振り返れば時の流れは早く、まるでこないだまで正月だったような感覚なのに、またもういくつ寝るとお正月である。


かくして光の如く時を駆ける昨今にあって、菜園の全景は既に終了済みであるかの様。
この1ヶ月間で作物の劣化は加速し、ヤグラの9割方が枯れたゴーヤーの枝葉ばかりと、生きている部分の方が少ない。
f:id:culrides:20211224141750j:plain


しかしそれでも、つい先日の11月末までゴーヤーは生存していた。
この12月に入ってほどなく枯れてしまったが、まだギリギリ先端部だけ青味が残されていてツボミが形成されている。
f:id:culrides:20211224141826j:plain


更に1つだけだが、まともそうな果実も残っている。
f:id:culrides:20211224141845j:plain

画像では水分が抜けてソフビみたいに柔かくなっているが、先頃までは普通に硬めの質感であった。
今回は収穫せず観察に徹していたが、恐らく中身も普通に賞味できるクオリティになっていたのではないかと思われる。


振り返れば、この時期までゴーヤーが残ったのは初めての事で、生育期間の過去最長クラスである。
また、シーズンを通して収穫した総量も過去最多であった事を思えば、最近の気温低下と劣化ばかりフォーカスされていた中でも、なかなか頑張れていた方ではなかろうか。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com


ちなみに今期のゴーヤーは、「新しいスペース」で育てている。
かつて以前に栽培していたスペースでもゴーヤーを植えていたのだけど、そちらでは全くと言ってよいほど育っておらず、果実も収穫ラインに満たないものばかりで早い段階から枯れてしまっていた。
勿論、肥料の量や内容も殆ど変わっていない。

昨年度も「以前のスペース」では成長率が低い傾向であったのに対し、試験的に栽培した新しいスペースでは一定量の収穫が出来ていた。
そして今期、さらにズラした新しい場所で試した結果が良好であった事から、薄々感じていた連作障害の疑いも確実なものとなってきた。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

いくら実生で世代を重ねられるほど生命力のあるゴーヤーと言えど、いわゆる作物として存在している以上は限度があるのだろう。
ネットで調べても「数年で連作障害が起きる」と解説されていたりするので、やはり少しでも兆候が顕れたら植える位置をズラすなどで工夫するほかないらしい。

いまのところ次期までは問題無いとみて同じスペースで継続する可能性が高いが、以前までのスペースでは別の作物に転作するかどうか思案中である。


何にせよ、これにて今期のゴーヤーは終了。
こんな時期まで有り難う、お疲れ様でした。



一方、まだ生存中のトマトについても状況は厳しいままである。
f:id:culrides:20211224141910j:plain

こちらも寒さに加え、前回までに広がったウドン粉病のせいか大部分の葉が枯れていて、先端側のあたりだけ青味が残されていている。
まだ相変わらず開花はしているし果実もポツリポツリ保持されてはいるが、現状の気温だと成熟までは難しそう。


実際、前々回まで最も期待していた中玉・大玉にあたる「普通のトマト」も、いつの間にか落果してしまった。
f:id:culrides:20211224142026j:plain

色味からして赤く成熟しかけていたのだろうが、これがもう少し保持されていれば収穫ラインまで達する事が出来たのにと、まいど落果するたびに悔しさを覚える。



そんな状況下、辛うじて大丈夫そうな果実も無い事は無いが、実質的には無いに等しい感じ。
f:id:culrides:20211224142044j:plain

上のトマトも本来なら2つ実っていたが、位置をズラすために整枝した際にポロリしてしまい1つだけに。
この気温低下によって、果実と果房を繋いでいる離層が剥がれやすくなっている様で、ほんの小さな衝撃でも落果してしまう。
これはつまり、もう果実への栄養供給は停止していて、あとは成熟し自然な落果を待つだけの状態なのだと考えられる。


さらに、この他に残された果実にしてもクオリティが低く、食用には適さなそうなものばかり。


あるものは極端に矮小化していたり。
f:id:culrides:20211224142251j:plain


また別のは病害虫にやられていたり。
f:id:culrides:20211224142308j:plain

当プロジェクトの菜園は「植物の持つ力を引き出す」のをコンセプトとして、基本的に世話は最低限の放置プレイで栽培している。
だが、それとて限界があるし、どれだけ強い種であろうと体力や免疫力が下がっては生育すること自体が難しくなってしまうので、時には適切な対策が必要となるのも事実。


例えば今夏では、再生ジャガイモに寄生したナスノミハムシ(ナストビハムシ)に木酢液を噴射したら、即刻いなくなった事があった。
その意味では、今回のトマトも施し方次第では、また経過が変わっていた可能性もある。
culrides.hatenablog.com

とは言え、そもそもが外的環境の影響をモロに受ける露地栽培だから、気候の変化など避けようもない状況や、妥協せざるを得ないシーンだって多くなるのは仕方ない。
既にこの時期だし、現状では最早手のうちようが無かったりするのだけど、もうちょい上手く出来んかなぁと思うし、そこでアイデアを巡らして解決策を閃く事もある。



その解決策とするには例外的な話になるが、実はトマトもゴーヤーと同じく連作障害の疑いがあったため、今期は新しいスペースで栽培している。

初年度は一定量が収穫出来ていたが、以降の近年は生育状況が安定せず、結実率が伸び悩んでいて貧果が続いていた。
それを解消するにあたり、今年は完全に位置をズラしたと言うわけ。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

その甲斐もあってか、先の9月~10月では過去最多の収量となっていた。
実際のところ、前回でも記した様に今期も成長率と結実率が不安定な傾向にあったのも確かだが、少なくともこの数年を凌ぐ成績にはなっている。
これがもし今までと同じスペースで栽培していたとしたら、今期ほどに収量が増える事も無かったかも知れない。

そう考えると、結果的に栽培スペースを変えて正解だったと言う事なのだろう。
こんな試行錯誤も、また家庭菜園の悩ましくも面白いとこだったりもする。



そんなこんなで今期も終わりつつありますが、まだ生きた枝葉はある訳ですし、果実も残されている限りは観察を続けて行きます。




おまけシリーズ。



近所で見つけた、はぐれミツバチ。
f:id:culrides:20211224142332j:plain

道端の壁の上にポツンと一匹だけヨロヨロな感じで留まっていたので、何となく指で掬って近くの花に乗せてやった図。


時々、なぜか単独で道端に落ちているミツバチを発見する。
一体何の用事でそこにいるのかは知るよしもないけど、色々と理由があったのだろう。

そろそろ冬眠も近いだろうに、普通なら木のウロなんかで密集して固まってていいはず。
早いところ安全な所で過ごしてくれればいいんだけどね。



さて、記事数は少なくなりましたが、これにて本年の更新は終了。
まいど当ブログにお付き合い下さり有り難うございました。

良いお年を。




では、また、CUL。