CULrides カルライズ

発見と探究そして文化。そんな諸々の話。

食べ蒔きファーム5G 8月上旬後編・ガチムチキュウリやミニゴーヤーなどを収穫

前編では7月下旬から8月上旬までの状況について触れましたが、今回は収穫物のお話。
画像と文章量が多く読みづらかった為、後編に分けての記述であります。
culrides.hatenablog.com

では早速、この上旬に採れたブツをご紹介致しましょう。



まず8月に入って最初の収穫物がキュウリである。

実際は7月下旬には着果していて、本来ならもっと早くに収穫出来る状態であった。
ただ、どれだけ大きくなるか観察を続けているうちに、みるみる大きくなってゆき、成長の早さに軽く焦り出す。

なので収穫タイミングについて調べると、「開花後7~10日」で、概ね20cmあたりまで大きくなった時が目安との事。
あまり大きくなるとタネがジャマくさくなったり、瑞々しさが落ちるなどで風味にも影響が出ると言う。


画像では伝わり難いが、この8月上旬までにガチムチパンパンにデカくなっていて、明らかにオーバーしている状況であった。



と言う訳で、取り急ぎ収穫したのが以下のブツ。
ちょうど「川」の字と同じ形状だったので並べてみた。

最大寸で24cmと、かなり立派なマグナムっぷり。
これなら奥さんもうっとり満足間違いなし。

いや何の話だ。



ともあれ今期になって初めて育てたキュウリだが、無事に収穫まで成長してくれたのは有り難い限り。
しかもネットで買った品種もよく分からないタネで、ここまでデカくなるなんて意外だった。
栽培も殆ど放置プレイで難しくないし、これだけ収穫できる訳だから、もっと早くやっておけば良かったかなとも思うほど。

味としては、確かにデカくなりすぎた感のあるタネが入っていたり、やや実が柔くなっている感はあったものの、殆ど味には影響なく普通に美味しく食べられている。
これでもう少し早く収穫していれば、よりクオリティも向上した事だろう。



ほんでこの後日、今度は複数個まとめて収穫。

キュウリは一挙に4本あるが、やや形が不揃い。
前出のものと違い、ちと大きくなりすぎたり先細っていたりしているが、これはもしや肥料不足だろうか。
ゴーヤーは2本で、やはり連作の影響か前年度より一回り以上小さく、これ以上は大きくなれない様子であった。
オマケでオクラも取り込んでいるが、こちらは大きくなる前に取り込んだもので、ちょうど親指くらい。
もっと成長するまで待つか考えたが、調べた限りでは「大きくなりすぎると硬くなる」と言うし、あるメディアでは「親指くらいでOK」との話もあったので、ならばと早めに対応したのだった。


しかしながら数量は揃ったものの、今度は形と大きさと言う課題が残った。
毎度のこと、このトータルバランスが上手く噛み合わないのがもどかしく感じるが、連作障害やら生育不順やらが多発する中にあって、採れるだけマシな方なのかも知れない。

今後は、いかに問題点をリカバリーしながら収量や大きさのバランスを取って行けるかがポイントとなりそう。
とりあえず実りは続いているので、また次の収穫が楽しみである。




では、また、CUL。

食べ蒔きファーム5G 8月上旬前編・野菜も生物も本気モードの中でフタトガリコヤガを撃退

少し前の7月上旬では記録的な早さの梅雨明けに伴い、季節外れの高温が続いていた。
だが一転、7月中旬になると急な梅雨の戻りが起きたため、雨が多くなり、やや涼しい気候に。
梅雨明けの猛暑も一休みといった感じであった。
この間に駆け込みで「¥100均一のタネ」を追加、年内の収穫を目標に生育中である。
culrides.hatenablog.com


また前回となる7月下旬には、過去イチの量となる「再生ジャガイモ」を収穫し今期の初物を堪能。
連作障害などの課題も多々ある中で、何とか形となるものが出来てくれていた。
culrides.hatenablog.com


かくして季節は8月上旬に凸入。
7月下旬からは再び梅雨あけの気候が戻り、本格的な夏モードが到来。
連日の猛暑が続くようになると、野菜も大きな変化を遂げる事になる。


まず全景からして、みな随分と成長してくれている。
どれも7月中旬までは頼りない背丈であったが、下旬からの天候回復によって急激に伸びていた。

毎度のこと、この植物が持つ底力と劇的ビフォーアフターには驚かされるばかり。
まさに環境が噛み合ってこその本領発揮である。



中でもキュウリの成長は著しく、すでに7月中旬から人の背丈を越えるほどになっていたので摘芯を施していた。

8月入る頃には子ヅルも伸び伸び。
と言うか、勢いが良すぎてツルの行き場を失っている様でもある。
これらも摘芯して、果実に養分が回るよう施す。


果実も次々に着果しており、かなり大きく育ったものも幾つかある。
ボリュームの都合上、収穫の様子は次回にて。


もう1つ今期の早くから成長していたのがエダマメで、各個体で房なりに着果している。
こちらも実際は7月中旬~下旬の段階で着果を続けていたのだが、まだ当時の鞘は薄っぺらく、果たして大きくなるか不透明な面があった。
あれから今に至る所から考えて順調のようではある。

エダマメの収穫は開花から約40日後が基本らしく、確か6月中旬に発芽して開花したのが7月中旬である。
また今回の枝豆は「白鳥」と言う品種なのだけど、ネット上ではタネ蒔きから約80~90日あたりが収穫の目安と言う解説もあった。
つまり、概ね8月中旬~9月ごろの収穫を目標に、どれだけ膨らんでくれるかがポイントになりそうだ。

ただ、いまだ徒長気味なヒョロい個体が大半で、成長率のバラツキも多いためか、市場で販売されているものと比べてて粒が小さいのも気がかりである。
他にも、今期は画像右下にいるバッタが異常に多く、かなり広範囲に渡って葉が噛られていて、この除去にも時間を使っており油断出来ない状況が続く。



方や連作障害の疑いにより成長が危ぶまれたゴーヤーについても、この盛夏で一気に伸びた。
続々と開花&着果を繰り返し、ハチや蝶が次々に訪れている。
これもヤマトシジミらしきつがい2匹が同時に留まったシーンである。


もっとも、まるっきり問題が無い訳ではなく、どうやら前年度と比べて果実が小さくなっている様子。

また着果数も少なく、前年度よりも矮小化している所から考えて、やはり連作の影響は避けられない状況らしい。
こんな事なら、もうちょい位置をズラして植えれば良かったかなと思わなくもないが、まだまだ盛期なので、もうちょい成長率を高められるか試してみる予定である。



こんな中にあって、本格的な問題を抱えていたのがオクラである。

一見では順調そうな成長率で開花もしている。
ただ、酷暑のせいか肥料不足なのか、どの個体も成長が足踏み状態で、中途半端なまま止まっている印象である。


また一番の問題が、7月下旬あたりから画像の虫に葉を噛られまくってボロボロになりまくりすてぃな事。
これが厄介者で、ほぼ全ての株に複数匹いるだけでなく、中には丸ハゲにされた苗もあるなどでハイペースに被害を被っている。

調べてみると、フタトガリコヤガ(フタトガリアオイガ)と言う蛾の幼虫だそうで、オクラやアオイ科が好物なのだそう。
苗の頃までは全く虫もつかず順調そのものだっただけに、この状況に意表を突かれる。


どうあれこのままではズイマーなので、試しに木酢液を噴霧してみる事に。
理由は前年度にて、ジャガイモのナストビハムシに効果的だったから。
culrides.hatenablog.com

だが、何度試してもフタトガリコヤガには全く効果が無く、現状、ピンセットを使った手作業での除去を余儀なくされている。
今期は彼らとオンブバッタの勢力が激しいので何度か噴射しているが、いずれも木酢液は通じない様子であった。


とは言え、効く虫と効かない虫がいるのは当然だろうし、生物である以上は他に苦手なものがあるはず。
でもって思い出したのが「キッチン用アルコール消毒スプレー」である。
culrides.hatenablog.com

実際に使ったのは上記記事とは別物だが、どれも内容成分に大差無いだろう。
これを試しに幼虫へ直接噴霧してみたところ、始めはピクリとも反応せず、特に効いている様子も無かった。
しかし暫く間を置いてから再び確認すると、忽然と姿が消えているではないか。
しかも、スプレー以降は出現しないままである。


もしやと思い別の日に、もっと成長した幼虫(上の画像くらいのヤツ)に噴射してみたところ、何発かの後に急にもだえる様にのたうち回り、ほどなくポロッと地面に落下。
どうやらアルコール消毒液が効いているらしい事が判った。
となると、前出のノーリアクションだった幼虫も時間を置いて反応が出た可能性はあるし、嫌だったからこそ再び現れなかったとも考えられる。

勿論、この効果が確実かどうかについては継続的な検証が必要である。
後に試した限りでは、確かに反応はあったものの撃退には至らず、結果的にピンセットでつまみ落とす必要があったので、必ずしも上手くいく訳では無い様子も伺えた。
ただ、少なくとも「フタトガリコヤガの幼虫にアルコール消毒スプレーを直接噴射したら嫌がっていた」のは事実。
アルコールなら植物へのダメージも少ないだろうし、対策の1つとして試す価値はあるかと思います。



かくして全開パワーをむかえつつある5期生たち。
これからどこまで成績を残せるか、観察を続けて行きましょう。




では、また、CUL。

食べ蒔きファーム5G 7月下旬・再生ジャガイモが大量収穫だけどチャイチーだからカイデーにしたい

前回までに、ある程度の成長を遂げた5期生。
culrides.hatenablog.com


また他にも連作障害から来るであろう低成長の個体もある事から、対策ついでに100均のタネも幾つか追加していた。
culrides.hatenablog.com


こんな展開を繰り広げる中、7月下旬ごろになって「再生ジャガイモ」達に大きな変化が顕れる。


画像では背景と混じって分かりにくいが、全ての個体の枝葉が同時多発的に枯れだしてきた。


症状は急激に進み、カスカスに葉脈がむき出して茶色く変色し、殆ど落葉した様な状態になっている。
これはつまり収穫期が来たと判断してよいだろう。


かくして掘り出したイモがコチラ。
これは一番充実していた個体の1つで、それなりの大きさと数が付いている。

ただ、こういった個体は少数派で、大半は非常に矮小化したイモしか付いていない場合が多い。
前年度もだが、植えた数に対してサイズが追い付いていないパターンばかりだ。


こうしたミニイモをかき集めた結果、ちりつもで総量だけなら過去イチとなった。
これも5月に、やはり過去イチとなる十数本もの苗を植えたのはダテではなかったらしい。

なんとなく大きさごとに画像左から右へ並べてみたが、やはりチャイチーさが際立つ。
大きくても鶏卵より一回り小さくウズラの卵程度のものが大半を占める。
前年度も同じ様なイモばかりだったけど、なぜ小さいのかいまだ原因は不明である。
culrides.hatenablog.com


もっとも、元々が「剥いたあとの皮」から再生したものである事を考えれば、かなり上出来な結果だと言えなくもない。
何せ、はじめは単なる生ゴミ同然だった訳で、まさかここまで増やせるとは思いもしなかった。
逆に言えば、「ただの皮だったせいでイモが小さいまま」の可能性もありうるのだけど、少なくとも「皮から再生して次世代が増加」の流れが完成したのは確かである。

贅沢な話かも知れないが、ホントにもう少しカイデーなら…と言う点が課題と言えるだろう。



あともう一点だけ課題があるとすれば、収穫のタイミングが遅かったせいか「芽が出ているイモ」が幾つか混じってしまい、この分だけ収量が目減りしたところか。

まぁ目減りしたと言ってもミニイモだから大した違いにはならないんだけどね。
とりあえず勿体無いので、こういったものをタネイモ候補として次期まで保管しておく。
って言うか、もしかすると小さなタネイモばかり使ったのがチャイチーの一因となっている可能性もあるんだけど、大きなものほど食べたくなるのがジレンマなんだよなぁ。



ところで、今回のイモはカレーやポテサラで食べたのだが、食感はホクホクとしたジャガイモなのに、肝心の味については少し風味が足りない印象であった。
また、このうち幾つかには舌の奥が苦くなるエグみもあり、何となく食べるのが戸惑われる時も。
初回から前年度までは確かな甘味が感じられたはずなのに、一体何が違っていたのだろうか?

考えうる一番の要因は、やや収穫時期が遅かった点か。

実際、皮も新ジャガに比べ少し厚みがあったし、先述の様に発芽していたり、緑っぽく変色しているイモも混じっていたので、恐らくは土中に置かれている間に変質してしまったのだろう。
ネットで調べると、「エグみのあるイモは体調を崩すリスクがあるので破棄すべき」との意見が中心なのだけど、とりあえず今回は大した量や強度では無かったので食べ切っていて、これと言った異変もなく過ごせている。

無論、違和感のある物を食べるのは決してオススメしない。
読者におかれては真似しないよう、ご注意頂きたく思います。



どうあれ、今期は連作障害の疑いが出つつも一定量を収穫できた。
もし次期にやるとすれば、今の位置からズラした新たなスペースをメインに据えて、予備的に既存のスペースでも試しておきながら、生育状況を比較する。
なおかつ安心して味を楽しめるよう、エグみが出ない内に収穫と言った方法を取ってみようと思うのだった。



おまけシリーズ。



エダマメの葉にいた多分オンブバッタの幼生。

今期は何故かやたらバッタが多く、彼らに苗を噛られるシーンが頻発している。
過去これほどいた事は無かったので、何か周期的な現象でも絡んでいるんだろうか。





では、また、CUL。

食べ蒔きファーム5G 7月中旬番外編・100均のタネを試した途中経過とセミに好かれるエダマメ

2018年に当プロジェクトを始めて以降、毎年同じ様な品種ばかり育てている影響なのか、近年は連作障害と思われる現象が多発している。
かような事情もあり今期は、変化をつける意味で新たな品種のタネをネットで購入していた。
culrides.hatenablog.com

追加されたメンバーはエダマメ、キュウリ、オクラ、ナス、トウガラシで、これらへの転作が通じるかどうかも興味深いポイント。
こうなるともはや「食べ蒔き」と言うコンセプトから外れている感が否めないが、随分とマンネリ化していたのは確かだし、状況を打開する手立てが必要なシーンだってあるだろう。
言い訳じみてはいるが、なんだかんだ収穫物に恵まれるに越したことはないのが素直な話である。


もっとも、新たに追加したタネも、前半で発芽に失敗したものが多く、当初より数が減ってしまっていた。
そこで今回は開き直りのつもりで、巷で噂の「100円均一のタネ」も導入する事にしたのであります。



ほんで用意出来たのは、以下の茶豆、オクラ、ズッキーニ、おまけのヒマワリと計4種。
開封後の画像なのは、もう7月中旬なので買ってきた直後に蒔いたから。

これらは2袋で¥100、4種類あっても¥200というコスパの良さ。
その分、通常の種苗会社のタネより分量が少ないらしいのだけど、ベランダのプランターとかでやる様な、沢山必要ない人には事足りる位だと思う。


茶豆とオクラの追加以外で新しいのはズッキーニで、何故か大中小の粒が入っていた。

時期的には遅い気もするが、秋採れのもある様だし、一度育ててみたかったので今回はお試しで投入。
毎度のこと、新しい品種を育てるのは楽しみである。


茶豆については、一度水に浸してから蒔いてみた。

画像は買った日から一夜だけ浸していたものだが、早いタネはたった数時間で膨らみ始め、芽らしきものが出ている様子。
こんな短い間に変化が顕れるところで、成長の早さが分かるなぁ。


同じく、オクラも水に一晩浸してから蒔く。
今期は直播きが中心だったし、これで発芽もしているので今さら浸す意味があるのかは謎ではある。

ただ調べてみると、タネの殻が固いため予め浸した方が発芽率が高まるとの話もある。
今回は時期的に急いでいたため一晩浸しただけでは何の変化も無い様だったが、結構しっとりした質感になっていたので、確かに効果はありそうだ。



んで後日、このひと手間が功を奏してか、どの品種もほんので数日で発芽する事に。
以下の画像は約1週間ほど経過したものである。


まず茶豆に関しては予測どおり一番早く発芽し、成長も割りと早い印象。
しかし発芽率は良いとして、ややヒョロいと言うか徒長気味な個体が多いのが気がかり。

しかも、貧弱な所を狙われてか、発芽直後に画像左下にいるダンゴムシらに丸ハゲにされた個体も多く、ここで大分部が減ってしまった。
特に、この7月中旬は梅雨の戻りで長雨が続いており、余計に彼らが活発だったのも影響している様だ。


この状況がタネ本来の性質によるものか、あるいは土壌など環境によるものなのかは判然としないが、何かしら手を打ちたい所ではある。



お次はオクラで、こちらは問題なく元気な様子。

生育状況は良く、現段階までに発芽した苗のほぼ全てが、これといった害も無く残っているし、あっても軽く葉を噛られる程度。
ただ、ここまでに蒔いた数が多いぶん、いささか密集状態になりつつもある。
今後どの様に展開するかは分からないが、とりあえず暫くは推移を見守ってゆく事にしよう。


上記と同じくして、お試しで投入したズッキーニも発芽。

カボチャの仲間らしく、発芽初期の葉の形がクリソツ。
発芽したのは2本で、残り1本は出ないままだったが、確率としてはまぁまぁ良好と言った所か。
ひとまず色味はキレイで元気そうだし、これからどこまで育つか興味は尽きない。



ついでに、ゴーヤーのタネも追加で蒔いた。
これは予備用に保管していたものである。

前回でも触れた通り、前年度までの影響か今期のゴーヤーは連作障害の症状が色濃く、生育不順な個体が幾つもある。
これをカバーする意味で、今回の追加のタネは既存の位置からズラして植えた。


しかし以降は全く発芽しておらず、いまだ厳しい状況が続いている。
結果的にタネがダメだったのか土壌に問題があるかまでは解らないが、今まで割りとイージーに育っていただけにギャップが際立つ。

とりあえず現状では通常通りの個体もあるのが頼みの綱で、今後はこれらを如何にイケてる方に持っていけるかがカギとなりそうだ。



しまいにヒマワリを。

実は今期、ヒマワリも幾つか育てているのだが、これもなかなかどうして苦戦中。
ネット購入や今回の100均と合わせて結構な数を投入しているにも関わらず、なにかと発芽しなかったり虫に丸ハゲにされたりを繰り返し、現状までに揃ったのは数本程度。
しかも、これらも徒長気味でやけにヒョロく、やはり虫食いにも遭いまくっている。

蒔いた時期も春~夏のあいだ何度も試してコレなので、直接的な原因が解らない。
今のところ、直播きでは虫に食われる率が高かったためポリポットを使っているものの、徒長は改善せずにいる。
過去に育てた事があったかどうか記憶が曖昧だが、こんなに難しかったっけ?と言う感じ。



とまぁ、この7月中旬に急遽追加となったタネたち。
ここから如何なる展開となるか観察を続けて行きましょう。




おまけシリーズ。



エダマメに付いてたセミの抜け殻。

「抜け殻の見分け方」で調べた限りでは、どうやらアブラゼミのものらしい。



で、別の株にはニイニイゼミの抜け殻が。


何故なのかエダマメばかりにセミホイホイ。
あまり樹液を吸われるのはよろしくないのかもだけど、無事に羽化できたならヨシである。




では、また、CUL。

食べ蒔きファーム5G 7月中旬・季節はずれの高温下で生育維持に努めたり連作障害が出たり

前回までにオクラとナスが発芽。
トウガラシの失敗はあったものの、現段階でゴーヤー、トマトも発芽しており、ひとまず今期のメンツが出揃う形となった。
culrides.hatenablog.com

ただ、6月下旬から7月上旬にかけては季節はずれの高温が続いており、発芽後の苗もヘロヘロになるシーンが多く気の抜けない状況にあった。
ゆえに土壌が乾燥しない様に水を与え続けていた訳だが、この甲斐もあってか中旬になると徐々に成長の兆しも表れ始める。



まずはヤグラ周りの様子。

7月上旬までは、本当に発芽から間もない程度の小さな苗ばかりであったが、この中旬に入ると急に大きくなってきた。


キュウリはツルが支柱に巻き付いていて、上に伸び出している。
葉は大きく広がり、青々と発色も良く生育中。


中旬も半ばになる頃には雌花と雄花が開花していて、シジミチョウが飛来していた。

だが、これらは養分を余分に取られる原因となり、今後の成長に影響があるとの事で、セオリーに従い摘花しておく。


エダマメは成長にバラツキがあるものの、大きい個体は全長40cmほどの高さになり、薄紫色の小さな花も咲いている。

若干、幹がヒョロリと細いのが気になるが、まだまだこれからであろう。


こちらは5月に定植して以来、まったく触れていなかった再生ジャガイモ。
あれから一応スクスク育っており、虫食いはあれど大きな影響は無いようだ。


中には、出来たイモが土からハミ出していて、芽が出ているものまで。
ハミチンならぬハミイモである。

ここまで気付かなかったが、他にも顔を出しているイモが幾つかあったので、急いで土寄せを行う。
とりあえずの数からして出来はまずまずの様ではありそうだ。



だが一方、この間にジャガイモには幾つかの問題も発生していた。


まず、定植段階で10数本以上あった個体は、現状では7本ほどに減少してしまっている。
実は定植後しばらくして、急に葉がボロボロに穴が空いて茶色く枯れる現象に見舞われてしまい、貧弱気味な個体から次々と姿を消していたのだ。
また、株自体の成長率も少し低い様で、全体を通して去年よりも物足りない印象である。

いずれも決定的な要因は不明で、モザイク病に青枯病や灰色かび病、はたまたテントウムシダマシなどと色々な症状がヒットするが、どれも違うようで判断がつかない。
他にあるとすれば、こちらも連作障害が考えられる。
振り返れば、今回で定植したスペースは去年とほぼ同じ位置であるにも関わらず、当時これらの現象は確認されていなかった。
となると仮に、この前年度からの間に土中の養分や微生物などのバランスが崩れていたと考えれば、先述の様な症状が出た事にも合点がいく。


これが収穫に如何なる影響があるかまでは予断を許さないが、現状のスペースで2年以上育てるのは厳しいと言う事なのかも知れない。



上記の他にも、連作障害らしき影響が出ている品種がチラホラ存在している。
このトマトも、どうやら通常より成長率が低く、去年の同時期と比べて背丈が足りていない様子である。

しかも、本来なら7本ほど発芽したのだけど、現状で残ったマトモな個体は2本だけ。
冒頭で触れた様に、6月下旬から7月上旬にかけての高温によって、水撒きの甲斐むなしく幾つか枯れただけでなく、間引きのつもりで移植した個体まで全滅してしまっている。

基本的に放置プレイが基本の当プロジェクトゆえ、こちらの管理不足と言う面はあるにせよ、これだけの個体が次々ダメになる現象も初めてだ。


思えば去年のトマトも、既存のスペースでの連作障害を受けて別のスペースに移動していた訳で、やっとこ収量が回復した経緯がある。
しかし今期、この移動してからのスペースも2年目にして症状が顕れたのだとしたら、もうちょい蒔く位置を散らしておけばよかったと言えなくもない。
culrides.hatenablog.com

ここから新しいスペースに移植するかどうかも難しいし、改めてタネを蒔くには時期が遅い気もする。
かと言え、チンタラやってる間に結実から収穫までハズしてしまいかねず、これから盛夏にかけて成長が本格化する可能性だってある。
なかなか難しい舵取りを迫られているが、今はただ見守るだけの状況が続く。



しまいに、今期のゴーヤーもまた連作障害の影響が顕れている様子である。

これも一見では、6月の発芽直後にくらべ随分と伸びた様に感じられるが、去年の今時期と比べて今一つ背丈が足りていない。
タネ蒔きが若干遅めだった部分はあるにせよ、もう少し勢いをつけたいところ。


特に決定的なのは、これと別の位置に埋めたゴーヤーが成長していない点である。

ここは前年度、通常の成長率まで達していた場所なのだが、今期では生えたどの個体も異様に小さいままだ。
勿論、例年なら8月の盛夏にこそ生育が本格化するし、ゴーヤーは背丈に関わらず結実から収穫まで出来る確率が高いので、普通ならあまり焦る話では無いのだろう。
だが去年までは、これほどの低成長じゃなかっただけに、仮に症状が顕れているのだとすれば対策の必要性も出てくる。


この点に関しては過去に、おおむね2年以上ゴーヤーを植えていた「かつてのスペース」では育たなくなる現象が確認されており、リスクヘッジとして「新しいスペース」に移動して切り抜けた事があったばかり。
しかも、今期も試しに幾つか「かつてのスペース」でも生やしているのだが、もはや生えてはいても発芽した苗からまるっきり成長していない状態である。
culrides.hatenablog.com

よくよく考えれば今期は「新しいスペース」で育ててから2~3年ほど経っているし、状況は過去のケースと重なっている。
この経過からして、生命力が強いゴーヤーではあれど、連作障害の発生までは2~3年がリミットという事になるのかも知れない。



まだ他にもトラブルは続く。
これは割りとイイ所まで成長していたのに、ダンゴムシに根元から噛り切られてしまった個体である。

もう見事にブッツリいかれてて、今までに無かった現象に戸惑う。
基本的にゴーヤーは免疫力が強く、一定まで成長すればダンゴムシに打ち勝てるはずなのだけど、これももしや連作によって脆くなっていたのだろうか。
画像左の切れた幹を観察すると、応急措置で切られた幹を土に差し込んでいたお陰か、小さな白い根が再生している様子。


何か悔しいので試しにコレを接木して復活を試みてみた。
やり方は単純に、元々の台木に切れ込みを入れて、穂木(と言うか元々の幹)を差し込んで、患部をマスキングテープで固定しただけ。


一応、高温による乾燥を防ぐ意味で、患部まるごと土に埋めて水をタップリ注ぐ。

これで効果あるか不明だけど、ゴーヤーの挿し木で根が生えた事もあるだけに、やらないよりマシかなと。
culrides.hatenablog.com


だが結論を言えば、タイミングが遅かったせいなのか失敗に終わっていて、暫くの後に枯れてしまった。
あるいはもっと穂木を短くして、水分量と生育の旺盛なキュウリに繋げてみれば変わっただろうか。
かつて過去にもゴーヤーの接木に失敗していたが、市販されている接木苗と違って、なかなか上手く行かないものである。
culrides.hatenablog.com



と、早くも細かな問題がチラついている5期生たち。
これを受けて少し別のアプローチを試す事になるのだけど、詳細は次回の番外編にて。




では、また、CUL。

食べ蒔きファーム5G 7月上旬・オクラとナスも出揃うがトウガラシがイマイチな件

前回、6月下旬では観測上最も早い梅雨あけとなり、いきなり真夏の気温となっていた。
culrides.hatenablog.com

これにより、やや出遅れていたオクラ、ナスの直播きを実施。
あとは発芽を待つばかりとなっていた。


しかしこの間、6月下旬から7月上旬にかけては季節はずれの高温が続いており、いささか厳しい気候も続いていた。
なにせ日中は連日35℃前後の日が続くのに加え、夏にしては湿度も低めだった事もあり、とにかく土壌が乾燥しっぱなしの状況。
報道でも、梅雨の短さと高温のダブルパンチにより、各地で水不足が心配されていたほど。
実際、朝方に水撒きしても夕方を待たずしてパサパサに乾いてしまうし、油断してると発芽したトマトの苗もヘロヘロになりっぱなしで枯れる個体まで出る有様であった。

なので毎日、主に日が陰った夕刻に水を撒いてはタネが乾かない様に努めていた訳だけど、このマメな世話がやがて実を結ぶ事となる。


かくして約1週間ほどの後、7月に入った頃合いでオクラが発芽。

他にも複数個が一斉に顔を出している所から、地温が高まったタイミングでの直播きに間違いなかったことで一安心。
蒔いた全てが顔を出している様で、発芽率も良好である。


とは言え、実際は前々回の6月中旬で発芽していたので、もっと早く蒔いといても問題はなかったのだろう。
結果として6月~7月にかけて微妙に時期をズラしてのタネ蒔きとなった訳だけど、ここから如何なる経過を辿るやら楽しみではある。



これと時を同じくして、ナスも一斉に発芽。

出たての芽はトマトにクリソツで、初めは本当にナスなのか見分けがつかなかった。
こちらも全てのタネが発芽していて良好なのだが、1つだけ貧弱な個体が混じっており、これだけ何度も枯れそうになるなどで性質にバラツキもある。


そう言えば、去年は実験的に「数十年前のナスとキュウリのタネ」を蒔いてみたが、ものの見事に全て失敗に終わっていた。
culrides.hatenablog.com

まぁ、いくら未開封であろうと、時間ごとに劣化してゆくものである以上、普通に考えれば当たり前の結果ではある。
これまでの当プロジェクトでも、採種から一年以上過ぎると急激に発芽率・成長率ともに落ちる事を確認しているので、やはり鮮度が高いうちに蒔くのがベストと言えよう。



この他、前回に蒔いていたトウガラシについては、なぜかウンとスンとも発芽していない。
これについては、前々回の6月中旬ごろに卵パックと直播きで試したタネも失敗しており、今回を含めれば全てが発芽していない事になる。

ネットで調べると、発芽や生育の難度は高くない様なのだが、なかなかどうして上手く行かない状況が続く。
原因として考えられるのは、直播きが中心だったために夜間の保温力が足らなかった点だろうか。
あるいは、「しばらく水に浸して芽が出てから蒔く」と言う方法が確実らしいのだけど、今にして思えば試しておけば良かったとも言える。


しかしだが、毎日タネが乾かないように水を与えていたし、同じく発芽温度の高いオクラやナスが直播きで問題なく生えている以上、決定的な要因とは考えにくくもある。
実のところ去年もトウガラシにチャレンジしているのだが、これも今回と同じ様なシチュエーションで完全に失敗しており、記事にはしていなかった節がある。

結局、真相は何だったのかは未だ不明なままだが、ここでトウガラシは全て使ってしまった。
時期を考えると追加するのは難しそうなので、ここで今期も断念と言う形となるのだった。



とりあえず失敗はありつつもメンツが出揃ってきた5期生たち。
どれも芽生えたばかり、今後の成長を見守って行きましょう。




では、また、CUL。

食べ蒔きファーム5G 6月下旬・急激に暑くなった下でゴーヤーの移植ほか、オクラ、ナス、トウガラシを蒔く

前回、6月中旬までに直播きのゴーヤー、エダマメ、キュウリの発芽を確認。
まだ梅雨寒の中で気温が低い日もあり、様子見しつつのタネ蒔きとなっていた。
culrides.hatenablog.com

しかし、下旬に入るなり唐突に雨空が引いたかと思えば、急激に気温が上昇。
これを機に観測史上最も早い梅雨明けが発表されただけでなく、各地で35℃を越える日が続くなど、この時期の最高気温も更新が相次ぐ。
いきなり前触れもなく真夏の様である。



んで、前回でも既に発芽していたゴーヤーであるが、この気温上昇により、早々と生えた個体のほかに、遅れていた個体も出揃うようになる。

もともと発芽率にはバラツキがあったため、同じ場所に日時をズラしつつ複数埋めていたのだが、ここにきて密集状態になってしまい、生育にも支障が出かねなくなってきた。
なので間引きがてら、まだ生えていない場所への移植を行う事に。


やり方は簡単に、なるだけ根を傷つけずに深く土を掘り起してから、慎重に株を選り分けて、新しい場所に植え直しすぐ水をタップリ注ぐだけ。
基本的にゴーヤーは生命力が強いので、よほど根に深いダメージを与えない限りは移植に耐えてくれるので、こんな雑な方法でも定着してくれます。

ただし、成功率としては「半々よりは上」といったところなので、もともと個体数が少ない状況では失敗するリスクもあるためオススメできない。
実際、移植直後は一時的に体力が落ちるため、ここでダンゴムシに丸ハゲにされたり、回復が追い付かず一気に枯れ込む個体もある。


なので、大事に行くなら、一旦ポリポットで育苗し直すのが無難。

画像では葉の一部が黒く変色しているが、これは体力低下によるもので、ちゃんと世話を続ければ問題なく回復できる。
この苗にも小さな新芽が出ている事から、根が回復しているであろう様子が伺える。
とりあえず間引きした個体を活かしたい場合に、移植は使える手だと思います。



この移植後の事、まだ梅雨の戻りで気温低下が起きるかもと様子見を続けていたが、下旬も進むにつれ気温上昇は止まらず。
これにより、発芽温度が高い品種として残っていたトウガラシ、ナス、オクラのタネ蒔きを決定。

例年なら7月上旬~中旬ごろに梅雨明けとなるので、真夏に入るタイミングで蒔き始めるつもりだったが、思わぬ形で前倒しに。
まぁ、早めに蒔いたぶん生育期間が長くなるメリットもあるので、やれる内にやるに越したことはないだろう。


画像左端からトウガラシ、ナス、オクラのタネ。

前回でも軽く触れたが、これらは6月中旬に卵パックと直播きでの発芽を試したのだが、梅雨寒の中では夜間の保温力が足りなかったのか全て失敗に終わっていた。
ちなみにオクラに関しては、すでに前回までに直播き組が発芽していたのだが、この時は自分で蒔いていた事を忘れていたので、結果的に重複でのタネ蒔きとなる。


現状では、卵パック組の失敗により半数ほどに手持ちが減ってしまったのだけど、この機に全弾投入。
これだけ高温なら地温も高いだろうと、今回は全て直播きを施したのであった。



かくして、早くも梅雨あけを迎えたタネたち。
果たして無事に発芽するや否や、世話を続けて行きましょう。




では、また、CUL。

食べ蒔きファーム5G 6月中旬~下旬・いろいろ直播きからのゴーヤーとエダマメとキュウリ発芽

前回はジャガイモの育苗から定植まで完了。
ある程度の個数が揃い、ひとまずはリスタートとなりました。
culrides.hatenablog.com

その約1ヶ月後の6月中旬ごろ、梅雨入りの発表とともに他の作物もタネ蒔きを開始。
本来なら気温が30℃を越える日もあった5月下旬までには蒔きたかったのだけど、まだ寒さの残る夜間との兼合いを伺っているうちに、タイミングを逃しズルズルと梅雨入りしてしまった。


なので、次の晴れ間に急いで表土を耕し、トレリスでヤグラを組むのだった。

画像は後日撮ったもので、実はポツポツと発芽しちゃってますが、詳しくは下記してゆきます。



今期に使用したタネは、これまでと同様に自家採種したゴーヤーや市販品種のトマトから採種した「いつものメンバー」のほか、普通にネットで買ったタネも用意してみた。
毎年同じ様な作物ばかりで代わり映えしなくなっていた中で、ついに新メンバー追加である。

用意出来たのは上の画像にあるエダマメ(大豆)のほか、キュウリ、ナス、トウガラシ、オクラと典型的な夏野菜たち。

この中から、割りとイージーに発芽するウリ科のキュウリとゴーヤー、またトマトは全て直播きで。
他のナスとトウガラシ、オクラは発芽温度が高くないとダメとの事で、テストがてらに数個だけ卵パック保温と直播きを試す。
エダマメは初めてなので、直播き、卵パック、ポリポットと発芽パターンを多様化してみた。


土壌の準備としては、まずは表土だけ軽く耕し、各種タネを埋めたのち、上からマルチの代わりにオガクズ堆肥を敷いて保温するだけ。
また例年どおり、畝立てはせずフラットに均したままで行く。

この方法のメリットとしては、フカフカの表土をオガクズで覆う事で、「土中の空気層」と「微生物の活性化」 が合わさり地温をキープしやすくなる事。
雨が降れば保湿効果もあるし、またビニールマルチと違って除去の手間がなく、やがて肥料になってくれるのもイイ。
逆にデメリットとしては、ビニールマルチにくらべれば保温力が低いため寒い日は不利な事と、ダンゴムシなどの虫も増えて苗が丸かじりされる場合もある事。
この点を凌げれば、結果的に健康な個体だけが残るので、あとは問題なく生育してくれます。



ほんで、この作業中のこと、野外に置いてある植木鉢を動かしていたら、すでに発芽しているゴーヤーのタネをいくつか発見。
実は去年、熟した実から採ったタネを植木鉢の底に放置したまま冬越しさせていたのだが、ここ最近の気温上昇と雨によって勝手に発芽していた様なのだ。

と言うことで、この発芽したゴーヤーは即座に定植。
画像は植えて数日経っていない頃に撮影したもの。

無事に定着している様ではあるが、画像左上の個体は早くもヘバッているなど、勝手に発芽するほどタフではあれど生命力には個体差がある。



タネを蒔いてから約1週間後、今度は直播きしていたゴーヤーがコニャニャチワ(画像右側の個体)。


トマトも小さくピョッコリと、この辺の発芽率は相変わらず安定している。


直播きしていたエダマメも無事に発芽。


ポリポット組のエダマメも発芽していて、意外とスムーズに行けた。

ただ、何故かポリポット組は直播きより勢いが足りない印象。
また卵パックでは、エダマメのほかナスやトウガラシも全てが失敗している。

一体何がダメなのかは判然としないが、たぶん卵パックもポリポットも土の量が少ないので保温状態が続きにくく、夜間の気温低下の影響を受けやすかったためだと考えられる。
実際、いずれの品種も直播きの方が発芽率、成長率ともに高い傾向にある事から、やはり地温を維持しやすい環境で発芽から育苗期を過ごすのがミソなのだろう。



他にも、直播きのキュウリが発芽。

画像は下旬に撮ったものだが、前出のゴーヤーと同じ中旬のタイミングで発芽していたので、もうちょい早く蒔いておけば生育も早かったかなぁ、とも思ったり。


実のところ、この同時期に直播きのオクラも発芽していた様なのだが、蒔いていた事をド忘れていたせいで単なる雑草と勘違いしてしまい、画像を撮り忘れる。
ある程度まで成長してからオクラと気付くのだが、これはまた後の記事にてご紹介いたします。

ちなみに、オクラも卵パックでは全滅だったので、やはり地温の高さと保温力が発芽のカギとなっている様だ。



じょじょにメンツが揃いつつある5期生。
しかし、この6月下旬に入るなり梅雨あけの発表も無いまま、唐突に真夏の気温に変化する事となる。

この急激な気候の変化に、苗はついて行けるのだろうか?
ともあれ、これからの生育を見守るのみであります。



では、また、CUL。

食べ蒔きファーム5G 4月中旬~5月上旬・再生ジャガイモの苗作りから定植まで

食べた野菜から採種したタネを使い再び栽培にチャレンジするシリーズも、今期で五年目。
いわば5th Generationであります。

細かな経緯は過去記事をご参照頂くとして、これまで年によりムラがあったり、連作障害でダメになった品種もあるものの、いずれも結果的には収穫まで行けていました。
culrides.hatenablog.com


それを経て今期も再開となったのだけど、まずは4月中旬に入る頃、手始めにジャガイモの準備を開始。

これらは昨年の夏に収穫された中からキープしていた種イモ候補生たち。
しかも、もともとは「剥いたあとの皮」から再生したものの子孫にあたる。


時系列では、土に埋めていた皮から再生(2020年)→再生イモを種イモにして栽培し収穫(2021年)→現在へと至る。
ただの皮だった生ゴミ同然の状態から、代を跨いで栽培できるほどに復活した、いわばタフイモである。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

その昨夏から8ヶ月ほどチラシに包んで倉庫に保管していた訳だが、いつの間にか発芽して結構な伸び方をしている。
どれもミニマムイモなのでそのまま使っても良いのだけど、数を増やす意味で芽の出ている箇所を複数に切り分ける事に。


断面には消毒の意味で消石灰をまぶし付けた。

あとはこれらをポリポットに埋めて、野外に放置するだけで、しばし育苗してゆく。


上記から話は飛びまして、1ヶ月ほど経過した5月中旬ごろの様子がコチラ。

ここまでに完成した苗は合計17個。
発芽しなかったポットも一部あるが、これだけ揃えば十分。


根には小さなイモが形成されていたので、更なる成長を促すべく耕したスペースへ定植。
夏ごろの収穫を目指して行きます。



ちなみに、こちらは種イモならぬ「こぼれイモ」から発芽した個体。
どうやら去年の収穫から漏れたイモが土に残っていたのが、今になり生育を始めていた様で、他にもチラホラ顔を出している。

なかなか生命力が強いと言うか、ジャガイモも放置していると勝手に生え替わったりするんだなぁと、どこか頼もしくもある。



とまぁ再始動となりましたが、これからどこまで生育し、収穫なるか。
これから観察を続けて行きましょう。




では、また、CUL。

食べ蒔き2021年シーズンまとめ その②有機物肥料の使用例のほか木酢液やアルコールなど天然成分による防除効果と、家庭菜園を通じた可能性の話

前回その①では、2021年の気候がイレギュラーに変化していた事、そして開始から数年をへて顕れた連作障害の対策として、試しに場所を変えてみたら収穫量が回復した話を記しました。
culrides.hatenablog.com


今回その②では、これまでに使った有機肥料の用例とか、初めて木酢液を使ってみたら思ってた以上の効果を発揮した話。
そして、ここまで家庭菜園を続けてきた中での雑感や展望などについて触れて行きましょう。


有機物の肥料と天然成分の効能●

当プロジェクトでは当初より、多種多様の肥料を投入してきた。

基本的には天然の有機物を中心に、生ゴミやオガクズに落ち葉、除草した雑草などのほか、バリエーションは多岐に及ぶ。
culrides.hatenablog.com


ざっと過去の具体例を挙げれば、フルーツや野菜の皮に芯、卵のカラ、魚の骨に内蔵、昆虫の亡骸、お菓子のほか消費期限が切れた魚介類の缶詰に粉末根昆布ダシといった食品類と、内容はさまざま。
他にはペットフード、さらに薄めたスポーツドリンクやお茶等の飲料水、はてはコーヒーフレッシュなどなど、一見ではワケのわからないものも投入している。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

結論として、果たしてこれらが本当に作物にとって効果があったのかどうかについては、いまだよく分からないままなのが正直な話。
世評においても、生ゴミに含まれる成分などたかが知れているので無意味だと言われていたりするし、効率が低いのは確かかも知れない。


では何故、こういった物を投入し続けているのかと言えば、たとえ通常なら単なる廃棄物扱いだとしても、物体を形成しているタンパク質やカルシウム等の栄養分は残されているはずだから。
となれば、少なからず再び養分として還元が可能であろうとの考え方である。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

これらを使うにあたっては、単純に土に敷くか撒くか埋めるだけ。
特に堆肥化や熟成といった行程はなくとも、卵のカラなど堅いものを除けば、一年あれば概ね全てが分解されていた。
要は、土壌自体がコンポストとなっていれば、きちんと分解され肥料化できる訳です。


ただし、それら有機物の中には生育に問題となる成分が含まれているリスクがあるのも事実。

たとえば今期では、「堆肥化していないコーヒー」には発芽抑制物質がある事を知らず撒いてしまった失敗例があった。
culrides.hatenablog.com

この時は蒔いた量が少なかったためか結果的には生育に異常は見られず、一定量の収穫物も得られたので影響は小さかった様ではあるにせよ、注意すべきシーンであったのは間違いない。

市場にも肥料法が存在する様に、内容成分が不明な物をのべつまくなしに投入するのはオススメ出来ないし、まずは問題の有無を事前に調べてから使った方が無難である。
また他にも、量が多過ぎて腐敗し、要らぬ虫まで湧いてしまったり、土に埋めても野生鳥獣に荒らされる場合があるため、位置を分散させたり地表を覆うなどの工夫も必要になってくる。


こういった注意点があるのも確かなのだけど、たとえ還元には時間がかかるとしても、土中に住む微生物や昆虫が多様であれば問題化せずとも処理が進んでくれる事も判っている。
むしろ先述のように、土壌自体をコンポストとして活性化するために、表土へ落ち葉や除草後の雑草の束を大量に敷いて生物を増やしていたほど。
culrides.hatenablog.com

また過去の検証でも、わざと菜園の土にミミズやダンゴムシを投入してみた結果、思った以上の分解スピードがあるらしい事を実感できていた。
culrides.hatenablog.com


この間のデメリットとしては、堆積した落ち葉の下に色々な昆虫が大量発生するシーンがある事。
また、増殖したダンゴムシに果実を噛られたり、苗を丸ハゲにされる時も度々あるなど、生物が増える事によって作物までターゲットになるパターンも起こりがち。
culrides.hatenablog.com

こういった状況下では、免疫力の弱い貧弱な個体が狙われるのが殆どで、強い健康な個体であれば耐えられていたし、基本的には大きな問題もなく凌げる様ではあった。
ただ、あまりに酷ければ何らか防除するなり、落ち着くまで対応せざるをえない時もあります。
culrides.hatenablog.com

いずれにせよ、これらの虫も根本的に自然界の循環役に過ぎず、人間生活には何ら影響もないのが通常なので、過度に恐れる必要はありません。
と言うか、居てくれるからこそ分解された成分も多いはずだし、少なからず効果があったものと思われる。
culrides.hatenablog.com

つまるところ自然界の循環システムが正常に機能していれば、土壌への負担も軽くなり、適切に養分が作物へと戻る。
この観点で、現在でも様々な有機物を投入し続けているのであった。


更に同じく、これら天然成分でハッキリとした効能が確認されたのが「木酢液による防虫効果」だった。
f:id:culrides:20211013165132j:plain


今期のジャガイモで試して印象的だったのが、葉にナスノミハムシ(ナストビハムシ)が集っていた所に木酢液を噴射してみるや、即座にポロポロと落ちたり逃げたりしていった事。
しかも、以降はまったく現れず、かなり効いているらしい様子であった。
culrides.hatenablog.com

これを受けて他の作物にも噴霧してみた結果でも、昆虫による食害の形跡が無かった事から、結構な防虫効果があるものと伺える。
ネット上での評価を調べてみると効果には賛否がある様だけど、少なくとも当プロジェクトでは良さげな結果をもたらしていた。


これまで防虫に関しては、多少の食害は半分仕方ないものとして放置気味に過ごしていたし、上記の理由から木酢液に懐疑的な部分もあった。
culrides.hatenablog.com

他にも、ウリハムシ(ウリバエ)の様に強靭な生命力と繁殖力を持つ虫に対しては、色々考えたあげく効果的な防除手段が確立できずにいた。
現状では木酢液が効くかまでは未確認だけども、試す価値はありそう。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

今回の結果から、やはり酷い場合は何かしら施すに越したことはないと再認識できた。
特に天然成分で確かな効果が出たのは大きく、これなら土壌や人体への影響も軽減できそうだし、使用に際して神経質になりすぎる事もないはず。


そう言えば、以前にもカボチャとメロンのウドン粉病に対して、試しに「キッチン用アルコールスプレー」を噴霧してみたら症状が緩和された事もあった。
culrides.hatenablog.com

これは消毒用のアルコールだけに、細菌類に効くのは当然な気もする。
他の似た例では、焼酎にトウガラシを漬け込んだ液体を噴霧して防虫する方法もあるそうだけど、こういった高濃度の刺激物は成分も強力なはずなので、それだけアルコールには病害虫の予防効果があると言う事なのでしょう。


上記の様に、木酢液やアルコールなどを組み合わせて駆使すれば、より病害虫の抑制が効率化できるかも知れません。
無論、効かない虫や症状はあるだろうし、全てをカバー出来る訳ではないとしても、何もしないよりはマシなのも間違いないでしょう。

現状において、これらの方法で作物へのダメージなど問題となる現象は確認されていないので、おおむね継続的な使用が可能だと考えられます。
今後も機会があれば、様々なシーンで試してみようと思う出来事なのでありました。
f:id:culrides:20211019153724j:plain


●これまでの菜園を振り返っての雑感●

振り返れば、家庭菜園を始めてから4年が経過している。

2017年の土作りに始まり、初年度の2018年はカボチャ、メロン、スイカ、ゴーヤー、トマトと全ての作物で収穫に至ったが、2019年は一転して全てが不作に。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com


2020年も引きずっていたが、新しくジャガイモが追加されたり、ゴーヤーの植える位置を変えてみたり、トマトも年末ごろになって収穫されるなどで少し回復。
culrides.hatenablog.com

そして今期2021年はジャガイモに加え、ゴーヤーとトマトも位置変更により過去最多収量となるなど、毎年同じ作物ばかり育てて同じ様な作業を繰り返していながらも、色々と変化があった。


総じて思うのは、安定して収穫物を得るのって難しいんだなと言う事。
こんな小さな家庭菜園であっても奥深いものがあり、まいど新たな発見や思わぬ感動が得られるし、やっている内に試したい方法が浮かんでくるのが面白いところ。
いまだ分からない事も多く、環境や気候の僅かな変化で生育状況は大きく違ってくるなど、作物の持つ生命力や免疫力を安定して発揮させるにも様々な工夫が必要であった。
f:id:culrides:20211026165109j:plain


近年は家庭菜園がブームらしく、これまでになく農業に注目が集まっていたり、またメディアでも特集が組まれる場面が多くなっている印象を受ける。
もともとやっていた人からすれば何を今更みたいな話かも知れないけど、ほんの少し前まではメインストリーム的な話題になるなんて殆ど無かった事だけに、なかなか結構な変化と言える。

かなり拡大解釈した予測ではあるが、こういった動きが積み重ねられてゆく中で、たとえば病害虫の防除に効果的な手法や、新たなイノベーションの基礎が生まれる可能性はありうる。
実際、かつて今よりも遥かに町中には果樹園や農園が広がっていた時代は、共有できる知識や経験値も多かったろうし、別の見方をすれば、その分だけ地域内での自給率も高かった事になる。

この失われた分を補う様に、もし今日のブームが別の形で自給率の引き上げに寄与するとなれば、なおさら興味深く歓迎すべき現象とは言えるだろう。


一方で、極度に都市化された昨今では、町中や宅地で菜園を営むのは容易でなく、また極めて小規模となるのは致し方ない事ではある。
ただ、そういった環境下にあれど「実際は使えるけど空いているスペース」などは多いはずで、やり方によっては色々と試せる余地がある様にも思える。

これに関しては以前にも、都市部のどこで樹木の苗木を育てたら良いかについてアイデアを巡らせた事がある。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

上記を簡単に纏めるに、適当な空地や緑地、学校に企業の敷地などで、試験的に果樹園や菜園を始めるのはアリではなかろうかと。
近年はビルの屋上の緑化や、廃校を使った農園や養殖などの例があるように、使える場所は無数にありそうなもの。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

これは翻せば、無数の生育パターンを試せるだけでなく、多数のレポートとフィードバックが得られる事も意味している。
こういった中から画期的な手法が開発されたり、ひいては新種や特産品となる好例が現れる可能性だってあるし、もっと言えば、いずれローカルを越えた広い意味での利益に繋がる事こそ理想的な形に違いない。

大袈裟だけど、こんな展望もまんざら無い話じゃないのです。
f:id:culrides:20211112171537j:plain


長々と書き連ねましたが、以上、ここまでが2021年シーズンの纏めと雑感になります。
今後も新たなテーマがあれば挑戦してみたり、検証結果について記して行こうかなと思う今日この頃なのでした。



では、また、CUL。

食べ蒔き2021年シーズンまとめ その①今期を振り返ると気候がカオスで作物もヤバスだった

前回の記事では当初、前後編の二部構成でまとめる予定だったのだけど、色々書いていたらボリュームが多くなってしまった。
なので、改めて「その①」と「その②」に別けて今期を振り返って行きます。

今回その①では、2021年シーズンの気温変化がイレギュラーだった話や、菜園を始めてから数年を経て顕になった連作障害の解決方法について触れてみましょう。


●2021年度は気温の変化がカオス気味だった●

まず、2021年度の気温はイレギュラーに変化していて、例年にないパターンの気候が続いていたのが印象的であった。
2020年シーズンが終わってから下記の予測記事を書いた年初までは冬らしい気候が続いていたが、2月に入る頃から急に気温が上昇するなどで予測が非常に難しい状況にあった。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

特に春には、桜の開花が過去最速ペースで進むほど気温が高く推移していた。
その影響から地熱も高く保たれていた様で、直播きでの発芽率も高く苗の数も揃った事により、結果としてゴーヤーとトマトの収量は過去最多を更新する事となる。


例年、春までは気温が安定せず発芽行程に手こずりがちなのだが、この季節外れな高温ゆえに比較的イージーに進んだシーズンとなっていた。
この点においては気候が有利に働いてくれた形である。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com


春が高い気温で推移していたため、そのまま暑くなり続けるのかと思いきや、ゴールデンウィーク以降の夏季に入ると気温上昇も一段落。
7月~8月の盛夏にかけては例年ほど暑くはなく、猛暑日なども少なかったお陰で作物の生育も安定していた。
culrides.hatenablog.com

また更に、台風が少なかった事もプラスになり、荒天や夏バテによるダメージも殆ど皆無。
どことなく気候的に落ち着いていて、緩やかな夏だった様に思う。


ここ数年の夏季における猛暑日は厳しいものがあり、その暑さゆえに作物も軒並み日中は萎びてしまったり、酷い時は枯れるほど。
それに比べれば、だいぶん人間にも植物にとっても過ごしやすい夏となっていた。
お陰で、いつになく多種のハチやチョウが菜園に飛来していたし、受粉にも好影響をもたらしていたのではないかと考えられる。
culrides.hatenablog.com


しかし、この夏以降、9月に入った途端に急激な気温低下に見舞われる事となり、一気に作物全体の成長率が低下してしまう。
その低下率は著しく、場所によっては季節外れの低温注意報が発令されるほど。
特に夜間の下がり幅が大きかったせいで、日中の暖かさまでも帳消しになっていた印象である。
結局、これ以降も例年より低温ぎみな傾向が続く事となり、殆ど残暑もなく秋が過ぎて行くのだった。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com


この急激な気温低下により、例年なら10月までは青々と元気であるはずのゴーヤーとトマトの結実率は下がり続け、早くも枝葉に変色が出るなどの影響が続出。
11月には、トマトのウドン粉病も例年より早く症状が顕れるや、拡がる範囲やスピードも例年以上に。
そのため、順調に行けば12月中には成熟するであろうと思われた果実も、結局は収穫出来ずじまいで終わる事となる。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com


今シーズンの9月~10月に収穫されたトマトが過去最多収量であった事で、にわかに晩秋から初冬までの二期作にも期待させられたが、深まる気温低下にはついていけず。
実質的には12月初旬の段階で栽培期間は終わっていたが、ほどなく12月末~1月初頭にかけての最強寒波により残りのトマトも全て枯れてゆき、完全なる終了を迎える事となった。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

その意味で、2021年は例年にないパターンで推移していたと言え、なんだか急に尻窄みに終わった形でもある。
これがもし例年どおり残暑があって初冬まで暖かさが持続していれば、もう少し生育期間が伸びて、収量も増やせていたのかも知れない。


こればっかりは天候次第なので必ずしも予測通りとは行かないけども、今後はこういったカオティックな変化に対しても上手くアジャスト出来る様になれば良いなとも思うのだった。
f:id:culrides:20211002151141j:plain


●栽培から4年目にして顕在化した連作障害●

今シーズンが始まってから本格的に顕れた変化が、作物が上手く育たず成長率や結実率が低下する現象。
いわゆる連作障害である。


実際のところ、以前の年も薄々ながら疑われる現象は起きていた。
culrides.hatenablog.com

そこで実証実験のつもりで「これまでのスペース」と「新しいスペース」の両方で生育を比較してみたところ、明らかな差異が出る事となる。


今期のゴーヤーで比較してみると、これまで数年間にわたって生育させていたスペースでは、いずれの個体も成長率・結実率ともに極端に低くなっていたのに対して、新しく耕したスペースでは普通に高い成長率と結実率を実現していた。
culrides.hatenablog.com


また同様に、トマトも2020年度までは「これまでのスペース」で連続して育てていたのだが、菜園を始めた2018年以降から結実率が落ち続けているのが気になっていた。
それゆえ今期からゴーヤーと同じく「新しいスペース」で栽培していた訳だが、結果として収量が回復した事により連作障害の疑いも確定的なものとなる。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

これがもし、これまでのスペースのまま栽培していたとしたら、収穫量の回復どころか、下手すると全く採れなかった可能性もありうる。
結果として場所を変えた事が功を奏した訳だけど、逆に言えば作物の栽培を始めて以来、4年目にして初めてデメリットがハッキリと露呈した形ともなった。
いくら実生で育つほどの生命力があって、自らのタネで世代を繋げる作物であっても、どうやら限界点があるのだろう。


この「同じ場所で勝手に何度も生え替われる」かどうかが、雑草と作物を分かつ最大の違いだと思っているのだけど、もとを辿れば同じ自然界で生育していた野草には違いないだろうし、本来なら同じ程度の能力があってもよいはず。
その能力を引き出し、いわば両者のクロスオーバー的に育つ事は出来ないか検証するのも当プロジェクトの要旨だったりするのだが、なかなかどうして難しいのが現実でもある。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com


いずれにせよ上記の検証により、数年間にわたり栽培した場所で成長率や結実率が低下した場合は、やはりセオリーに従って場所をズラしたり、別の作物に転作するなどの工夫が有効であると判った。
ゆえに当プロジェクトの菜園でも次期はどんなレイアウトで、何を栽培するか思案しているところだったりする。
f:id:culrides:20211112171926j:plain


次回その②では、木酢液を使ってみて実感した天然成分の効能の話や、この数年間の家庭菜園を通じた展望や雑感などを記して参りましょう。



では、また、CUL。

食べ蒔き2022年1月上旬前編・越年トマトを眺めつつ今シーズンを終えて

遅ればせながら明けましておめでとうございます。

更新頻度は少ないながら、当ブログも開設から8年目に突入。
毎度おなじ様な話題ばかり綴ってはおりますが、引き続き本年も宜しくお願い致します。



さて、年明け一発目は「食べ蒔き作物シリーズ」であります。
culrides.hatenablog.com

前回となる昨年では、すでに12月上旬の段階で全ての作物が枯れていて、菜園は実質的な終了を迎えていた。
もはや殆ど触れる話題もない状況ではあったが、それでも保持されているトマトが残っていた事もあり、経過観察を続けていたところである。


今回はその続報となるのだけど、最初に言ってしまえば特にトピックとなる出来事もなかったりする。
そこで、ここでは前後編の二部構成にわけて年初の様子と、シーズン終了にあたっての雑感や総評などを綴って参ろうと思います。



まずは菜園の全体からして、枯れた作物だけが残っているだけであり、乾燥も進んでパリパリのカピカピ。
f:id:culrides:20220122141602j:plain

12月上旬まではトマトの先端側だけ生き残っていて開花もしていたが、気温低下が進むにつれ年末までには完全終了を迎える。
特に今冬に入ってからの低温化は厳しいものがあり、上空には早くも最強寒波も流れ込むなど、こんなに寒い年末は久々であった。


実際、地表には全面にわたって霜柱が立ち、踏みしめるたびにシャリシャリと鳴るほど。
これでは生育どころではない。
f:id:culrides:20220122141618j:plain


最後まで生存していたトマトも、今は枯れ草。
茎も枝葉も乾燥しきっている。
f:id:culrides:20220122141633j:plain


辛うじて先端部に青葉の名残りがあるが、こちらもドライフラワー化している。
f:id:culrides:20220122141646j:plain

毎年思うが、ほんの1ヶ月前まで開花していたのがウソみたいな変貌ぶり。
こうして観察するたび、季節の変化って激しいんだなとしみじみ実感する。



辛うじて保持されていた果実は水分が抜けてしまっている。
f:id:culrides:20220122141705j:plain

当然ながら成熟など望めるはずもなく、今は飾りのごとくブラ下がっているだけ。
毎年、年末まではハリとツヤが維持されていても、年を越すあたりで低温に耐えきれず枯れてしまうのが惜しいところ。



そんな中で、赤く成熟しかけた果実もあった。
f:id:culrides:20220122141719j:plain

画像では既に落果しているが、恐らくは落果する直前から、あるいは落果してから成熟が進んだものと思われる。
これが仮に2020年から2021年と同じ程度の暖冬であれば、もしかすると収穫まで持った可能性はなくもない。



ちなみに、昨年度の12月上旬には終了していたゴーヤーも残したままにしていて、今は完全にドライフルーツ化している。
f:id:culrides:20220122141734j:plain

多分、この時期までゴーヤーを残しっぱなしにしている菜園なんて皆無だろうけど、なんとなく記録としては面白いかなと。
ましてや枯れていながらも真冬に果実がある風景なんて聞いたこと無いし、よくここまで残ったものだと感慨深くもある。



そう言えば、昨年9月に落果したトマトの「こぼれダネ」から発芽した苗も、年末に流れ込んだ最強寒波によって萎びてしまい越年はならず。
f:id:culrides:20220122141754j:plain


当然、こんな小さな苗では寒波に耐えうるほどの体力があるはずもない。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

しかし、意外にも12月中旬あたりまでは普通に生育していて、思った以上の粘り強さを発揮していた。
この間は全くと言ってよいほど成長しておらず小さいままであったが、案外、室内で生育を続けていれば経過が変わっていた可能性はありうる。

その意味では、「苗の越冬」に関して改めて検証の余地が残された訳で、いつか試してみようかとも思ったりするのだった。



かくして上記をもって今シーズンは完全に終了。
いずれの作物も、ここまで本当によく頑張ってくれたし、収穫出来た事にも感謝であります。
今後しばらくは菜園もお休みモードと致しましょう。


続けて次回は、今期を振り返って印象に残った事象についての雑感などを記して参ります。




では、また、CUL。

食べ蒔き2021年12月上旬・初冬の侘しき菜園に夏野菜どもが夢の跡

前回の11月上旬を境に、日増しに下がる気温とともに作物の成長も急激に鈍り、菜園は着々とシーズン終了へと向かっていた。
culrides.hatenablog.com

そんな中で、辛うじて開花はしていても今は咲いているだけ。
もはや結実した所で意味は無く、残っている果実が成熟するかどうかだけが焦点になりつつあった。



それから約一ヶ月を経て、あれよという間に12月へ突入。
毎年ながら振り返れば時の流れは早く、まるでこないだまで正月だったような感覚なのに、またもういくつ寝るとお正月である。


かくして光の如く時を駆ける昨今にあって、菜園の全景は既に終了済みであるかの様。
この1ヶ月間で作物の劣化は加速し、ヤグラの9割方が枯れたゴーヤーの枝葉ばかりと、生きている部分の方が少ない。
f:id:culrides:20211224141750j:plain


しかしそれでも、つい先日の11月末までゴーヤーは生存していた。
この12月に入ってほどなく枯れてしまったが、まだギリギリ先端部だけ青味が残されていてツボミが形成されている。
f:id:culrides:20211224141826j:plain


更に1つだけだが、まともそうな果実も残っている。
f:id:culrides:20211224141845j:plain

画像では水分が抜けてソフビみたいに柔かくなっているが、先頃までは普通に硬めの質感であった。
今回は収穫せず観察に徹していたが、恐らく中身も普通に賞味できるクオリティになっていたのではないかと思われる。


振り返れば、この時期までゴーヤーが残ったのは初めての事で、生育期間の過去最長クラスである。
また、シーズンを通して収穫した総量も過去最多であった事を思えば、最近の気温低下と劣化ばかりフォーカスされていた中でも、なかなか頑張れていた方ではなかろうか。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com


ちなみに今期のゴーヤーは、「新しいスペース」で育てている。
かつて以前に栽培していたスペースでもゴーヤーを植えていたのだけど、そちらでは全くと言ってよいほど育っておらず、果実も収穫ラインに満たないものばかりで早い段階から枯れてしまっていた。
勿論、肥料の量や内容も殆ど変わっていない。

昨年度も「以前のスペース」では成長率が低い傾向であったのに対し、試験的に栽培した新しいスペースでは一定量の収穫が出来ていた。
そして今期、さらにズラした新しい場所で試した結果が良好であった事から、薄々感じていた連作障害の疑いも確実なものとなってきた。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

いくら実生で世代を重ねられるほど生命力のあるゴーヤーと言えど、いわゆる作物として存在している以上は限度があるのだろう。
ネットで調べても「数年で連作障害が起きる」と解説されていたりするので、やはり少しでも兆候が顕れたら植える位置をズラすなどで工夫するほかないらしい。

いまのところ次期までは問題無いとみて同じスペースで継続する可能性が高いが、以前までのスペースでは別の作物に転作するかどうか思案中である。


何にせよ、これにて今期のゴーヤーは終了。
こんな時期まで有り難う、お疲れ様でした。



一方、まだ生存中のトマトについても状況は厳しいままである。
f:id:culrides:20211224141910j:plain

こちらも寒さに加え、前回までに広がったウドン粉病のせいか大部分の葉が枯れていて、先端側のあたりだけ青味が残されていている。
まだ相変わらず開花はしているし果実もポツリポツリ保持されてはいるが、現状の気温だと成熟までは難しそう。


実際、前々回まで最も期待していた中玉・大玉にあたる「普通のトマト」も、いつの間にか落果してしまった。
f:id:culrides:20211224142026j:plain

色味からして赤く成熟しかけていたのだろうが、これがもう少し保持されていれば収穫ラインまで達する事が出来たのにと、まいど落果するたびに悔しさを覚える。



そんな状況下、辛うじて大丈夫そうな果実も無い事は無いが、実質的には無いに等しい感じ。
f:id:culrides:20211224142044j:plain

上のトマトも本来なら2つ実っていたが、位置をズラすために整枝した際にポロリしてしまい1つだけに。
この気温低下によって、果実と果房を繋いでいる離層が剥がれやすくなっている様で、ほんの小さな衝撃でも落果してしまう。
これはつまり、もう果実への栄養供給は停止していて、あとは成熟し自然な落果を待つだけの状態なのだと考えられる。


さらに、この他に残された果実にしてもクオリティが低く、食用には適さなそうなものばかり。


あるものは極端に矮小化していたり。
f:id:culrides:20211224142251j:plain


また別のは病害虫にやられていたり。
f:id:culrides:20211224142308j:plain

当プロジェクトの菜園は「植物の持つ力を引き出す」のをコンセプトとして、基本的に世話は最低限の放置プレイで栽培している。
だが、それとて限界があるし、どれだけ強い種であろうと体力や免疫力が下がっては生育すること自体が難しくなってしまうので、時には適切な対策が必要となるのも事実。


例えば今夏では、再生ジャガイモに寄生したナスノミハムシ(ナストビハムシ)に木酢液を噴射したら、即刻いなくなった事があった。
その意味では、今回のトマトも施し方次第では、また経過が変わっていた可能性もある。
culrides.hatenablog.com

とは言え、そもそもが外的環境の影響をモロに受ける露地栽培だから、気候の変化など避けようもない状況や、妥協せざるを得ないシーンだって多くなるのは仕方ない。
既にこの時期だし、現状では最早手のうちようが無かったりするのだけど、もうちょい上手く出来んかなぁと思うし、そこでアイデアを巡らして解決策を閃く事もある。



その解決策とするには例外的な話になるが、実はトマトもゴーヤーと同じく連作障害の疑いがあったため、今期は新しいスペースで栽培している。

初年度は一定量が収穫出来ていたが、以降の近年は生育状況が安定せず、結実率が伸び悩んでいて貧果が続いていた。
それを解消するにあたり、今年は完全に位置をズラしたと言うわけ。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

その甲斐もあってか、先の9月~10月では過去最多の収量となっていた。
実際のところ、前回でも記した様に今期も成長率と結実率が不安定な傾向にあったのも確かだが、少なくともこの数年を凌ぐ成績にはなっている。
これがもし今までと同じスペースで栽培していたとしたら、今期ほどに収量が増える事も無かったかも知れない。

そう考えると、結果的に栽培スペースを変えて正解だったと言う事なのだろう。
こんな試行錯誤も、また家庭菜園の悩ましくも面白いとこだったりもする。



そんなこんなで今期も終わりつつありますが、まだ生きた枝葉はある訳ですし、果実も残されている限りは観察を続けて行きます。




おまけシリーズ。



近所で見つけた、はぐれミツバチ。
f:id:culrides:20211224142332j:plain

道端の壁の上にポツンと一匹だけヨロヨロな感じで留まっていたので、何となく指で掬って近くの花に乗せてやった図。


時々、なぜか単独で道端に落ちているミツバチを発見する。
一体何の用事でそこにいるのかは知るよしもないけど、色々と理由があったのだろう。

そろそろ冬眠も近いだろうに、普通なら木のウロなんかで密集して固まってていいはず。
早いところ安全な所で過ごしてくれればいいんだけどね。



さて、記事数は少なくなりましたが、これにて本年の更新は終了。
まいど当ブログにお付き合い下さり有り難うございました。

良いお年を。




では、また、CUL。

食べ蒔き2021年11月上旬・最終ゴーヤーwith単発トマト

9月初旬から10月上旬までの低温化により、ゴーヤーの変色は拡大し果実もサイズダウン。
culrides.hatenablog.com

全体を通して成長率が格段に下がり、菜園の周辺にも空間が出始めていたが、辛うじて纏まった数の収穫物を得られていた。



そこから暫く経って今回は11月へと突入。
この一ヶ月間で、さらに深まる季節と寒さの影響は如実に顕れていた。


まずは菜園の全景からして、一見すれば終了の様相。
前回までは青い葉が多く残されていたが、ほんの僅かな期間で枯れた箇所の方が大部分を占める様になってきた。
f:id:culrides:20211210122652j:plain


一応ゴーヤーの先端部だけは生きていて、ツボミや雌花がチラホラ出てきてはいる。
しかし、なかなか開花までは行かない様で、仮に着果したところで収穫までは期待出来ないだろう。
f:id:culrides:20211210122714j:plain


そんな中でも、10月から着果していた果実が数個だけ残されていた。
f:id:culrides:20211210122734j:plain

ただサイズとしては極小で、だいぶ色味も薄くなっている。
しかもヘタから伸びるツルまで枯れているので、ここまでが成長の限界点だったであろう事は明白だ。

しかしながら、この時期までツボミや果実が残されている期間、つまり生育限界は過去最長になろうかと言えるほど粘っている。
恐らくは、ここ最近の日中気温が平均的に安定していて、台風も無く荒天が少ないのが要因と考えられるが、実はこの生命力の強さこそゴーヤーの真骨頂だったりもする。



片や、トマトも粘りモード発揮中。
f:id:culrides:20211210122810j:plain


夏野菜のわりに寒さに強く、例年この時期までは普通に生育できるタフネスが頼もしい。
現時点までの果実は保持されているし、まだ開花も続いている。
f:id:culrides:20211210124621j:plain

もっとも、今から開花したとて結実率は極端に減るので、この時期の花は「咲いているだけ」の観賞用にとどまる。
まして果実を成熟まで持たせる事などほぼインポッシブルに近く、どれだけ結実率が高く暖冬であろうと、年末~年明けまでには大半が落果してしまうのが勿体ないところ。


これで日中の平均気温が高めに推移していれば、成熟に必要な「積算温度」まで達しやすくなるんだけど、その辺はもう天気に任せるほかないのが実状である。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com



さらに問題となるのが、早くもウドン粉病が発生している点である。
f:id:culrides:20211210134846j:plain

トマトの場合、例年なら寒さの深まりとともに免疫力が低下する事で発症するのだが、今期に関しては10月半ばの段階で発生しており、既に広範囲へ症状が出ている。

このままでは寒さとウドン粉病のダブルパンチで体力的を奪われるだろうし、今ある果実の成熟にも影響を及ぼしかねない。
さらに今期は、良い年に比べて枝葉の勢いが足りないし、着果する果実も数が少なかったり小さかったりとバラつきが多く安定感に欠けている。
故に、患部を剪定しても根本的な改善に繋がるかは分からないのが実状で、これといった対策が打てずにいる。


ともあれ、あまり期待は出来ないにせよ、昨年度は12月下旬に収穫された実績もあるので、今は推移を静観するだけなのであった。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com



で、この芳しくない状況下、ヤケクソ半分で収穫したのがコチラである。
f:id:culrides:20211210124734j:plain

もはや収穫する意味すら無さそうなミニマム感が泣かせる。
しかも、中央のゴーヤーにはキズが入っていて腐敗も始まっている。
唯一まともと言えるのはミニトマトくらいのものだが、盛期にくらべ色味は薄くなり、数も単発のみだ。

正直な話をすると、今回のゴーヤーに関しては保存中に腐らせてしまい、味は確認出来ずじまいである。
自分の管理ミスとは言え、食材は極力ムダにしないようにと書いていた手前でこれなのだから締まりがない。
もっと早く収穫して調理しておけば良かった…。


せめて状態だけは確認しておこうと中身を開くと、意外と立派なタネが入っていた。
f:id:culrides:20211210124812j:plain

果実の上部側には未発達なタネが詰まり、下部側には成熟したタネで分かれている所で、発達していった段階が推測できる。

この質感なら次期に蒔けば再び生えるものと思われるが、これほどの極小果実からでも採種された事は思わぬ発見であった。
こんな小さくとも次世代を残そうとする生存本能が逞しい。


ちなみにミニトマトは、この約一週間後に1個だけ追加した程度で、つい先々月ごろまで纏まって収穫されていたのがウソのようである。
f:id:culrides:20211210124828j:plain

量的に少なすぎて全てそのままポイッと口に放り込んで賞味したが、少し風味が薄く酸味が表に出ていた。
また、皮も盛期より硬く厚みが増している印象で、もしかすると寒さから果実を守る為に強度を上げていたのかも知れない。



かくして今シーズンも終盤戦をむかえ、あとはどれだけ粘れるかどうか。
そう言えば、この11月に入るあたりからパタリとハチや蝶の姿が無くなった。
つい先頃までは大量に飛び交っていたが、やはりこの気温低下には耐えられなくなったのだろう。
植物にも昆虫にも厳しいシーズンの訪れを感じる。

しかし、まだ生育している以上は観察を継続してみましょう。




では、また、CUL。

食べ蒔き2021年10月上旬・深まる気温低下にめげずミニマムゴーヤーを一挙収穫

前々回の9月上旬では、例年にない低温に晒された事で急激にゴーヤーの葉が黄色く変色。
culrides.hatenablog.com

それは前回の9月中旬から下旬にかけて全体へと拡がり、さらに夜間気温が低下するにつれて果実の成長率も一気に低下。
culrides.hatenablog.com

収穫量こそ過去イチに揃ったものの、日毎に小型化が著しくなっていた。



そこから10月上旬になると更に成長率が低下し、劣化が進むにつれヤグラの周囲にも空間が出始める。
f:id:culrides:20211202155834j:plain

ゴーヤーの先端部だけは青く新芽が伸びて開花もするが、もはや枯れたり変色した部分が大半を占める様に。



この気温低下に対応すべく、とりあえず9月の時点で根元を囲むように「雑草マルチ」を敷き詰めて保温力を確保し、少しでも体力を維持しようと試みていた。
f:id:culrides:20211202155920j:plain


これはかつて2018年の当プロジェクト一期生において、収穫後の夏バテで枯れかけたゴーヤーの根元に除草後の雑草を大量に敷き詰めたら、そこから回復して再び収穫まで行けた経験が元ネタである。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

しかし、これで全体をカバーできる訳ではないし、気温そのものが低い状況では応急措置にもならなかった印象。
もはやハウス栽培するくらいでないと、根本的に解決しようがないのであった。



そんな中でも、まだ果実はチラホラ残されている。
f:id:culrides:20211202160006j:plain

このゴーヤーは成熟しきって破裂しているが、これは現状の気温下でどれだけ大きくなれるか様子見していたから。
結果的に、やはり一定以上は大きくならず小さいまま黄色く熟していたので、それ以上の成長を期待して長く置く意味はなさそうである。



その一方、比較的低温に強いはずのトマトに関しても、熟した果実がポツンと1つだけ。
f:id:culrides:20211202160132j:plain

前々回、前回と纏めて収穫されたのと比べて、こちらも一気に結実率が低下している。
どうやら今期の低温化は、トマトでも影響が大きいのだろう。


過去の良い年であれば、今時期こそ適温の中であったし鈴なりに結実が確認されていた。
しかも、それで夏と晩秋・初冬の「二期作」が出来ていた事を思えば、やはり現状での結実率は低すぎると思わざるをえない。
culrides.hatenablog.com

culrides.hatenablog.com

これでもうチョイ平均気温が高めで推移すれば状況も好転しようものだが、なんにせよ今の環境では仕方ない事ではある。



さらに、前回では家庭菜園を始めて4年目にして始めて収穫された大玉ないし中玉にあたる、いわゆる「普通のトマト」も幾つか結実しているが、果たして成熟まで持つかは予断を許さない。
f:id:culrides:20211202160243j:plain

これでもし晩秋~初冬まで持たせる事が出来れば、「この時期でも収穫できる」と言う事例の一つになるだろうし、かつて同時期に失敗で終わった過去にもリベンジが果たせる。

せっかくここまで果実を保持しているのだから、ちゃんと熟すまで頑張ってほしいところ。



そんな最中ではあるが、辛うじて幾つかの収穫物をゲット。

ゴーヤーに関しては、前回までの時点でシーズン中の総数・総量ともに過去最高記録を更新しており、沢山植えまくっただけの効果が表れていた。
また、ミニトマトが単発で混じっているが、こちらに関しては未だ数量が安定しないのが課題だったりする。
f:id:culrides:20211202160308j:plain

しかしながら、ご覧の通りゴーヤーの矮小化は極まっていて、普通なら収穫せず観賞用として放置しているレベルだろう。
9月上旬と比較すれば、いかに成長率の低下が急であったかが伺い知れる。

特に、下部だけ膨らんでいて上部に行くほど萎んだ「下ぶくれゴーヤー」は、果皮の上下でデコボコの大きさが全然違うし、いかにも途中で成長が止まった感じだ。
これでもっと平均気温が高ければ、全体的にまとまった形状となってくれたのかも知れない。


ちなみに食味に関して言えば、これらマイクロゴーヤーでも問題なく食べる事が出来ている。
サイズが小さく旬も外れて味が薄まっている面は否めないが、それでも風味は感じられるし、充分にオカズになってくれていた。

なので、たとえ市場には出せない様な小ささであったとしても、数さえ纏まれば単品料理に足る量になるし、単発でも他の料理に混ぜ込んで使う事も可能だったりします。
また近年は「摘果ミカン」の果汁を使った調味料や、「摘果メロン」の漬け物など加工品にする動きがあるだけに、そういったアイデアを上手く取り入れてみるのもアリではないでしょうか。



はからずも規格外品の利活用について話が飛びましたが、いずれにせよ今までスルーしていた物が使える物だと判ったのは大きな収穫かも知れません。

季節も深まる中で、あとどれだけ行けるのか。
まだまだ粘って行きましょう。




おまけシリーズ。



10月中旬頃に入ったところで、予想外の出来事に遭遇。
前々回の9月上旬に収穫し損ねた、裂果したミニトマトを空のポリポットに入れたまま外に放置していたら、こぼれダネからいつの間にか発芽していた。
f:id:culrides:20211202160428j:plain

ただ、発芽したとしても「冬越ししていないタネ」では上手く成長しない事を確認済みなので、特に期待するほどの話ではなかったりする。
それでも、このタネには実生で再び生えるだけのエネルギーが備わっていたのは確かであり、どこか頼もしくもある。


なので、これを別のポリポットに土を入れてから移植し、苗として生育させてみる事にした。

まぁ、どう考えても時期的には無理があるけど、やれるだけやってみようかなと。
もしかしたら、そこから新たな発見があるかも知れないですからね。




では、また、CUL。